SAPコンサルタントはつまらない?仕事の魅力や難点、将来性について | レバテックフリーランス
SAPコンサルタントはつまらない?仕事の魅力や難点、将来性について
- SAPコンサルタントの役割や仕事内容
- SAPコンサルタントがつまらないといわれる理由
- SAPコンサルタントのキャリアパスと将来性
SAPコンサルタントとして働きたいけれど、「つまらない」という評判を聞いて、ためらっている方もいるでしょう。仕事をするならやりがいを持って働きたいものですが、つまらない仕事ではやりがいを感じにくいかもしれません。
本記事では、SAPコンサルタントを検討している方に向けて、仕事内容や将来性、本当につまらない仕事なのかについても解説します。SAPコンサルタントに必要な資格やスキルについても紹介するので、ぜひ参考にしてください。
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目次
SAPとは?
SAP(Systemanalyse und Programmentwicklung)とは、ドイツで誕生した世界最大級のソフトウェアメーカーの名称で、同社が提供するERPパッケージの名称でもあります。
なお、ERP(Enterprise Resource Planning)とは、人的資源や資産、情報などを一元管理するシステムのことです。ERPが登場したことで全社的に企業の経営資源を管理できるようになり、業務効率を飛躍的に向上させた企業も少なくありません。
ERPパッケージを提供するベンダーの中でも、SAPは高い企業シェア率を誇るベンダーです。SAP社の企業レポート(2023年7月20日)によれば、世界の100の巨大企業のうちの99社がSAP社のソフトウェアを導入し、2億9,300万人以上の人々がSAP社の製品を使用しています。また、SAP自体が巨大企業であり、2023年の時点で世界の156の国々に拠点を持ち、社員は10万人を超えています。
参照:SAP「SAP: The World’s Largest Provider of Enterprise Application Software(July 20, 2023)」
SAPコンサルタントの仕事とは?SEとの違い
SAPコンサルタントとは、SAP社のERPパッケージを専門とするITコンサルタントのことです。一般のITコンサルタントと同じく、システムやツールを活かして企業課題の解決をサポートしますが、SAP社のERPパッケージに特化したアドバイスを提供する点が特徴です。
SAPを導入しているものの使いこなせていない企業や、業務効率化を図るためのシステム導入を検討している企業では、SAPコンサルタントのサポートが求められています。仕事内容やSE(システムエンジニア)との違いについて見ていきましょう。
SAPコンサルタントの仕事内容
SAPコンサルタントの主な仕事内容は、以下のとおりです。
- クライアントへの現状のヒアリング、調査
- 要件定義
- SAPシステムの導入の企画立案
- プロジェクトの進捗管理などの導入支援
- 導入後の運用サポート
- アフターフォロー
いずれもITコンサルタントの仕事と同じですが、SAPを用いて企業課題の解決にあたる点が特徴です。システムやツールについての幅広い知識を有しつつも、とりわけSAPについての深い知識・実務経験を持つのがSAPコンサルタントといえます。
より詳しくSAPコンサルタントの仕事を知りたい方は、こちらの記事も併せてチェックしてみてください。
SAPコンサルタントとは?仕事内容や将来性・必要な資格・転職方法について解説
SAPコンサルタントとSEの違い
SEからSAPコンサルタントに転職する方も多いですが、仕事内容は大きく異なります。SEはプログラムの構成や作成がメイン業務となりますが、SAPコンサルタントはSAPを用いた経営課題の解決がメイン業務です。そのため、システムの導入プログラムをデザインしますが、個々のプログラムを企画・作成することは基本的にありません。
SAPコンサルタントはシステム導入後の保守や運用サポートも担当するため、SEとしての知識やスキルは必須です。しかし、業務の内容は開発よりも管理に近く、経営者の目線でシステム導入を提案し、全社的な経営課題や業務課題の解決に取り組みます。
SAPコンサルタントはつまらない?
