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所得税・個人事業税・消費税・住民税の4種を徹底詳解
個人事業主が納める税金の種類|計算方法や税金総額のシミュレーションを紹介

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個人事業主やフリーランスになると、支払うべき税金を自分で計算して確定申告しなくてはなりません。しかし、個人事業主になったばかりの方の場合、税金についてよくわからないということも多いでしょう。税理士に一任することも可能ですが、自分でも税金についてある程度理解しておくと、事業の円滑な運用に役立ちます。

そこで今回は、納税義務のある個人事業主の税金の種類をご紹介。さらにモデルケースを使った具体的な税金総額や、知っておきたい税金対策についても詳しくご紹介します。

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この記事の監修
あおば会計事務所 共同代表
税理士 小池 康晴(こいけ やすはる)氏

SESや受託開発を行うIT関連の企業やフリーランス(個人事業主)の顧客を多く持ち、それぞれのニーズを重視した税務アドバイスとコンサルティングを行う。IT業界の税務や新しいサービスの動向などにも精通している。中小企業庁による認定経営革新等支援機関の認定済み。

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目次

個人事業主が納税義務のある税金の種類
年収500万円の個人事業主の税金総額
年収800万円の個人事業主の税金総額
個人事業主にできる税金対策
税金に関する制度を上手に利用

個人事業主が納税義務のある税金の種類

個人事業者が支払わなくてはならない主な税金は、以下の4つとなります。

  • 所得税
  • 個人事業税
  • 消費税
  • 住民税

これらは、事業をスタートしてある程度の収入を得たら必ず納税しなければならない税金です。それでは、1つずつ税金の詳細や計算方法、納税方法について見ていきましょう。

所得税

個人事業主にとっての所得税とは、基本的に事業所得に対してかかる税金です(雑所得でもかかることがあります)。

課税される税率は所得金額に応じて変化し、同時に、適用される控除額も変化します。国税(国に支払う税金)に分類され個人事業主が支払う税金としては最も大きな部分を占めます。個人事業主としてある程度の事業所得を得ている場合には、確定申告を通じて、毎年必ず申告・納税しなければならない税金です。 

計算方法

所得税の税率には「超過累進税率」が適用されています。所得が増えるにつれて、税率が高くなる仕組みです。所得金額に応じた税率や控除額は、以下の表の通りです。

所得税率(平成27年分以降の表)
課税対象となる所得の金額 税率 控除金額
195万円以下 5% 0円
195万円超〜330万円以下 10% 97,500円
330万円超〜695万円以下 20% 427,500円
695万円超〜900万円以下 23% 636,000円
900万円超〜1,800万円以下 33% 1,536,000円
1,800万円超〜4,000万円以下 40% 2,796,000円
4,000万円超 45% 4,796,000円

【所得税の計算式】
所得税 = 課税所得(収入-経費-所得控除-青色申告特別控除)× 税率-税額控除

【所得税の計算例】
*課税所得が600万円の場合 

6,000,000円× 税率0.20(20%) − 税額控除427,500円 = 所得税 772,500円

所得税は、1年分の所得と所得税額を計算するなどし確定申告書を完成させた上で、翌年の2月16日~3月15日の期間中に税務署へ提出します。所得税の支払い方法には、以下の4つがあります。

  • 税務署や銀行での窓口納付
  • 口座振替納付
  • インターネットバンキング納付
  • 専用サイトからのクレジットカード納付

個人事業税

個人事業税は、サラリーマンなどの給与所得者にはない、個人事業主ならではの税金です。地方税に区分されます。所得が290万円を上回る場合、上回った部分に税金がかかり、290万円までは非課税です。ただし、営業期間が1年未満の場合は、事業主控除の金額は月割額になりますので注意しましょう。

なお、個人事業税は全ての個人事業主が支払うものではなく、「法定業種」の事業を行う個人事業主にのみ納税義務があります(自治体によって差がある)。所得税、住民税とは異なり、経費に計上できる点も大きなポイントです。 

