VBA資格のガイド|独学の難易度や合格率、意味ないとされる理由

VBAの資格は、VBAエキスパートのみで、4種類の試験があります(2024年1月時点)。「取っても意味ない」とされがちですが、職種によっては需要が高く、業務に活かせる資格です。

そこで、VBAエキスパートの種類やどう役に立つかを解説します。独学での難易度や合格率も紹介するので、自分が受験すべき試験がわかります。Excelスキルで差をつけたい方は、本記事を読んで資格取得を検討してください。

目次

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VBA資格の種類は現状「VBAエキスパート」だけ

VBA資格は現状、オデッセイコミュニケーションズ社の「VBAエキスパート」だけです。VBAエキスパートは4種類に分かれており、好きなものを選んで受験できます。

種類は少なく、自分のレベルに合うものがすぐ見つかるはずです。各資格の試験内容や受験資格を紹介していくので、参考にしてください。

Excel VBAベーシック

Excel VBAベーシックは、VBAの基本文法やマクロの読解力・記述力を測る資格です。なお、マクロとは操作手順を先に設定し、必要に応じて自動化する機能です。ExcelをはじめとしたOfficeソフトのマクロは、VBAで作成します。

同資格の試験範囲は、VBAの概念からマクロの実行です。受験資格はありませんが、再受験にはルールがあります。2回目までは制限なしですが、3回目以降は前回試験から7日間は受験できません。

運営 株式会社オデッセイコミュニケーションズ
試験日 試験会場により異なる
受験料 一般:13,200円(税込)/割引制度適用:11,880円(税込)
受験資格 なし/※再受験ルールあり
試験形式 CBT方式/選択式/ドロップダウンリスト式/穴埋め記述式
合格基準 1,000点満点中700点以上

Excel VBAスタンダード

ベーシックより難しいマクロの読解力・記述力を測るのがExcel VBAスタンダードです。以下のような内容が出題されます。

  • 配列
  • 並べ替え
  • エラー対策
  • 検索とオートフィルター

スタンダード試験には、ベーシックの内容をより深めた問題もあります。先にベーシックに合格しておけば、理解がスムーズでしょう。

運営 株式会社オデッセイコミュニケーションズ
試験日 試験会場により異なる
受験料 一般:14,850円(税込)/割引制度適用:13,420円(税込)
受験資格 なし/※再受験ルールあり
試験形式 CBT方式/選択式/ドロップダウンリスト式/穴埋め記述式
合格基準 1,000点満点中700点以上

Access VBAベーシック

Access VBAベーシックではVBAの基本文法に加え、データベースやSQLの知識も測ります。SQLは、データおよびデータベースを制御する言語です。Accessはデータベースを作成・管理するソフトなので、VBA・SQLどちらのスキルも問われます。

合格するにはVisual Basic Editor(編集画面)の活用スキルも必要です。基本操作のほか、デバッグやエラーの対処方法も押さえましょう。

運営 株式会社オデッセイコミュニケーションズ
試験日 試験会場により異なる
受験料 一般:13,200円(税込)/割引制度適用:11,880円(税込)
受験資格 なし/※再受験ルールあり
試験形式 CBT方式/選択式/ドロップダウンリスト式/穴埋め記述式
合格基準 1,000点満点中700点以上

Access VBAスタンダード

Access VBAスタンダードは、ベーシックより複雑なプログラムの読解力・記述力を測る試験です。ベーシックの内容を踏まえつつ、オブジェクト操作や論理エラー対処などの知識も問われます。

VBAエキスパートの中で最も合格率が低いのが同資格です。ベーシックで基本を学んだあとのステップアップとして受験するといいでしょう。

運営 株式会社オデッセイコミュニケーションズ
試験日 試験会場により異なる
受験料 一般:14,850円(税込)/割引制度適用:13,420円(税込)
受験資格 なし/※再受験ルールあり
試験形式 CBT方式/選択式/ドロップダウンリスト式/穴埋め記述式
合格基準 1,000点満点中700点以上

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VBA資格を取得する3つのメリット

VBA資格を取得するメリットは3つあります。具体的にはスキルを効率的に習得でき、業務効率化にもつながることなどです。各メリットの詳細を解説していくので、確認してください。

