多国籍な民族や文化が集まるハワイで自由を謳歌しながら、ブランディング・マーケティング・デザインなどを手がけるLLLLIFE INC代表・宗像健さん。“仕事中心の生活”から、“暮らし中心”の生活を実現させた海外起業家は、どのような考えを持ち、どのように暮らしているのか。日本人の多くが憧れるハワイ在住生活の苦労と楽しみ、ハワイビジネスの現状を宗像さんに聞いた。
プロフィール
① ミーティングに遅れてくるのは当然。すっぽかされる時もある
② 年齢に関わらず、大学に戻って専門分野を学び、起業する人が多い
③ 支払いは基本的に小切手で行う
④ ハワイは高級コンドミニアム(マンション)建設ラッシュ、不動産ビジネスについての話題が絶えない
なぜ、アメリカ、それもハワイ州で働くことを選んだのですか?
僕の世代はアメリカの文化や生活に憧れた世代で、音楽や映画、ファッションなどもアメリカのモノに溢れた時代でした。僕の場合、海外旅行の行き先もアメリカばかりで、観光都市はもちろん、小さな町まで格安チケット片手に飛び回っていましたね。
アメリカへの渡航が20回を迎えた頃、初めてハワイ州に降り立ちました。ハワイは、アメリカとアジア、そしてハワイ独自の文化が寄り添いながら共存していて、独特のカルチャーに魅了されました。その時、初めて「アメリカで暮らしてみたい」と思ったのを覚えています。
帰国後すぐにビザを申請して、運良くアメリカに住むことを許され、現在に至っています。
-実際にハワイ(アメリカ)に住んでみて、働く時に抑えておくべき文化、日本と異なる価値観やビジネスルールはありましたか?
今、思いつくのは3つほどあります。
1つには、ハワイには“ハワイアンタイム”というゆったりとした時間が流れているということ。
ハワイは常夏の南の島。年中暖かい環境で生まれ育ったせいか温厚でのんびりした方が多いです。そういうローカルの方は仕事でものんびり。ミーティングの時間を設定しても遅れてくる事は当然、ひどいときはスッポかされることもあるんです。
でも、“ハワイアンタイム”というゆったりとした時間が流れていることを認めてしまうと楽ですよ。仕事をする時は、きちっとした日本の基軸で物事を推し進めようとしないで、そういうゆったりした場所でビジネスをしていること、のんびりした文化の中での生活を選んでここにいることを、しっかり“認識する”必要はあります(笑)
2つ目は、ハワイは離れ小島なので、何でも物価が高いということ。
単純に「通常価格」+「配送料」が組み込まれた価格が標準です。
食品に関しては、安くて美味しいものを手に入れることが難しい場所。それで最近では地元産のオーガニック野菜の生産が盛んになってきました。まだまだ価格水準は高いのですが、ローカルの努力に投資の意味を込めて購入するようにしています。
3つ目は、“自分は日本人であることを忘れない”ということです。
アメリカは世界各国の移民が集まって国を形成し、様々な文化を融合させてきました。ハワイも同じく、ハワイアンを始めフォリピンやベトナム、韓国、中国、日本などなど、国際色豊かです。
母国語しか話せない人も多くいますが、『移民で成り立っている国』にコミットして、自国の文化をしっかり持って生活してるからこそ多様性が生まれ、アメリカという強い国が成り立っているのだと思います。
「1人1人それぞれに個性があって、バラバラに見えるけれどもみんな同じ人間なんだよ!」って事だと僕は思っています。そういうところがアメリカの良さであり、好きな部分です。
だからこそ世界に誇れる日本の魂を、アメリカの多様な色彩の中に少しでも残したいと思っています。
-さまざまな国から人が集まっているハワイでは、フリーランス自体は多いと感じますか?
あらゆる業種においてフリーランスで働いている方は多いですね。企業で働いていた方が 起業されることも多いし、もともと組織に属さず、仕事に自由を求めている人も多いと思います。中には新しいビジネスを3つも4つも抱えてるアイディアマンもけっこういますよ。みんな、夢を持っていて、いつか叶うと信じている…。たくましさがありますね。
また、年齢に関わらず、大学に戻って専門分野を学んで、それから起業するという人も多くいます。年齢にこだわること無く、夢や職業と向き合って生きていく姿勢は学ぶべき点ですよね。
-支払いの経路などについて伺いたいのですが、銀行振込が多いですか? 現金払いとか、現物支給なんてことはあるんでしょうか?
支払いの基本はチェック(小切手)ですね。チェックは昔からある古くさい決済方法ですが、支払先を指定して、必ず銀行が関与するので、安全と言えます。
ハワイの中でもホノルルは世界有数の観光地であり、ハワイ経済の中心地ですので、他国と変わらないと思います。
-ネット回線の速度とコストについてはどうですか?
Wi-Fi環境や携帯電話はどうやって契約するのかなど、教えてください。
観光スポットでは日本と比べてフリーWi-Fiはたくさんありますけど、回線速度は日本の有料のものに比べると非常に遅いですね。正直、クラウド時代にとても辛い状況ではあります。
ネット契約の価格は一番いい回線で、up to 100 Mbps / up to 5 Mbpsで約80ドル/月です。
-その他、生活の中で感じていること、メッセージなどあればお願いします。
『自由の国、アメリカ』と言いますよね。「それ本当なの?」と思う人もいるかもしれませんが、要は「その自由を自分のものにしてエンジョイするかどうか」なのだと思います。
どこにいても、働けば働くだけ収入も増えますよね。特にフリーランスの場合、振り幅は大きいものになると思います。
でも、僕の場合、あくせく働く為にハワイに来た訳ではありません。仕事に重きを置いていた日本もよかったけれど、「そろそろ違う世界を見てみたい」という願望が強くなってきたんです。
小さな島での生活ですから、お金をたくさん儲けるのであれば、日本や大都市にいた方が可能性が大きいとも思います。でも、せっかく常夏で温暖なハワイに住んでいるわけですから、燦々と輝く太陽の下、涼しい風が流れる環境で、自由に仕事したいと願っています。
実際に、パソコンを片手に公園で仕事したり、暇な時間ができれば、仕事は終了! ジョギングをしたり、家族と海でのんびり過ごしたりしています。
思い切って移住してよかったと感じるのは、そんな時です。
ある1日のタイムスケジュールです。
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