計算方法

個人事業税の法定業種は3種に区分されており、それぞれに税率が異なります。法定業種の区分と税率、該当する事業者は以下表の通りです。

個人事業税の法定業種と税率
事業区分 税率 該当業種数 該当業種例
第1種事業 5% 37業種 物品販売、製造、運送などを営む事業者
第2種事業 4% 3業種 畜産、水産、薪炭製造を営む事業者
第3種事業 5%
(*ただし、あんま・マッサージ、鍼灸業などは3%)
30業種 医業、弁護士などの士業、理美容業などを営む事業者

【個人事業税の計算式】
個人事業税 = 課税所得金額(前年の事業所得金額−各種控除※)× 該当する事業区分の税率 

※個人の事業税の事業専従者給与(控除)額・繰越控除(損失の繰越控除・被災事業用資産の損失の繰越控除・譲渡損失の控除と繰越控除)・事業主控除

【個人事業税の計算例】
*前年の事業所得金額が500万円で、第1種事業(税率5%)を営んでいるケース

(5,000,000円−事業主控除2,900,000円) × 0.05(5%)= 個人事業税105,000円

常駐型フリーランスと個人事業税

フリーランスの場合、個人が請負契約で仕事をしている場合は“請負業”と見なされ個人事業税の課税対象となります。

しかし、企業常駐型フリーランスのように準委任契約で仕事をしている場合は、指揮命令系統のルールのもとで作業を行うこと、労働時間単位で精算されること、成果物を要求されないことなど、極めて雇用されている場合に類似するため個人事業税は非課税となる場合が多いです。

納税方法

個人事業主は、例年3月15日までに前年中の事業の所得等を各都道府県の税事務所などに申告し、それに基づき送付されてくる納税通知書により、事業税を8月、11月の年2回納めます。個人事業税が30万円以下ならばコンビニでの納付も可能です。

ただし、所得税の確定申告や住民税申告の「事業税に関する事項」へ必要な記入を済ませて提出している場合には、個別に事業税の申告をする必要はありません。 

消費税

消費税は製品販売のみならず、サービスの提供などにおいても課税されます。そのため、個人事業主の売上には、消費者から預かった消費税が含まれているのです。「間接税」の区分になるので、納税者(消費者)の直接納付ではなく、事業者が納付します。消費税の中には、国税部分と地方税部分があります。

個人事業主の場合には「基準期間(課税期間の前々年)の課税売上高が1,000万円超となった場合」は課税事業者となり、消費税の納付義務が発生します。

また、基準期間の課税売上高が1000万円以下であっても「特定期間(前年の1月1日〜6月30日)の課税売上高が1,000万円超」かつ「従業員の給与等支払額(賞与や手当含む)も1000万円を超えた場合」も課税事業者となります。

特定期間におけるこの2つの条件判定はand条件で課税事業者かどうかを判定されるため、たとえば、全くの一人でやっている独身のフリーランスのように、従業員(青色申告事業専従者などを含む)がいない方は、前述した基準期間の課税売上高のみに注目すればよいことになります。

上記の条件に該当しない場合、もしくは開業1年目の方は納税義務が免除されます (免税事業者)。また開業1年目であれば、基準期間・特定期間にあたる期間が存在しないため、消費税の納税義務はありません。開業2年目の場合は基準期間の判定はありませんが、特定期間での判定はあるため、注意しましょう。

これらを整理すると以下のような図になります。

計算方法

消費税は令和元年9月30日まで8%で、同年10月1日より10%に引き上げられました。しかし10%となったのは標準税率で、飲食料品(酒類・外食は除外)もしくは定期購読契約に基づく週2回以上発行の新聞については軽減税率8%が適用されます。消費税の計算においては、提供するサービスによって税率を変える必要があるので注意しましょう。 

【消費税の計算式】
消費税の計算方法は国税と地方消費税によって異なります。国税の場合の計算方法は「一般課税(原則課税)」「簡易課税制度」の2つが存在し、どちらを選んでも問題ありません。

「一般課税(原則課税)」は、課税売上高の消費税から仕入で支払った消費税を差し引いたものです。一方「簡易課税制度」は、事業区分ごとに定められた「みなし仕入率」を利用する消費税の計算方法で、取引が多く、計算が煩雑な場合などに役立つ計算方法となっています。

・一般課税(原則課税)の計算式
消費税納付額=(課税売上高×10%もしくは8%)-(課税仕入高×10%もしくは8%)