効率よくスキルアップできる

VBA資格を勉強すると、効率よくスキルアップできます。レベルごとに必要な要素が網羅されており、体系的にスキルが身につくからです。

実際、次のように話す合格者もいます。「試験勉強をすると意外と知らないことが多かった」「カリキュラムに沿って学んで基礎を再確認できた」

独学だと習得に時間がかかる人もいます。何から手をつければいいかわからない方は、資格で重要なポイントを過不足なく学ぶのがおすすめです。

資格で知識を身につけたら業務改善できる

VBA資格でスキルが身につくと、業務効率が上がって職場のコストを減らせます。繰り返しや手順が複雑な作業を自動化できるからです。以下のような業務でVBAが活用できます。

  • 請求書やレポートの作成
  • メール送信
  • Web上での情報収集
  • Excelによるデータ分析
  • データベース連携

数十万件のデータをVBAで処理し、業務効率化を実現した合格者もいます。時間的・金銭的コストの削減を目指す方は、資格で正しい知識を学ぶのがおすすめです。

求人・案件に応募する際にスキルを証明できる

資格を取ると、求人・案件に応募する際VBAスキルを証明できます。正確なスキルレベルは、言葉だけでは伝わりにくいです。資格名を出せば、「何ができるか」がわかりやすくなります。

実際、再就職活動でアピールするためにVBA資格を取った合格者もいます。スキルを証明して他の応募者と差別化したい方は、取得にチャレンジしてみましょう。

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学習前に知っておきたいVBA資格のデメリット

学習を始める前に知っておきたいVBA資格のデメリットを3つ紹介します。ある程度の初期投資が必要で、実践力が身につきにくいのが主なデメリットです。

資格取得の動機によっては、別の言語を選んだ方がいい場合もあります。自分の将来にとって最適な選択をするため、以下の点に注意してください。

費用はもちろん、初心者は時間もかかりがち

費用や時間がかかるのがVBA資格のデメリットです。初心者だと、小さなエラーを連発するなどして思うように勉強が進まない場合もあります。最初のうちは想定以上の時間がかかると考えて学習スケジュールを組んだ方がいいでしょう。

VBA資格を取れば主要なスキルがひととおり身につきます。費用や時間は必要な投資だと思い、取得後の自分をイメージしてモチベーションを保ってください。

選択問題が多いので実践的ではない

VBA資格だけで即戦力になれるわけではないので注意してください。VBAエキスパートは選択問題が多く、業務内容に合わせて知識を応用する力が必ず身につくとは限りません。

スキルを実務を活かしたい方は、試験で点を稼ぐだけでは不十分です。試験勉強のかたわら実際にマクロを作ってみるなど、実務を意識した取り組みを心がけましょう。

他言語の学習機会を失う

他のプログラミング言語を学ぶ時間や機会がなくなるのもデメリットです。VBAより案件数が多く、高単価の言語は多くあります。VBAを習得する明確な理由があるならともかく、以下のような動機なら他言語を学んだ方がいいでしょう。

  • 漠然とスキルアップを目指している
  • 転職したい
  • 副業で収入アップしたい

案件数が多く高単価な言語を知りたい方は、以下の記事をご覧ください。
【1位はGoの87万円】プログラミング言語別単価ランキング|2023年7月最新版

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活かし方次第でVBA資格は十分役に立つ

「取っても意味ない」との意見もありますが、戦略やアイディア次第でVBA資格の価値は高まります。以下のポイントを押さえれば、資格を有効活用できるでしょう。

  • VBAで何ができるか把握する
  • VBAスキルが必要な職種を選ぶ
  • IT系ならVBAメインの案件に応募する
  • 他のスキルとあわせてアピールする

VBAで何ができるか知ると、資格を活かせる職種や職場、案件が自ずとわかってきます。ミスマッチのない仕事を選べば、取得に費やした時間とお金は無駄になりません。他のスキルに長けている方は、VBA資格を付加価値としてアピールできる場合もあります。

VBAスキルが活かせる職種は後述するので、ぜひ最後までお読みください。

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VBAエキスパートの難易度と合格率


公式の合格率(2024年1月時点)をもとに、難易度順に資格を並べました。数字上ではExcel系が比較的難易度が低く、Access系が高いとわかります。

また、当然ながらベーシックよりスタンダードの方が難易度は高くなります。実際、一般ビジネスパーソンより高いITスキルが必要なSEやプログラマー向けとされるのは、スタンダードレベルです。

