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印紙税の役割や課税文書の定義から業務委託契約書作成と締結の流れ等についても解説
業務委託契約書の印紙について

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業務委託契約書を締結するには、収入印紙の貼付が必要になることがほとんどです。しかし、収入印紙は契約内容によって不要な場合もあり、もし貼付が必要な場合であれば契約書の種類によって金額が異なってくるため判断が難しいです。そこで、本記事では初めて業務委託を請ける方のために、業務委託契約書に必要な「印紙」の基礎知識について解説していきます。ぜひ参考にしてください。

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この記事の監修
あおば会計事務所 共同代表
税理士 小池 康晴(こいけ やすはる)氏

SESや受託開発を行うIT関連の企業やフリーランス(個人事業主)の顧客を多く持ち、それぞれのニーズを重視した税務アドバイスとコンサルティングを行う。IT業界の税務や新しいサービスの動向などにも精通している。中小企業による認定経営革新等支援機関の認定済み。
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目次

印紙税の役割と課税文書の定義
業務委託契約書に貼付する収入印紙の金額
業務委託契約書作成と締結の流れ
業務委託契約書に印紙が不要なケース
必要なのに印紙を貼らなかったらどうなるか
業務委託契約書”の印紙代はどちらが負担?

印紙税の役割と課税文書の定義

印紙税とは一定額以上の契約書や領収書、為替・約束手形などを発行する場合に、書面の作成者に課せられる流通税を指します。

例えば不動産の譲渡や約束手形のほか、業務委託契約書など、特に重要な書類に関しては、その信頼性を高める意味で収入印紙の貼付が義務付けられています。書面作成者は金額に応じて規定の収入印紙を貼付し、割り印を押すことで印紙税の納税義務を果たしたことになります。

収入印紙は財務省によって発行され、国庫収入に充てられる証票です。実際の書類に記載された金額が1万円以下であれば非課税ですが、1万円を超える場合はその金額が上がるごとに、比例的に印紙税額も上昇します。

印紙税は、印紙税法で定められた「課税文書」と呼ばれるものに対して課せられます。課税文書は第1号文書から第20号文書までに分類されており、国税庁のホームページで確認することが可能です。

課税文書の定義

  • 国税庁が開示する印紙税法別表第一において、課税対象となる文書であることが記載されている場合
  • 契約を取り交わす両者が、課税に関わる証明書として作成した文書である場合
  • 書面に記載された取引金額が1万円以下の非課税文書でない場合

書面ごとに印紙税の金額が異なるほか、国税庁によって定期的に税率が見直される場合もあるため、その都度税率の確認が必要です。万一、収入印紙の貼付義務を怠った場合や規定の方法で割印を行わなかった場合は、「過怠税」と呼ばれる追徴税が発生しますので、十分に注意しましょう。

関連記事 : 収入印紙とは?印紙税と印紙に関する基礎知識を解説

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業務委託契約書に貼付する収入印紙の金額

企業がコスト削減や作業の効率化を図るため、業務の一部または全部を外注することを業務委託と呼びます。その際に取り交わされるのが業務委託契約書です。

業務委託契約は大きく分けて「請負契約」と「委任契約」の二種類に分類されることが多く、いずれも書式によっては書面に印紙を貼付する必要があります。契約書に貼付する収入印紙の金額は印紙税法で定められた基準に従いましょう。

印紙税率

書面に記載された金額が1万円以下の場合は非課税ですが、100万円以下は200円、200万円以下は400円など、契約金額に応じて印紙税も段階的に上昇します。

請負契約

請負契約とは、請け負った作業を完遂する義務のある契約で、契約書の記載額に応じて200円から60万円までの印紙税が必要です。業務委託契約の場合は、請負に関する契約をまとめた「2号文書」および、継続的取引の基本となる契約をまとめた「7号文書」と呼ばれるものが多数を占めています。