・簡易課税制度の計算式 
消費税納付額=(課税売上高×10%もしくは8%)-(課税売上高×10%もしくは8%×みなし仕入率)

簡易課税方式の計算で利用するみなし仕入率は以下の表の通りです。 一般的なフリーランスのSEやWebデザイナーの方でいえばサービス業に該当し、みなし仕入れ率は50%になります。

簡易課税の事業区分の表
事業区分 みなし仕入率
第1種事業:卸売業 90%
第2種事業:小売業 80%
第3種事業:農林漁業、建築・製造業など 70%
第4種事業:飲食店業など 60%
第5種事業:サービス業 50%
第6種事業:不動産業 40%

なお、前述した通り、消費税は国税と地方消費税とに分かれていますが、地方消費税部分の計算は以下の通りです。計算中に出てくる「地方消費税率」は、令和元年10月1日より「22/78」、それ以前は「17/63」となります。

・地方消費税の計算式
地方消費税額 = 消費税額×地方消費税率

【消費税の計算例】
*課税売上高が20,000,000円(税率10%)で、課税仕入高が16,000,000円(税率10%)の消費税額を原則(一般課税)で計算する場合。

課税売上高20,000,000円 × 10%-課税仕入高16,000,000円 × 10% = 2,000,000円-1,600,000円 = 納めるべき消費税額400,000円

納税方法

消費税の課税対象者となった場合は、税務署へ「消費税課税事業者届出書」を提出し、消費税の申告・納付を行います。

個人事業主の方は所管の税務署で消費税額を申告し、翌年の1月1日~3月31日までに納付します。税務署もしくは金融機関などで納付することが可能です。 

また、前年の消費税額が48万円を超える場合は、翌年の年の途中に中間申告を行い、何回かに分けて消費税を収めます。

消費税の中間申告と納税
直前の課税期間の消費税額 中間申告回数 中間申告・納付の金額
48万円超〜400万円以下 年1度の申告 直前の課税期間の消費税額の1/2
400万円超〜4,800万円以下 年3度の申告 直前の課税期間の消費税額の1/4ずつ
4,800万円超 年11回の申告 直前の課税期間の消費税額の1/12ずつ

 

住民税

住民税とは、都道府県民税と市町村民税を合計した税金です。 確定申告のデータをもとに市区町村が計算し、納付書が届くので、自分で申告する必要はありません。サラリーマンなどの給与所得者の場合には、住民税が給与から天引きされますが、個人事業主は自分で納税する必要があります。

計算方法

住民税は、所得額に応じた課税の「所得割」と、定額負担である「均等割」の合計で計算されます。なお、均等割の内訳は、都道府県民税が1,500円、市区町村民税が3,500円です(平成26年度から令和5年度まで)。令和6年以降は都道府県民税が1,000円、市区町村民税が3,000円となります。

【住民税の計算式】
住民税 = 所得割 + 均等割

なお、上記「所得割」は以下の計算式で求めることができます。計算で使用される税率は、都道府県民税は4%、市区町村民税は6%(合計10%)が基本となります。

所得割 = 課税総所得金額(前年の総所得金額等-所得控除額)× 税率(都道府県民税4%、市区町村民税6%)-税額控除

【住民税の計算例】
*課税所得金額400万円の場合の住民税(税額控除は割愛)

・都道府県民税:161,500円
課税所得金額4,000,000円 × 0.04(4%)= 161,500円

・市区町村民税:243,500円
課税所得金額4,000,000円 × 0.06(6%)= 243,500円

納税方法

住民税は、市区町村から送付される「納税額の通知書」に従って納付します。年4回(6月、8月、10月、翌年1月、それぞれの末日)の分納となりますが、一括納付も可能です。住民税が30万円以下ならばコンビニ納付も選択できます。

関連記事 : フリーランス(個人事業主)の税金と計算方法

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年収500万円の個人事業主の税金総額

第1種事業(税率5%)を営む年収500万円の方が1年間に納める税金額(個人事業税、所得税、消費税、住民税の金額)は、おおよそ以下の通りです。なお、配偶者・扶養家族なし、青色申告で、課税所得(収入:500万円-経費-青色申告特別控除額-所得控除額)は300万円とします。

