フリーランスの老後資金はいくら必要?想定支出や積み立ての手段、注意点を解説

この記事でわかること
  • フリーランスに必要な老後資金の目安
  • フリーランス向けの老後資金対策
  • 資産形成で失敗しないためのポイント

「フリーランスの老後資金はいくら必要?」「フリーランスの老後は悲惨と聞いて不安…」と心配になる人は多くいます。

実際、固定給や退職金がなく、厚生年金がないので不安になるのも無理はありません。しかし、対策や支援制度は多くあります。

そこで、余裕ある暮らしをするにはいくらの老後資金が必要かや具体的な資金の形成方法、失敗防止のポイントなどを解説します。シンプルにやるべきことが分かるので、ぜひ参考にしてください。

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フリーランスの老後資金の基本|最低で約20万円

フリーランスが知っておくべき老後資金の知識として、必要な金額と年金額があげられます。会社員と比べると年金が少ないので、資産形成の知識がないと後悔につながりやすい状態です。そこで、それぞれ具体的に解説していきます。

老後に必要な資金・かかるお金の目安

フリーランスが老後に余裕ある暮らしをするには、月に20万~30万円ほど必要です。65歳以上の1ヶ月の出費が14万~28万円ほどになると「家計調査報告(家計収支編)」で示されています。

同調査と消費支出データから老後にどのくらいの出費があるかを表にまとめました。1年間生活した場合と20年間生きた場合の目安は覚えておきたいところです。

  1ヶ月の消費支出 1年間の消費支出 65歳から85歳まで
生きた場合の消費支出
2人以上の世帯で世帯主が65~69歳 28万10円 336万120円 6,720万2,400円
2人以上の世帯で世帯主が70~74歳 24万9,589円 299万5,068円 5,990万1,360円
2人以上の世帯で世帯主が75歳以上 22万810円 264万9,720円 5,299万4,400円
65歳以上の夫婦のみの無職世帯 23万6,696円 284万352円 5,680万7,040円
65歳以上の単身無職世帯 14万3,139円 171万7,668円 3,435万3,360円


フリーランスエンジニアとしての仕事を何歳まで続けられるのかが気になる方は、こちらの記事をご覧ください。
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フリーランスと会社員の年金の差は月額約9万円

フリーランスと会社員の年金の差は月額約9万円、年額約107万円になります。「令和3年度厚生年金保険・国民年金事業の概況」の平均月額データをもとに表を作成しました。

  平均月額 平均年額
国民年金の受給額 5万6,479円 67万7,748円
厚生年金(第1号)の受給額 14万5,665円 174万7,980円
国民年金と厚生年金の差 8万9,186円 107万232円


平均年額は平均月額に12(ヶ月)をかけたものです。

フリーランスと会社員では年金の受給額に大きな差があるのは事実です。フリーランスは、貯金を多めに貯めて厚生年金の代わりにするといった対策が必要になります。

65歳以降にもらえる国民年金の額

65歳以降にもらえる国民年金は月額6万6,250円です(2023年度/満額の場合)。20歳~60歳の40年間ずっと保険料を納めれば満額受給できますが、フリーランスの老後資金として十分かどうかは疑問が残ります。

日本年金機構が提示する厚生年金の標準受給額22万4,482円と比べると、フリーランスの年金は少ないものです。国民年金だけでは資金が足りない可能性があるので、心配な方は以下で紹介する老後資金対策を講じましょう。

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フリーランスが今からしたい老後資金の対策7選

フリーランスが今のうちにやっておきたい老後資金対策を7つ紹介します。具体的には、iDeCoやつみたてNISA、国民年金基金などです。選択肢は豊富なので、気になる制度の利用をぜひ検討してください。

iDeCo

iDeCo(個人型確定拠出年金)は、掛金の額を自分で決めて毎月積み立てられる制度です。保険商品や投資信託を掛金で運用し、資産を形成します。受給は60歳以降に可能です。

iDeCoの掛金は全額所得控除されます。また、運用中の運用益には税金がかかりません。税制上の優遇が大きく、フリーランスの老後資金として検討しやすいでしょう。

つみたてNISA

つみたてNISAは年間40万円を上限に、毎月100円といった少額から積み立てられる制度です。投資初心者を含め、幅広い年代の人が利用しやすい制度です。

60歳までお金が受け取れないiDeCoと違い、つみたてNISAは運用商品を売却すれば引き出せます。いざというときに早めに資金を使えるわけです。収入が不安定になりがちなフリーランスにとって便利な老後資金になるでしょう。

