副業が事業所得になる基準は?300万問題や帳簿の準備について解説!

副業を始める人が増える中、収入がどの所得区分に該当するか悩む方も多いのではないでしょうか。特に事業所得と雑所得の違いは、税金の計算において大きな影響を与えます。適切に申告するためには、基準を正しく理解しておくことが重要です。

この記事では、副業が事業所得になる基準を解説します。インボイス制度や電子帳簿保存法への対応方法も紹介するので、ぜひ参考にしてみてください。

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【2026年最新】 副業が事業所得と見なされる判定基準は?

副業の収入が事業所得として認められるためには、いくつかの基準をクリアする必要があります。ここでは、その3つの基準を紹介します。

副業が事業所得と見なされる判定基準

参考:事業所得と雑所得の区分について|国税庁

1.帳簿保存がなされているか

副業の収入が事業所得として認められるかどうかの最優先の判断基準となるのが、記帳および帳簿書類の保存が行われているか否かです。2022年の国税庁の通達改正により、記帳および帳簿書類の保存がある場合は、原則として事業所得に区分されることになりました。

売上や経費の記録を正確に残し、適切な形式で保存することが求められます。帳簿の作成を怠ると雑所得と判定される可能性が高まるため、日々の取引をしっかりと記録する習慣をつけましょう。

2.売上が300万円を超えているか

副業の収入額も、所得区分を判断するうえでの一つ基準です。

現在では、売上が300万円以上であれば、原則として事業所得と認められます。ただし、300万円を超えていても先述した帳簿保存がなされていない場合、事業所得とは認められません。

また、売り上げが300万円以下であっても、事業性が確認できる、あるいは過去3年間の売り上げが300万円を超えている場合などでは事業所得として認められるケースもあります。

このように、“売上が300万円を超えているか”はあくまでも事業所得として認められるための指標の一つといえるでしょう。

3.「事業性」の3要素を満たしているか

帳簿の保存や売上規模のほか、その副業に「事業性」があるかどうかも重要な判断基準となります。具体的には、客観的な事実に基づいて以下の3つの要素から総合的に判断されます。

  • 営利性: 利益を出す目的や仕組みがあるか
  • 継続性・反復性: 単発の活動にとどまらず、継続して何度も繰り返しているか
  • 独立性(自己の危険と計算): 会社に依存せず、自らのリスクと責任で活動しているか

一時的な収入や趣味の延長と捉えられてしまうようなケースでは、事業所得として認められない可能性があるでしょう。副業を事業として成立させるためには、計画的な運営と実態の伴う活動が必要です。

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雑所得と比べた事業所得の税制メリット

副業の収入を事業所得として申告すれば、さまざまなメリットがもたらされます。ここでは、事業所得ならではの税制上のメリットを紹介します。

青色申告ができる

事業所得として認められると、青色申告を選択できるようになります。

青色申告の対象となる所得区分は「事業所得」「不動産所得」「山林所得」の3つのみです。

青色申告のメリットは最大65万円の青色申告特別控除を受けられる点です。事前の承認申請や複式簿記による記帳など、一定の要件を満たす必要はありますが、大幅な節税効果が期待できます。また、家族への給与を必要経費にできる青色事業専従者給与という制度を利用できる点も、大きな利点の一つです。

さらに、青色申告であれば、後述の損益通算を行っても引ききれなかった赤字を、翌年以降の最長3年間にわたって繰り越すことができます。これを純損失の繰越控除といいます。

副業を始めたばかりで大きな赤字が出た場合でも、将来的に利益が出た際に過去の赤字と相殺して税金負担を軽減できるというわけです。

以下の記事では青色申告の特別控除について詳しく解説しています。併せてお読みください。

青色申告特別控除とは?控除の適用条件や申請方法を紹介

参考:青色申告制度|国税庁

損益通算ができる

事業所得で赤字が生じた場合、その赤字を給与所得や不動産所得のほか、総合課税の譲渡所得などのほかの所得から差し引くことができます。これを損益通算と呼びます。

副業で初期投資がかさみ赤字になってしまった年でも、本業の給与所得と合算することで全体の所得額を減らすことが可能です。結果として、納めるべき所得税や住民税を抑える効果が期待できるでしょう。なお、雑所得ではこの損益通算は認められていません。

