ハワイでWebマーケティングを主軸にした会社を起業。自由の国で働くLLLLIFE INC代表・宗像健さん

アメリカ合衆国

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デザイナー・宗像健 さん

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多国籍な民族や文化が集まるハワイで自由を謳歌しながら、ブランディング・マーケティング・デザインなどを手がけるLLLLIFE INC代表・宗像健さん。“仕事中心の生活”から、“暮らし中心”の生活を実現させた海外起業家は、どのような考えを持ち、どのように暮らしているのか。日本人の多くが憧れるハワイ在住生活の苦労と楽しみ、ハワイビジネスの現状を宗像さんに聞いた。

プロフィール

現在の滞在国
アメリカ合衆国ハワイ州ホノルル市在住
お名前
宗像 健(ムナカタケン)さん
業種
デザイナー
経歴
國學院大学経済学部卒。外資系ブランドで働き、「人にモノを売る」ことを身を持って学ぶ。
2006年ホノルル市に移住。2009年WEBマーケティングを主軸にしたLLLLIFE INCを設立し、デザインやウェブサイトなど、モノやサービスを売る為に必要な情報やツールを提供し始める。
現在は新規事業のブランディングやローカライゼーションも手がけている。

1分で分かる「ハワイで働く」ということ

① ミーティングに遅れてくるのは当然。すっぽかされる時もある

② 年齢に関わらず、大学に戻って専門分野を学び、起業する人が多い

③ 支払いは基本的に小切手で行う

④ ハワイは高級コンドミニアム(マンション)建設ラッシュ、不動産ビジネスについての話題が絶えない

なぜ、アメリカ、それもハワイ州で働くことを選んだのですか?

僕の世代はアメリカの文化や生活に憧れた世代で、音楽や映画、ファッションなどもアメリカのモノに溢れた時代でした。僕の場合、海外旅行の行き先もアメリカばかりで、観光都市はもちろん、小さな町まで格安チケット片手に飛び回っていましたね。
アメリカへの渡航が20回を迎えた頃、初めてハワイ州に降り立ちました。ハワイは、アメリカとアジア、そしてハワイ独自の文化が寄り添いながら共存していて、独特のカルチャーに魅了されました。その時、初めて「アメリカで暮らしてみたい」と思ったのを覚えています。
帰国後すぐにビザを申請して、運良くアメリカに住むことを許され、現在に至っています。

-実際にハワイ(アメリカ)に住んでみて、働く時に抑えておくべき文化、日本と異なる価値観やビジネスルールはありましたか?

今、思いつくのは3つほどあります。

1つには、ハワイには“ハワイアンタイム”というゆったりとした時間が流れているということ。
ハワイは常夏の南の島。年中暖かい環境で生まれ育ったせいか温厚でのんびりした方が多いです。そういうローカルの方は仕事でものんびり。ミーティングの時間を設定しても遅れてくる事は当然、ひどいときはスッポかされることもあるんです。
でも、“ハワイアンタイム”というゆったりとした時間が流れていることを認めてしまうと楽ですよ。仕事をする時は、きちっとした日本の基軸で物事を推し進めようとしないで、そういうゆったりした場所でビジネスをしていること、のんびりした文化の中での生活を選んでここにいることを、しっかり“認識する”必要はあります(笑)

2つ目は、ハワイは離れ小島なので、何でも物価が高いということ。
単純に「通常価格」+「配送料」が組み込まれた価格が標準です。
食品に関しては、安くて美味しいものを手に入れることが難しい場所。それで最近では地元産のオーガニック野菜の生産が盛んになってきました。まだまだ価格水準は高いのですが、ローカルの努力に投資の意味を込めて購入するようにしています。

3つ目は、“自分は日本人であることを忘れない”ということです。
アメリカは世界各国の移民が集まって国を形成し、様々な文化を融合させてきました。ハワイも同じく、ハワイアンを始めフォリピンやベトナム、韓国、中国、日本などなど、国際色豊かです。
母国語しか話せない人も多くいますが、『移民で成り立っている国』にコミットして、自国の文化をしっかり持って生活してるからこそ多様性が生まれ、アメリカという強い国が成り立っているのだと思います。
「1人1人それぞれに個性があって、バラバラに見えるけれどもみんな同じ人間なんだよ!」って事だと僕は思っています。そういうところがアメリカの良さであり、好きな部分です。
だからこそ世界に誇れる日本の魂を、アメリカの多様な色彩の中に少しでも残したいと思っています。

-さまざまな国から人が集まっているハワイでは、フリーランス自体は多いと感じますか?

あらゆる業種においてフリーランスで働いている方は多いですね。企業で働いていた方が 起業されることも多いし、もともと組織に属さず、仕事に自由を求めている人も多いと思います。中には新しいビジネスを3つも4つも抱えてるアイディアマンもけっこういますよ。みんな、夢を持っていて、いつか叶うと信じている…。たくましさがありますね。

また、年齢に関わらず、大学に戻って専門分野を学んで、それから起業するという人も多くいます。年齢にこだわること無く、夢や職業と向き合って生きていく姿勢は学ぶべき点ですよね。

-支払いの経路などについて伺いたいのですが、銀行振込が多いですか? 現金払いとか、現物支給なんてことはあるんでしょうか?