SAPコンサルタントの仕事は「つまらない」といわれることがあります。しかし、どのような仕事に面白味を感じるかは個人によって異なるため、SAPコンサルタントの仕事が必ずしもつまらないわけではありません。
たとえば、「経営課題に合わせて活用するシステムを変えたい」と考えているなら、活用するシステムがSAPにほぼ限られているSAPコンサルタントの仕事は、単調に思えるかもしれません。しかし、SAPをベースに新しい活用方法を考案したり、より便利な社内システムへと昇華したりできる点に面白さを感じるなら、SAPコンサルタントはやりがいのある仕事です。
SAP自体の性能や機能も頻繁にアップデートされるため、「新しい知見を得たい」と考えている方にも面白い仕事といえます。また、経営課題を見つけることや課題解決の具体策を考案することに達成感を覚える方にも、SAPコンサルタントはやりがいのある面白い仕事です。
SAPコンサルタントに向いている人とは
SEやコンサルタントとしての経験がなくても、SAPコンサルタントになることは可能です。まずは次の知識やスキル、経験を有しているか、セルフチェックしてみましょう。
- SAPを使ったことがあり、SAPの機能やできることを熟知している
- ERPパッケージソフトの設計経験がある
- ERPパッケージソフトの導入経験がある
上記の要件に該当しない場合でも、SAPコンサルタントとして仕事をしながら必要な知識やスキルを習得することは可能です。しかし、SAPの導入に関する最低限の知識は必要です。
知識不足の場合は、SAPやERPパッケージについて学ぶことから始めましょう。
SAPコンサルが向いているかどうか自分では分からないという方は、副業から小さくチャレンジするのもおすすめです。
SAPエンジニア・コンサルタントが副業を始めるには?メリットや注意点を解説
SAPコンサルに求められるスキルや資格
SAPコンサルタントには、次のスキルが求められます。
- クライアントの経営課題を見つけ出すスキル
- SAP導入の具体的なプランを立案するスキル
- SAPを導入するメリット、導入しないリスクについて理論的に説明するスキル
- 相手の理解度に合わせてシステムを分かりやすく説明するスキル
なお、特別な資格がなくても、SAPコンサルタントとして働くことは可能です。しかし、SAP社認定資格の「SAP認定コンサルタント」を取得していれば、SAPコンサルタントとして必要な知識やスキルを有していることを示せます。
転職時のアピールポイントにもなるため、資格取得を目指してみてはいかがでしょうか。
SAP認定コンサルタントには、次の3つのレベルがあります。
- アソシエイト認定資格:SAPに関する幅広く基礎的な知識を有している
- スペシャリスト認定資格:アソシエイト認定資格に求められる知識に加え、具体的な役割も理解している
- プロフェッショナル認定資格:ビジネスプロセスに関する知識やSAPに関する高度な経験、理解を有している
また、SAP試験には次の3つのジャンルがあります。
- アプリケーションコンサルタント
- デベロップメントコンサルタント
- テクノロジーコンサルタント
それぞれのジャンルで必要とされる知識やスキルについて見ていきましょう。
参照元:SAP「SAP Certification」
アプリケーションコンサルタント
アプリケーションコンサルタントとは、主に業務系システムについての知識やスキルを証明するための資格です。
企業会計や人事配置、サプライチェーンの最適化について、具体的かつ専門的な知識を有していることを示します。すでにITコンサルタントとしての経験があるなら、取得を目指しやすい資格です。
デベロップメントコンサルタント
デベロップメントコンサルタントとは、SAP製品の設計や実装についての知識やスキルを証明するための資格です。プログラミング技術を有しているのはもちろんのこと、ツールやシステムを活用したアプリケーションを開発した経験がないと資格取得は難しくなります。
また、デベロップメントコンサルタントには、企業ニーズを分析し、既存のツールなどを使ってSAPアプリケーションを開発できることも求められます。すでにSEなどのITエンジニアとしての経験があるなら、取得を目指しやすいといえるでしょう。
テクノロジーコンサルタント
テクノロジーコンサルタントとは、主にインフラシステムの保守・運用に関する知識を証明するための資格です。SAPシステムを管理する上で生じる問題において、技術的なアドバイスを行えることが求められます。
インフラエンジニアとしての経験があれば、取得を目指しやすい資格といえます。ただし、SAPシステムを扱った経験がないときは、目指す試験のレベルに合わせた知識を習得しておくことが必要です。
将来性は?SAPコンサルと「2027年問題」について
SAPを導入している企業において、「2027年問題」は重要な意味を持ちます。また、2027年問題は、SAPコンサルタントの将来性にも大きな影響を与えます。SAPコンサルタントを目指す前に、2027年問題についての理解を深めておきましょう。
「2027年問題」とは
SAP ERPは、2027年にサポートを終了します。導入している企業は、SAPによるサポートの終了までに、後続システムである「SAP S/4 HANA」へ刷新するなどの対応が求められるでしょう。なお、SAP社によれば、2023年時点ですでに世界の100の巨大企業のうち85社が、SAP S/4 HANAの導入を完了しています。
参考:SAP: The World’s Largest Provider of Enterprise Application Software
SAPコンサルタントの将来性
「2027年問題」を受け、SAP S/4 HANAへの対応を急ぐ企業は少なくありません。そのため、SAPコンサルタントへのニーズは高く、常に不足している状況です。
