個人事業主の契約書の書き方。屋号や署名の扱いは?テンプレートとともに解説

この記事でわかること
  • 個人事業主の業務委託契約書の書き方
  • 契約書の署名・屋号の書き方
  • 個人事業主が業務委託契約を結ぶ流れ

書き方に悩みがちな個人事業主の業務委託契約書。わからないからといい加減な書き方をするとトラブルのリスクが上がります。たとえば署名に屋号だけを書くのは正しくなく、契約の有効性がゆらぎます。

しかし、ポイントは決まっており、テンプレートもあります。そこで、数多くの個人事業主の契約書を作成してきたレバテックが、具体的なポイントや署名・屋号の書き方などを解説します。

トラブルを防止や信頼感の向上による契約の継続を目指せるので、ぜひ参考にしてください。

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目次

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契約書の書き方|個人事業主が注意すべき点

トラブルを防止や信頼関係のために個人事業主が結ぶ業務委託契約。不利な契約にならないように、業務委託契約書の書き方を知るべきです。個人事業主の業務委託契約書について、書き方の具体例やポイントを解説します。

厚生労働省では、ライター業務を例として、業務委託契約書の書き方を紹介しています。業務委託契約の必要性や注意点について、詳しくは以下の記事をご覧ください。
業務委託契約とは?委任契約・請負契約の違い、締結時の注意点なども解説

署名(屋号・名前・住所の書き方)

個人事業主の契約書の署名には、住所、屋号(ある場合)、氏名を書きます。契約書の署名は、当事者を特定できることが重要です。

なお、個人事業主の契約書での屋号の書き方は、「○○(屋号)こと○○(氏名)」です。屋号のみでは、当事者を特定できないため上記の屋号の書き方をします。

詳しくは、後述の「個人事業主の契約書|署名・屋号の書き方」を参考にしてください。

契約締結が決定した旨

業務委託契約書の冒頭には、契約締結した旨を記載します。具体的には、以下のように記載しましょう。

「委託者○○(以下「甲」という。)と受託者△△(以下「乙」という。)は、以下のとおり業務委託契約を締結する。」

業務委託内容・目的・範囲・納期

業務委託内容は、目的・範囲・納期を明確に決めて、具体的に記載します。以下は、ライター業を例にした書き方の例です。

項目 内容・書き方の例
委託内容 自社メディア○○における記事の執筆/
キャッチコピー1本(20字以内)・本文(28文字×20行560文字以内)
履行期限 令和5年12月15日

修正回数、打合せの回数など、トラブルになりそうなことは、事前に相談して契約書に書いておいた方が無難です。たとえば、ホームページ作成の場合、納品までか、その後の更新作業も含めるのかも明確にするべきです。

契約形態・期間・更新・解除

契約形態・期間・更新・解除の書き方の例は、以下のとおりです。

項目 内容・書き方の例
契約形態 請負契約・委任契約・準委任契約のどれか
契約期間 令和5年4月1日から令和6年3月31日までとする
契約更新 契約更新の有無・自動更新/契約更新時の条件
契約解除 本契約期間中であっても、契約の相手方が本契約に違反したときは、本契約を解除できる。


契約形態によって、報酬の支払い条件が異なるため、請負、委任、準委任契約のどれか、明確にして記載すべきです。

報酬の金額・支払方法・支払時期・経費

報酬の金額は、消費費税や源泉徴収税額などの税金の取り扱いをはっきりさせるべきです。支払時期は、月末締め・翌月払いが一般的です。振込手数料は、どちらが負担するのか決めておきます。

個人事業主の契約書の書き方の例は以下のとおりです。

項目 内容・書き方の例
報酬金額 請負金額110万円、税抜価格100万円/
源泉徴収税¥○○を報酬振り込み時に差し引く
支払方法・時期 毎月末日までに提出受けた請求書に関し、
各月分の報酬額を翌月末までに指定の銀行口座に振り込む/振込手数料は、甲の負担とする
経費 本業務遂行に伴って発生する必要費は、甲が負担する/ただし、乙は甲に対し事前に内容を通知し承諾を得るものとする

