個人事業主は保育園の申請が不利?審査の仕組みや有利にするコツ | レバテックフリーランス
個人事業主は保育園の申請が不利?審査の仕組みや有利にするコツ
「個人事業主は保育園に子どもを預けられる?」「会社員から個人事業主に変わっても保育園継続できる?」と気になっている個人事業主の人もいるでしょう。
そこでこの記事では、個人事業主やフリーランスが保育園の入園で不利になるかを解説します。審査基準の詳細や有利にするコツ、事前に用意するべき書類をまとめたので、保育園入園の準備に不安を抱えている方は、ぜひ参考にしてください。
個人事業主も保育園の利用が可能
多くの個人事業主の方が「自分は保育園を利用できるのか」と不安に感じていますが、会社員と同様に必要な手続きを踏めば問題ありません。
そもそも保育園は、「保護者が就労している」「保護者が病気の状態」などの理由により、家庭で十分に保育ができない子どもを預かり、保育するための施設です。したがって、保育を必要とする子どもがいれば、働き方や職業に関係なく保育園を利用できます。
以下の記事では、個人事業主が出産・育児に伴い利用できる支援制度を紹介しています。休業中の収入や保障について知りたい方はこちらも参考にしてください。
フリーランスは産休・育休がない?もらえるお金や利用できる制度を紹介
個人事業主は保育園の審査で不利になることはある?
個人事業主が保育園の審査で不利になるかどうかは、自治体の審査制度や個々の状況によって異なるので一概には言えません。以下で詳しい事情を確認していきましょう。
不利になるかどうかは自治体の審査基準による
個人事業主が保育園の審査で不利になるかは、お住まいの自治体の審査基準に左右されます。たとえば、審査基準の一つには「就労状態」があり、週にどれくらいの時間働いているかが保育園の入りやすさに影響します。
渋谷区を例にとると、「週5日以上就労し、1日8時間以上の就労を常態(おおむね月20日以上)」の場合の基本指数は20点です。一方、「週3日以上就労し、1日8時間以上の就労を常態(おおむね月12日以上)」の場合の基本指数は12点です。
審査基準や点数の詳細は後述しますが、基本的に各項目の指数を足し合わせ、指数が高い人から保育園に入れるよう調整されます。個人事業主であるため働き方の自由度が高く、フルタイムの人と比べて就労時間が短い場合は不利になるケースもあるでしょう。
個人事業主が不利になるといわれる理由
個人事業主が保育園の審査で不利になるといわれる理由の一つは、会社員に比べて就労状況の証明が難しいことです。会社員の場合、勤務先が発行する就労証明書や給与明細で就労状況を簡単に証明できますが、個人事業主は自分で事業を行っている証拠を揃える必要があるので書類の準備に手間がかかります。
必要な書類については、後述する「就労時間や事業を行っている証明書類を用意する」で解説するのでそちらを参考にしてください。
また、自治体によっては在宅ワークで働く人の優先順位を、外で働く人よりも低く設定しているケースがあり、これも個人事業主が不利になる背景となっています。ただ、「在宅だから点数が下がる」というルールは、在宅勤務が多い会社員にも同じように適用されるのが一般的です。そのため、「個人事業主という理由だけで、特別に不利になるわけではない」ということは知っておくと安心です。
認可外保育園なら就労状況で不利にならない
認可外保育園(無認可保育園)を利用する場合、就労状況の審査で不利になることはありません。認可外保育園は、各園が独自の入園基準を設けており、就労状況よりも申し込み順(先着順)や保育料の支払い能力が重視される傾向があります。
認可外保育園のメリットは、入園のハードルが比較的低く、柔軟な保育時間に対応してもらえることです。ただし、保育料が認可保育園より高額になる場合が多いのでその点は注意が必要です。
【審査のポイント】認可保育園の審査基準は大きく3つ
認可保育園の審査は、各家庭の状況を点数化し、合計点数が高い家庭から順番に入園が決定する仕組みです。審査時の基準は、どの自治体でも以下の3つの要素で構成されます(自治体によって呼び方は異なります)。

審査では、まず以下の式で基本指数と調整点数の合計点数を求めます。
-
基本指数(母親の点数・父親の点数) + 調整指数(その他の条件)=合計点数
上記で求めた合計点数が同じ家庭が複数ある場合は、「優先順位」の項目の審査よって優先的に入園できる家庭が決定されます。
なお、東京都の一部の自治体(※)については、都が運営する「保活ワンストップ(入園手続き・準備のご案内)」で保育指数シミュレーションを行うことが可能です。
※指数シミレーション実施自治体:港区、江東区、杉並区、板橋区、八王子市、昭島市、調布市、武蔵村山市、西東京市
参考:保活ワンストップ|東京都
以下では、「基本指数」「調整指数」「優先順位」の具体的な構成要素について解説します。なお、自治体ごとに設定項目は異なるので、あくまで例としてご覧ください。
基本指数