IT初心者は難易度が低く、合格しやすいベーシックから受験した方がいいでしょう。ITの素養がある方は、最初からスタンダードを受けて時間・お金を節約するのも手です。

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合格に必要な勉強時間は約25~75時間

VBA資格合格に必要なおおよその勉強時間は、以下のとおりです。

VBAベーシック(Excel/Access) VBAスタンダード(Excel/Access)
約25~30時間 約70~75時間

ベーシックは1日1時間勉強して1ヶ月弱、スタンダードは3ヶ月弱かかるとされます。

ただし、公式が発表しているデータはありません。個々の能力や学習方法によって勉強時間は変わるので、上は目安として参照してください。

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VBAエキスパート受験に向けた勉強方法5選

資格を取るための勉強方法を5つ紹介します。VBAエキスパートは公式テキストや学習コンテンツが充実しているので、比較的勉強しやすいでしょう。代表的なやり方を見ていくので、より詳しく知りたい方は以下の記事をご覧ください。
Excel VBAの勉強方法|初心者の独学におすすめの学習方法を紹介

公式テキストを読む

資格に準拠した公式テキストを読むのが基本的な勉強方法です。公式テキストは運営元が出している教材なので内容にもれがなく、必要な要素を取りこぼさずに済みます。

以下で紹介するのはベーシックの教材ですが、スタンダードのテキストも出ています。自分が受けたい種類・レベルの公式テキストを手に取ってください。

VBAエキスパート公式テキスト Excel VBA ベーシック

引用元 : VBAエキスパート公式テキスト Excel VBAベーシック|Amazon

VBAスキルの基本を体系的に習得できる公式テキストです。実務でよく使う機能をメインに、以下のような内容をわかりやすく解説しています。

  • マクロの記録や実行
  • 変数と定数
  • VBA構文
  • セル操作

初心者はまず本書を完璧に理解するのを目標にしましょう。本書で身につけた基本的な知識は、より難しいスキルを習得する際の土台になるはずです。

VBAエキスパート公式テキスト Access VBA ベーシック

引用元 : VBAエキスパート公式テキスト Access VBAベーシック|Amazon

Accessの基本操作やAccess VBAを体系的に学べる公式テキストです。Excel VBAベーシックと同じく、実務でよく使う機能をメインに解説しています。

  • VBAの概要とセキュリティ
  • データベースやSQLの基礎知識
  • 変数・定数・配列
  • 分岐処理や繰り返し処理

AccessはExcelより難易度が高く、覚える事柄も多くなります。理解できるまでじっくりと読み込みましょう。

おすすめの参考書を読む

公式テキストでわからない所があったら、他の参考書もチェックしましょう。疑問に思った箇所を適宜参照すれば、勉強がスムーズに進みます。以下で公式がおすすめしている参考書を2冊紹介します。

できる大事典 Excel VBA 2019/2016/2013&Microsoft 365

引用元 : できる大事典 Excel VBA 2019/2016/2013&Microsoft 365|Amazon

Excelの全機能を網羅した事典で、丁寧な図解が特徴です。業務効率化につながる以下のような機能を解説しています。

  • VBA関数
  • ファイル操作
  • データベース操作
  • Webスクレイピング

トピックごとにサンプルコードがつき、処理内容を1行ずつ解説しているのがポイントです。購入特典の電子版PDFをダウンロードすれば、スマホからも手軽に参照できます。

Excel VBAのプログラミングのツボとコツがゼッタイにわかる本[第2版]

引用元 : Excel VBAのプログラミングのツボとコツがゼッタイにわかる本[第2版]|Amazon

初心者がつまずきやすい箇所を徹底調査し、短期間でExcel VBAの基本が身につくよう工夫した入門書です。以下のような機能について丁寧に解説しています。

  • オブジェクト
  • 演算子
  • 変数・関数
  • 条件分岐

フルカラーで図解もあるので、プログラミング未経験者にも読み進めやすいでしょう。コードの書き方から学びたい方におすすめです。

試験の運営元が提供する学習コンテンツを使う

公式が提供する学習コンテンツもあわせて使うと効果的です。以下のようなコンテンツがあるので、必要に応じてチェックしましょう。

  • サンプル問題
  • 用語集
  • 学習支援サイト

サンプル問題を見れば試験形式や難易度がわかるので、自分に合ったレベルの資格を選ぶのに役立つでしょう。読み方がわからない関数が出てきたときは、用語集が便利です。

VBAの情報共有ができるコミュニティサイト「moug(モーグ)」は、サイト内の全コンテンツが無料で利用できます。積極的に活用し、VBAの理解を深めてください。

動画を見て操作方法を学ぶ

文字情報だけではわかりにくいと感じる方は、動画で学ぶのもおすすめです。動画は視覚情報なので、実際の操作方法が直感的にわかります。難しい概念も本を読むより動画の方が理解しやすいでしょう。

