フリーランスの屋号ガイド!決め方やサンプル・ネーミング例

フリーランスになら一度は考える屋号。必須ではないので屋号なしでも問題はありませんが、適切な屋号をつけると受注率や知名度アップなどのメリットも期待できます。

屋号は大切な名前ですので、決め方の定石を知っておくとよいでしょう。そこで、フリーランスの屋号の決め方やサンプル、注意点などをまとめて解説します。エンジニアやライターなど仕事別のネーミング例や、禁止表現などの注意点も確認しておきましょう。

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業種別フリーランスの屋号のネーミング例・サンプル一覧

まずは、エンジニアやデザイナー、ライターなど業種別の屋号のネーミング例を紹介します。屋号付けの基本となるので参考にしてください。具体的な名付けの戦略やステップについては後述します。

フリーランスエンジニアの屋号例

フリーランスエンジニアの定番の屋号例を7つ紹介します。

  • 〇〇システム
  • 〇〇ラボ
  • 〇〇技研
  • 〇〇制作
  • 〇〇ソリューション
  • 〇〇プロジェクト
  • エンジニア〇〇

「システム」はプログラム、「ラボ」はコンサル、「技研」は機械設計などに特化した印象を与えられます。専門とする分野やスキルを明示するのがエンジニアの屋号のポイントです。

フリーランスWebデザイナーの屋号例

フリーランスデザイナーの屋号のネーミング例を7つ紹介します。

  • 〇〇Webデザイン
  • 〇〇デザイン
  • 〇〇デザイン事務所
  • 〇〇Web(ウェブ)
  • 〇〇クリエイト
  • Webデザインの〇〇
  • アトリエ〇〇

「Web」と入れると、Web系の業務が専門だとすぐにわかります。デザインの雰囲気によっては「〇〇工房」など、和風の屋号をつけるのもおすすめです。自分のデザインのイメージにぴったりの表現を選ぶのがコツです。

フリーランスライターの屋号例

フリーランスライター(編集を行う場合も含む)の屋号例を7つ紹介します。

  • 〇〇(自身の名前)ライティング
  • 〇〇(専門分野)ライティング
  • 〇〇ライター
  • 〇〇ライターオフィス
  • 〇〇企画
  • 〇〇編集(編集部)
  • スタジオ〇〇

執筆の仕事では個人名を使うケースも多く、「自分の名前+仕事内容」の屋号がよく見られます。本名にインパクトがなかったり同姓同名の有名人がいたりする場合は、ペンネームを屋号にすると良いでしょう。

フリーランスフォトグラファーの屋号例

フリーランスフォトグラファー(写真家)の屋号例を7つ紹介します。

  • 〇〇フォトスタジオ
  • 〇〇フォト工房
  • 〇〇フォトグラフ
  • 〇〇フォトストア
  • 〇〇スタイル
  • 〇〇スタジオ(studio)
  • 〇〇屋

「フォト」を入れると写真を扱うフリーランスだとわかりやすくなります。「〇〇studio」のようにアルファベットを入れれば、お洒落な雰囲気も出せます。自分がどのような写真を得意とするか客観的にとらえ、雰囲気に合う屋号をつけるのがポイントです。

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フリーランスの屋号の決め方・ルール

フリーランスの屋号には、本名やペンネームなどの名前やアルファベットが使用可能です。また、売上につなげるための基本ルールもあります。そこで、屋号の決め方として、5つのルールを紹介していきます。

業務内容や自身の特徴がわかりやすくする

業務内容がわかる屋号にするのは、確実に守りたい個人事業主の屋号の決め方です。事業に即したネーミングなら、どうクライアントに貢献できるか明確にイメージしてもらえます。

自身の特徴を屋号に反映するのもおすすめです。事業のビジョンや思いを屋号にすれば、クライアントの共感を得やすくなる上、競合との差別化も図れます。わかりやすさとオリジナリティを兼ね備えた屋号が理想だといえます。

簡単で覚えやすいものにする

簡単で覚えやすい言葉を選ぶのもコツです。なじみのない言葉だと印象に残りにくく、屋号だけで依頼対象から外れる恐れもあります。

比較的覚えてもらいやすいのは、「活動している地域名+事業内容」の組み合わせです。地域に縁のある人たちにとって親しみやすい名称になります。

漢字や英語を使う場合は、読みやすさを意識しましょう。読み方が分からないとわずらわしく思われる可能性もあります。屋号は知名度を上げるのに役立つので、できるだけわかりやすい言葉で作ってください。

ジンクスがあるなら入れてみるのも手

ジンクスを屋号に採用するのも手です。たとえばコーヒー業界は「濁音がつく商品はヒットする」とされており、以下のような名前をつけています。

  • BOSS
  • ジョージア
  • スターバックス
  • タリーズ

業界特有のジンクスがあれば考慮してみましょう。業界や業務内容ごとに「似合う音」もあるはずですので、自分の仕事のイメージに合った響きを探してみてください。

アルファベットなどでインパクトをもたせる

アルファベットを使うと屋号にインパクトが出せます。覚えてもらえないリスクはありますが、独自性を出すのに有効です。屋号で他のフリーランスに埋もれてしまうのを避けられるでしょう。