基本指数は、保護者の就労状況や健康状態といった基本的な情報に基づいて算定される基本的な点数です。就労状況に関しては、会社員・個人事業主などの働き方ではなく、実際の就労時間(日数)を問われるケースが一般的です。
【例】
- 就労状況(週◯日、1日◯時間以上)
- 疾病(通院、入院)
- 家族の介護(日常生活で常に必要、施設などで付き添いが必要)
調整指数
調整指数は、家庭の状況に合わせて基本指数に加算または減算される点数です。「兄弟姉妹が同じ園を同時に申し込む(加算)」「双生児以上の申し込み(加算)」といった事情が考慮されます。そのほかの要素は以下を参考にしてください。
【例】
- 父親または母親が不在(加算)
- 父親・母親のいずれか、またはともに求職中(加算)
- 同居の祖父母が保育の支援を行える(減算)
優先順位
優先順位は、合計点数(基本指数+調整指数)が同じ申請者が複数いる場合の選考基準です。所得の低い世帯が優先されたり、申請回数が多い世帯が優先されたりするケースがあるようです。優先順位の項目は自治体によっては公開されていない場合もあります。
【例】
- ひとり親世帯
- 調整指数より基本指数が高い世帯
- 養育している小学生以下の子どもの数が多い
個人事業主が審査を有利にするコツ
個人事業主が保育園の審査を有利に進めるためには、事前に自治体の審査項目を把握し、必要書類を用意しておくのが基本です。そのほか、やっておくと良いことを紹介するので確認していきましょう。
自治体の審査項目を確認する
まず最初に行うべきことは、お住まいの自治体の審査項目を確認することです。自治体によって審査基準や必要な点数の目安が異なるため、一般的な情報だけでは十分ではありません。具体的には、就労日数・時間による点数の配分や、在宅勤務の場合の取り扱いなどを確認しましょう。
自治体によっては、公式サイトで各指数の詳細を公開しています。過去の倍率や入園できた家庭の最低点数などが公表されているケースもあるので、可能な範囲で情報収集を行うと良いでしょう。
就労時間や事業を行っている証明書類を用意する
個人事業主が保育園の審査を通過するためには、会社員以上に就労を証明する書類の準備が大切になります。
会社員であれば、勤務先が発行する就労証明書1枚で就労を証明できますが、自分で事業を営む個人事業主は、就労証明書に加えて追加の証明書類が必要になる場合があります。事前に自治体のサイトを確認して漏れなく準備しましょう。
具体的な提出書類の例については、後述の「個人事業主が保育園申請する際に必要な書類」で解説します。
申請前から認可外施設やベビーシッターを利用する
申請前から認可外保育園やベビーシッターを利用することで、就労のために保育が必要であると判断され、調整指数で加算される可能性があります。実際に多くの自治体では、すでに保育サービスを利用している世帯に対して加算点を付与しています。
ただし、加算の対象になるには「週×日以上、かつ×ヶ月以上の利用実績が必要」「認可外の在園証明書が必要」などの条件が決められているケースがほとんどです。「1〜2回スポットで利用しただけ」では加算されない場合もあるので、事前に自治体の基準を把握しましょう。
また、自治体によってはベビーシッター利用料などの一部を補助してくれる助成制度があるので、こちらも確認してみると良いでしょう。
参考:ベビーシッター利用支援事業(一時預かり利用支援)|東京都
入園途中から個人事業主になっても継続利用できる
入園後に個人事業主になった場合も、月の就労時間が基準を満たしていれば、基本的に継続利用が認められるでしょう。その場合は、自治体が定める期間内に、新たな就労証明書を提出するといった就労状況の変更手続きを行います。この際、在宅勤務の割合が高くなったり、就労時間が大幅に減少したりする場合は、審査に影響する可能性があるため注意が必要です。
個人事業主が保育園申請する際に必要な書類
個人事業主が保育園を申請する際は、会社員とは異なる書類の準備が必要です。就労証明書が必要な点は会社員と同様ですが、就労状況を客観的に証明するため、そのほかの書類を組み合わせて提出することが求められるケースがあります。
ここでは、就労証明書および就労証明書とあわせて提出が必要な書類の例を紹介するのでご確認ください。
就労証明書
就労証明書は、就労状況を証明する書類ですべての自治体で提出が必要です。現在、就労証明書はこども家庭庁から標準的な様式が用意されているので、こちらの書類をダウンロードして必要事項を記入しましょう。各自治体のサイトからダウンロードすることも可能です。
【記入項目の一部】
- 就労時間
- 就労実績
- 産前・産後休業の取得
- 育児休業の取得
- 産休・育休以外の休業の取得
- 復職(予定)年月日
就労を証明する各種書類
自治体によっては、就労証明書に加えてさらに詳しい状況を証明できる書類の提出が必要です。たとえば、品川区では自営や経営者に対して、就労証明書に加えて以下いずれかの提出を求めています(以下の例は一部です)。
- オフィスの契約書
- 登記簿謄本