著作権・知的財産の所在

成果物の著作権・知的財産の帰属などについてもトラブル防止のために記載します。特にフリーライターやフリーイラストレーター、フリーランス作曲家などは、著作権の帰属を明確にしておくべきです。

項目 内容・書き方の例
著作権 本件業務の成果物に関する著作権等の知的財産権については乙に帰属する


著作権がクライアントのものになると、個人事業主は同じ作品を他の目的に使用できません。クライアントとよく話し合ったうえで、明記しましょう。

秘密保持条項

秘密保持契約はNDAとも呼ばれ、業務で知り得た情報を公表せず、秘密を守るための契約です。契約の内容が多い場合は、業務委託契約書と別に秘密保持契約書を結びます。

以下は、業務委託契約書とは別に秘密保持契約書を結んだ場合の契約書への書き方です。

項目 内容・書き方の例
秘密保持 本契約の定めのほか、別途締結する秘密保持契約の定めを遵守しなければならない。

再委託は可能か

再委託とは、委託業務の全部または一部を外注や下請けに委託することです。再委託は、効率的に業務を進められる一方で、委託内容が食い違ってトラブルになるケースもあります。

再委託できる場合、事前承認型と中止請求型といった2つの方法があります。

事前承諾型 委託者に事前に承諾を得てからであれば
再委託してもよいとする。
中止請求型 委託者は受託者に再委託のことはまかせる。
しかし、中止させたいときは中止させられる。

着手金・キャンセル料

業界にもよりますが、個人事業主は着手金として案件開始前に報酬の一部を受け取ります。個人事業主は全額受け取れない心配がなくなり、クライアントも成果物を求めやすくなります

項目 内容・書き方の例
着手金 報酬の〇%と設定する/入金確認後すぐに業務を始めることを明記
キャンセル料 クライアント都合で案件が途中キャンセル
になったら着手金は返金しないと宣言する

案件のキャンセルについて、詳しくは以下をご覧ください。
案件が突然キャンセルに!フリーランスは何をすれば良いか

損害賠償の責任

損害賠償の項目は、契約違反で損害を与えた場合の賠償義務を記載します。著作権の侵害や秘密保持規約違反などで、損害賠償請求につながりがちです。

リスク回避のために、損害賠償の責任の範囲やその期間、補償金額の制限などを明示すべきです。

項目 内容・書き方の例
損害賠償条項 甲が本契約の目的に反する行為により乙に損害を与えた場合、甲はその損害を賠償する。/
本契約に違反した場合、甲は事由の如何を問わず、違約金として金〇円の支払い義務を負う。

禁止事項

禁止事項には、委託者が受託者に対し、業務を行う際に禁止する事柄を記載します。契約内容に合わせて、禁止事項を決めます。以下は、一般的な禁止事項の例です。

項目 内容・書き方の例
禁止事項 本契約の定めに違反する行為又はそのおそれのある行為/
法令の定めに違反する行為又はそのおそれのある行為/
公序良俗に反する内容の情報、文書及び図形等を他人に公開する行為

その他・書いておくと良い項目

以下は、その他に書くべき項目です。競業避止は、禁止事項に盛り込む場合もあります。

項目 内容・書き方の例
管轄裁判所の定め(専属的合意管轄裁判所) 訴訟を管轄する裁判所を合意により指定する。
競業避止 競合する企業や組織に所属する、自ら会社を設立する行為を禁ずる義務。
反社会勢力の排除 反社会的勢力ではないことや、暴力的な要求行為などをしないことなどを、相互に示し保証する条項。

管轄裁判所を定めれば、紛争に関する手間やコストを抑えられ、委託者側にメリットがあります。

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個人事業主の契約書の「署名・屋号」の書き方

屋号がある個人事業主は、契約書の署名欄に住所と屋号・氏名を書きます。業務委託契約の署名は、当事者を特定できるように記載すべきです。それぞれの書き方を具体的に解説します。