第2号文書

契約金額の記載がない場合や契約期間が3ヶ月以内で、更新に関する取り決めがない場合は200円の印紙を貼付します。

第7号文書

契約期間が3ヶ月以上の場合は継続的取引と見なされ、一律で4000円分の収入印紙が必要です。

委任契約

委任契約には完遂義務はありませんが、責任感を持って一定レベル以上の成果をあげることは大変重要です。委任契約に関しては、基本的に収入印紙の貼付義務はありません。

収入印紙の支払い義務は書面の作成者にありますが、受託側と委託側の双方で契約書を保管する場合は契約書が2部必要となるため、収入印紙にかかる費用を折半することが多いようです。企業によって慣習やルールがある場合には、そのルールに従うと良いでしょう。

印紙税は国税ですが、収入印紙の支払い義務者については国税庁で決定されていないため、事前に確認・調整しておく必要があります。 過怠税の発生を防ぐ上でも、必ず事業者の管轄する税務署で最終確認することをお勧めします。

関連記事 : 業務委託の契約書の書き方について

業務委託契約書作成と締結の流れ

業務委託契約書は、双方が事前に内容をよく理解し、納得した上で取り交わすことが大切です。契約後のトラブルを防ぐためにも、一連の流れを踏まえておきましょう。ここでは、業務委託契約を締結する際の一例についてご説明します。

業務委託契約書の草案作成

業務委託は、基本的に委託側と受託側の二者関係で成立します。委託側は受託側に対して求める作業内容を正確に伝え、受託側は自身が引き受ける作業内容を十分に理解しなければなりません。受託者に支払われる報酬や作業に必要な期間、受託側が委託側に報告すべきポイントなど、多数の項目をひとつずつ丁寧に確認することも必要です。また、作業中にかかる費用負担や完了後のシステムの著作権、トラブル対応や契約解除条件などについても綿密に話し合うことをお勧めします。

契約書の内容確認および修正

受託側・委託側の話し合いを元に作成された業務委託契約書に不備がある場合や、両者のいずれかに納得できない部分がある場合は、契約前にきちんと修正や折衝を行います。委託側と受託側は対等な関係にあるべきです。すべての項目について見落としがないよう十分に注意しましょう。

契約の締結

契約書の内容について委託者と受託者が確認・納得した上で、いよいよ契約を締結します。たいていの場合、業務委託契約書は2通作成され、双方それぞれが保管します。

収入印紙の貼付と割り印

契約書の内容に応じた金額の収入印紙を貼付し、最後に割印を押して契約完了となります。契約書が複数枚にのぼる場合はページのつなぎ目部分に割印を行い、契約書の複製や差し替えができないようにするのが通例です。

業務委託契約では、相互の信頼関係が極めて重要です。
案件を受託した場合は、契約書に従い、誠実かつ責任感を持って作業を遂行しましょう。

関連記事 : 個人事業主が業務委託契約を結ぶ際の注意点

業務委託契約書に印紙が不要なケース

業務委託契約書の中には、印紙が不要なケースがあります。その条件については、印紙税法や各法令で定められており、次の2つに分類されます。

  • 非課税文書 : 印紙が必要な「課税文書」の中で一定の条件に当てはまる文書
  • 不課税文書 : そもそも「課税文書」に該当しない文書全般

非課税文書

非課税文書とは、課税文書(印紙税法別表第一に掲げられている20種類の文書)のうち、印紙税を課さないものとして次のいずれかに該当する文書を指します。

  • 課税物件表の非課税物件の欄に掲げる文書
  • 国、地方公共団体又は印紙税法別表第二に掲げる者が作成した文書
  • 印紙税法別表第三の上欄に掲げる文書で、同表の下欄に掲げる者が作成した文書
  • 特別な法律により非課税とされる文書

