CRMコンサルタントの仕事内容!必要なスキルと資格をわかりやすく解説 | レバテックフリーランス
CRMコンサルタントの仕事内容!必要なスキルと資格をわかりやすく解説
「CRMに関する仕事に就きたいため、改めてその概要や代表的な職種であるCRMコンサルタントの仕事内容を知りたい」と思っている方もいるでしょう。
この記事では、CRMコンサルタントの具体的な仕事内容についてまとめました。CRMの概要のほか、必要なスキルや仕事に役立つ資格も解説しています。
CRMの分野に興味がある方には、特に貴重な情報源となるでしょう。ぜひ最後までお読みいただき、CRMの仕事への理解を深めてください。
CRMとは
CRM(Customer Relationship Management)とは、顧客との関係を良好に保ち、より良いものにするための戦略やシステムのことです。CRMは、大きくオペレーショナルCRMとアナリティカルCRMの2つに分けられます。
オペレーショナルCRMとは、営業やカスタマーサービスといった、顧客に直接関わる部門の業務を効率化・自動化するためのシステムです。たとえば、顧客情報の管理や問い合わせ対応、営業活動の記録など顧客接点におけるさまざまな業務を効率化・自動化し、一貫性のあるサービスの提供を目指します。
一方、アナリティカルCRMとは、蓄積された顧客データを分析し、有益な洞察を得るためのシステムです。顧客の行動パターンや嗜好を分析して顧客理解を深め、データに基づいた意思決定を行うために活用します。
両システムを連携させることで、企業は顧客との関係を深化させ、ビジネス成果の向上につなげやすくできます。
企業がCRMを導入するメリット
CRMを導入することで、企業はさまざまなメリットを得られます。
まず、顧客満足度の向上が挙げられるでしょう。CRMを通して蓄積された顧客情報により状況を素早く把握し、的確な対応ができます。たとえば、過去の問い合わせ履歴を参照することで、スムーズでパーソナルなサポートを提供でき、顧客満足度向上に繋がるでしょう。
また、売上の増加も期待できます。CRMに蓄積された顧客の購買履歴や嗜好などの情報を分析することで、顧客のニーズに合った商品やサービスを適切なタイミングで提案できるからです。これにより、関連商品やより良い商品の購入機会を増やせ、顧客一人当たりの売上が向上する可能性があります。
さらに、顧客対応の効率化により、人件費や運営コストを抑えられるのもメリットです。マーケティング活動の効果を分析し、効果的な施策に集中投資することで、広告宣伝費の最適化も図れます。
仕事で使う主なCRMツール
CRMは、主にCRM(顧客関係管理)ツールを用いて行います。CRMツールは、企業の規模や業種、目的に応じて選択することが重要です。以下に主要なCRMツールの概要と利用シーンをまとめました。
CRMツール | 概要・特徴 | 主な利用シーン |
---|---|---|
Salesforce | ・クラウドベースの総合的なCRMプラットフォーム ・高度なカスタマイズが可能 |
・大規模な営業チームの管理 ・複雑な商談プロセスの追跡 ・マーケティングオートメーションの実施 |
Microsoft Dynamics 365 | ・Microsoftの製品群と連携しやすいCRMシステム ・Office製品との親和性が高い |
・Officeツールを多用する企業での顧客管理 ・ERP(基幹系システム)との統合 ・AIを活用した顧客インサイトの分析 |
Oracle CX (Customer Experience) |
・企業の基幹システムと連携しやすい統合型CRM ・データ分析機能が充実 |
・大規模なデータ分析 ・eコマースプラットフォームとの連携 ・複雑な顧客ジャーニーの管理 |
SAP Customer experience | ・幅広い業界向けの包括的な顧客体験管理ソリューション ・SCM(サプライチェーンマネジメント)を含むSAPのほかのソリューションとの連携が強み |
・グローバル展開している企業での利用 ・複数チャネルでの顧客体験の一元管理 ・eコマースやマーケティング、セールス、 サービスなど顧客接点全般の管理 ・ERPシステムとの連携による統合的な顧客管理 |
CRMコンサルタントの仕事内容
これまでの説明で示したように、CRMは顧客関係管理の最適化に不可欠です。そのため、CRMシステムの導入やCRM戦略全体の立案・実行を支援するCRMコンサルタントの需要が高まっています。
CRMコンサルタントとは、企業が顧客とより良いつながりを築き、長く良好な関係を続けていくためのアドバイスや戦略を提供する職種です。