ポイントは、「読み方がわからないもの」「発音しにくいもの」を避けることです。難しい単語を使うと、口コミで広げてくれる人がいても間違って紹介される恐れがあります。

後述する注意点に気をつければ、屋号は自由につけられます。インパクトを出すための選択肢として、アルファベットも検討してみましょう。

ネームバリューがあるなら本名やペンネームを屋号にする

ネームバリューがあるなら、本名やペンネームを屋号にするのが良い方法です。すでに業界で名が知られているフリーランスは、本名の方が「有名なあの人だ」と注目してもらいやすくなります。

また、複数の事業を展開する予定の人も本名やペンネームの屋号が適しています。「Webデザインの〇〇」「〇〇フォトスタジオ」のように業種を限定すると、将来屋号を変更したくなる可能性が高いからです。

屋号が「Webデザインの〇〇」でも他業務をやって構いません。ただ、クライアントは「Webデザイン専業の人」と思うでしょう。不都合なケースが想定される場合は、本名やペンネームを屋号にするのが得策です。

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フリーランスが屋号をつける時の注意点

屋号には使用できない名称や記号があります。「せっかく決めたのに使用不可だった」とならないよう、NG例を知っておきましょう。フリーランスが屋号をつける際の注意点を4つ解説するので、ぜひチェックしてください。

法人と誤解される名称はNG

以下のように、法人と誤解される名称は使えません

  • 株式会社
  • コーポレーション
  • Co.ltd

また、「銀行」「証券」など、法律で定められた特定業種名を連想させる名称も禁じられています。屋号はあくまでも個人事業主のビジネスに用いる名称です。法人化しない限り、会社のような名称をつけるのは避けてください。

屋号に使用できる文字かどうか気をつける

屋号に使用できる文字・記号も把握しましょう。文字は比較的自由度が高く、漢字・ひらがな・カタカナ・数字・アルファベットいずれも使えます。アルファベットは大文字と小文字どちらも使用可能です。

一方、使える記号は限られており、「,」「.」「-」「&」「・」「’」のみです。この6つ以外の記号は選択肢から外しておきましょう。

既存の名称や類似の屋号は避ける

すでに使用されている・類似した屋号もつけられますが、避けた方が無難です。業界・営業区域が近いと、関連団体と勘違いされるからです。商標登録されている名称と同じだった場合、利用不可になる恐れもあります。

同名のフリーランスや会社が有名だと、検索結果で自分のWebサイトやブログが上位に表示されないケースもあります。同名の個人・団体が事件を起こしたとき風評被害を受けやすくなるのもデメリットです。

リスクを避けるには、届出前に屋号を検索して同じ名称や類似したものがないか確認してください。法務局によるオンライン登記情報検索サービス、特許庁の特許情報プラットフォームを活用するのも手です。

極端に長くしたり短くしたりしない

屋号の長さに制限はありませんが、極端に長い、または短い名称は避けてください。屋号が長すぎると覚えられない上、口に出して読みにくくなります。屋号つき口座やSNSアカウントを作る際、文字数オーバーになる場合もあるでしょう。

短すぎる屋号の場合、事業内容が正確に伝わらない可能性があります。長すぎず短すぎない文字数の屋号を考えましょう。

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最低限知っておくべきフリーランスの屋号のこと

屋号は法人の「会社名」「商号」に該当するものだと認識してください。事業所や店舗を構える場合は、事業所名・店舗名にあたります。どのようなシーンで屋号が使用されるか、フリーランスにとって屋号は必須なのかなどを開設します。

フリーランスの屋号は必須ではなく本名でも良い

屋号は「必須」ではありません。実際、屋号をつけず本名で働くフリーランスもいます。屋号をつけない場合は、開業届の屋号欄を空欄のまま提出してください。

開業届を提出した後に「やっぱりつけたい」と思ったら、確定申告書の屋号欄に記入しましょう。屋号を変更したいときも同様に、確定申告書の屋号欄に新しい屋号名を記入して提出してください。他の手続きは必要ありません。

ただ、良い屋号があれば案件獲得や人脈づくりにつながる可能性があるのは覚えておきましょう。

良い屋号があると仕事や人脈につながるシーン

良い屋号があると仕事や人脈の獲得につながる可能性があります。たとえば、以下のような媒体やシーンで屋号が使えると望ましいです。

  • 名刺
  • 看板やチラシなどの宣伝
  • ブログやWebサイト
  • SNS

業務内容が明確かつインパクトある屋号を記載すれば、世間の認知度が高まります。結果、仕事や人脈が得られる確率が上がるでしょう。具体的な屋号のつけ方は後述します。

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フリーランスが屋号をつける“メリット”

フリーランスが屋号をつけると事業や職種が明確になり、社会的信用も上がります。案件獲得やモチベーションアップにつながるのもポイントです。具体的なメリットを5つ知り、屋号をつけるかを決める判断材料にしてください。

