実際にレバテックフリーランスをご利用いただいたエンジニアの方にインタビューをしました。なぜ正社員からフリーランスになったのか?なぜレバテックフリーランスを使ったのか?これからフリーランスになる人へのアドバイスなど、とても参考になると思いますので是非ご覧ください!
「いつかは自分のゲームで身を立てたい」と語るのは、フリーランスとして活躍する清水 寛之さん。学生のころからゲームを個人制作し、大手IT企業のゲーム事業部で勤務していた経験もあり、ゲーム開発に情熱を注いでいるという。そんな清水さんがゲーム事業部での仕事を辞め、なぜフリーランスになろうとしたのか、その経緯を聞いた。
※この記事は2016年7月時点の内容です
フリーランス フロントエンドエンジニア 清水寛之さんの経歴
2010年に組み込み系の開発を行う会社へ新卒で入社し、主にソフトウェア開発に携わる。個人制作のゲームがきっかけで2012年に大手IT企業へ転職し、ゲーム事業部にてフロントエンドエンジニアとして従事する。2015年からフリーランスとして独立し、主にUnity案件へ参画し活躍中。
清水氏:学生のころからエンジニアになろうと思っていまして、大学院を卒業後は組み込み系の開発を行う小さな会社へ新卒で入社し、2年強の期間勤めていました。そこでの業務内容はハードウェア系とソフトウェア系に分かれていて、自分はソフトウェア開発を担当していました。
その会社を選んだのは、「趣味であるゲーム開発と仕事は別にしたい」と当時は考えていたからです。学生のころはゲーム系のプログラミングサークルにも入っていましたし、趣味としてゲーム制作をやっていましたが、当時は「仕事でゲーム制作をすると嫌いになってしまうのではないか」と考えていたので、ゲーム系以外の業種で会社を探し、ご縁があったのがその会社でした。
清水氏:組み込み系の開発は、ちょっとしたミスで大きな損害が出るおそれもありますので、しっかり開発する能力を鍛えられました。絶対にバグを出さないようなテストのやり方などは、最初からゲーム業界にいたら学べなかったかもと感じますので、いい経験になりました。
清水氏:根本的なところでいうと、2年目の半ばぐらいから「仕事内容が合ってないのかも」と思うようになったんです。エンジニアですから勉強は必須なんですが、組み込み系は自分に合ってなかったのか、なかなか頭に入ってこなかったんですよね。
ちょうどそのころは、web作品を投稿し合うことを目的とした、とあるコミュニティが主催するコンテストへ個人制作のゲームを応募していた時期でもありました。コンテストで受賞すると企業からスカウトされる可能性もあるという内容でしたので、「もし賞を取ったら転職しよう」と運試しのつもりで何度か応募していたんです。そして、2012年4月・5月に制作した作品が金賞・銀賞をいただきまして、メディア事業やweb広告、ゲーム事業などを手掛ける大手IT企業からお声がけいただき入社することになりました。
初期に投稿したという「ハコニワキック」。JavaScriptを使用し、3Dライブラリを用いず3D表現に挑戦したという
金賞を受賞した「曲率さくら」と、銀賞を受賞した「mhp4q」は現在も閲覧可能(写真は「曲率さくら」)
清水氏:はい。フロントエンドエンジニアとして、主にブラウザゲーム開発を担当していました。最初は学生のころに抱いていた「趣味が仕事になることでゲームを嫌いになったらどうしよう」という思いもありましたが、いざやってみると楽しんで働くことができました。
そこでの仕事で一番印象に残っているのは、入社直後に担当したパズルゲームですね。当時としては珍しかったブラウザのパズルゲームで、主にパズル部分全般を担当しました。プロジェクト立ち上げからいたので、実装方針など諸々の決まりごとがなく、自分の好きなようにコードを書くことができたのは嬉しかったです。社内では技術的に難しいと考えられていた部分も実現することができ、社内で話題になったことを覚えています。
清水氏:理由は2つあります。1つは自分が入社したときに決めていたテーマとして「ブラウザゲームで1番になるゲームを作る」というものがありました。ですが途中で会社が方針転換して、ブラウザゲームではなくネイティブアプリ寄りにシフトしていったことで、自分の考えと合わなくなっていったのを感じました。
もう1つは社内で開催していた、ゲームのアイデアコンテストでのことです。それまで何度かアイデアを提出したものの、一度も採用されないのが悔しくて。もともと「自分でイチから考えたゲームで身を立てたい」とずっと思っていましたので、社内でアイデアが通らないならばフリーランスで挑戦してみようと考え、退職を決意しました。
Twitterなどでフリーランスの成功体験を何度か目にし、興味があったとも語る
清水氏:技術的な面では自信がありましたが、税金を始めとした経理の面はとても不安でした。しかも会社を辞めてフリーランスになってから調べ始めたので、必要最低限のことしか押さえられませんでしたし。ただ、最近はフリーの経理ソフト「freee」など、便利なサービスがいろいろありますので、意外となんとかなってしまいましたね(笑)。
清水氏:母は会社を辞めることに、とても反対していました。フリーランスになったこともあまり詳しくは話さず、現在も「ゲームの仕事をしている」とだけ伝えてあります。妻とはフリーランスになってから知り合ったんですが、不安な部分もあったとは思います。ただ、「技術力には自信がある」ということを話し続けていたので、納得してもらえたかなと。
