フリーランスが扶養に入るには?加入条件や確定申告の必要性を解説 | レバテックフリーランス
フリーランスが扶養に入るには?加入条件や確定申告の必要性を解説
「扶養から外れないようにフリーランスをするには?」と疑問に思ってる人向けに、具体的な条件を解説していきます。
なお、扶養内で働くには所得金額の上限をはじめ注意すべき点がいくつかあります。そこで、知らないと損する扶養の基礎知識や入るための条件も解説。控除を受けたり社会保険料を減らしたりしたい方は、ぜひお読みください。
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目次
扶養内でフリーランス(個人事業主)をする方法の要点
扶養に入りながらフリーランス(個人事業主)として働く方法の要点を解説します。扶養内で働く際は、所得金額に要注意です。「フリーランスの配偶者の扶養に入るケース」も紹介するので、当てはまる方はチェックしてください。
フリーランスが注意するのは「130万円の壁」
扶養に入れるかは、1年間にどれだけの所得金額があったかで決まります。基準は複数ありますが、フリーランスが特に注意すべきは「130万円の壁」です。
「130万円の壁」とは、社会保険料を自ら支払うかどうかが決まるラインです。年間の所得金額が130万円を超えると扶養から外され、自ら国民健康保険料や国民年金保険料を支払わなければなりません。
他にフリーランスが注意すべき所得金額は、「95万円」「113万円」です。それぞれの概要を表にまとめました。
95万円 | 年間の所得金額が95万円以下なら配偶者特別控除を受けられる。 |
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113万円 | 青色申告で65万円の控除を受ける場合、年間の所得金額が113万円以下なら所得税がかからない。 |
上記以外にも「103万円の壁」「106万円の壁」「150万円の壁」といった基準はあります。しかし、いずれも企業に雇われている給与所得者が対象なので、フリーランスが考慮する必要はありません。
フリーランスの配偶者の扶養に入る場合
フリーランスの配偶者(これから独立する人)の扶養に入る場合は、健康保険と年金を切り替えます。国民健康保険と国民年金に入るのが一般的です。配偶者が退職した日の翌日から14日以内に市区町村役場で手続きします。
健康保険の場合、配偶者が独立前に入っていた保険を任意継続できるケースもあります。任意継続するときは、退職日の翌日から20日以内の手続きが必要です。厚生年金は基本的に任意継続できないので、国民年金に加入しましょう。
知らないと危険なフリーランスの扶養の知識
知らないと損する扶養の基礎知識を紹介します。フリーランスが入れる扶養は2種類あり、扶養内でも確定申告が必要です。外れるタイミングについても解説するので、あわせてチェックしてください。
扶養内のフリーランスも確定申告が必要
扶養に入っているフリーランスも原則として確定申告が必要です。事業所得があり、他にパートなどの給与所得がない場合は確定申告しましょう。
扶養内で働くフリーランスなら、確定申告しても所得税はかからないか少額になります。また、取引先で源泉徴収された場合、確定申告により還付金が受け取れるのもポイントです。メリットもあるので忘れずに手続きしてください。
フリーランスが入れる扶養は2種類
フリーランスが入れる扶養は2種類あります。「所得税法上の扶養」と「社会保険の扶養」です。それぞれ解説します。
所得税法上の扶養
所得税法上の扶養とは、所得税などの税金が控除される仕組みを指します。控除の種類は以下のとおりです。
- 配偶者控除
- 配偶者特別控除
- 扶養控除
配偶者控除は養われる側の所得金額が少ないとき、養う側の所得から一定額を控除できる制度です。いくら控除されるかは、養う側・養われる側双方の所得金額によります。条件に当てはまらなくても、配偶者特別控除が受けられる可能性があります。
扶養控除は、配偶者以外の親族を養うときに適用される制度です。配偶者控除と扶養控除は、養われる側(配偶者や子ども)の年間の所得金額が48万円以下の場合に利用できます。
