SIerからフリーランスになる方法は?案件の種類や将来性を解説

この記事でわかること
  • SIerからフリーランスになるためのステップ
  • SIerからフリーランスになるメリット・注意点
  • SIerフリーランスの将来性

現状はSIerでエンジニアで働いており、いつかはフリーランスとして独立したいと考えている方もいるのではないでしょうか?SIerでのエンジニア経験がある場合、フリーランスとして独立しやすいといわれています。そのため、SIerでそれなりのスキルや実績が身についているのであれば、フリーランスという働き方を検討しても良いかもしれません。

本記事では、SIerからフリーランスとして独立するステップやSIerフリーランスの年収相場、将来性などを解説します。

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SIerからフリーランスになれる?

結論からいえば、SIer(エスアイヤー)に勤務して身につけたスキルを活かしてフリーランスになることは、一般的には可能といえます。

SIerは「System Integration(システムインテグレーション)」の略称で、システム開発や運用などを請け負う企業のこと。SIerもフリーランスも、請負先が異なるだけで、受託をするという意味では同じです。つまり、経験が活かせる可能性があるのです。なお、SIerには正社員として2~3年勤務して、実務経験を積んでおくことをおすすめします。それぞれの内容について解説します。

請負先が異なるだけで受託という意味では同じ

SIerの会社に勤める場合でも、フリーランスとして個人で活動する場合でも、システム開発に関わる案件を受託するという意味では同じです。SIerの会社員は企業間で契約し案件を受注する、フリーランスは個人が企業と契約し案件を受注するというように、契約するのが企業であるか個人であるかという違いがあるのみといえるでしょう。

SIerでシステム設計や開発、運用などの業務経験があれば、フリーランスを目指すことへのハードルは必ずしも高くありません。

ある程度の実務経験、スキルが必要

SIerからフリーランスとして独立するには、SIerの会社に正社員として2~3年以上勤め、実務経験を積み上げておくのがおすすめです。フリーランス向けの案件でも、SIer出身者に求められる条件として「SIerでの実務経験」「SIerでのSEの経験5年以上」といったものが多くなっています。

少なくともSIerで2~3年以上勤め、スキルを持っている状態にしておくことが望ましいでしょう。

SIerに在籍していた人材は重宝される傾向にある

SIerに在籍していた人材は重宝される傾向にあるのも、SIerからフリーランスとして独立しやすい理由の1つです。フリーランスを求める企業は、即戦力となる人材を期待しているため、SIerに在籍していた人材は重宝される傾向にあります。

特に大手SIerに正社員として在籍していた場合は、前職の知名度や信頼性から、フリーランスになってからも案件を受注しやすい可能性が高いでしょう。ただし、必ずしも前職が大手のSIerである必要はなく、大手クライアントのプロジェクトを経験したような場合も、案件を獲得する際に有利になるといえるでしょう。

「SIerではスキルは身につかない」といわれることもあるようです。確かに、プログラミングや開発などの技術を習得する機会は少ないケースもあります。しかし、要件定義や基本・詳細設計、マネジメント能力などの、SIerフリーランスに必要とされるスキルを身につけることは可能です。

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SIerからフリーランスになるためのステップ

SIerからフリーランスとして独立するためには、「SIerに就職して実務経験を身につけておく」ことが基本です。さらにフリーランスになる前に、「副業として始めてみる」こともおすすめします。それぞれの内容を解説します。

SIerに就職して実務経験を身につけておく

未経験の状態から、フリーランスとしてシステム設計や開発、運用などの案件を受注するのは簡単なことではありません。一度は企業に就職し、実務経験を積んでおくことが賢明といえるでしょう。会社員であれば、案件を受注する上で必要なクライアントとの円滑なコミュニケーションの取り方も、上司や先輩のやり方を見て学ぶことが可能です。

副業として始めてみる

まずは副業として、システムの設計や開発などの案件を受注してみることもおすすめです。会社員として勤務している場合、いきなり退職してフリーランスになると、それまで安定的に得られていた収入が一気になくなるリスクが生じます。副業として始める場合は、会社員としての収入を確保した上で挑戦できるため、リスクを最小限に抑えられます。

また、現状の自分のスキルやノウハウで、どの程度案件を受注できるかどうか試してみる意味でも、副業はちょうど良い始め方といえるでしょう。副業であっても、自ら案件を受注した経験は、今後フリーランスとして独立する際に活きてきます。