- 会社のWebサイト・SNSの画面
- 賃金台帳
- 入金の確認可能な通帳
収入を証明する書類
事業による収入を得ているかどうかの証明として、以下のような書類が必要になる場合もあります。
- 確定申告書の控え
- 収支内訳書
- 納税証明書
必要な書類の種類は自治体によって異なるので公式サイトを確認してください。開業したばかりで前年度の申告書の控えがない場合は、開業届の提出を証明する書類や事業計画書などで代替できる場合もあるため、自治体に相談しましょう。
開業届の提出を証明する書類
自治体によりますが、事業を行っていることの証明として開業届の提出を裏付ける書類が必要になる場合があります。特に、開業から間もない場合は、開業届を提出していることが事業実態を証明する根拠となるでしょう。
国税庁では、開業届を提出した人に対して、「日付」や「税務署名」を記載したリーフレットを配布しており、こちらを開業の証明とできる場合があります。すでに提出済みでリーフレット控えがない場合は、税務署の案内に従い「開示請求等の手続」を行いましょう。開業届のほか、確定申告書や収支内訳書といった税務署に提出した書類に関しても、控えがない場合は同様に開示請求を行えます。
また、e-taxで開業届を提出した場合は、e-Taxの受信通知(メール)を提出の証明とできる場合があります。
参考:
令和7年1月からの申告書等の控えへの収受日付印の押なつについて
開業直後で開業届や確定申告の控えがないときは?
「開業届をこれから出す」「確定申告はまだしたことがない」といった事情で控えがない場合でも、保育園の申請は可能です。多くの自治体では、以下のような代替書類での申請を受け付けています。
- 事業用銀行口座の開設書類
- 事務所の賃貸契約書
- 事業計画書
- すでに締結している契約書
代替として認められる書類は自治体によって異なるので、公式サイトを確認し不明点があれば電話で情報をチェックしましょう。
個人事業主が独立した直後は、案件探しにも追われがちです。保育園の審査で重視される就労実績を早期につくるには、ITフリーランス専門のレバテックフリーランスへ相談してみてはいかがでしょうか。レバテックフリーランスでは、担当アドバイザーがご希望に沿った案件の提案から契約までをサポートします。「子育てと両立できるか心配…」という相談にも対応しますので、ぜひお気軽にご登録ください。
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個人事業主の保育園利用に関するよくある質問
「保育園に入れる?」と不安に思う個人事業主の方が抱きがちな疑問を解消していきます。
Q.個人事業主は子どもを保育園に入れられない?
個人事業主でも、子どもを保育園に入れることは可能です。保育園の利用は「保育を必要とする子どもがいること」が条件であり、働き方は問われません。月の就労時間が基準を満たし、必要な証明書類を揃えれば、会社員と同様に保育園を利用できます。
Q.開業直後の個人事業主は保育園の審査で不利になる?
開業直後の個人事業主だからといって審査で不利になるわけではありません。保育園の審査で重視されるのは、働き方の違いではなく実際の就労時間だからです。事業計画書やクライアントとの契約書などで就労実態を証明できれば、会社員と同様の基準で審査を受けることが可能です。
Q.個人事業主が保育園を申請する際に用意すべき書類は?
保育園を申請する際は、入園申請書や就労証明書などの書類を提出します。就労証明書は会社員も求められる書類ですが、個人事業主はこれに加えて就労の実態を証明する確定申告書の控えや開業届のコピーなどの書類を求められる場合があります。必要書類は自治体ごとに異なるので、公式サイトや役所の窓口で正確な情報を確認しましょう。
Q.個人事業主が保育園の審査を有利にする方法はある?
認可外保育園の利用実績や長時間の就労の実績があると加算要因となる場合があります。さらに、複数の保育園への併願を検討することで、入園の可能性を高められます。
Q.もし保育園に入れなかったらどうすればいい?
審査に落ちた場合、多くの自治体では自動的に二次募集やそれ以降の選考にエントリーされ続けます。待機中は、ベビーシッターや保育ママなどのサービスを組み合わせて利用することを検討しましょう。自治体によっては独自の補助を行っている場合があります。
また、保育園に入れなかった場合でも、複数の選択肢があります。小規模保育(0~2歳が対象)や認可外保育園などは、通常の認可保育園とは異なる選考基準のため、入園できる可能性があります。お住まいの地域の児童施設は、自治体のサイトやここdeサーチ(子ども・子育て支援情報公表システム)で調べると良いでしょう。
参考:
子ども・子育て支援情報公表システム「ここdeサーチ」について|子ども家庭庁
※本記事は2026年7月時点の情報を基に執筆しております。
最後に
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