実際にレバテックフリーランスをご利用いただいたエンジニアの方にインタビューをしました。なぜ正社員からフリーランスになったのか?なぜレバテックフリーランスを使ったのか?これからフリーランスになる人へのアドバイスなど、とても参考になると思いますので是非ご覧ください!
今回お話を伺ったのは、フリーランスディレクター兼エンジニアの西口 健太郎さん。取材当時は、エンタメ系サービスの上流工程案件に参画していた西口さんだが、元は受託のソフトウェア会社社員として、業務系システムの開発を手がけるエンジニアだったという。そんな西口さんがフリーランスになり、ディレクターとして活躍するようになった背景とは?そこには仕事とキャリア、人生への真摯な想いがあった。
※この記事は2016年7月時点の内容です。
フリーランス ディレクター・エンジニア 西口健太郎(にしぐちけんたろう)さんの経歴
大学を卒業後、受託開発を行うソフトウェア会社へ入社。同社でエンジニアとして約8年間、業務系システムの開発に携わった後、異業界で営業職として活躍。その後、再びシステムの業界にエンジニアとして復帰し、チケット販売サイトや貴金属メーカーの販売業務システムの再構築案件を経て、2013年11月からフリーランスに。現在は、エンタメ系サービスの上流工程案件にディレクターとして参画し、活躍している。
西口氏:受託のソフトウェア開発会社2社に、エンジニアとして正社員で勤めていた経験があります。1社目には新卒で入社し、宿泊予約サイトの開発や信販系の金融機関向けコールセンターシステムの開発に携わっていました。大学で情報処理を学んだわけではないので、プログラミングの基本を学ぶところから始めました。
そして幾つかの案件を経て、開発やテスト、運用保守といった下流の工程から、要件定義、基本設計など上流のほうの工程を、徐々に担当させてもらえるようなりました。
特にコールセンターの案件では、立ち上げから改修まで計8年ほど関わっていて、最後はプロジェクトリーダーを任されていました。プレイングマネージャーとして、例えば予算や品質、リスクの管理など、さまざまな業務を経験できました。
西口氏:いいえ、1社目を辞めた後、不動産業界へ転職しました。
西口氏:いいえ、エンジニアではなく仕入れ営業です。不動産業界に飛び込んだ理由は、システム以外の業界を経験してみたかったから。それで、以前から部屋の間取り情報や話題の建築物をチェックしたりと、好きだった不動産業界での仕事を選びました。
なかでも住宅情報サイトに載っているような物件が、どこから仕入れられて、どのようにして購入者の手に渡るのか、その仕組みに興味がありました。それで、仲介会社などを訪問して物件を買い付ける仕入れ営業の職に就いたんです。
西口氏:約1年ですね。いろいろ勉強になりましたが、仕事のスタイルが自分には合わなくて。仕入れ営業は、個人で客先を訪問して仕事を進めていくスタイルで、個人プレーがメインでした。でも、それだとスキルや仕事の幅が広がっていかないように感じました。
一方、システムの現場ではチームプレーが大切にされます。課題があればみんなで解決し、ノウハウや技術を共有する姿勢も重んじられます。そんな環境でもう一度成長したいと考えて、システムの業界に戻りました。
西口氏:当時は社員が20名ぐらいしかいなくて、小さい分、自由に働けそうだと思って入社しました。そこでは大手チケット販売サイトと、貴金属メーカーの販売業務システムの再構築案件に携わっていました。
特にチケット販売サイトの案件は、それまでほとんど経験がなかったB to Cのシステムでしたが、要件定義から結合テストのフェーズまで参画し、最終的にはプロジェクトリーダーとして50名ほどのメンバーをまとめていました。
西口氏:ほぼ無かったですね。もちろん、UIなど表側では違いがありましたが、裏側でシステムとして動かさなければならない部分については、大差ありませんでした。そこを抑えていれば、どんなユーザーに向けたどんな業界のシステムでも作れるということが分かって、自信になりました。
西口氏:2社目のソフトウェア会社にいた時です。1社目では持ち帰りの請負開発を行っていたのですが、2社目のソフトウェア会社では常駐型でした。そのせいか1社目より会社への帰属意識が薄かったですね。また、チケット販売サイトの案件にフリーで参画されている方々がいて、将来的にフリーランスという道もあるんだと初めて知りました。
そんななか、現場で与えられた仕事をこなすだけでなく、自分がやってみたいとか、できそうだと思う仕事を見つけてきたり、自分で仕事を作ったりして進めていくやり方が、しっくり来るようになっていきました。また、そうして働くうちに、自分でキャリアを作っていきたいという気持ちが高まっていきました。