どんな仕事をしているかのアピールになる

業務内容や職種がわかりやすくなるのが屋号のメリットです。「何をしている人なのか」が明確だと、クライアントが案件を提案しやすくなります。

たとえば、屋号に「デザイン」と入っていればデザイナーだとすぐにわかります。業務内容が不明瞭な屋号と比べ、デザイン制作の相談や依頼が来る可能性が高いでしょう。ブログやSNS、名刺などにも職種がわかる屋号を記載するのがコツです。

屋号つきの銀行口座が開設でき会計管理がしやすくなる

屋号があれば屋号つき口座を開設でき、会計管理がしやすくなります。個人名義の銀行口座で取引を行うと、プライベートの収支が混ざってしまいます。正確に財政管理をするためにも、屋号での事業用口座を作るのが得策です。

収支を分けて帳簿づけがスムーズになれば、事務作業にかかる時間を削減できます。確定申告の手続きも楽になるでしょう。何かと便利な事業用口座を作るなら、ぜひ屋号つきでの開設を検討してください。

社会的信用が上がる

屋号があると社会的信用が上がります。公的に事業運営しているフリーランスとみなされ、クライアントも「真剣に事業に取り組んでいる」と思ってくれるでしょう。

法人のように安定した基盤がないフリーランスは、社会的信用の高さが案件数に影響します。信頼性を高めて継続的な受注につなげるためにも、屋号をつけるのがおすすめです。

事業のモチベーションアップにつながる

屋号にはモチベーションを高める効果もあります。「屋号をつけて事業に愛着がわいた」「個人事業主になったという自覚がわいた」という人は多くいます。

ビジネスとプライベートを区別する意識が生まれるのもポイントです。「プロとしてより良い仕事をしよう」という気持ちを少ないコストでわかせるのに屋号は役立ちます。

知名度が上がる

屋号をつけると知名度が上がる可能性があります。屋号のつけ方次第では個人名よりも記憶に残りやすかったり、インパクトを与えやすかったりするからです。クライアントが仕事を依頼したくなったとき、すぐに思い出してくれる場合もあります。

本来は、仕事のクオリティの高さで知名度が上がるに越したことはありません。ただ、屋号が知名度アップの一要素になると知っておくのは決して無駄ではないでしょう。

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フリーランスが屋号をつける“デメリット”

屋号にはデメリットもあります。登録に手間がかかったり、良くも悪くも屋号のイメージで仕事が来たりなどです。具体的なデメリット3つを知った上で屋号をつけるか判断してください。

考えたり登録したりするのに時間がかかる

名称を考えたり登録したりするのに時間がかかるのがデメリットです。屋号にはわかりやすさと独自性がなくてはなりません。他の事業者と被らないのも大事なポイントです。

すべてを考慮して屋号を考えるのは大変です。特に屋号が被っていた場合は考え直す必要があります。時間がかかりそうなら、日頃から印象に残った言葉や気になったワードをメモしておくと良いでしょう。

良くも悪くも屋号のイメージで仕事がくる

屋号をつけると、良くも悪くも名称のイメージにそった仕事を頼まれます。業務内容を示す言葉を含めたり、インパクト重視で名づけたりすると、イメージが固定化する可能性があります。

「〇〇デザイン」という屋号を見たクライアントは、当然デザインの仕事を依頼しようと思います。デザイン案件のみ受注するなら構いませんが、コーディングや動画編集など他の業務もやりたい方は要注意です。

途中で変更すると時間がとられる

途中で屋号を変えようとすると時間をとられます。屋号つき口座を作る場合、変更手続きをしなければならないからです。他にも以下の作業が発生します。

  • 取引先に変更の知らせを送る
  • Webサイトの記載内容を修正する
  • 名刺を作り直す
  • 印鑑を作り直す

上記の手間を避けたい方は、フリーランスになる前から屋号の候補を考えておくのが得策です。

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フリーランスの屋号に関するよくある質問

フリーランスの屋号に関するよくある質問をまとめました。登録や変更などについて回答しています。今後独立を検討している方は参考にしてください。

Q. フリーランスで屋号がなくてもいいの?

フリーランスや個人事業主は、「絶対に屋号をつける」わけではありません。つけない場合は、開業届の屋号欄を空欄にして提出します。なお、作家や芸術家の「雅号」は、開業手続きにあたって屋号と同じ扱いとします。

Q. 屋号は登録しないといけないのですか?

屋号の登録は必須ではありません。実際、登録せずにフリーランスとして活動している人もいるようです。店舗を経営したり事務所を開設したりしている人は、店舗名・事務所名を屋号にするケースが多い傾向にあります。

Q. フリーランスの屋号はあとから変更できますか?

屋号は登録後も変更できます。変更するときは、確定申告で提出する申告書と決算書に新しい屋号を記入してください。開業届を提出し直す必要はありませんが、不安な方は「その他参考事項」に変更した旨を記載すると良いでしょう。

※本記事は2023年10月時点の情報を基に執筆しております。

最後に

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