Scalaの特徴は?他言語(Java)との違いやメリット・将来性も解説

Scalaは、2004年にJavaのプラットフォーム上で公開された、比較的新しいプログラミング言語です。JVM上で動作するなどの共通点があるため、Javaエンジニアが学びやすい言語としても知られています。

Scalaの主な特徴は、コードがシンプルな点やハイブリッド言語である点です。また、高収入を期待できる点が、習得する主なメリットとして挙げられます。

Scalaはグローバルな大企業でも採用されており、将来性の高い言語です。本記事では、Scalaの特徴やプログラミング初心者が学ぶ際のポイントなどを解説します。

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目次

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Scala(スカラ)とは

コーヒーを飲みながらパソコンで仕事をするイメージ

Scala(スカラ)とは、プログラミング言語のひとつです。2004年に、Javaのプラットフォーム上で公開されました。その後、Scala2(バージョン2)、Scala3(バージョン3)が公開され、さまざまな機能が追加されています。

なお、プログラミング言語JavaやRubyが公開されたのは、1995年です。そのため、Scalaは他のプログラミング言語と比較して新しい言語といえるでしょう。

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Scalaの特徴

 

プログラミングの学習をするイメージ

Scalaの主な特徴は、以下のとおりです。

  • コードがシンプル
  • ハイブリッド言語である

それぞれ解説します。

コードがシンプル

コードの記述量が少なく、シンプルな点がScalaの特徴です。

プログラミングで記述するコードの量や書き方は、各言語によって異なります。Scalaはシンプルなプログラミング言語のため、多くの量を記述する手間が省けるでしょう。また、記述量が少ないと、万が一エラーが発生した場合にどこに問題があったのかを確認しやすいといったメリットがあります。

そのため、Scalaを用いればスムーズ・スピーディーな開発ができる点も特徴として挙げられます。

ハイブリッド言語である

Scalaは、2つの言語の性質を備えたハイブリッド言語である点も特徴です。オブジェクト指向型言語と、関数型言語の特性を持っています。

オブジェクト指向型言語とは、共通点を持つデータをそれぞれまとめた上で、後から組み立ててコンピューターを動かす「オブジェクト指向」を基準にした言語のことです。Java・PHP・Python・Rubyなどが、主なオブジェクト指向型言語として挙げられます。

関数型言語とは、外部の変数に影響を受けず、同じ入力を与えれば常に同じ出力で返される「純粋関数」の言語です。HaskellやErlangなどが、関数型言語の具体例として挙げられます。

なお、オブジェクト指向型言語は不具合を修正しやすい点、関数型言語は外部の影響を受けにくい点が主なメリットです。

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Scalaで何ができる?

スマートフォンを使用する様子

Scalaでできることは、主に以下のとおりです。

  • Webサービス開発
  • 業務システム開発
  • スマートフォンアプリ開発

それぞれ解説します。

Webサービス開発

Scalaを使って、ショッピングサービスやマッチングサービス、決済サービスといったWebサービスを開発することができます。従来、WebサービスはJavaなどのプログラミング言語を使って開発されていました。しかし、処理スピードの速さなどを理由に、近年Scalaを使ってWebサービスを開発する案件が増えています。

Webサービスにおいて、スピードが重視されるのはSNSの浸透が理由です。スムーズにコミュニケーションをとれるようにするため、近年はWebサービスの開発において実行速度が重視されています。

なお、ハイブリッド言語であることが、Scalaの実行速度が速い理由のひとつです。

業務システム開発

Scalaを使えば、業務システムの開発もできます。業務システムとは、金融システム・給与システム・勤怠情報管理システムのように、金銭の管理や企業の業務の効率化などを目的としたITシステムのことです。

新たな業務システムを導入するにあたって、企業は安定性や処理速度を考慮しなければなりません。そのため、安定性や処理速度の速さが特徴のScalaを用いるケースがあります。

なお、従来業務システムは歴史あるプログラミング言語、COBOLを使って開発されていました。近年は、Scalaに加えてJavaやPython、C言語といったプログラミング言語を使った開発が進んでいます。