西口氏:例えば不動産やエンタメ、飲食関係など、自分が好きな分野の一般ユーザー向けwebサービスの開発に携われるようなキャリアですね。
西口氏:現場で一緒だったフリーランスの方に、独立を勧められたんです。そっちのほうが向いていると。そう言われるといつの間にかその気になってしまって(笑)。すぐには決断できませんでしたが、しばらくするとその方に案件を紹介してもらい、フリーランスとしての活動を始めました。
西口氏:依頼や収入が途絶えるとか、そういう不安は正直あんまり無かったですね。15年ほどIT業界にいた経験から、案件はどこかに必ず転がっているだろうと思いました。
でも、企業の看板が無くなってしまう不安と不便さのようなものは感じていました。社員として働いていると、自分について話す時、「○○会社の××という立場で仕事をしている西口です」と説明できるし、社会的な信用も得やすいんですよね。
だけどフリーになって企業の看板がなくなると、自分について社会や周囲の人に対して上手く説明するための材料を、自ら用意しなければなりません。それを大変だと感じる時はあります。
西口氏:現在・過去の職務内容だけでなく、自分のやれること、やりたいこと、好きなことをつねに明確にしていくことです。そして個性としてどんどん伸ばして強みにし、自分の看板にすることです。それを意識的に行うことで、ビジネスに限らず生きる目的というか、生き方自体がクリアにシンプルになっていくので、企業の看板が無くても自信を持って歩いていけるようになると思います。
西口氏:それまで業務系の案件が多かったので、渋谷界隈のweb系企業を見学にいったり、そうした企業が開いているワークショップなんかに参加したりしていました。そこですぐ依頼につながればいいな、なんて思わずに、気楽にweb制作の世界を覗いてみたいという気持ちでした。
西口氏:企業のお金の流れを、もっと注意して見ておけばよかったですね。例えば自分の給料がなぜこの金額なのか。いくら売上があって、その中からいくら固定費や変動費が発生しているのか、会社がどこに投資しているのかなど、会計的かつ経営的な視点は、フリーになればなおさら求められるものです。
また、そうした視点を持つことで企業や業界を見る目も養われますし、良い案件を選ぶ力も培われるはずです。フリーランスは自分でプロジェクトを選べる分、どの業界のどの案件にジョインするかによって、得られる経験やその後のキャリアに大きな違いが出てきます。だからとても大切なことです。
西口氏:生命保険の営業支援タブレット用のアプリ開発案件で、2年弱の間携わっていました。要件定義から運用まで一連の流れで参画し、プロジェクトリーダーとしてユーザー側との要件折衝やオフショア先との調整役もやらせてもらいました。
西口氏:それまでサーバーサイドのことを主にやってきていたので、その案件で職務としてJavaScriptなどを使ってフロント寄りの技術に触れられたのは、収穫だったと思います。そして終了時には、やっぱりやり切った感じがしましたね。
ただ、作っていたのは業務系アプリだったので、今度こそ一般向けのwebサービスの開発を手がけたいと強く思いました。実は、webの知識を得たり、web界隈の人が集まるコミュニティーへの参加などを続けていくうちに、例えばAirbnbのようなC to Cのサービスに大きな可能性を感じるようになっていたんですよね。
個人間でも経済活動が成り立つ時代が来たということに感銘を受けて、そうした新しい形のビジネスに関わりたいと考えるようになりました。
西口氏:まず、会社員時代より時間を有効に使えるようになりました。勤め先にもよりますが、会社員として働いていると、例えば業務外にもミーティングがあったり、自分が伸ばしたいとは思わない分野の勉強会にも参加しなければならかったりと、直接は仕事に関係ないようなことにも時間を費やす必要が出てきてしまいます。
でも、フリーになるとそれをやりたい勉強や人脈作りなどに充てられます。望むキャリアを築くために使える時間が増えて、職務とそれ以外の切り替えがしっかりできるようになりました。あとは、人脈が広がりました。会社員時代には、取引先以外に人脈を築いても意味がないと考えて、今のように積極的に人脈を広げようとはしませんでした。しかし、フリーになれば話は別です。
色んな人に出会うことが仕事につながり、キャリアの可能性を広げるので、意識的に多くの人と関わろうとします。また、会社員より自由に誰かと一緒にビジネスができるようになるのも特徴です。そうした自由を得られたことは、フリーならではのメリットだと思いますよ。