社会保険の扶養
社会保険の扶養は、養う側が入っている社会保険の被扶養者になれる仕組みです。被扶養者になれば、自ら社会保険料を支払わなくて済みます。
社会保険の扶養に入るには、対象となる親族の範囲に当てはまり、年間収入が一定以下である必要があります。配偶者や実子などであれば、同居している・していないを問わず扶養に入れるのが特徴です。
扶養を外れるタイミングとその影響
フリーランスは社会保険の扶養を外れるタイミングに注意する必要があります。扶養に入り続けるなら、年間の所得金額を130万円未満に抑えなければなりません。扶養から外れると、社会保険料の免除や家族手当などのメリットを失います。
ただ、年収の上限を気にせず稼げるようになるのは魅力です。フリーランスとして活躍できるスキルや経験が十分にある人は、扶養を外れれば世帯収入が増える可能性があります。
フリーランスで扶養に入る詳しい条件
フリーランスが扶養内で働く条件を見ていきましょう。「所得税法上の扶養」「社会保険の扶養」に入るための詳しい条件をまとめました。扶養を検討している方はぜひ参考にしてください。
所得税法上の扶養に入る条件
所得税法上の扶養に入る条件は、控除の種類により異なります。主な条件を表にまとめました。
配偶者控除を受ける条件 | 民法で定められた配偶者(内縁の人は対象外)/養う側と生活費を共有している/年間の所得金額が48万円以下 |
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配偶者特別控除を受ける条件 | 民法で定められた配偶者(内縁の人は対象外)/ 養う側と生活費を共有している/ 白色申告する人の事業に従事していない/その年に青色申告する人の事業に従事して給与をもらっていない/ 養う側のその年の所得金額が1,000万円以下 |
扶養控除を受ける条件 | 配偶者以外の親族で16歳以上の人/ 養う側と生活費を共有している/ 年間の所得金額が48万円以下/ 白色申告する人の事業に従事していない/ その年に青色申告する人の事業に従事して給与をもらっていない |
なお、所得税法上の扶養に入るには、養う側が「給与所得者の扶養控除等(異動)申告書」を勤務先に提出する必要があります。
社会保険の扶養に入る条件
社会保険の扶養に入る条件は、加入先により異なります。全国健康保険協会なら、「年間の所得金額が130万円未満」かつ「養う側の3親等以内の親族(配偶者含む)」が条件です。
同居する場合、養われる側の年収が養う側の2分の1未満でなければなりません。別居の場合は、養う側の仕送りを受け、かつその金額が自分の年収より大きいと適用されます。以下は収入を証明する書類の例です。
- 確定申告書のコピー
- 所得証明書
- 課税(非課税)証明書
- 給与証明書
- 離職票のコピー
また、続柄を証明する以下の書類も必要です。
- 戸籍謄(抄)本
- 世帯全員が記載された住民票
世帯全員が記載された住民票は、同居の事実の証明にも有効です。そのほか、別居して仕送りを受けるときは、預金通帳のコピーや現金書留控えのコピーも必要になります。
フリーランスが制度を使う際の4つの注意点
フリーランスが扶養に入る際の注意点を4つ紹介します。不明点があるときの対処方法、仕事の見つけにくさなどです。また、扶養に入るのが必ずしもお得とは限らない点も留意する必要があります。
不明点は会社に確認をとる
扶養に入るにあたって不明点があるときは、会社に確認をとってください。お金に関わる事柄なので、勘違いしたまま手続きするとトラブルの原因になる恐れがあります。
特に注意したいのが、家族手当と健康保険のあつかいです。いずれも会社によって適用するルールが異なります。扶養に入ると家族手当や健康保険にどのような影響があるか、会社に問い合わせましょう。
扶養内で働ける仕事を見つけるのが難しい
扶養内で働ける仕事がなかなか見つからない場合もあります。理由は以下のとおりです。
- 年間の所得金額に上限があるから
- 報酬が高い大きな案件を受けにくいから