税金の種類 納税額 年収に対しての税金の割合
個人事業税 105,000円 3.5%
所得税 202,500円 6.75%
消費税 都道府県民税:120,000円
市区町村民税:180,000円
合計:300,000円 (税額控除は割愛)
10%
1年間に納める税金の総額(上記の合計) 607,500円 20.25%


関連記事 : フリーランスなら押さえておきたい!今さら聞けない「税金・保険・年金」のキホン

年収800万円の個人事業主の税金総額

第1種事業(税率5%)を営む年収800万円の方が1年間に納める税金(個人事業税、所得税、消費税、住民税の金額)は、おおよそ以下の通りです。なお、配偶者・扶養家族なし、青色申告で、課税所得(収入:800万円-経費-青色申告特別控除額-所得控除額)は450万円とします。

税金の種類 納税額 年収に対しての税金の割合
個人事業税 255,000円 約5.7%
所得税 472,500円 10.5%
消費税 都道府県民税:180,000円
市区町村民税:270,000円
合計:450,000円(税額控除は割愛)
10%
1年間に納める税金の総額(上記の合計) 1,177,500円 約26.2%


関連記事 : フリーランスの収入に占める税金の割合

個人事業主にできる税金対策

個人事業主は、適切で無理のない範囲内で節税対策を講じることが可能です。ここでは、すぐにできる個人事業主の税金対策として、以下の3つをご紹介します。

  • 青色申告のメリットを受ける
  • 控除について見直す
  • 少額減価償却資産の特例の活用

青色申告のメリットを受ける

個人事業主の確定申告には「青色申告」と「白色申告」の2種類が存在します。青色申告は白色申告よりも詳細に帳簿付けしなければなりませんが、税金対策に役立つ以下のようなメリットがあります。

青色申告特別控除が最大65万円

複式簿記で帳簿をつけ、青色申告を行った場合、最大で65万円の青色申告特別控除を受けることが可能です。なお、65万円の青色申告特別控除を受けるためには電子申告or電子帳簿の要件を満たす必要があり、従来どおりの紙での確定申告を行った場合は、65万円から55万円に減額となります。白色申告ではこうした節税効果はありません。

赤字の繰越が最長3年間 

青色申告の個人事業主であれば最長3年間、赤字を翌年以降に繰り越して所得から差し引くことができ、そのぶん課税額も少なくなります。 白色申告は赤字の繰越ができません。

家族への給与が経費となる

青色申告では事前の届出により、生計が同一の家族を「青色事業専従者」とすることができ、 支払われた給与を経費として計上することができます。 白色申告には「専従者控除」が存在しますが、経費計上されず、計上できる金額も限られます。 

なお、青色申告を希望する場合は、事前に所轄税務署へ「所得税の青色申告承認申請書」を提出しておく必要があるので注意してください。 

控除について見直す

各種控除は所得合計額から差し引くことができるため、該当するものがないか見直し、漏れのないようにしましょう。 所得控除は、以下の14種です。

  • 基礎控除
  • 雑損控除
  • 医療費控除
  • 社会保険料控除
  • 小規模企業共済等掛金控除
  • 生命保険料控除
  • 地震保険料控除
  • 寄附金控除
  • 障害者控除
  • 寡婦(寡夫)控除
  • 勤労学生控除
  • 配偶者控除
  • 配偶者特別控除
  • 扶養控除

少額減価償却資産の特例の活用

青色申告の承認を受けていれば 「少額減価償却資産の特例」が利用できます。30万円未満の減価償却資産を合計300万円以内の範囲で、使用・購入の年度内に経費として一括計上できるものです。少額減価償却資産の特例は必ず利用しなければならないわけではありませんが、多額の利益が出た年度の節税に利用する、などの活用方法が考えられます。 

関連記事 : 個人事業主が税金を考える上で欠かせない経費と控除の基本

税金に関する制度を上手に利用

個人事業主になってある程度以上の収入を得ると、個人事業税、所得税、消費税、住民税など、様々な税金を支払う必要があります。適切な収支バランスをキープするためにも、利用できる控除や制度を知っておき、余すことなく上手に利用することが大切です。

関連記事 : フリーランスが支払う税金――所得税と所得税率の基礎知識

最後に

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