個人事業主の屋号変更は可能?必要な手続きの方法や提出する書類を解説

この記事でわかること
  • 個人事業主が屋号変更する方法
  • 新しくいい屋号をつけるコツと注意点
  • 変更後の手続きや変更を証明する方法

事業の発展にともない、「屋号を変えたい」と思う個人事業主は多くいます。屋号変更は珍しくなく、手続きも簡単です。

ただ、最初に申請したときの方法や業種により、必要な書類と提出先が異なるので、注意は必要です。

そこで、屋号変更の手続きをケース別に解説します。開業届だけで申請した場合、商標登録した場合など、個々の状況に合った方法がわかります。「手続きがよくわからない。大変そう…」と思っている方は、ぜひお読みください。

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【ケース別】個人事業主の屋号変更に必要な手続き

一度決めた屋号は途中から変更可能で、変更・抹消は自由です。変更回数の制限も特にありません。

屋号変更は好きなタイミングで行えます。ケース別の手続き方法を3つ紹介するので、自分に当てはまるものをチェックしてください。

開業届でしか申請していない場合は基本不要

屋号を開業届でしか申請していないなら、特別な手続きは不要です。そもそも税務署には、屋号専用の変更届は用意されていません。

屋号変更の証拠を残したい場合は、新たに開業届を提出します。確定申告書と添付する決算書に新屋号を書いてください。書類の画像の赤い丸で囲んだ箇所に記入するだけです。

引用元 : 個人事業の開業・廃業等届出書(提出用・控用)|国税庁

引用元 : 令和5年分の所得税等の確定申告書(案)|国税庁

引用元 : 令和5年分の所得税等の確定申告書(案)|国税庁

商号登記した場合は法務局で登記する

旧屋号を商号登記している場合、法務局で商号変更登記の手続きが必要です。屋号自体に法的拘束力はありませんが、法務局に登記すると同一所在地で同じ名称を使えなくなります。

自分で商号登記申請書を作成し、登記料を持って法務局に行きましょう。旧屋号印で印鑑登録しているなら、印鑑届出書の提出も必要になります。商号登記について詳しく知りたい人は、以下の記事をご覧ください。
個人事業主の登記

商標登録した場合は再申請する

屋号を商標登録している場合は、特許庁で新たに申請し直す必要があります。一度登録した商標は変更できないからです。一般的に旧屋号の商標権は、存続期間満了を待って消滅させるケースが多いとされます。

なお、似ている屋号は基本的に不認可となります。「◯◯事“業”所」を「◯◯事“務”所」に変更するなどです。ただ、同一商標権者に限り、類似の名称が認められる場合もあります。

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個人事業主が新しく屋号をつける際のコツと注意点

個人事業主が新しい屋号をつける際のコツと注意点を紹介します。読みやすく、事業内容がすぐわかるのがいい屋号です。

一方で、会社と間違える名称やネガティブな意味の言葉には要注意です。長く愛着が持てる屋号をつけられるよう、ネーミングのコツを押さえてください。

いい屋号をつけるコツ

声に出して発音しやすく、どんな仕事をするのかすぐイメージできる屋号をつけるのが基本です。いい屋号をつけるコツを4つ紹介します。

  • 読みやすさ・覚えやすさを重視する
  • 事業内容と関連づける
  • 個人名を屋号にするのも可
  • ゲン担ぎやジンクスを考慮する

読みやすく、外部の人が覚えやすいのがいい屋号です。屋号は取引先や顧客とのやりとりで使われるからです。読みやすい漢字や英単語を使えば記憶に残りやすく、取引がスムーズになるでしょう。

事業内容と関連付けるのもポイントです。デザイナーなら「〇〇デザイン」のような屋号だと、事業内容がわかりやすくなります。すでにネームバリューがある方は、個人名を屋号にするのもおすすめです。