引用:印紙税の手引き 

例えば、

  • 営業に関係しない受取書
  • 契約金が1万円以下の請負契約書
  • 日本政策金融公庫が作成する文書
  • 健康保険や労災に関する書類

など、上記にある条件に当てはまらない文書・書類には印紙を貼る必要はありません。

不課税文書

不課税文書とは、課税文書(印紙税法別表第一に掲げられている20種類の文書)のいずれにも該当しない文書のことです。

例えば、

  • 秘密保持契約書(NDA)
  • 情報提供契約書
  • 委任状

などが不課税文書となります。

ただ同じ売買契約でも契約の目的や形態によっては、課税文書になったり不課税文書になったりするため、非常に判断が難しいという側面もあります。例を挙げて説明すると、通常「準委任契約」にあたる場合は印紙は貼らなくてもOKです。ただし、契約内容の中に「請負契約」にあたる条項が盛り込まれている場合、課税文書に該当するので、印紙が必要になる場合もあります。

曖昧なままにしておくと後でトラブルの原因になってしまうこともあるので、心配な部分があるときは税理士などの専門家や税務署に相談することをおすすめします。

関連記事 :  収入印紙はコンビニで買えるか

必要なのに印紙を貼らなかったらどうなるか

印紙を貼り忘れたとしても契約には特に影響はありませんが、ペナルティーとして過怠税を徴収されることになります。その結果、印紙税額よりも多く納付することになるので注意しましょう。過怠税は経費として計上することもできず、純粋にマイナスとなります。ただ、過怠税の金額は自分から忘れていたことを申告するかしないかによって、大きく差が出ます。

  • 必要な印紙を貼らなかった場合…正規の印紙税額の3倍に相当する金額
  • 税務調査の前に自主申告した場合…正規の印紙税額の1.1倍に相当する金額

もちろん、印紙の貼り忘れがないことが大切ですが、もし貼り忘れに気が付いたらすぐに適正な状態しておきましょう。

参考 : 国税局 印紙税 No.7131 印紙税を納めなかったとき 

逆に「貼らなくていい文書に貼ってしまった!」「貼った書類を汚して差し替えになった!」という経験がある人もいるでしょう。間違って貼った場合は、文書を作成した日から5年以内に「印紙税過誤納確認申請書」を納税地の税務署に提出することで還付してもらえます。

また、書類が汚れてしまった場合でも、収入印紙がきれいな状態であれば郵便局にて手数料5円で交換することができます。

参考 : 国税局 印紙税 No.7130 誤って納付した印紙税の還付 

関連記事 : 税務調査が来てしまう!税理士が見たフリーランスの惜しい確定申告ミスTOP3

業務委託契約書”の印紙代はどちらが負担?

印紙税法の規定によると、「どちらが印紙代を負担するのか」については以下のように記してあります。

一の課税文書を2以上の者が共同して作成した場合には、当該2以上の者は、その課税文書について、連帯して印紙税を納める義務があります(法第3条第2項)。

引用 : 国税庁 印紙税 課税文書の作成時期及び作成者

つまり発注者と受注者、どちらにも連帯して支払う義務が生じるということです。

ただし、「印紙税法基本通達」では以下のようにも記してあります。

第47条 一の課税文書を2以上の者が共同作成した場合における印紙税の納税義務は、当該文書の印紙税の全額について共同作成者全員に対してそれぞれ各別に成立するのであるが、そのうちの1人が納税義務を履行すれば当該2以上の者全員の納税義務が消滅するのであるから留意する。

引用 : 国税庁 印紙税法基本通達 

まとめると、「どちらかが全額負担しても法律上は差し支えない。」ということなので、契約書にどちらかが全額負担する旨が盛り込まれていても、印紙税法上は問題ありません。ただ、一般的な業務委託契約書は独占禁止法の規制対象になります。

また、その契約内容によっては下請法の規制対象にもなるので、印紙代を全額請求する旨が契約書に盛り込まれた場合は「不当な経済上の利益提供の要請」にあたり、企業側が罰せられる可能性があります。

関連記事 : 業務委託契約がすぐわかる!フリーランスにとってのメリットから契約

最後に

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