支払いの基本はチェック(小切手)ですね。チェックは昔からある古くさい決済方法ですが、支払先を指定して、必ず銀行が関与するので、安全と言えます。
ハワイの中でもホノルルは世界有数の観光地であり、ハワイ経済の中心地ですので、他国と変わらないと思います。

-ネット回線の速度とコストについてはどうですか?
Wi-Fi環境や携帯電話はどうやって契約するのかなど、教えてください。

観光スポットでは日本と比べてフリーWi-Fiはたくさんありますけど、回線速度は日本の有料のものに比べると非常に遅いですね。正直、クラウド時代にとても辛い状況ではあります。
ネット契約の価格は一番いい回線で、up to 100 Mbps / up to 5 Mbpsで約80ドル/月です。

-その他、生活の中で感じていること、メッセージなどあればお願いします。

『自由の国、アメリカ』と言いますよね。「それ本当なの?」と思う人もいるかもしれませんが、要は「その自由を自分のものにしてエンジョイするかどうか」なのだと思います。
どこにいても、働けば働くだけ収入も増えますよね。特にフリーランスの場合、振り幅は大きいものになると思います。

でも、僕の場合、あくせく働く為にハワイに来た訳ではありません。仕事に重きを置いていた日本もよかったけれど、「そろそろ違う世界を見てみたい」という願望が強くなってきたんです。

小さな島での生活ですから、お金をたくさん儲けるのであれば、日本や大都市にいた方が可能性が大きいとも思います。でも、せっかく常夏で温暖なハワイに住んでいるわけですから、燦々と輝く太陽の下、涼しい風が流れる環境で、自由に仕事したいと願っています。
実際に、パソコンを片手に公園で仕事したり、暇な時間ができれば、仕事は終了! ジョギングをしたり、家族と海でのんびり過ごしたりしています。
思い切って移住してよかったと感じるのは、そんな時です。

みなさんが興味のある知りたいことについて、回答を頂きました。

ある日の流れを教えてください

ある1日のタイムスケジュールです。

7:00
起床&朝ご飯。
8:00
子供と少し遊ぶ。
9:00
仕事開始!デザインワーク後、プレゼン資料の確認。
11:00
クライアントさんのオフィスで名刺に使う写真の撮影。
デザインだけでなく印刷やウェブサイトで使う写真のほとんども自分で撮影し総合的にブランディングを完成させます。
13:00
新規クライアントさんとミーティング。
ホノルルに新規開店するカフェで働くスタッフのトレーニング風景を見学。
14:00
ブランドのデザインの最終確認とグッズなどのプレゼンテーション。
デザインの最終的な方向を決まり、コーヒーで乾杯。
16:00
家に帰宅し、子供と少し遊んで夕飯。
19:00
子供の寝かしつけ完了後、デザインワーク再開。ウェブサイト制作は昼間に見た印象と夜間に見た印象の差などを詰める為にも、午前と午後に作業は振り分けている。
23:00
インターネットで日本のニュースをチェック。
25:00
子供と嫁さんが起きないように、こっそり川の字就寝。
その国独自のキーボードなど、仕事環境に違いはありますか?
USキーボードというのはありますが、あまりJAキーボードと変わりません。
USキーボードはDeleteキーが大きい代わりに、Returnキーが小さくって、正直、僕は苦手です。
現地のエンジニアの質やレベルをどう感じますか?
日本と比較したら、単純にパイが小さい分、低いかもしれません。
ただ時として、とてつもないジーニアスがいます!
法的制限はありますか?
正直な所法律国家なので、特定のコントラクトを結んだ場合、コンプライアンスに従わない場合は、法的措置が待っています。怖い。
独自フォントはありますか?
特にないです。ちょっと違いますが、古い建物が多い島なので、看板などにクラシックなヘルベチカなどのフォントをよく見かけます。
現地の人の日本に対するイメージはどうなんでしょうか?
日本人に対しては世界と比較しても好意的な島と言えます。それは何より我々の大先輩である日系移民のおかげです。『日本人!?だから何?』と言うほどたくさんの日本人が生活しているので、外国人であるということはあまり感じないかも。
弁当(BENTO)、ふりかけ(FURIKAKE)、照り焼き(TERIYAKI)、ラーメン(RAMEN)、すし(SUSHI)などは、もはやハワイの公用語になっています。
現地の家電事情、日本の炊飯器みたいな独自のもってあるんですか?
家電ではありませんが、スパム結びメーカー(プラスチック製)はハワイ独特なものかも?!
美味しい食べ物、おすすめの食べ物はなんですか?
ロコモコ(いわゆる卵&ハンバーグ&グレイビーソース丼)は、お店によって味やスタイルが様々で食べ比べには最適な一品です。
人種のるつぼですので、中華料理、台湾料理、ベトナム料理、タイ料理は、現地そのままの家庭料理が当たり前のように食べられます。日本のように日本人の口に合うようにはアレンジされていない所が面白いですよ。
その国の面白いwebサービス、流行ってるサービスはありますか?
webサービスに関して言えば、インフラに問題があるので頭打ちです。
“サービス”というカテゴリでくくると、ハワイ伝統のロミロミマッサージ、ウエディングビジネス、自然を満喫するオプショナルツアーなどは定番サービスと言えます。
流行というか、現在、ハワイは高級コンドミニアム(マンション)建設ラッシュですので、不動産ビジネスについての話題は絶えませんね。
休日の過ごし方はどんな感じなのですか?
子供ができた時に奥さんと話し合って、TVを捨てたので、TVを見てのんびり過ごすということは無くなりました。
ファーマーズマーケットへ新鮮な野菜を買いに行ったり、ローカルのイベントに参加したり、公園や海でのんびりします。
週末の楽しみは、友人の家でご飯を共にすること。
そういう意味では日本と変わらない普通の生活です。
現地の方々の勤怠はどうですか?
会社に属している人の話だと、やはりのんびりした社員は多いようです。
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