業務委託契約書の署名の書き方

個人事業主の署名には、以下の3つを記載します。

  • 屋号・ペンネーム・雅号・変名、芸名など
  • 代表の肩書き
  • 個人の氏名

以下は、山田事務所という屋号の個人事業主で、代表者の氏名が山田太郎さんの場合の書き方です。

  • 所在地:〇〇県〇〇市〇〇町◯-◯-◯
  • 名称・氏名:山田事務所こと山田太郎 代表 山田一郎 ㊞

署名は「屋号こと氏名」と記載する

屋号がある個人事業主の署名では「屋号こと氏名」と書きましょう。屋号単体では、当事者を特定できず、個人事業主の契約書として機能しません。

商号登記をしていない個人事業主の屋号は一般公開されていないため、第三者が確認できるものがありません。「◯◯(屋号)こと◯◯(氏名)」表記で、当事者を特定できるように記載します。住所や押印も、忘れずに記載しましょう。

重要な契約は個人の実印を押印

重要な契約の場合、より確実に契約書が証拠となるように、クライアントから実印を求められる可能性もあります。印鑑登録証明書を提出すれば、押印が実印によるものだと証明できます。

印鑑登録証明書は、「3カ月以内に発行したもの」などと指定されるので、必要になってから発行すれば良いでしょう。

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個人事業主の契約書のおすすめテンプレート

業務委託契約書のテンプレートを公開している、おすすめのサイトを紹介します。業種や業務委託契約の内容にあわせて、様々なテンプレートがダウンロードできます。

テンプレートを使えば手間や時間を省けるので、ぜひ参考にしてください。

ビズオーシャン

ビズオーシャンでは、個人事業主向けの業務委託契約書の書式テンプレート・フォーマットがダウンロードできます。システム開発やホームページ制作など、委託内容に合わせてテンプレートを探してみましょう。

テンプレートによって、無料と有料のものがあります。有料のテンプレートは、内容やサンプル画像をよく確認してから、ダウンロードすべきです。

テンプレートBANK

テンプレートBANKは、無料会員登録で業務委託契約書のテンプレートをダウンロードできます。サイト制作、インフルエンサー、原稿執筆など、委託内容に合わせてテンプレートを探してみましょう。

ファイル形式はWordで、電子契約に対応したテンプレートもあります。

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個人事業主の業務委託契約の締結・書き方の流れ

以下は、個人事業主が業務委託契約を結ぶ流れです。不利益な契約を結ばないために、業務委託契約の流れを事前に確認しておきましょう。

  • ①契約内容の取り決め・話し合い
  • ②取り決めをもとに契約書を作成
  • ③委託側の企業に契約書の内容を確認してもらう
  • ④業務委託契約書の製本

業務委託契約で取り決める内容や注意点を解説します。

①契約内容の取り決め・話し合い

業務委託契約を結ぶ際には、委託者と受託者で契約内容について話し合い、取り決めます。以下は、一般的に業務委託契約書に記載する項目の例です。

  • 契約の目的
  • 業務委託内容・範囲・納期
  • 契約形態・期間・更新・解除
  • 報酬の金額・支払方法・支払時期・経費
  • 著作権・知的財産の所在
  • 秘密保持条項について
  • 再委託は可能か
  • 着手金・キャンセル料
  • 損害賠償の責任
  • 禁止事項

トラブルを防ぐために、疑問点や不安に感じたことは、クライアントと相談して明確にすべきです。

②取り決めをもとに契約書を作成

契約書の作成は、委託者、受託者どちらでも構いません。基本的には取り決めた内容をもとに作成しますが、業務委託契約書は作成した側が有利な内容になりがちです。

手間や時間はかかりますが、不利益な契約にならないように、個人事業主が作成しても良いでしょう。また、クライアントと良い関係を築くには、お互いにWin-Winの関係を大事に、バランスの取れた内容で作成すべきです。