具体的にどのような仕事をしていくのか、各業務について詳しく見ていきましょう。
顧客ニーズのヒアリング
CRMコンサルタントの仕事は、クライアント企業の現状と課題を正確に把握することから始まります。まず、クライアント企業の経営者や各部門の責任者と面談し、以下の情報を収集します。
- 現在の顧客管理プロセスとワークフロー
- 抱えている課題や問題点
- 将来的な事業目標
- 既存のCRMシステムとツールの利用状況
ヒアリングの際は、クライアントとの信頼関係を築くことが重要です。オープンなコミュニケーションを心がけ、クライアントが本音で話せる雰囲気を作ることで、より深い洞察を得られます。
収集データの分析
CRMコンサルタントは、企業の顧客の行動パターンの把握や売上傾向の分析、顧客セグメントの特定、潜在的な問題点を洗い出すため、収集したデータの分析をします。クライアント企業から提供された顧客データや販売データ、ヒアリングで得た情報をもとに分析するのが仕事です。
分析には、使いやすいインターフェースと幅広い統計手法が特徴のSPSSや、高度な統計分析や予測モデリングに強みを持つSASなどの統計ソフトウェアを使うことがあります。また、グラフや図表の作成が得意なTableauや、Excelとの親和性が高くほかのMicrosoft製品との連携がスムーズなPower BIといったビジネスインテリジェンスツールを使用することがあります。
経営戦略の提案
CRMコンサルタントはデータ分析の結果を基に、クライアント企業に適した経営戦略を提案します。
代表的な経営戦略案は、以下が挙げられます。
- 顧客セグメント別のアプローチ方法
- 新規顧客獲得のための施策
- 既存顧客の維持・関係性強化のプラン
- 顧客体験向上のための改善点
- 部門間連携の強化策
提案する際は、クライアント企業の実情に合わせることが重要です。実現できる可能性や投資対効果を考慮しつつ、段階的に取り組める具体的な提案を行います。
CRMシステム導入の支援
CRMコンサルタントの重要な仕事の一つとして、CRMシステムの導入支援があります。これは、提案した戦略を実行に移すための重要なステップです。
CRMシステム導入の支援には、以下の業務が含まれます。
- 適切なCRMツールの選定
- 選定したCRMシステムの設定・調整
- 既存システムからCRMシステムへの顧客データ移行
- CRM業務に従事する社員へのトレーニングの実施
- CRMシステム導入後の運用サポートと改善提案
システム導入後も、CRMコンサルタントは定期的に運用状況を確認し、必要に応じて改善提案を行わなければなりません。また、新たな課題が発生した場合には、追加のコンサルティングを提供することもあります。
このように、CRMコンサルタントは企業の顧客戦略全般に関わり、継続的な支援を行うことで、クライアント企業の成長に貢献します。
CRMコンサルタントの仕事内容についてより詳しく知りたい方は、以下の記事も参考にしてください。
パッケージ導入コンサルタントとは?業務内容や将来性・目指し方まで解説
CRMコンサルタントの仕事内容に役立つスキル
CRMコンサルタントとして成功するためには、さまざまなスキルが必要です。ここでは、特に重要な4つのスキルについて詳しく解説します。
データ分析スキル
CRMコンサルタントは顧客データから有益な洞察を導き出し、それを戦略立案に活かすことが求められるため、データ分析スキルが必要です。
データ分析スキルとは、データ収集と整理、統計的分析、データの可視化、結果の解釈と報告などの能力を指します。具体的には、以下の作業で用いるスキルです。
代表的なデータ分析スキル | スキルを用いる場面 |
---|---|
データ収集と整理 | 顧客の購買履歴やWeb上の行動データなどを収集し、分析しやすい形に整理する |
統計的分析 | 収集したデータを用いて平均値や相関関係を算出し、顧客の傾向を把握する |
データの可視化 | 分析結果をグラフや図表にして、 視覚的に理解しやすい形で表現する |
結果の解釈と報告 | 分析結果から意味のある洞察を 導き出し、クライアントに分かりやすく説明する |
データ分析に関するスキルについてより詳しく知りたい方は、以下の記事も参考にしてください。
データ分析を仕事に!職種ごとの仕事内容や必要なスキル、役立つ資格も解説
企画立案スキル
CRMコンサルタントは、クライアント企業の目標達成に向けた具体的な計画を提案するため、データ分析の結果を実際のビジネス戦略に落とし込む企画立案スキルが必要です。