動画サイトには効果的な勉強方法やサンプル問題を解説するものもあります。有益な情報を取捨選択し、学習に取り入れてください。

独学が不安な人は対策講座実施校に通う

独学で受かるか不安な方は、試験対策講座を実施する教育機関に通うのも手です。出題される可能性が高い箇所が効率よく学べ、疑問点もすぐ質問できます。講習内容や講師の質が一定条件を満たす機関は、以下の認定を受けています。

VBA Expert Official training School(略称:VEOS)

実施校を選ぶ際の参考にしてください。

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VBA資格の取得後は適した職種を選ぼう

VBA資格を転職活動などでアピールしたい方は、スキルを活かせる職種を選んでください。VBAスキルを活かせるのは、事務職や営業職などです。

適切な職種を選んで転職すれば、職場で活躍できる可能性が高まります。ミスマッチを避け、自分と企業の双方にプラスになる選択ができるよう以下をご覧ください。

事務職・経理

事務職や経理なら、繰り返し行う書式統一や計算の自動化にVBA資格が活かせます。具体的には、以下のような業務が自動化可能です。

  • 顧客の名前や住所の空白・全角数字を整形
  • 各社員の住民税計算
  • 出張費の集計

事務作業や集計作業を繰り返すのは担当者の負担が大きく、非効率的です。VBAスキルで自動化すれば負担が減り、各人がより重要な業務に注力できるでしょう。

営業職・マーケティング

営業職やマーケティング担当者は、手順が決まっているデータ処理にVBA資格が活かせます。集計データの保存・削除、毎月の売上・利益の表作成といった業務の効率化が期待できます。

データ処理はVBAマクロの得意分野です。繰り返し行うなら、やや時間がかかっても資格を取ってスキルを習得した方が後々楽になるでしょう。

プログラマー・システムエンジニア

VBA資格を持つプログラマーやシステムエンジニアは、多くの企業で重宝される可能性があります。どの企業にも馴染みがあるOfficeソフトを活用し、社員にとって使いやすいシステムが作れるからです。

また、以下のような業務でもVBAスキルを発揮する機会があります。

  • 帳票作成
  • システム同士の連携
  • 業務データを基幹システムと連携

他言語とVBAをマスターして実務経験を積めばフリーランスになる道も開けます。独立する際は、フリーランスエージェントの利用がおすすめです。

レバテックフリーランスは取引社数1万以上のエージェントで、希望条件に合った案件に参画しやすいのがメリットです。「収入が途切れたらどうする?」と心配な方も安心して利用できます。

汎用性の高いVBAスキルを活かして自由に働きたい方は、ぜひお気軽にお問い合わせください。

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VBA資格に関するよくある質問

VBA資格に関するよくある質問をまとめました。VBAの国家資格の有無、独学でスキルを習得できるかについて回答しています。

資格の需要にも触れるので、取得するか決める手がかりになるはずです。VBA資格が本当に役に立つか知りたい方は、ぜひ参考にしてください。

Q.VBAの国家資格はありますか?

国家資格は現状なく、唯一のVBA資格は民間企業が運営しています。国家資格の方が信頼性が高いと思うかもしれませんが、大事なのは業務で役立つかです。VBAスキルが活かせる職場なら、民間資格のVBAエキスパートも十分役立ちます。

Q.VBAは独学で習得できますか?

人によっては独学でも習得可能です。独学する場合、以下のようなツールが使えます。

  • VBAの全体像がわかる入門書
  • コードが利用できる学習サイト
  • 重要なポイントを押さえた解説動画

スマホさえあれば勉強できるツールもあるので、有効活用してください。

Q.VBA資格に需要はありますか?

VBAは汎用性があるスキルなので、資格の需要も高いと考えられます。VBAは以下のように幅広い業務で活用可能です。

  • 総務
  • 経理
  • 営業
  • 製品開発

資格は多くの職場で使えるVBAスキルを効率的に習得する手段なので、今後も有用でしょう。

※本記事は2024年1月時点の情報を基に執筆しております。

最後に

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※相場算出に個人情報の取得はおこないません。

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