清水氏:強いて挙げると、自分のゲームを作ってきたことがスキルアップになるのかなと。前職でもブラウザゲーム開発の経験はありませんでしたが、OJTでイチから教えてもらいながら3ヶ月ほどで形にはなりました。そのため、経験のない言語でもすぐに慣れるだろうという自信があったんです
あとは、学生のころから経験してきたC言語は自分の強みになっています。C言語でゲーム制作というのはあまりメジャーではありませんが、高速化のための知識など今でも役に立っている部分がありますね。
退職~フリーランスになるまでの間で、イラストも含め全て自分で作ったという「ホッピンパペット」。
清水氏:いえ、どうやってクライアントを探し案件をもらえばいいかもわからなかったので、まずレバテックへ登録しました。当時は本当に何も知らなかったので、web広告で目に付いたレバテックをとりあえず利用してみようと。
最初にレバテックに連絡をして、カウンセリングに行ったときはとても緊張したのを覚えています。カウンセリングでは、自分のスキルシートや制作したゲームなどを見てもらったり、今後に向けての相談に乗ってもらったりしたおかげで、これなら自分でもやっていけそうだと感じました。
実は在宅での仕事にも興味があったので、最初の段階でクラウドソーシングにも登録はしたんです。ただ、案件の内容などを見たところ、見積もりや契約などで難しそうな印象を持ってしまいました。一応、クラウドソーシングには登録したままになっていますが、今はレバテックに間に入ってもらうメリットの方が大きいと感じています。
清水氏:案件の希望としては「作業内容はゲーム開発」を考えていました。ゲーム開発については、前の会社のときからこだわりのあったブラウザゲームを中心に考えていましたが、時代の流れ的にネイティブアプリがくるだろうと見ていましたので、広く希望を出していました。
いくつか案件を提案いただいたんですが、フリーランスになりたてなこともあってか、どの案件も同じように見えてしまって。結局、郊外のほうが生活費の節約になるだろうと八王子にある会社の案件へ参画しました。
清水氏:Unityのエンジニアとしてブラウザゲーム開発を行っていました。前職同様、ブラウザゲーム開発ではありましたが、会社の規模が全くちがうため作業の進め方が違い、完全に手探りだったことが印象に残っています。会社としてゲーム開発のノウハウがあまり貯まっておらず、効率化されてないと感じる部分も多かったため、自分の経験が貢献できた部分もけっこうありましたね。
清水氏:社内がとてもアットホームな雰囲気だったことです。例えば社員の方がご飯に連れていってくれるときは、必ずおごってくださったんですよね。お昼ごはんも必ず支給されていましたし、かなり恵まれた環境で作業ができていたのではないでしょうか。
結局1年近く参画したのですが、そこでできた友人とは今でも付き合いがありますし、フリーランスとしていいスタートが切れたと思っています。
清水氏:現在のように企業常駐で作業をする形ですと、会社員時代とやっていること自体はさほど変わりません。
ただ、自分の中で大きく変化した点として、「会社員と違い、フリーランスは相手の会社と対等の立場にいる」という認識を持つようになりました。会社員のときは、言われたことを何も考えずにやっていたときもありましたが、今は「自分の価値を上げるためにどうすればいいか」を意識して動くようになりました。自分の場合ですと、個人でゲームを作るというところは正社員時代もフリーランスになってからも同じですが、それをどうアピールするかまでを考えるようになりました。
清水氏は「以前よりも健康にも気をつけるようになった点も違いのひとつ」と述べる
清水氏:技術に特化した作業内容の案件が選べるところは、醍醐味のひとつですね。会社員ですとマネジメントにも関わらなければならないこともあるかと思いますが、自分は完全に技術指向のエンジニアなので案件を選べるフリーランスは性に合っています。
あとは、案件と案件の間にまとまった時間を作ることができるのが、フリーランスの大きなメリットだと感じます。長期の旅行に行ってもいいし、自分のようにゲーム作りに没頭してもいい。会社員ではまず難しいでしょうから、「1ヶ月だけニートになるのは楽しいよ」と声を大にしていいたいですね(笑)。
清水氏:今のところは続けていきます。ただ、必ずしもフリーランスにこだわっているわけではありません。会社員でも、自分の好きなようにゲームを作れるポジションであれば入社したいと思うかもしれません。また、自分で作ったゲームが売れる見通しが立てば、会社を起こすことも視野に入れています。
もちろんフリーランスという働き方に不安がないわけではなく、「歳を取ったときに、自分の実力でやっていけるだろうか」と考えることがしばしばあります。ただ、これまでも目の前のことをこなしつつ、自分のゲームを作ってくることでやってこられたので、今後もそれを極めていこうと考えています。
清水氏:フリーランスというと「レベルの高い人じゃないと成り立たない」と思う方もいるかもしれませんが、世の中に案件の種類はいくらでもありますし、ある程度経験を積まれた方でしたら一歩踏み出すことをおすすめします。