2027年以降も、SAP社は新しい製品を開発・販売し続けるため、SAPコンサルタントの将来性は明るいと考えられます。将来性の高い仕事を目指すなら、SAPコンサルタントはよい選択肢の一つといえるでしょう。
SAPコンサルタントの仕事の魅力とは
SAPコンサルタントの仕事には、次の魅力があります。
- 安定した需要が見込める
- 年収が高い
- 経営知識が身に付く
いずれも将来のキャリアを築く上でも重視すべきポイントです。それぞれについて解説します。
安定した需要が見込める
前述のように、SAPコンサルタントは将来性が明るい仕事です。2027年問題によりシステム刷新が迫られている企業が多いだけではなく、SAP社自体がソフトウェアやシステムの分野で世界的企業であるため、SAPコンサルタントへのニーズは常に一定以上あると考えられます。
また、SAP社のシステムを導入する企業の多くは世界的な大手企業であり、コンスタントに保守管理の仕事を依頼されると期待できます。SAP社のシステムはグローバルに利用されているため、人によっては仕事で海外に赴くことも珍しくありません。
年収が高い
IT職種のなかでも年収が比較的高いことも、SAPコンサルタントの魅力の一つです。
2023年10月時点でのレバテックフリーランスの案件データによれば、SAPコンサルタントの平均月単価は85万円、年収にすれば単純計算で85×12=1020万円という結果になっています。
会社員のSAPコンサルタントでも、SAPコンサルタントの年収は500万円前後~1000万円を超えることもあるといわれており、高年収の職種であることは明らかです。
参考:SAPコンサルタントの単価相場は?案件例や今後の需要動向を解説
経営知識が身に付く
SAPコンサルタントとしての業務を通して経営の知識・ノウハウを学べることも魅力的です。SAPコンサルタントとして経営課題にアプローチするためには、クライアントの業務や業界の仕組みを深く理解することが自ずと求められるためです。
とくに、上流コンサルタントとしてのキャリアアップを目指す方にとっては適しているといえます。
SAPコンサルタントのキャリアパス
さまざまな魅力をもつSAPコンサルタントとして働くことで、次のキャリアパスが可能になります。
- キャリアを積みマネージャーを目指す
- 戦略コンサルタントや役員への転職を目指す
- フリーランスとして独立する
それぞれのキャリアパスについて解説します。
キャリアを積みマネージャーを目指す
SAPコンサルタントとして地道にキャリアを積むことで、マネージャーへの昇格を目指せます。昇格をゴールにする場合は、プロジェクトチームでリーダーシップを発揮することで、より早く実現が期待できるでしょう。
また、SAPコンサルタントとして培った経営視点での知識やマインドが、マネージャーやさらに上位の経営層として働く上で役立ちます。
戦略コンサルタントや役員への転職を目指す
SAPコンサルタントとして十分な経験を積み、経営や業務改善に関する豊富な知識を持てば、戦略コンサルタントへの転職が視野に入ってくるケースもあります。
SAPやITの枠にとらわれずに事業・経営課題に取り組む戦略コンサルタントは、SAPコンサルタントよりも高いニーズのある仕事であり、幅広い知識やスキルが問われるため、高年収も期待できます。
また、事業会社の役員への転職も視野に入れられます。SAPコンサルタントや戦略コンサルタントとしての経験が、事業を主体的に動かす役員の仕事にも活かせるでしょう。
フリーランスとして独立する
特定の領域でSAPを活かす専門知識や経験を身につければ、独自のノウハウやコンサルティング方法で価値を出せる可能性があります。フリーランスのコンサルタントとして独立し、複数のプロジェクトに参画するような働き方も検討できるでしょう。
フリーランスなら自分のペースで働けるため、ワークライフバランスを取りやすくなります。また、仕事量が収入にダイレクトに反映され、年収アップも期待できます。
SAPコンサルの独立については、以下の記事で解説していますので参考にしてみてください。
SAPコンサルタントが独立するメリットは?年収は?将来性についても解説
SAPコンサルタントに関するよくある質問
ここでは、SAPコンサルタントに関するよくある質問に答えていきます。
Q. 企業にとってSAPのERPパッケージを導入するメリットは何ですか?
ERPシステムを導入することで人的資源や資産、情報を一元管理し、業務効率を向上させることができます。また、データの分析・可視化が容易にできるため、経営戦略における意思決定を素早く行うことが可能です。
Q. SAPコンサルタントとして働く魅力ややりがいは何ですか?
SAPコンサルタントとして働く魅力ややりがいは、大手企業がクライアントにあることが多く、大きなプロジェクトに関わることができること、年収が比較的高いこと、上流工程から携わることができることなどがあります。
Q. SAPコンサルタントのキャリアパスにはどのようなものがありますか?
SAPコンサルタントのキャリアパスには、マネージャー職へのキャリアアップ、戦略コンサルタントや役員への転職、フリーランスとして独立する道などがあります。
Q. SAPコンサルタントに求められるスキルは何ですか?
SAPコンサルタントには、問題解決力、提案力、コミュニケーション能力、SAPシステムやERP製品に関する知識などが求められます。
Q. SAPコンサルタントとSE(システムエンジニア)の違いは何ですか?
SEはシステムの設計やプログラミングが主な業務ですが、SAPコンサルタントは、SAPシステムの導入を提案し、経営課題や業務課題を解決することが主な業務です。
※本記事は2023年10月時点の情報を基に執筆しております。
最後に
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