クライアントの課題は複雑で多岐にわたるため、一つの解決策では不十分な場合が多いです。優れた企画立案スキルを持つCRMコンサルタントは、クライアントの業界特性や企業文化を深く理解した上で、複数の角度から解決策を考案し、豊富な選択肢を提示できます。
さらに、企画立案には創造性と実現可能性のバランスが重要です。革新的なアイデアを生み出しつつ、クライアント企業の既存システムや組織構造を考慮した実行可能な施策を提案することで、問題の本質を見極めた根本的な課題解決につながります。
コミュニケーションスキル
CRMコンサルタントの仕事は、クライアントとの密接なやり取りが必要なため、コミュニケーションスキルが求められます。
たとえば、クライアントのニーズをヒアリングする際は、単に話を聞くだけでなく、適切な質問を投げかけ、より深い洞察を得られるようにしましょう。
また、提案内容をクライアントに説明する際は、専門用語を避け、分かりやすい言葉で伝えるのが大切です。
ライティングスキル
CRMコンサルタントは分析結果や提案内容を明確かつ説得力のある文書としてまとめる必要があるため、ライティングスキルが求められます。
論理的な文章構成か、簡潔で理解しやすい表現か、図表やグラフなどを活用して視覚的に分かりやすいか、文法やスペルが正しいかなどに気を配りましょう。
専門知識がない人が見ても、簡単に理解できる内容になっていることが大切です。
CRMコンサルタントの仕事で活かせるおすすめ資格
ここでは、CRMコンサルタントの仕事で特に活かせる3つの資格を紹介します。それぞれの資格の特徴や取得のメリットについて詳しく解説していきましょう。
セールスフォース認定資格
セールスフォース認定資格は、世界的に有名なCRMプラットフォームであるSalesforceに関する知識と技能を持っていることを証明する資格です。
世界的に評価されている資格なので、Salesforceについて深く理解していることを示せるだけでなく、CRMコンサルタントとしての市場価値が高まりやすいです。
セールスフォース認定資格には、管理者向け、開発者向け、コンサルタント向けなど、さまざまな種類があります。CRMコンサルタントとしては、主に以下の資格を取得すると良いでしょう。
資格名 | 概要 | 取得するメリット |
---|---|---|
Salesforce認定 アドミニストレーター |
Salesforceの基礎知識が求められる | クライアントのSalesforce環境の基本的な設定と管理ができる |
Salesforce認定上級 アドミニストレーター |
より高度なSalesforceの活用ができるスキルが求められる | クライアントの複雑なニーズやメンテナンス業務などに対応できる |
Salesforce認定Sales Cloudコンサルタント |
コンサルタントとしてSalesforceを活用できるスキル求められる | 営業やマーケティングなども踏まえた最適なシステム設計ができる |
中小企業診断士
中小企業診断士は、一般社団法人 日本中小企業診断士協会連合会が運営し、経済産業大臣が認定する国家資格です。取得すると、中小企業の経営課題に対して診断・助言を行う専門家として認められます。
CRMコンサルタントがこの資格を取得するメリットは、顧客企業の経営全体を俯瞰的に理解し、より効果的なCRM戦略を提案できるようになることです。中小企業診断士の資格を取得していれば、経営戦略やマーケティング、財務、人事など、企業経営の多岐にわたる分野に精通していることが証明できます。
Microsoft Dynamics 365認定資格
Microsoft Dynamics 365認定資格は、MicrosoftのCRMソリューションであるDynamics 365に関する知識と技能を証明する資格です。Microsoftは試験を複数展開しているため迷いがちですが、CRMコンサルタントはMicrosoft Dynamics 365 Fundamentals (CRM)の取得を目指すと良いでしょう。
この資格は、特にMicrosoft製品を使用している企業へのコンサルティングを行う際に役立ちます。Microsoft 365アプリケーションとの連携、特にAzure上でのDynamics 365の運用に関する専門知識が養われることにより、Microsoft環境全体を考慮した的確なアドバイスが可能になるからです。
※本記事は2024年12月時点の情報を基に執筆しております。
最後に
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