③委託者側の企業に契約書の内容を確認してもらう

業務委託契約書を作成したら、内容に間違いがないか確認します。PCなどの画面上で確認すると、見落としが多くなりがちです。必ず、印刷した紙面上で確認しましょう。

受託者の個人事業主が作成した場合は、委託者に契約書の内容を必ず確認してもらいましょう。修正が求められた場合は、再度双方で話し合いを行い契約内容を決定、その後修正します。

④業務委託契約書の製本

業務委託契約書が完成したら、製本します。契約書は同じものを2通作成し、委託者と受託者ともに1通ずつ保管しましょう

保管する前に、差し替えを防ぐために割印を押しておきます。また、1通のみ収入印紙が必要です。印紙の金額は、国税庁の「印紙税額一覧表」を確認できます。

業務委託契約書に関して、詳しくは以下をご覧ください。
個人事業主の契約ガイド|業務委託契約のチェックポイントと注意点

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個人事業主の業務委託契約メリット2つ

個人事業主は業務委託契約を結ぶと、トラブルを防止でき、信頼感が向上するメリットがあります。業務委託契約は、口頭での約束ではなく、契約書に残すべきです。各メリットを具体的に解説していきます。

トラブルを防止できる

業務委託契約を結べば、後々のトラブルを防止できます。個人事業主は、原則として労働基準法といった労働者保護の恩恵を受けられません。

業務委託契約を結ばないと、約束した報酬が受けられない、途中で契約をきられるといったトラブルが起きるケースもあります。口頭の約束ではなく、しっかり契約内容を確認したうえで契約書に残すことが大事です。

トラブル防止だけでなく、委託者と受託者がお互いに損しない内容で契約書を作成することが望ましいです。

信頼感が向上する

業務委託契約を結べば、クライアントからの信頼感が向上するでしょう。契約書を交わすこと自体が、しっかりとした法令遵守の意識があるとアピールできるからです。

クライアントからの信頼感が向上すれば、案件の継続や新たな案件の獲得にも繋がるでしょう。

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書き方を気にせず早く安全に契約する方法

フリーランスエージェントを利用すれば、契約書の書き方を気にせずに、早く安全に契約を結べます

フリーランスエージェントは、個人事業主とクライアントの間で、契約内容の取り決めや交渉、契約書作成をしている企業です。契約内容の話し合いや交渉、契約書の作成などの手間を大幅に削れます。

レバテックフリーランスは登録者数No.1のエージェントです。交渉が苦手、契約書の作成が不安だと感じる人は、活用を検討してみてください。

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個人事業主の契約書の書き方に関する質問

個人事業主の契約書の書き方に関する質問に答えます。個人事業主が悩みがちな屋号の書き方や、注意すべき点について参考にしてください。

Q. 個人事業主の契約書で屋号の書き方はありますか?

個人事業主が署名する際、一般的には、住所、屋号、代表の肩書き、氏名を記載して、押印します。屋号は、「◯◯(屋号)こと◯◯(氏名)」の表記で、当事者を特定できるように記載すべきです。

Q. 個人事業主の契約書の書き方で注意すべき点はありますか?

個人事業主の契約書では、署名の書き方に注意すべきです。屋号がある場合は、「屋号こと氏名」の表記で、当事者を特定できるように記載します。また、報酬額は、消費税や源泉徴収税額など税金に関する取り扱いも明確にして、書き忘れがないか注意すべきです。

Q. 個人事業主に業務委託契約書は必要ですか?

後々のトラブルを防止や不利益を被らないように、業務委託契約書は作成すべきです。個人事業主は、原則として労働基準法をはじめとした、労働者保護の法律の恩恵は受けられません。業務委託契約を結ばないと、トラブルが起きがちです。

※本記事は2023年11月時点の情報を基に執筆しております。

最後に

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