ITコンサルの副業について詳しく知りたい方は、こちらの記事をご覧ください。
ITコンサル副業向け案件の種類と獲得術!報酬や必要スキル・注意点も解説

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SIer・SES・SEの違い

SIerは企業、SESはサービスの形態、SEは職種を意味するという違いがあります。

SESは、「System Engineering Service(システムエンジニアリングサービス)」の略語です。エンジニアが不足している企業に対して、エンジニアの労働力やスキルの提供を労働時間単位で紹介するサービスを指します。SEは「systems engineer(システムエンジニア)」の略語で、ソフトウェアの設計や開発を担う、システム開発の上流工程を担う職種です。

一方、SIerは「System Integration」に人を表す「er」を付けた造語で、依頼を受けて情報システムの設計・開発・運用などを行うIT企業のことを表す言葉です。

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SIerの種類

SIerは、業務内容や企業の成り立ちによって、以下のように分類されます。

  • ユーザー系
  • メーカー系
  • コンサル系
  • 独立系
  • 外資系

それぞれの特徴を解説します。

ユーザー系

ユーザー系sierとは、一般企業の情報システム部門などが独立したSIerです。金融系や商社系、通信系といった、大規模なシステムが必要とされる業界の大手企業を親会社に持つことが一般的です。 企業の成り立ち上、親会社の業務に関する専門的な知識が求められます。

ユーザー系SIerからフリーランスとして独立する場合、業界の専門知識が役立ち、さらにPMやPLといった管理系の職種として活躍できるでしょう。

PMは、プロジェクトの総責任者として全体を管理する役割を担います。一方、PLは計画通りにプロジェクトが進むよう調整する役割であり、プロジェクトの実行に責任を持つ現場監督のような立場です。

メーカー系

メーカー系SIerは、情報機器メーカーのシステム開発部門が子会社、あるいは関連会社として独立したSIerです。ユーザー系SIerと同じように、親会社や関連会社の下請け業務が多いため、経営は安定している傾向にあります。親会社や関連会社の下請け業務以外に、他社向けのシステム開発を行うこともあります。

PMやPLなどの管理系職種やプログラマーとして独立すると、案件を受注しやすいでしょう。

コンサル系

コンサル系SIerとは、システム開発に関わるコンサルティングファームのことです。コンサルティング業務を中心にサービスを提供しているSIerであり、基本的に、他のSIerのような情報システムの企画や設計などは行いません。

コンサル系SIerから独立する場合は、PMやPL、ITコンサルタントとしての活躍が期待されます。さらに、いわゆる開発案件だけでなく、コンサルティング案件の獲得に強いことも特徴です。

独立系

親会社を持たないSIerは、独立系SIerに分類されます。親会社がないために特定の会社からの大きな影響を受けることなく、システム設計などができることが特徴です。クライアントは、金融系やメーカーといった大手企業であることが多く、フリーランスになった後も比較的大規模の案件に携われたり、PMやPLなどの管理系職種として案件を受注できたりする傾向にあります。

外資系

日本法人を持つ外資のSIer全般を、外資系SIerと呼びます。外資系SIerでは、職場の公用語として英語が用いられているケースも珍しくなく、ITスキルだけではなく英語力も求められることが珍しくありません。フリーランスとして独立する場合、グローバルな案件にも参画しやすいのが特徴といえるでしょう。職種としては他のSIerと同様に、PMやPLなどの管理系職種として活躍できるチャンスが広がっています。

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SIerフリーランスの年収相場

SIerフリーランスの年収の相場は、一般的に700~1,000万円程度とされます。一方で、会社勤務のSIerエンジニアの平均年収は500万円程度といわれているため、フリーランスの方が年収が高いことがわかるでしょう。ただし、フリーランスの場合はここから、税金や年金、健康保険料などをすべて自分で支払う必要があります。そのため、会社員時代よりも約1.5倍の金額を稼がないと、実質的な増収とはならず、一概に両者の年収を比較することは難しいでしょう。

また、スキルや実績、経験年数などは人によって異なります。これらの要素によって報酬の単価が変動するため、フリーランスになれば必ず年収が上がるわけではないことにも注意が必要です。

ITコンサルの単価について詳しく知りたい方はこちらの記事も併せてチェックしてみてください。
ITコンサルタントの単価相場は?フリーランスになるメリットや将来性について解説

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SIerフリーランスが収入を上げる方法

SIerフリーランスが収入を上げる方法として挙げられるのは、主に以下の3つです。

  • 上流工程の案件を受注する
  • 東京で案件を探す
  • エージェントを利用して受注を効率化する

それぞれの方法を解説します。

上流工程の案件を受注する

SIerフリーランスとして収入を上げるには、なるべく上流工程の案件を受注するように意識しましょう。ソフトウェア開発にはフェーズがあり、SIerはそのうち、要件定義や設計といった上流の工程を担うケースが一般的です。クライアントと打ち合わせを行い、プログラム要件のニーズを正確に汲み取ってドキュメントに落とし込む能力が求められます。高いコミュニケーション能力や、開発の流れに関する知識が要求されるため、報酬額が高くなる傾向にあります。