なお、NISA制度は2024年以降に拡充・恒久化。いつまでに口座開設をして投資を開始という期限がなくなり、つみたて投資枠が年間120万円になるといった拡大がされます。

個人年金保険

個人年金保険は一定の年齢まで毎月保険料を納め、受給開始後は一定期間もしくは一生涯にわたりお金を受け取れる制度です。保険料には「個人年金保険料控除」か「一般生命保険料控除」が適用でき、節税しながら老後資金をつくれます。

個人年金保険には定額型と変額型があります。定額個人年金は将来の受給額が決まっているのがメリットです。変額個人年金は最低保証はないものの、運用が成功すれば大きなリターンを得られます。

国民年金基金

国民年金基金は、年金とセットでフリーランスや自営業者の老後資金を増やせる制度です。会社員との受給額の差を解消する目的で創設されました。

掛金全額が所得控除でき、所得税や住民税が少なくなるのが国民年金基金のメリットです。若いうちに加入すれば掛金も少額になります。終身年金なので、65歳以降はずっと受給し続けられるのも魅力です。

小規模企業共済制度

小規模企業共済は、フリーランスや小規模企業の経営者が利用できる退職金制度です。掛金を1,000円から7万円までの範囲で500円ずつ設定でき、金額に応じた共済金が受け取れます。掛金は全額が所得控除の対象です。

共済金は一括または分割で受け取れます。一括なら退職所得、分割なら雑所得となるのがポイントです。事業所得と比べ税負担が少なくなるので、フリーランスの老後生活を見越した節約がしやすくなります。

付加年金

付加年金は国民年金の受給額を増やせる制度です。月額400円の付加保険料を納付すれば、将来的に「付加保険料を支払った月数×200円」を受け取れます。

ただし、国民年金基金に加入している人は付加年金を利用できません。どちらかの加入を検討する方は、フリーランスとしてのライフプランに合いそうな方を老後資金として選びましょう。

年金の繰り下げ受給

年金の繰り下げ受給を申請すると、もらえる金額が増額されます。65歳では受け取らず、66歳から75歳までの間に受給を開始する制度です。増額率は以下の式で計算できます。

増額率=0.7%×65歳になった月から繰り下げを申請した月の前月までの月数

受給開始が遅いほど金額は上がり、増額率はずっと変わりません。最大84%増額できるので、フリーランスの老後資金に余裕が生まれます。

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老後資産の形成失敗を防ぐ6つのポイント

フリーランスの老後資産の形成で失敗を防ぐポイントを6つ紹介します。老後資金を使い切ったり、受給額が減ったりするリスクを知っておく必要があります。資金が足りなくなったときの対処法も解説するので、ぜひチェックしてください。

早めに対策し、長生きで資金を使い切るリスクに備える

まず注意したいのは、長生きで老後資金を使い切ってしまうリスクです。平均寿命は伸びているので、十分な蓄えを用意したつもりでも足りなくなる恐れはあります。毎月の年金だけでは生活が厳しくなるフリーランスもいるでしょう。

老後も豊かに暮らすには、できるだけ早めに貯金し始めるのが得策です。早期に老後資金を確保しておけば、将来使う年金を抑えられます。

収入が減っても出金できないので掛金の継続支払いに備える

制度によりますが、基本的に老後を迎えるまで出金や解約はできません。つまり、収入が減っても積立金に手をつけられないので、リスクに備えてある程度の蓄えを残しておくのが良いでしょう。

また、掛金は原則として毎月支払わなければなりません。運用資金を先に分けておき、継続的な支払いに備える必要があります。「長期間出金できない上、掛金が毎月かかる」のを前提に制度を利用し、フリーランスの老後資金にしましょう。

運用の成果によっては年金が減る恐れがある

制度の運用成果によっては、年金が減る恐れがあります。いわゆる「元本割れ」です。iDeCoやつみたてNISAは運用次第で元本割れする可能性があり、補填もないので注意が必要です。

