フリーランスになるには? 必要な手続きや準備を解説 | レバテックフリーランス
フリーランスになるには? 必要な手続きや準備を解説
より自由な働き方が選ばれるようになった近年、フリーランスという働き方を選択する方が増えています。フリーランスとしてスムーズなスタートを切るためには、さまざまな手続きを経なければなりません。
本記事では、フリーランスを志す方に向けて必要な手続きを解説します。独立前にやっておいたほうが良い事前準備内容も紹介するので、ご一読のうえ、着実に準備を進めていきましょう。
フリーランスになるために必要な3ステップ
はじめに、フリーランスになるために必要な3ステップをお伝えします。
より詳しいガイドは、フリーランススタートガイドでも紹介しているので、こちらもぜひご覧下さい。

1.キャリアプランを立てる
フリーランスになるのであれば、まずはキャリアプランを立てる必要があります。計画もなく闇雲に突き進むのは、リスキーと言わざるを得ません。そのため、自分の目指す方向性やマイルストーンをしっかりと設定する必要があります。
具体的には、自分が持つスキルや経験を客観的に評価し、市場でどのようなポジションを目指すのかを決めます。さらに5年後、10年後にどのような人材になりたいのかという中長期的なビジョンも描きましょう。
特定の領域に特化したスペシャリストになりたいのか、幅広い知識を持つジェネラリストを目指すのかによって、身につけるべきスキルや取得すべき資格も異なってきます。
2.案件を探す
フリーランスとして継続的に案件獲得できるよう事前に市場調査しておきましょう。
まずは市場に自身の希望やスキルと合致する案件がどのくらいあるのかを確認します。
なお、案件探しにおいては、エージェントを活用することがおすすめです。自身のスキルや経験をもとに、参画可能な案件がどれくらいあるのかといった市場感を教えてもらえるでしょう。
レバテックフリーランスでは案件のご提案はもちろん、自身の市場価値やキャリアプランに関するご相談も承っております。ご興味のある方は下記よりご登録ください。
3.必要な手続きをする
フリーランスになる際は、法的手続きが必要になります。
以下を参考に、独立に向けて滞りなく手続きを進めてください。
1.保険と年金の切り替えをする
会社員は社会保険に加入していますが、フリーランスになると国民健康保険と国民年金への切り替えが必要です。一連の手続きはお住いの市区町村の役所で行うことができます。
なお、健康保険においては任意継続という選択肢もあります。これは会社の健康保険を最長2年間継続できる制度で、収入によっては国民健康保険よりも保険料が安くなる場合があるため、検討してみてください。
以下の記事では、フリーランス1年目にやっておきたいことについて詳しく解説しています。併せてお読みください。
フリーランス1年目にやることは?仕事の準備・手続き・備品リストをわかりやすく解説
2.開業届を提出する
続いて税務署に「開業届」を提出しておきましょう。
こちらは法律で提出が義務づけられているものの、罰則は設けられていません。提出することで確定申告の際に事業で得た利益を「事業所得」として経費計上しやすくなるという利点があります。
必要事項を記入したうえで、最寄りの税務署に持参する、あるいは郵送することで手続きが完了します。記入項目には屋号や事業内容、開業日などがあります。
参考:個人事業の開業届出・廃業届出等手続|国税庁
3.青色申告承認申請書を提出する
節税の観点では、「青色申告承認申請書」も税務署へ提出できると理想的です。この申請書を提出することで確定申告の際に青色申告を選択でき、最高65万円の特別控除を受けられるようになります。
申請書の提出期限は、1月16日以降に開業した場合は「開業から2ヶ月以内」、それ以外は「青色申告をしたい年の3月15日まで」です。期限を過ぎると、その年は白色申告となるため注意が必要です。
青色申告には複式簿記による記帳が必要ですが、現在は会計ソフトを活用することで比較的簡単に対応できます。
参考:青色申告制度|国税庁
フリーランスになる前にやっておきたい4つの準備
フリーランスになる前には、やっておくべき準備があります。
1.ある程度の貯蓄をしておく
フリーランスとして独立する前に、ある程度の貯金をしておくと安心です。独立直後で収入が安定しなかったり、病気で働けなくなったりした場合などに、大きな助けとなります。
貯蓄額の目安として生活費の6か月分、可能であれば1年分の貯蓄があると理想的でしょう。
もし貯蓄が十分でない場合、独立時期を見直す、あるいは銀行からの融資を検討するといった選択肢があります。
2.ローンやクレジットカードの申し込みをする
フリーランスになる前に、ローンやクレジットカードの申し込みも行っておきましょう。
フリーランスは収入が変動しやすいため、各種ローンやクレジットカードの審査が厳しくなる傾向にあります。そのため、住宅ローンやカーローンなど大きな借り入れが必要な場合は、会社員のうちに申し込んでおくことが得策です。
さらに、事業用のクレジットカードも作っておくと、経費管理を行いやすくなります。これは個人用と事業用のカードを分けることで、確定申告の際の経費計算が簡単になるためです。
3.スキルを磨く
フリーランスになる前に、スキルを磨いておくことも忘れてはなりません。