東京で案件を探す

東京で案件を探すことも、SIerフリーランスが少しでも収入アップを目指す場合に有効です。システムエンジニアが受注する案件の数・報酬ともに、東京と地方では大きな格差が存在します。東京は案件の数が多いため、報酬をある程度高くしないと、優秀なSIerに選んでもらうことが難しいという状況があります。東京の企業の案件の方が要求されるレベルも高いものの、そのレベルに合わせてステップアップを続けることで、自分の収入を上げていくことが可能です。地方在住で東京の起業の案件を狙う場合は、フルリモートの案件を探すのも手です。

さらに、東京の企業の案件を多く受注し実績を重ねた後に地方で起業をすることで、案件の獲得や報酬アップも見込めるでしょう。

エージェントを利用して受注を効率化する

エージェントを利用して受注を効率化することも、SIerフリーランスが収入を上げるためにおすすめです。SIerをはじめとした、エンジニアに特化したエージェントサイトも増えてきています。エージェントは、スキルや経験に合った案件を提案してくれるだけでなく、その案件を獲得するために一緒に考えてくれる心強い存在です。そのため、エージェントの活用は、効率的な案件探しや受注率の向上につながります。

レバテックフリーランスでは、SEをはじめとしたIT専門職の案件探しをサポートしています。案件参画後もフリーランスの方が安心して働けるよう、担当アドバイザーがフォローし、契約更新や次回案件のお手伝いをしています。ご相談だけでも構いませんので、お気軽にお問い合わせください。

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SIerからフリーランスになるメリット

SIerからフリーランスになるメリットは、主に以下のとおりです。

  • 収入アップが期待できる
  • 働き方の自由度が上がる
  • 取引相手を選べる
  • 新しいサービス開発に関われる可能性がある

収入アップが期待できる

フリーランスになると、SIerで会社員として働くよりも収入アップが期待できるでしょう。前述のように、SIerフリーランスの年収の相場は、会社勤務のSIerエンジニアを上回るとされます。会社員として働く場合は、インセンティブ制度などが設けられているケースを除き、給与に個人のパフォーマンスは大きく反映されません。

しかしフリーランスになると、パフォーマンスや請け負った案件の量が報酬に反映されるため、取り組み方次第では大きく収入を伸ばすことが可能です。

働き方の自由度が上がる

働き方の自由度が上がることも、SIerからフリーランスになることのメリットとして挙げられます。SIerフリーランスの案件は、クライアント企業に常駐するものもありますが、フルリモートで受託できるものも少なくありません。その場合は、どこでも好きな場所で稼働することが可能です。案件によっては、成果さえ上げれば、稼働する時間も自由である場合があります。

取引相手を選べる

SIerからフリーランスになることで、取引先を自分で選べるようになることも魅力です。会社員時代は、基本的に業務命令で担当する業務や役割が決まります。取引先との相性が悪いと感じる場合でも、自分から断ることはできません。

しかし、フリーランスは自分主導で案件を受注できます。取引先との相性の良さを重視して、案件を選ぶことも可能です。

新しいサービス開発に関われる可能性がある

SIerフリーランスになれば、新しいサービス開発に関われる可能性が高まります。会社員時代と違い、フリーランスは参画する案件も選択することが可能です。SIerで会社員として働く場合は、自分で業務内容や役割を選べません。しかしフリーランスとして独立し、相応の実績をつけることで、新しいサービス開発をはじめとする上流工程の案件などを受託できる機会も増えるでしょう。

専門性を高めていきたい領域の案件に特化していくことも可能です。案件の面白さや新鮮さを求めたり、描くキャリアプランに沿った案件選びをしたりできることが、フリーランスのメリットといえるでしょう。

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SIerからフリーランスになる際の注意点

SIerからフリーランスを目指す場合は、以下の点に注意しましょう。

  • 収入が不安定になることがある
  • 会社員という肩書きで得られていた信頼性を失う
  • 営業活動をしなければならない
  • 自分で確定申告などをしなければならない