参考:損益通算|国税庁

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事業所得に必要な帳簿書類の保存方法

事業所得を申告するためには、日々の取引を記録した帳簿書類を適切に保存する義務があります。詳しい方法について、以下で解説します。

青色申告をする場合

青色申告を行う場合は、原則として複式簿記による記帳が求められます。仕訳帳や総勘定元帳のほか、現金出納帳などの各種帳簿を作成し、これらを7年間(一部の青色申告者の特定書類は5年間)保存しなければなりません。

また、請求書や領収書といった取引を証明する書類も、原則7年間の保存が必要です。この保存を怠ると、青色申告の承認が取り消される恐れがあるため、しっかりと保管するよう心がけてください。

白色申告をする場合

白色申告の場合は、青色申告のような複雑な複式簿記は不要であり、単式簿記による簡易な記帳で問題ありません。しかし、帳簿の保存義務がないわけではなく、収入や経費に関する法定帳簿を作成し、青色申告同様、原則7年間保存する必要があります。

さらに、業務に関連して作成した任意の帳簿や、受け取った請求書や領収書などの書類は5年間保存することが義務付けられています。手続きが比較的容易であっても、書類の管理は徹底しなければなりません。

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インボイス制度への対応で留意すべきこと

2023年10月から開始されたインボイス制度は、副業で事業所得を得ている人にも影響を与える可能性があります。

適格請求書発行事業者に登録するかどうかは任意ですが、自身のビジネス環境に合わせて慎重に判断することが求められます。ここでは、インボイス制度への対応に関しての留意点をまとめました。

参考:インボイス制度について|国税庁

取引先にも影響が及ぶ

インボイス発行事業者※にならない場合、取引先が受けられる仕入税額控除は限定的になります。

そのため、取引先からインボイスの登録を求められたり、取引条件の見直しを打診されたりするかもしれません。事業としての信用維持につなげるためには、取引先の意向を確認することが大切です。

※税務署に申請して登録を受け、インボイス(適格請求書)を発行できるようになった事業者のこと

消費税の納付義務が生じる

インボイス発行事業者として登録すると、基準期間の売上が1,000万円以下であっても消費税の課税事業者となります。

これにより、これまでは免税されていた消費税を計算し、納付する義務が生じるため注意が必要です。負担増と取引維持のバランスを考慮しながら登録を検討しましょう。

以下の記事ではインボイス制度についてわかりやすく解説しています。併せてお読みください。

【図解つき】インボイス制度にフリーランスはどう対応するべき?影響や検討ポイントを解説

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電子帳簿保存法への対応はどうすればいい?

電子帳簿保存法の改正により、事業所得を得ているすべての事業者は、電子データで受け取った取引情報をそのまま電子データとして保存することが義務付けられました。たとえば、メールに添付された請求書や、Webからダウンロードした領収書などが対象となります。

これらを印刷して紙で保存することは原則として認められないため、専用のフォルダを作成して整理するなどの対応が必要です。保存する際は日付や金額、取引先名で検索できるようにしておくなど、定められた要件を満たさなければなりません。

領収書の具体的な記入項目や管理方法などについて詳しく知りたい方は、下記の記事をご覧ください。

個人事業主の領収書ガイド|レシート代用は可能?電子帳簿保存法の対応は?