なお、業界によっては、「こういう名前ならヒットする」とされるジンクスがあります。縁起のいい文字数・画数・音があれば入れてみましょう。

屋号変更の注意点

禁止されている言葉や権利の侵害につながる名称には要注意です。屋号変更時に気をつけるポイントを4つ紹介します。

  • 同じ屋号が登録されていないかチェック
  • 商標権・商号権を侵害しない
  • 会社と間違える名称・マイナスワードは使わない
  • 何度も変更しない

すでに存在している屋号と同じ名称は避けてください。商標登録済みの屋号だった場合、訴訟の恐れがあります。どうしても使いたい場合は、商標権者と協議して使用許可を得ましょう。

また、会社と誤認される屋号は会社法第7条で禁止されています。「株式会社〇〇」「〇〇会社」などです。ネガティブな意味がある単語やイメージ低下につながる言葉にも気をつけましょう。

また、何度も変更するのは好ましくありません。取引先や顧客に再度覚えてもらわなければならず、金融機関からの信用も得にくくなります。屋号のルールについて詳しく知りたい方は、以下の記事もご覧ください。
フリーランスの屋号ガイド|決め方やサンプル・ネーミング例

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屋号変更したあとの手続き・報告5つ

個人事業主が屋号変更したあとにすべき手続き・報告は5つあります。銀行口座の名義や納税地の変更手続きなどです。

クライアントへの報告や新しい表札づくりも欠かせません。もれなく行えば変更後のビジネスがスムーズになるので、しっかりと把握しましょう。

屋号つきの銀行口座の名義変更

屋号つきの銀行口座を持っている場合、名義変更の手続きが必要です。手続きに必要な持ち物は銀行により異なりますが、一般的には以下が求められます。

  • 本人確認書類(身分証明書)
  • 屋号変更を確認できる書類
  • 印鑑

屋号変更を確認できる書類は、開業届の控えや確定申告書の原本を用意するといいでしょう。

今までと異なる銀行で口座を開設する際、または新しく屋号名義の口座を作る際も同じ書類が必要です。開設予定の銀行のWebサイトを確認したり、窓口で問い合わせたりしてください。

屋号つき銀行口座を持つメリットについて詳しく知りたいときは、以下の記事も参考になります。
個人事業主が口座を分けないとどうなる?口座を分けるメリットや手続きも解説

屋号と一緒に納税地も変わる場合は確定申告書に記載

納税地(基本的には住所地)を変えたら、変更後初めて出す確定申告書に新しい納税地を書きます。具体的には、以下の場合に記載してください。

  • 引っ越しなどで納税地が変わった
  • 住所地から居所地(別の活動拠点)を納税地にした
  • 住所地・居所地に代えて事業所がある場所を納税地にした
  • 居所地・事業がある場所に代えて住所地を納税地にした

年の途中で納税地を変える場合は、「所得税・消費税の納税地の異動又は変更に関する申出書」も出すといいでしょう。提出先は新しい納税地の税務署で、時期はいつでも大丈夫です。税務署からの郵便物が早く新納税地に届くようになります。

引用元 : 所得税・消費税の納税地の異動又は変更に関する申出書|国税庁

小規模企業共済への連絡

小規模企業共済に入っている人は、屋号変更の報告をしてください。変更手続きは、「小規模企業共済契約に係る届出事項変更申出書」を提出すれば完了します。提出先は中小企業基盤整備機構です。

同書類は、中小企業基盤整備機構から「共済契約締結証書」と一緒に送られてきます。個人事業の屋号変更では、他に必要な書類はありません。

飲食店・建設業・旅館業はさらに申請が必要

飲食店・建設業・旅館業を営む人はさらに申請が必要です。必要な書類と提出先は以下を参照してください。

飲食店 市区町村に「営業許可申請事項変更届」を提出する。
建設業 許可を受けた行政庁に変更届を提出する。添付書類の項目「営業の沿革」には、変更した時期や名称を書く。
旅館業 都道府県庁などに「旅館業営業許可事項変更届」を提出する。