1つずつ解説します。

収入が不安定になることがある

SIerから独立したケースに限った話ではありませんが、フリーランスになると収入が不安定になることがあります。会社員時代は、毎月固定給が支払われるのに対し、SIerフリーランスは受託した案件の数や報酬単価によって、収入が大きく変動することがほとんどです。特にフリーランス駆け出しの時期は、毎月の収入が不安定になる可能性が高いでしょう。

高収入を得られるチャンスが広がる一方で、契約が切れた途端に無収入になるリスクがあることに注意が必要です。

会社員という肩書きで得られていた信頼性を失う

フリーランスになると、会社員という肩書きで得られていた信頼性を失うことがあります。クレジットカードや住宅ローンの審査に通りにくくなるのは、その代表的な例といえるでしょう。

ただし、フリーランスが例外なくローンが組めないというわけではありません。多くの金融機関はフリーランスに対し、ローン審査で「直近3年分の確定申告書」の提出を求めます。3年以上黒字であれば、フリーランスであってもローンの審査に通りやすくなるでしょう。

営業活動をしなければならない

SIerフリーランスは、主体的に営業活動を行い、顧客を獲得しなければなりません。会社員であれば、たとえ受け身のスタンスであっても会社の方針に従い、与えられた業務をきっちりこなせば大きな問題はないでしょう。しかしフリーランスになると、自分で積極的に営業をかけ、案件の獲得をしなければ、安定した収入は見込めません。自分で考えて案件獲得のための戦略を実行しないと、フリーランスとして活動し続けることは難しいことを認識しておきましょう。

自分で確定申告などをしなければならない

フリーランスとして独立した後は、自分で確定申告などの手続きをしなければならない点にも注意が必要です。SIerに勤務していた会社員時代には不要な「確定申告のための帳簿作成」「請求書の作成・送付」「国民健康保険などの支払い」といった事務作業が発生します。

会社員としてSIerで働く場合は、本業に注力できる環境が整っています。しかしフリーランスになると、細かな事務作業にもリソースを割かなければなりません。

確定申告についてチェックしたい方は、以下の記事をご覧ください。
業務委託契約者は確定申告が必要?|青色・白色の違いや書き方、提出方法を解説

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SIerフリーランスの将来性

結論からいうと、SIerやSIerフリーランスの将来性は高いと考えられます。それには以下のような事情があります。

従来は、企業がそれぞれ自社でシステム構築を行う「オンプレミス」が主流でした。しかし近年はクラウドサービスの普及によって、SIerに依頼してシステム構築する企業は減少しつつあります。また、SIerは日本生まれのビジネスモデルであり、海外での需要があまり高くないためグローバル展開が難しい点も、将来性が危ぶまれる理由とされます。

しかし、多くの日本企業は、過去に導入したシステムを使い続けているのが現状です。SIerが担っているシステム開発は、銀行や行政などの社会インフラを支える企業や機関であることが多く、複雑化しており、簡単にクラウド系のサービスに移行するのは難しいとされます。

そのため、SIerが担うシステム開発は、今後も一定の需要が見込まれるといえるでしょう。また、SIer出身の人材は慢性的に不足していることからも、SIerフリーランスが受託する案件がなくなる可能性も低いと考えられます。

昨今では、これまで主流であったシステム開発案件にとどまらず、コンサルティングなどに比重を置くフリーランスも増えつつあります。SIerからフリーランスとして独立した場合でも、スキルや実績が相応にあり、新しいことを学び続ける姿勢を持っていれば、今後も案件の確保に困ることは考えにくいといえるでしょう。

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SIerからフリーランスになる方法に関するよくある質問

ここでは、SIerからフリーランスになる方法に関するよくある質問に答えていきます。

Q. SIerからフリーランスへの転身を考える際、どのような準備が必要ですか?

SIerからフリーランスに転身するための準備として、まずは実務経験を積むことが大切です。また、副業として案件を受注することも有効です。

Q. SIerがフリーランスになることで、どのようなメリットがありますか?

SIerからフリーランスへの転身により、働き方の自由度が上がる、収入アップを目指せる、新しいサービスの開発に携われるといったメリットがあります。

Q. SIerからフリーランスになるために必要なスキルは何ですか?

プログラミングスキル、プロジェクトマネジメントスキル、コミュニケーションスキル、自己管理能力などが必要です。

Q. SIerフリーランスの年収はどの程度ですか?

スキルや経験によって異なりますが、SIerフリーランスの平均年収は700~1000万円程です。

Q. SIerがフリーランスになるデメリットはありますか?

SIerがフリーランスになるデメリットは、収入が不安定になりやすいこと、社会的信用が低くなること、営業活動が必要なことなどです。

※本記事は2023年10月時点の情報を基に執筆しております。

最後に

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