参考:電子帳簿等保存制度特設サイト|国税庁

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スムーズに記帳と確定申告を終えるためのポイント

事業所得として申告するためには、日々の帳簿付けと確定申告の作業が欠かせませんが、これらの煩雑な作業はときとして大きな負担となります。

ここでは、記帳や確定申告を効率よく進めるためのポイントを2つ紹介します。

会計ソフトを使う

日々の記帳作業を大幅に効率化するために、会計ソフトの利用をおすすめします。

銀行口座やクレジットカードと連携させることで、取引明細を自動で取得し、仕訳を半自動化することが可能です。

また、青色申告に必要な複雑な複式簿記の帳簿も、専門知識がなくても簡単に作成できます。最新の税制改正にも自動で対応してくれるため、ミスのない正確な確定申告書類を作成するうえで非常に役立つでしょう。

税理士に依頼する

確定申告の作業に不安がある場合や、本業が忙しくて時間がとれない場合は、税理士に依頼するのも一案です。税理士は税務の専門家であるため、正しい知識に基づいた正確な申告手続きを代行してくれます。

依頼には費用がかかりますが、適切な節税アドバイスを受けられたり、税務調査のリスクを減らしたりするというメリットがあります。事業の規模が大きくなってきたら、専門家のサポートを受けることも視野に入れてみましょう。

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事業所得にする場合の副業の確定申告の流れ

副業の収入を事業所得として確定申告するには、事前に準備すべきことや決められた手順があります。初めて申告する方にとっては複雑に感じるかもしれませんが、流れを把握しておけばスムーズに進めることができます。ここでは、具体的な確定申告の流れをステップごとに解説します。

申請書類・届出の事前提出

事業所得と認められるには、事前に税務署への届出が必要です。開業日から1ヶ月以内に個人事業の開業・廃業等届出書を提出しましょう。

なお、青色申告を希望する場合は併せて青色申告承認申請書も提出しなければなりません。期限はその年の3月15日まで(その年の1月16日以後に新たに事業を開始した場合は、その事業を開始した日)です。

参考:

個人事業の開業届出・廃業届出等手続|国税庁

所得税の青色申告承認申請書|国税庁

帳簿の作成

確定申告に向けて、1月1日から12月31日までのすべての取引を記録した帳簿を作成します。売上や経費の領収書を整理し、会計ソフトや表計算ソフトなどを活用して日々の記帳をこまめに行うことが重要です。

特に青色申告で最大65万円の控除を受ける場合は、貸借対照表や損益計算書を作成できる複式簿記での記帳が求められます。年末になってから慌てて作業すると計算ミスにつながるため、定期的に帳簿をつける習慣を身につけましょう。

確定申告に必要な書類の準備・作成

年が明けたら、作成した帳簿をもとに確定申告に必要な書類の準備・作成にとりかかりましょう。

準備・作成すべき主な書類としては、確定申告書や青色申告決算書(白色申告の場合は収支内訳書)のほか、各種控除の証明書などが該当します。

なお、確定申告書の作成に際しては、会計ソフトの利用がおすすめです。煩雑な書類作成の手間やミスを減らせるなど、一考の価値があるでしょう。

参考:確定申告書等の様式・手引き等(令和7年分の所得税及び復興特別所得税の確定申告分)|国税庁

確定申告書類の提出

作成した確定申告書類は、原則として2月16日から3月15日までの間に管轄の税務署へ提出します。提出方法には、税務署の窓口へ直接持参する方法や、郵送で送付する方法のほか、e-Taxを利用してインターネットから電子申告する方法などがあります。

青色申告で最大65万円の特別控除を受けるためには、e-Taxによる申告または電子帳簿保存を行うことが必須条件です。効率面でもメリットが大きいため、オンラインでの提出を活用しましょう。

参考:【e-Tax】国税電子申告・納税システム(イータックス)|国税庁

申告した税金の納付

確定申告書を提出して所得税額が確定したら、納付期限までに税金を納める必要があります。所得税の納付期限は、原則として確定申告の期限と同じ3月15日です。

納付方法には、現金での納付や口座振替のほか、クレジットカード納付やスマートフォン決済アプリを利用した納付など、さまざまな選択肢があります。期限を過ぎると延滞税がかかる可能性があるため、余裕を持って納付手続きを完了させてください。