スマートフォンアプリ開発

スマートフォンアプリの開発にもScalaが使用されています

スマートフォンアプリ開発とは、AndroidやiPhoneなどのスマートフォン上で作動するアプリケーションを開発することです。基本的に、AndroidのアプリとiPhoneのアプリで、用いるプログラミング言語が異なります。

Androidのアプリに使われる主なプログラミング言語は、JavaやKotlin、Pythonなどです。しかし、Scalaでも、Javaで開発するのと同じようなAndroidアプリを開発できます。今後、さらにScalaによるスマートフォンアプリ開発が広まる可能性はあるでしょう。

なお、iPhoneアプリの開発には、主にapple社が開発したSwiftが使われています。

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JavaとScalaの関係

プログラミングを使って開発する様子

実は、ScalaはJavaとの関係が深いプログラミング言語といわれています。

そもそもJavaとは、C言語を元に開発されたプログラミング言語です。Javaを使えば、Webアプリケーションやスマホアプリ(Android)、金融機関の機関システム、IoT機器などを開発できます

JavaとScalaの関係が深いとされる主な理由は、以下のとおりです。

  • JVM上で動作する
  • JavaのライブラリをScalaでも使用できる場合がある

それぞれ詳しく説明します。

JVM上で動作する

いずれもJVM上で動作する点が、JavaとScalaの関係が深い主な理由として挙げられます。

JVM(Java Virtual Machine、Java仮想マシン)とは、元々Javaのプログラムを作動させるためのソフトウェアのことです。JVMを用いることにより、記述したJavaのコードを特定のプラットフォーム・OS(WindowsやMacなど)に依存せずにうごかすことができます。

Scalaで作成したプログラムも、JVMで動作可能です。そのため、JavaもScalaも、どのようなOSを使うかを気にせずにプログラミングできます。

なお、Kotlinも、JavaやScalaと同様にJVMを利用できるプログラミング言語です。

JavaのライブラリをScalaでも使用できる場合がある

JavaのライブラリをScalaでも使用できる場合がある点も、関係性を示す根拠として挙げられます。

そもそもライブラリとは、再利用できるコードやデータの「部品」のことです。ライブラリを用いることで、開発時間の短縮につながったり、プログラム全体の質の向上につながったりします。

Scalaの開発者は、元々Javaの開発に携わっていました。そのため、Javaとの互換性が高く、基本的にJavaのライブラリも使えるようになっているのです。Javaの豊富なライブラリを活用すれば、Scalaの開発も効率的に進められるでしょう

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JavaとScalaの違い(プログラミング言語入門)

PC画面にコーディングする様子

JavaとScalaは関係の深い言語ですが、プログラミングする上で以下のような違いがあります。

  • データ型の宣言
  • 定数の宣言

データ型とは、数値や文字列といった種類のことです。プログラミングでは、扱うデータ型をあらかじめ宣言することがあります。

Javaでデータ型を宣言する際、すべて小文字で記述する点がポイントです(例:short)。それに対し、Scalaでは、頭を大文字にします(例:Short)。

定数の宣言とは、定数を使うにあたって定数の名前と型を指定することです。JavaもScalaも、変数(何度も代入可能)には「var」を使います。しかし、定数(初期化した後に代入できない)は、Javaが「final」、Scalaが「val」を使う点が主な違いです。

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Scalaを習得する2つのメリット

プログラミングを習得した人

Scalaを習得する主なメリットは、以下のとおりです。

  • 高年収を期待できる
  • Javaエンジニアが学びやすい

ここから、2つのメリットについて詳しく解説します。

高年収を期待できる

Scalaエンジニアとして稼働することで、高年収を期待できる点が主なメリットです。

Scalaは他の一般的なプログラミング言語と比べて新しい言語のため、まだ注目している人・習得している人は多くありません。競合相手が少ない分、人材に対する需要が高く高収入を狙えるでしょう。

なお、Scalaは新しい言語である分、90年代からあるJavaなどのプログラミング言語と比べて、案件数が少ない場合がある点には注意が必要です。

Javaエンジニアが学びやすい

Javaエンジニアが学びやすい点も、Scalaを習得するメリットとして挙げられます。なぜなら、ScalaはJavaとの互換性を考慮して開発された言語であり、Javaで身につけた知識やスキルを活用できるためです。