フリーランスとして成功するには、市場で通用する高いスキルが不可欠です。クライアントに選ばれ、継続的に案件を受注するためには、常に最新の知識とスキルを吸収し続ける必要があります。
スキルを客観的に証明できる資格取得も有効であるため、自学自習の時間を設けつつ、継続的に学習を進めてください。
4.ポートフォリオを作成する
フリーランスエンジニアとして案件を獲得するために、質の高いポートフォリオの作成は欠かせません。ポートフォリオは自分のスキルや実績を視覚的に伝える強力なツールであり、特に新規クライアントとの取引では決め手となることが多いためです。
ポートフォリオには一般的に携わったプロジェクトの詳細や成果、保有しているスキルを記載します。
フリーランスになるべきタイミングの見極め方
フリーランスになるべきタイミングを知るうえで、いくつかの要素に着目してみましょう。
たとえば自身のスキルの成熟度は、機が熟しているかどうかを判断する指標になります。フリーランスとして独立するのであればWebエンジニアとして3〜5年の実務経験があり、特定の技術領域で一定の専門性を持っていることが望ましいでしょう。
前述したように貯蓄額が「生活費の6か月〜1年分」に達しているかどうかも指標の一つになります。
これらの点を総合的に見ながら独立のタイミングを判断してみてください。それでもなお「フリーランスとしてやっていけるか不安」という方は、エージェントサービスを利用してみることをおすすめします。
レバテックフリーランスでは、フリーランスとして独立する際の相談も承っております。具体的に案件を探していない方もお気軽にご相談いただけますので、フリーランスに関して不明点がある方は面談をお申し込みください。
具体的にどんな相談ができるのかは以下の記事で紹介しています。
レバテックフリーランスは相談だけでもOK?相談できる内容やメリットも紹介
フリーランスになるメリット
フリーランスになると、以下のようなメリットがあります。
フリーランスは基本的に稼働日や時間、働くスタイルを自分で選んで案件に参画するため、自身に合った働き方を選択できます。リモート案件に参画することで通勤をなくし、その分の時間を業務や学習に充てて生産性を高めている方もいます。
さらに、自分で報酬単価を設定できるため、会社員時代より収入が増える可能性があります。特に高度な専門性を持つ人材は市場価値が高く、適切に案件を選べば年収を増やしやすいでしょう。
また、自分の裁量で仕事を選べることも大きな魅力です。興味のある領域や、やりがいを感じるプロジェクトに集中できます。これにより、スキルアップのスピードも上がり、市場価値をさらに高められるという好循環が生まれます。
フリーランスになるデメリット
もちろん、フリーランスという働き方にはデメリットもあります。
その筆頭としては、収入の不安定さが挙げられるでしょう。会社員のように毎月決まった給与が入るわけではなく、案件の有無や納品スケジュール、報酬単価によって収入が大きく変動します。特に独立直後や景気が悪化した際などは、案件の獲得が難しい場合があるでしょう。
また、すべての業務を一人で行う必要があることも大きな負担となります。コア業務のみならず、営業活動や確定申告をはじめとする事務作業も一貫して対応しなければなりません。これらの業務に時間を取られることで、本来の業務に集中できなくなるリスクがあります。
社会保障面では、健康保険や年金は全額自己負担で、雇用保険や労災保険の対象外となるため、病気や怪我で働けなくなった際の不安もあるでしょう。
フリーランスとして独立するか否かを検討するうえでは、メリットとデメリットを天秤にかけつつ、慎重な判断が求められます。
フリーランスの将来性
フリーランスという働き方は、特にIT業界において今後も増えていくだろうと予想されます。コロナ禍を経て進んだリモートワークの普及により、企業の働き方に対する考え方が変化し、優秀な人材を雇用形態にこだわらず登用する傾向が強まっているのです。
クラウドソーシングサイトは活況を呈しており、またフリーランスエージェントなどを通じて案件獲得がより容易になったこともこの流れを後押ししています。
需要の拡大により、フリーランスエンジニアの平均年収が上昇傾向にあるという歓迎すべき変化も見られます。専門性を磨き適切なマーケティングを行うことで、会社員時代を上回る収入を得ることも十分可能な時代になっているのです。
新設されたフリーランス保護新法とは?
2024年11月より施行された「フリーランス保護新法」は、フリーランスを守るための法律です。
この法律は、フリーランスの方が安心して働ける環境を整備することを主目的とします。具体的には、書面での契約締結義務化や、一方的な契約条件変更の禁止、支払い遅延に対する罰則などが規定されています。
この法律により契約の透明性が高まり、単価交渉や納期設定などにおいて、より対等な立場で協議できるようになったのです。また、報酬未払いのリスクも軽減され、事業の安定性が向上することも期待されています。
以下の記事では、フリーランス保護新法について詳しく解説しています。併せてお読みください。
【2024年11月1日施行】フリーランス保護新法とは?内容や下請法との違いをわかりやすく解説
フリーランスと会社員との違いは?