会計書類などの保存

確定申告と税金の納付が終わっても、作成した帳簿や取引に関わる書類は一定期間保存する義務があります。青色申告・白色申告ともに、書類に応じて5~7年間の保存が必要です。

税務署の調査が入った際に、これらの書類を提示できなければ申告内容を否認されるおそれがあります。紙の書類はファイルに綴じ、電子データは規定に従って厳重に保管しておきましょう。

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副業を行う際の3つの注意点

副業を始める際は、本業との両立や税務上の手続きなど、気をつけなければならないポイントがいくつかあります。ここでは、副業を行う際に注意すべき3つのポイントを解説します。

1.どの所得に該当するか把握しておく

自分の副業による収入が、税務上どの所得区分に該当するのかを正確に把握しておくことが第一歩です。事業所得や雑所得のほか、給与所得などに分類される場合もあります。

アルバイトやパートとして雇用されて働く場合は給与所得となり、フリーランスとして業務委託を受ける場合は事業所得や雑所得となります。所得区分によって税金の計算方法や適用される控除が変わるため、正しい知識を持っておきましょう。

2.確定申告の手続きをミスなく行う

副業の所得が年間20万円を超える場合は、確定申告を行う義務が発生します。申告を忘れたり、売上や経費の計算を間違えたりすると、ペナルティを課される恐れがあります。

経費にできるものの範囲を正しく理解し、プライベートの支出を混同しないように注意が必要です。正確な記帳を心がけ、期限内に確実に申告を終えるようスケジュールを管理することが大切だといえます。

3.開業届を提出しておく

副業であっても、事業として継続的に収入を得る場合は、税務署に開業届を提出します。開業届を出していなくても罰則はありませんが、提出することで事業所得としての申告や青色申告を行う前提条件が整います。

また、屋号名義での銀行口座を開設しやすくなることや、社会的信用が高まることなど、事業をスムーズに運営するうえでのメリットも見過ごせません。本格的に副業に取り組む決意表明として、早い段階で提出しておくと良いでしょう。

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副業が会社にバレないようにするには

就業規則で副業が認められている場合であっても、副業をしている事実を会社側や周囲に知られたくないという方もいることでしょう。

会社に副業を知られてしまうよくあるパターンとしては、住民税の納付額の変動が挙げられます。副業で収入が増えると、本業の給料から天引きされる住民税が高くなり、会社の経理担当者に気づかれてしまうのです。

これを防ぐためには、副業分の住民税の納付方法を普通徴収(自身で納付)に切り替えるのが有効です。これにより、副業分の住民税の納付書が自宅に届くため、会社に通知されるのを防ぐことができます。

ただし、自治体によっては副業のタイプや運用方針により、普通徴収への切り替えが認められないケースもあります。さらに、副業の所得がアルバイトやパートなどの給与所得に該当する場合、普通徴収への切り替えはできないため注意しましょう。

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副業が事業所得に該当するケースでよくある質問

副業と事業所得の関係について、疑問を抱える方は多いでしょう。ここでは、よく寄せられる質問とその回答をまとめました。

Q.事業所得と認められる基準は?

原則として帳簿書類の保存があり、営利性や継続性などの事業としての実態を満たしていることが基準となります。

Q.副業の所得が事業所得となることのメリットを教えてください

青色申告による最大65万円の特別控除を受けられることや、赤字をほかの所得と相殺できる損益通算が可能な点です。

Q.副業を会社に知られたくありません

確定申告時に住民税の徴収方法を「自分で納付」に設定することで、会社側に副業を知られてしまうリスクを下げられます。

※本記事は2026年6月時点の情報を基に執筆しております。

最後に

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