- 制限がない人の方がクライアントが依頼しやすいから
所得金額130万円以下で働ける仕事は限られる可能性があります。クラウドソーシングやスキルシェアサービスなど、複数の方法でこまめに案件情報をチェックしましょう。
節税するなら白色申告より青色申告で
節税するなら白色申告より青色申告がおすすめです。白色申告と比べて税制上のメリットが大きいからです。
たとえば、青色申告では所得金額が最大65万円控除されます。課税対象となる所得金額が減れば、支払う所得税が少なくなるのがポイントです。扶養に入っている人も青色申告特別控除が受けられるので、検討してみてください。
扶養に入るのが絶対にお得とは限らない
所得金額に上限があるので、扶養が「絶対にお得」とは限りません。実力があるフリーランスにとっては、扶養が足かせになるケースもあります。
「本当は扶養に入らずに独立して生計を立てられるようになりたい」と思う方は、フリーランスエージェントを使うのも手です。エージェントは継続的に案件を提案してくれるので、安定した収入が得られます。
レバテックフリーランスは業界トップクラスの高単価を誇るエージェントです。利用者の平均年収は876万円(2023年8月時点)。相談は無料なので、興味がある方はぜひお気軽にお問い合わせください。
扶養に入るメリットとデメリット
扶養のメリットとデメリットを見ていきましょう。扶養に入ると税金・保険料の負担が減る一方、フリーランスとして成長するチャンスは制限されます。扶養の特徴を見極め、自分にとってベストな選択をしてください。
扶養内で働くメリット
税金や保険料の負担が減るのが一般的なメリットです。以下をご覧ください。
- 世帯の税負担が軽くなる
- 世帯の社会保険料の負担も軽くなる
- 仕事量が減って楽になる
フリーランスが扶養内で働くと世帯として節税できます。配偶者控除・配偶者特別控除で課税所得金額が少なくなり、所得税や住民税の負担が減るからです。
社会保険の扶養に入れば、保険料の支払いが少なくなります。扶養内で働いた方が、結果的に手取りが増える場合もあるでしょう。
加えて、扶養に入ると必然的に作業時間と業務量が減ります。ワークライフバランスを実現しやすいのもメリットです。
扶養内で働くデメリット
チャンスが制限されるのが扶養のデメリットだといえます。所得金額の上限を常に気にしなければならないからです。ぜひ受けたいと思う案件があっても、報酬の額次第では諦めなければなりません。
「好きな仕事だけする」「スキルアップを目指して大規模案件に挑戦する」など、フリーランスらしい働き方がしにくくなります。せっかくフリーランスになっても、パート・アルバイトのような働き方になる可能性がある点に注意してください。
フリーランスの扶養に関するよくある質問
フリーランスの扶養に関するよくある質問をまとめました。給付金をもらう場合や子どもの保育園入園などについて回答しています。扶養を外れる手続きも解説するので、あわせてチェックしてください。
Q. 給付金をもらうと扶養から外れますか?
給付金(支援金)の受け取り自体が扶養を外れる条件にはなりません。ただし、給付金は売上を補填するものなので、雑収入として計上する必要があります。収入が増えて所得が一定額を超えると扶養から外れる点に留意しましょう。
Q. 扶養内でも子どもの保育園入園は可能ですか?
扶養内で働くフリーランスの子どもも保育園に入園できるケースは多いようです。子どもを保育園に入れられるかどうかは、自治体ごとに設定された点数によります。扶養が点数に影響するか気になる方は、自治体に問い合わせてみてください。
Q. 扶養から外れるときに必要な手続きは?
全国健康保険協会の場合、養う側の勤務先に「被扶養者(異動)届」「国民年金第3号被保険者関係届」を提出します。外れる条件を満たしたタイミングで手続きしてください。外れた後で厚生年金に入らないなら、国民年金の手続きも必要です。
※本記事は2023年8月時点の情報を基に執筆しております。
最後に
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