屋号変更日はメモしておき、いつでも確認できるようにしましょう。なお、書類の名称や提出時期は市区町村により異なる場合もあるので要注意です。

クライアントに屋号変更を報告する

屋号を変更したら、つき合いがある顧客や過去にお世話になった取引先に報告してください。報告がないと、距離を感じてしまう人もいるでしょう。依頼をためらったり、信頼関係が築けていないと誤解されたりするリスクがあります。

義務ではないものの、報告した方がビジネスパーソンとして好印象です。メールや文書の署名も忘れずに変更しましょう。

郵便局への住所変更届け出・移転先の屋号表示

郵便物が正しく配達されるよう、郵便局で転居・転送サービスを申し込むと安心です。住所変更があると、旧屋号宛の郵便物が移転先に届かなくなる恐れがあります。配達トラブルを回避するため、郵便局に転居届を提出しましょう。

移転先では新たに表札や看板を設け、住所に新しい屋号を掲載します。郵便物が確実に届くよう、細かい部分の住所表記にも気を配ってください。

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屋号を変更したと証明する方法2つ

屋号変更時の税務署での手続きは不要ですが、変えた証拠を残す方法はあります。開業届を再提出するか、「所得税・消費税の納税地の異動又は変更に関する申出書」を出しましょう。

「手続きを踏まないと気持ちがすっきりしない」と思う個人事業主は、どちらかの方法で変更を証明しましょう。

開業届を再提出する

屋号変更後に開業届を再提出する際、届出書のコピーに受領印を押してもらってください。屋号変更を税務署に報告した証明になります。

屋号は納税に関わる事務には影響しないので、本来税務署に伝える必要性は低いです。ただ、変更時の再提出を拒否されるわけでもありません。手続きが自分の気持ちを切り替えるきっかけになるなら、再提出するといいでしょう。

所得税・消費税の納税地の異動に関する申出書を出す

屋号の記入欄がある「所得税・消費税の納税地の異動又は変更に関する申出書」を税務署に出すのも手です。開業届と同じく、コピーに受領印をもらえば屋号変更の証明になります。

納税地が変わったときに出す書類なので、屋号変更だけなら本来提出の義務はありません。証拠を残すのが目的なら、「その他参考事項」欄に「××(旧屋号)から〇〇(新屋号)に変更」と書きましょう。

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個人事業主の屋号変更に関するよくある質問

個人事業主の屋号変更に関するよくある質問をまとめました。変更するメリット、屋号なしの人があとから申請できるかについて回答しています。

複数の事業で屋号を使い分けたい人向けに、確定申告書の扱いも解説します。屋号にまつわる疑問を解消できるよう、ぜひ最後までお読みください。

Q. 屋号を変えるメリットは?

以下が屋号を変える主なメリットです。

  • 現状の事業内容に合った名称になる
  • 商品名やサービス名を前面に押し出せる
  • アルファベットなら海外の人にも覚えやすい

事業を拡大したり自分のブランドが有名になったりしたら、変更した方がいい可能性があります

Q. 屋号なしの人はあとから申請してもいい?

個人事業主の屋号はあとからでも申請可能です。確定申告書の「屋号」欄に記入し、確定申告時に税務署に提出すれば手続きは完了です。屋号があると顧客や金融機関からの信用度が上がるので、できれば最初につけるのがおすすめです。

Q. 屋号を使い分ける際、確定申告書はどうなる?

屋号ありの事業を複数運営している場合でも、確定申告書は1部で大丈夫です。確定申告書のほか、以下の書類も事業所得を合算して1部ずつ提出してください。

  • 青色申告決算書
  • 収支内訳書

事業所得に関しては書類を分けなくていいと覚えておきましょう。

※本記事は2023年12月時点の情報を基に執筆しております。

最後に

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