小規模企業共済も、加入期間が短かったり途中で減額したりすると元本割れします。運用次第で損をする可能性も出てくると理解し、勉強をして各制度を利用しましょう。

年金は60歳から受給できるが、もらえる金額は減る

年金の繰り上げ受給をするともらえる金額が減るので要注意です。60歳から受給できますが、申請した時点に応じて減額される仕組みになっています。しかも減額率はずっと変わりません。

減額率は以下の式で計算します。

減額率=0.4%×繰り上げを申請した月から65歳になる日の前月までの月数

受給開始を早めたからといって、トータルで多くもらえるわけでは決してありません。元気なうちに確実に受給したいなどの事情がなければ、65歳から受け取った方が金銭的にお得です。

どの制度を使うか迷ったら「3つの基準」を参考にする

老後資金を確保する手段は多くあるので、何を選べばいいか迷いがちです。選ぶ基準は、以下3つが代表的です。

  • 税制上の優遇措置が受けられる制度を選ぶ
  • 一生涯受け取れるプランを選ぶ
  • 受給額が決まっているプランを選ぶ

所得控除が受けられるなど、税制上の優遇がある制度が望ましいです。節税するのとしないのとでは、受け取れる金額に大きな差がつく可能性があるからです。また、生涯受け取れる終身年金を選べば、より安定したフリーランスの老後資金になります。

運用上のリスクを回避したい方には、受給額が決まっているプランがおすすめです。一定の金額が確実に受け取れます。

老後資金が足りなくなった場合の対策も知っておく

万が一フリーランスの老後資金が足りなくなっても、対処法を知っていれば慌てずに済みます。主な対策は以下のとおりです。

  • 不動産担保ローン
  • リバースモーゲージ
  • リースバック

不動産担保ローンは、土地やマンションなどを担保にしてお金が借りられる融資商品です。他のローンと比べ、低金利でまとまった資金が手に入ります。無担保ローンと比べても、月々の返済額は少なめです。

リバースモーゲージは、自宅を担保にしてお金が借りられる制度です。担保にした後も自宅に住み続け、本人の死亡時に不動産を処分して返済します。支払う必要があるのは毎月の利息のみです。

リースバック(セール・アンド・リースバック)は、不動産などを売却すると同時に借りる制度です。自宅に住み続けられるので、引っ越しは必要ありません。必要に応じて買い戻しも可能です。

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お金を節約できるエージェントサービスも要検討

お金を節約して老後資金を増やしたいなら、フリーランスエージェントを利用するのもおすすめです。会社員の福利厚生にあたる「参画者優待サービス」が資産形成の助けになります。

たとえばレバテックフリーランスのサービスは割引が充実しており、以下のようなシーンできます。

  • 人間ドック
  • ガン検診
  • スポーツジム
  • レストラン
  • 温泉や映画館などレジャー施設
  • 国内・海外旅行

割引価格でサービスを受ければ、余分を老後資金に回せます。

また、レバテックフリーランスは高単価案件も豊富なので、収入アップによる資産形成にも効果的です。実際、利用者の平均年収は876万円です。フリーランスの老後資金が不安、将来豊かに暮らしていきたいなら、お気軽にご相談ください。

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フリーランスの老後に関するよくある質問

フリーランスの老後に関するよくある質問をまとめました。厚生年金や貯金、エンジニアの老後の注意点などについて回答しています。将来に備えるための参考にしてください。

Q.フリーランスは厚生年金に入れますか?

フリーランスは厚生年金には入れません。健康保険のような「任意継続制度」もないので、独立したら基本的には国民年金への切り替えが必要です。国民年金だけだと心もとないと思う方は、付加年金や国民年金基金で金額を上乗せしましょう。

Q.老後暮らしていくのに貯金はいくら必要ですか?

老後に必要な貯金は、個々のライフスタイルや世帯人数により変わります。貯金額を考えるにあたっては、自分の年代と年収を基準にする方法があります。今30代の人は年収の2倍、40代の人は3倍貯めるのを目標にするなどです。

Q.フリーランスエンジニアの老後の注意点は?

フリーランスエンジニアの老後は、激務による体調不良に注意してください。人材不足の分野では特に、ベテランに負担がかかる傾向にあります。そのほか、人によっては高齢化で最新技術のキャッチアップが難しくなるのも要注意です。

※本記事は2023年9月時点の情報を基に執筆しております。

最後に

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※相場算出に個人情報の取得はおこないません。

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