また、Javaと比べてScalaは記述する量が少なくて済み、エラーも生じにくい傾向にあります。今までJavaを中心に業務を進めてきた人がScalaを習得すれば、より効率的にプログラミングできるようになるでしょう。

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Scalaを習得する2つのデメリット

コーディングの勉強をする様子

Scalaを習得するデメリットは、主に以下の2つです。

  • 難易度が高い
  • 他言語と比べて統合開発環境が整っていない

それぞれ解説します。

難易度が高い

Scalaの難易度が高い点が、習得しようとする際のデメリットです。

ハイブリッド型言語であるScalaを習得すれば、オブジェクト指向型と関数型の両方の特性をいかして開発できます。しかし、その分両方の特徴を理解しておかなければなりません。

とくに、他のプログラミング言語を学んだことがなく、プログラミングに関する基礎知識を有していない人にとって、Scalaをいきなり習得することは簡単ではないでしょう。

他言語と比べて統合開発環境が整っていない

他のプログラミング言語と比べて統合開発環境が整っていない点も、Scalaを習得する際のデメリットとして挙げられます。

統合開発環境(IDE)とは、プログラミングで開発する際に、必要なソフトをひとつにまとめたプログラミング環境・ソフトウェアのことです。統合開発環境を用いることで、開発者は効率よくアプリケーションを開発できます。

ScalaはJavaと比べるとまだ統合開発環境が整っておらず、コンパイルに時間がかかるでしょう。

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Scalaに将来性はある?

海外企業で働くイメージ

Scalaエンジニアの将来性は高いといえるでしょう。なぜなら、今後Scalaに対する需要がますます高まることが予測されるためです。

まず、Javaとの互換性が高いため、今後Javaを使ったシステムから、処理速度の速いScalaへ乗り換える企業が出現する可能性が考えられます。一部のグローバル企業や日本のIT企業で既にScalaで開発を進める動きが出ているため、今後日本企業全般でも同様の取り組みが増えていくでしょう。

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Scalaエンジニアに向いている人の特徴

コーディングする様子

Scalaエンジニアに向いている人の主な特徴は、以下のとおりです。

  • Javaの開発経験がある人
  • チームワークがある人

Scalaは難易度の高い言語のため、Javaの基礎を理解していることは強みです。また、Javaとの互換性が高いため、Javaの開発経験がある人はすぐにScalaエンジニアとして活躍できる可能性を秘めています。

さらに、プログラミングはチームで進めることが一般的なため、チームワークがあれば、スムーズに開発できるでしょう。

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プログラミング初心者がScalaの基礎を学ぶには?

プログラミングの勉強をするイメージ

既に紹介したとおり、Scalaは他のプログラミング言語と比べて難易度が高いです。そのため、プログラミング初心者がいきなりScalaを学ぼうとすると、挫折してしまう可能性があります。

そこで、まずはJava・Python・Rubyなどのプログラミング言語を、スクールやオンラインサービスなどで学ぶとよいでしょう。既に普及しているプログラミング言語を習得して開発経験を積んでからScalaに挑戦した方が、知識もスキルもすんなり身につけられます。

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Scalaの特徴に関するよくある質問

ここでは、Scalaの特徴に関するよくある質問に答えていきます。

Q. Scalaのスキルを持つエンジニアの平均年収はどの程度ですか?

Scalaのスキルを持つエンジニアの平均年収は約600万円です。

Q. Scalaにはどのようなメリットがありますか?

ScalaにはJavaとの互換性が高い、使用するソースコードが少ない、オブジェクト指向プログラミングと関数型プログラミングの両方の機能を扱える等のメリットがあります。

Q. Scalaにはどんな特徴がありますか?

Scalaの特徴としては、オブジェクト指向言語と関数型言語の機能が統合されている、Javaのライブラリが利用可能、Javaの実行できる環境との互換性に優れている等が挙げられます。

Q. Scalaは主にどのような場面で活用されていますか?

Webサービスの開発、スマホアプリの開発、業務システムの開発等の場面で活用されています。

Q. Scalaにはどのようなデメリットがありますか?

Scalaには、学習の敷居が高い、求人数がまだ少ない、IDEが発展途上中等のデメリットがあります。

※本記事は2024年5月時点の情報を基に執筆しております。

最後に

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