西口氏:会社員時代にはUI・UXにほとんど触れてこなかったので、勉強しています。セミナーに出掛けて、実際にUI・UXに強いデザイナーさんに直接話しかけたり、ランチや食事会に行って話を聞き、知識やノウハウを得るようにしています。
本を読んだりするのもいいですが、やっぱり直接エキスパートに話を聞くほうが、身につきやすいと思うんですよね。そうして多くのデザイナーさんと関わるうちに、デザイン思考などにも触れて、それまであまり意識したことがなかったデザインの工程にも、気を配るようになりました。
西口氏:渋谷の企業で行われたwebデザインのワークショップに参加していた時に、そこで知り合ったデザイナーさんから、「web系の案件を紹介してくれる良い会社があるよ」と教えてもらいました。実はそれより前にも、別のweb関係者からレバテックの名前を聞いたことがあって、当時は「そういうフリーランスに案件を紹介してくれる企業があるんだな」と思ったことを覚えています。
西口氏:会社員時代、転職で利用した経験があります。そこがあまり情報をオープンにしてくれなくて、いざ入社してみたら、「事前に聞いていた話と違う!」ということがありました。だから、レバテックフリーランスでも本当に自分に合う案件が見つかるのか、最初は半信半疑でしたね。
でも実際にレバテックのサイトを覗いてみると、条件やプロジェクトの雰囲気など、それぞれの案件について多くの情報が公開されていて、自分が案件に参画している様子を想像しやすくて安心しました。イメージよりもずっと、案件を探しやすい感じでしたね。
あとは、案件ごとに1ヶ月あたりの稼働時間の目安も書かれていて、どれくらいの時間を作業するのか、前もって把握できたのも良かったです。
そうしてweb系の案件で、これまでの経験を活かせるものがないかとレバテックで探していたところ、ちょうどエンタメ系のwebサービス開発で「これだ!」という案件が見つかったんです。チャンスだと思いました。
西口氏:最初に面談してもらったテクニカルカウンセラーの方は結構若かったんですが、技術に明るくて、新しいことにどんどん挑戦していくような雰囲気がありましたね。それは会社の印象としても言えることで、「案件を紹介して、はい終わり」ではなく、私たちフリーランスと一緒に新しい可能性を広げていくことを色々模索している姿勢が伝わってきました。
例えば「個人事業主感謝祭」などのイベントも盛んに開催されていますし、フリーランス向けの面白いノベルティーなんかも企画されています。前のめりに新しいことに挑戦していく企業の雰囲気を目の当たりにすると、個人的にテンションが上がるんですよね(笑)。
あとは社内のイベントが活発で、社員の方が楽しそうにされていることもプラスでしたね。人がたくさん集まって、ワイワイ何かを一緒にやる機会が多い企業だと思いました。そういうエージェントのもとには、絶対面白い仕事が集まってくるはずだし、繋がっていれば自分も何か新しいことを一緒にできるチャンスがあるんじゃないかと考えたんですよね。
西口氏:今のプロジェクトでは要件定義から画面設計までを手がけていて、参画から半年ほど経ちますが、ほとんど戸惑いを感じたことは無いですね。
当然、作業内容については少しはエンジニア時代と違う部分もありますが、結局エンジニアだった頃もプロジェクトマネジメントを担当して、要件定義からリリースまで一貫して見ていたので、大きく異なる部分はありません。
現在、開発しているのは世に出る前のB to Cのサービスですが、今後C to Cとしても利用できるように検討されていて、リリースされればチケット業界の長年の課題を解決する画期的なものになります。手がけたかった領域ですし、個人的に音楽もイベントもとても好きなので、非常に貴重な経験とスキルを得ていると思います。絶対に成功させたいですね。
西口氏:会社員として働くメリットには、企業に属しているからこそできる仕事内容や、企業の看板を背負っているからこそ感じるやりがいがあるでしょう。しかし、自分を突き詰めて、素直にやりたい仕事と人生に向き合えるフリーランスのメリットは、それ以上です。
少しでも自分らしくキャリアを築きたいとか、好きなスキルを伸ばしたいと感じたら、会社員という立場を離れてフリーランスで活動してみることをオススメします。
また、会社員は企業から守られているというイメージがある一方で、フリーランスは孤独な一匹狼で、助け合う仲間も少ないといった印象を持つ人も多いようです。でも、実際は違います。フリーランスだからこそ、色んな人たちとつながっていけるチャンスが沢山あるし、会社員として働いていた頃よりたくさん仲間ができます。それを多くの人に知っていただきたいですね。