フリーランスと会社員の基本的な違いは、「雇用関係の有無」です。会社員は雇用契約に基づく労働者であるのに対し、フリーランスは独立した事業者として業務委託契約を結びます。このため、フリーランスには労働基準法が適用されず、働く時間や場所に関する制限がありません。
収入面では、会社員は毎月安定した給与を得られますが、フリーランスは案件の受注状況によって収入が増減します。
加えて、福利厚生の有無や社会保険への加入可否も異なります。
フリーランスに向いている人の特徴
自己管理能力の高い方は、フリーランスに向いている傾向にあります。フリーランスになれば、自身で計画を立て、進捗も管理しなければなりません。
加えて、コミュニケーション能力の高さも成功のカギとなります。クライアントと円滑にコミュニケーションを取り、要望を正確に理解し提案や交渉ができる方は、良好な関係を構築しやすいためです。
また、メンタル面でのタフさも必要になってきます。収入や仕事量が安定しない状況でも、精神的な余裕を保ちながら対応できるよう、メンタルヘルスマネジメントのスキルがあると理想的です。予期せぬ事態が起きても柔軟に対応できてこそ、成功への扉が開けるのです。
フリーランスとして活躍しやすいおすすめの職種
フリーランスとして成功するためには、市場ニーズが高い職種を選ぶことが重要です。特に以下の職種は、専門性と需要のバランスが良く、フリーランスとして活躍しやすい分野といえるでしょう。
フリーランスとして活躍しやすいおすすめの職種
- Webエンジニア
- Webデザイナー
- マーケター
- SEOコンサルタント
- シナリオライター
- プロジェクトマネージャー
- データアナリスト
- ITコンサルタント
いずれの職種においても、次に紹介するフリーランスとして必要な能力を磨くことが、成功への近道となります。
フリーランスとして成功するためのポイント
フリーランスとして長期的に成功するためには、いくつかのポイントがあります。
まずは、差別化されたスキルセットがあると理想的です。たとえば、Web系エンジニアの場合、プログラミング言語に加え、特定の業界知識やAIやブロックチェーンなどの先端技術に精通していると、市場で重宝されます。
フリーランスとして成功するには、継続的な学習と自己投資も求められます。オンラインコースや書籍、カンファレンスなどに積極的に投資しスキルアップを図りましょう。
コア業務にかかわる実力を固めたら、ソフトスキルも磨きます。コミュニケーションスキルによりクライアントとの信頼関係構築を図ることができれば、中長期的に安定した案件獲得につながります。
また、マーケティングのノウハウや節税対策など周辺業務に関するノウハウも高めておくこと、ビジネスをより加速させることが可能になります。
フリーランス向け!資金繰りに困ったときの対処法
資金繰りに窮した際は、フリーランス向けの融資制度を活用するという方法があります。
日本政策金融公庫の「小規模事業者向け融資」や「新創業融資制度」は、比較的審査がスムーズで、独立間もないフリーランスでも利用しやすいという特徴があります。
ほかにも、短期的な収入確保のため、クラウドソーシングサイトでの小規模案件を複数受注するという方法も効果的です。長期プロジェクトと比べると単価は低くなりがちですが、すぐに着手でき、短期間で収入を得られるメリットがあります。
なお、根本的な対策として、平常時から案件の分散を図ることが重要です。複数のクライアントと取引することで、一社からの発注がなくなっても全体の収入が大きく落ち込まないよう調整しましょう。また、収入の一部を事業資金として常に確保しておくことも、安定経営のポイントです。
フリーランスになるためによくある質問
最後にフリーランス未経験者からよく寄せられる質問を紹介します。
Q. どれくらい稼げば生活できる?
フリーランスとして生活していくために必要な収入は、生活スタイルや住んでいる地域によって大きく異なります。そのため一概には言えませんが、「手取り収入が会社員時代の1.2~1.5倍程度」を一つの目安にすると良いでしょう。
フリーランスになると、社会保険料の全額負担や税金の自己申告、事業経費などの負担が増えます。そのため会社員時代の収入を基準として1.5倍以上の収入を確保することが望ましいといえるのです。
Q. フリーランスにはどんな仕事がある?
フリーランスの仕事は多岐にわたります。主な仕事内容としては、Webサイト制作やWebアシステム保守・運用、マーケターやPMなどが挙げられます。
レバテックフリーランスでは、フリーランスの案件獲得に関するサポートを行っております。ご興味のある方は下記よりご登録ください。
Q. フリーランスに向いているのはどんな人?
フリーランスは、一定のスキルにくわえ自己管理能力やコミュニケーション能力、問題解決能力をバランスよく有している方が向いています。
また、不安定な時期でも焦らずに事業を継続するため、メンタルが安定していることも重要な要素です。
Q. フリーランスは未経験から目指せる?
未経験からフリーランスを目指すことは可能です。これまでIT業界で培ったスキルや経験が重視されるため、フリーランスとしてのご経験がなくとも心配する必要はありません。
レバテックフリーランスでは、フリーランスとしての独立に不安をお抱えの方に向けて無料相談会も実施しています。「フリーランスとしてやっていけるか不安」「市場価値を知りたい」とお悩みの方は、ぜひお気軽にご相談ください。
※本記事は2025年10月時点の情報を基に執筆しております。
最後に
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