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最終更新日:2024年3月15日

同一労働同一賃金とは

正社員と非正規社員の待遇差を解消するためのルール「同一労働同一賃金」は、大企業では2020年4月1日に施行され、中小企業では翌年2021年4月1日から施行されます。企業側は、正社員と非正規社員の間に待遇差がある場合、雇用形態に縛られず能力を評価できる環境になるよう整える必要があるでしょう。待遇差が合理的か判断する指標として、厚生労働省の提示したガイドラインが存在します。

そちらも参考にしながら、正社員・非正規社員双方が快く働ける会社になるよう対応していきましょう。本記事では、同一労働同一賃金施行のメリットや、施行後企業が行うべき対応について解説します。

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同一労働同一賃金とは?

「同一労働同一賃金」とは、非正規社員である「パート社員」「契約社員」「派遣社員」などについて、正社員と比べて不合理な待遇差が生じることを禁止するルールです。

たとえば正社員と業務内容が同じ非正規社員について、正社員と比較して差別的ともとれる賃金にすることは禁止されます。ただし、正社員と業務内容の異なる非正規社員については、待遇差が許される場合もあります。

目的

厚生労働省によると、「同一労働同一賃金の導入は、同一企業・団体におけるいわゆる正規雇用労働者(無期雇用フルタイム労働者) と非正規雇用労働者(有期雇用労働者、パートタイム労働者、派遣労働者)の間の不合理な待遇差の解消を目指すもの」とされています。

現在、日本では正社員と非正規社員の賃金の差が大きいことが問題視されています。厚生労働省の「平成30年賃金構造基本統計調査 結果の概況(雇用形態別)」を見ると、20代のうちは正社員・非正規社員の間にそれほど大きな賃金差はないものの、30代前半から徐々に差が開き始め、30代後半になると10万円以上の賃金差が生じていることが分かります。さらに年齢を重ねていくと、その差はますます大きくなっていきます。
 
正社員は昇給やボーナス、退職金など、基本給以外の賃金や手当が支給されるため、現状では、正社員の生涯収入は非正規社員を大きく上回ることになります。そのような正社員・非正規社員の待遇差の現状が一因となり、同一労働同一賃金が導入されたと考えられます。

いつから適用される?

同一労働同一賃金は、大企業では2020年4月1日に、すでに施行されました。中小企業の場合、翌年2021年4月1日より施行される予定です。企業は早急に雇用体制を整える必要があります。

ガイドライン

同一労働同一賃金のルールでは、正社員と非正規社員の間に待遇差があること自体が違法になるわけではなく、その差が不合理である場合問題になります。どのような待遇の差であれば合理的といえるのか、という範囲については厚生労働省が作成した「同一労働同一賃金ガイドライン」を参考にしましょう。

このガイドラインは、正社員と非正規社員との間に生じる待遇差のなかで、どのような待遇なら合理的なのか、どういった待遇の場合不合理とされるのかといった指標について、原則となる考え方・具体例を示したものです。基本給や昇給、ボーナスといった賃金だけでなく、教育制度や福利厚生などについても記載しています。

ガイドラインは、同一労働同一賃金施行に併せ、大企業では2020年4月1日に適用されました。ただし、中小企業での同一労働同一賃金の施行は2021年4月1日なので、ガイドラインもそれにともない適用されることになります。

参考:厚生労働省「同一労働同一賃金特集ページ」 
参考:厚生労働省「同一労働同一賃金ガイドライン」
参考:厚生労働省「平成30年賃金構造基本統計調査 結果の概況(雇用形態別)」

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同一労働同一賃金のメリット・デメリット

同一労働同一賃金の概要を確認したところで、次に施行のメリット・デメリットを見ていきましょう。

メリット

同一労働同一賃金導入のメリットは、問題視されてきた正社員・非正規社員間の待遇差が縮まり、非正規社員が納得して働けるようになるという点でしょう。また、正社員同様に昇給の対象となり、教育訓練の機会も与えられる可能性もあるので、非正規社員でもキャリアアップできる環境が提供できます。

非正規社員が納得できる賃金・待遇を受けられるようになれば、未就業者の労働意欲も高まり、多くの企業が直面する人材不足が改善される可能性も考えられます。

ただし、企業が非正規社員に正社員同等の待遇を設ける場合、非正規社員にも、正社員と同程度の責任を求める必要が出てくるので、その点は注意しましょう。

デメリット

同一労働同一賃金の導入は、非正規社員の賃金向上につながります。そのため、企業の人件費が大きくなることが予想されます。人件費増大を防ぐためには、社内業務のシステム化に努め、人力によらない作業を増やしていく取り組みが大切でしょう。

また、パート社員の方の中には、配偶者の扶養に入ることができる年収の範囲で働きたい人も多いのではないでしょうか。同一労働同一賃金施行で時給が上がると、扶養範囲内で働ける時間が減ってしまうことになります。そのため、パート社員の方が働けなくなることで、人手不足が起きてしまう恐れがあることも念頭に置いておきましょう。

関連記事 : 同一労働同一賃金で理解すべき基本給の3要素

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同一労働同一賃金施行後の対応について

もし現時点で正社員と非正規社員の間に待遇差があり、それが「同一労働同一賃金ガイドライン」で不合理だと判断された場合、企業は待遇差を見直す必要があるでしょう。同一労働同一資金施行後の企業の具体的な対応については、下記をご参考にしてください。

雇用状況を把握する

まずは、自社に法律の対象になる雇用形態(短時間労働者、有期雇用労働者)の従業員がどれくらいいるか具体的に把握します。次に、正社員に支給されている賃金のなかで、非正規社員に支給されていない賃金、計算方法・支給額が異なる賃金があるか確認します。

待遇差がある場合

賃金ごとに正社員・非正規社員の待遇差がある場合、待遇差を合理的に説明することが可能なのか確認し、合理的な説明が困難な場合は待遇差を解消する必要があります。

正社員と非正規社員の業務内容・役割の差を明確にできれば、待遇差を合理的に説明することも可能です。短時間労働者や有期雇用労働者と正社員では、働き方や役割が異なり、それに応じて賞与や手当を含む待遇に違いができることもあるでしょう。そうした待遇差が働き方や個々の役割に見合ったものであるなら、差が「合理的である」理由を明確にしておくことが大切です。そのため、なぜ待遇に差を設けているのか、改めて整理しておきましょう。

業務内容や責任度合いなどで説明がつかないほどの待遇差がある場合、賃金制度を見直す必要があります。正社員に支給されているものの、非正規社員には支給されていない賞与や手当がある場合、非正規社員への支給も検討しましょう。
また、 たとえば非正規社員の業務内容や責任の度合いを軽減することで正社員と区別したり、正社員と同等の業務をこなしている非正規社員を正社員登用したりと、賃金の見直し以外でも待遇差を無くすために取れる対策は多くあるので、ぜひ検討してみましょう。

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※本記事は2020年7月時点の情報を基に執筆しております。

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