エンジニアからITコンサルタントへ転職できる?仕事の魅力や役立つ資格 | レバテックフリーランス
エンジニアからITコンサルタントへ転職できる?仕事の魅力や役立つ資格
「エンジニアからITコンサルタントへ転職できる?」と思う方がいるのではないでしょうか。
結論から言うと、エンジニアの経験を活かしてITコンサルタントに転職することは可能です。この記事では、エンジニアからの転職が有利な理由や、転職しやすいITコンサルタントの種類を紹介します。また、ITのコンサルタントに必要なスキルや役立つ資格も解説します。
エンジニアとしての経験を活かしつつ、新たなキャリアパスを模索している方は、ぜひ参考にしてください。
目次
エンジニアはITコンサルタントへ転職できる
エンジニアからITコンサルタントへの転職は、十分に可能です。エンジニアの技術的な知識や経験は、ITコンサルタントとして活躍する上で強みとなります。
加えて、近年は各業界でIT化が急速に進んでおり、ITコンサルタントの需要が高まっています。
「DX白書2021」によると、データを利活用するためにパートナーシップを結んでいる団体として、29.2%の日本企業が「コンサルティング企業」と回答しました。これは、最も割合が高かった「サプライヤー(取引先)」の34.1%に次ぐ数字で、コンサルティングの需要の高さが分かります。
実際に、エンジニアを積極的に採用しているコンサルティングファームも多く、エンジニアの経験を活かして転職できる可能性は高いでしょう。
ITコンサルタントの仕事内容やコンサルタントの職位について詳しく知りたい方は、下記の記事も参考にしてみてください。
【エンジニアのプロ監修】ITコンサルタントとは?年収や資格・向いている人の特徴を解説
参考:DX白書2021|IPA(独立行政法人情報処理推進機構)
エンジニアから転職しやすいITコンサルタントの種類
エンジニアがITコンサルタントへ転職する際は、さまざまな専門分野が候補に挙がります。
以下に、エンジニアから転職しやすいITコンサルタントの主な種類を紹介するので、自分の興味や経験に合った職種を検討する参考にしてください。
SAPコンサルタント
SAPコンサルタントは、ドイツのソフトウェア会社であるSAP社が提供するERPパッケージの導入や運用をサポートする専門家です。
SAPコンサルタントへの転職がおすすめできる理由は、国外を問わず多くの企業が汎用性の高いSAP社のERPパッケージを導入しているからです。SAPコンサルタントは世界中でニーズが高く、専門知識を身につければ仕事が途切れる心配はないでしょう。
SAPコンサルタントになるにはSAPの認定資格取得が求められることが多いため、転職前に準備が必要です。転職にあたっては、エンジニアとして身につけた技術的な知識を活かしつつ、SAPの仕組みやビジネスプロセスについて学びましょう。
ERPコンサルタント
ERPコンサルタントは、ERPパッケージの導入や運用のサポートを行う専門家です。前述したSAP社の製品もERPの一種ですが、ERPコンサルタントはSAP社以外の製品も扱うため、SAPコンサルタントより仕事の幅が広がるのが特徴といえます。
そのため、ERPコンサルタントには、各種製品に関する幅広い知識が必要です。多数の製品の知識があれば、製品選定の段階からクライアントをサポートすることができるでしょう。
SCMコンサルタント
SCMコンサルタントは、企業のサプライチェーン・マネジメント(SCM)を最適化するための戦略立案や支援を行う専門家です。原材料の調達から消費者に届けるまでの一連の流れに関して改善点を洗い出し、業務プロセスを見直す役割を担います。必要に応じてシステムの導入も行うため、エンジニアの経験を活かすことができるでしょう。
SCMコンサルタントになるためには、SCM領域の知識が必要です。エンジニアから転職するには、技術的なバックグラウンドを活かすとともに、購買や販売、物流、製造に関する知識を身につける必要があるでしょう。
CRMコンサルタント
CRMコンサルタントは、CRMシステムの導入・運用を支援する専門家です。CRMシステムとは、顧客情報を一元管理できるシステムを指しています。
CRMコンサルタントは、システムの導入・運用支援だけではなく、顧客情報にもとづくマーケティング戦略のアドバイスなども行います。そのため、エンジニアにとっては技術とビジネスの両面を担える魅力的な転職先といえるでしょう。
PMOコンサルタント
PMOコンサルタントは、プロジェクト・マネジメント・オフィスの設立や運営を支援する専門家です。顧客の社内で進行している全プロジェクトの管理支援を行う役割があり、エンジニアとしてプロジェクト管理を行った経験を活かせる転職先といえるでしょう。
近年は、IT系企業だけではなく、複数のプロジェクトを抱える一般事業会社でもPMOコンサルタントの需要が高まっています。
PMOコンサルタントについて詳しく知りたい方は、下記の記事も参考にしてみてください。
PMOコンサルタントとは?つまらないと言われる理由や労働環境について解説
エンジニアがITコンサルタントに転職するメリット
エンジニアからITコンサルタントへの転職には、収入アップの可能性があることや、今までの経験を活かせることなど、いくつかのメリットがあります。
それぞれのメリットについて詳しく見ていきましょう。
収入アップが期待できる
ITコンサルタントへの転職は、多くの場合、収入アップのチャンスとなります。コンサルタントの報酬は、一般的にエンジニアよりも高く設定されていることが多いからです。
厚生労働省の職業情報提供サイトによると、システムエンジニアの平均年収は557.6
万円です。一方、ITコンサルタントの平均年収は684.9万円で、システムエンジニアに比べて130万円近く平均年収が高くなっています。
年収は担当する業界や個人のスキル、経験によって変動する可能性があるものの、平均で考えると、ITコンサルタントはエンジニアより収入を増やせる可能性が高いでしょう。
参考:職業情報提供サイト|厚生労働省
エンジニアとしての経験を活かせる
エンジニアとして培った技術的な知識と経験を活かすことで、コンサルティングの質を高められます。開発現場の実態や開発の流れを把握していれば、経験を活かした実効性のあるアドバイスを行え、クライアントからの信頼を得られるでしょう。
ITコンサルタントにはビジネス的な知識が必要ではありますが、これまでに経験した業務内容と近い領域のプロジェクトにアサインされれば、即戦力として活躍することも可能です。
上流の工程に携われる
ITコンサルタントに転職することで、ビジネスサイドの上流工程に関われるようになります。エンジニアはシステムの要件定義を担当しますが、ITコンサルタントになるとその前段階である課題の調査・分析から携わることが可能です。
上流工程に携わることで、ビジネス全体を俯瞰する視点が養われます。経営層と直接やりとりする機会も増えるため、ビジネスリーダーとしてのスキルを磨くこともできるでしょう。また、上流工程での経験は、CTOなどへのステップアップにも役立つ可能性があります。
ITコンサルタントに転職する際に必要なスキル一覧
ITコンサルタントに転職する際には、以下のようなスキルが必要です。
- テクニカルスキル
- ビジネススキル
- コミュニケーション能力
- 問題解決能力
ITコンサルタントになるには、技術スキルとビジネススキルの両方が求められます。
まず、技術面では、幅広いIT知識が不可欠です。システム開発やネットワーク、セキュリティなどの基礎的な理解に加え、AIやIoTといった最新技術のトレンドにも精通している必要があるでしょう。
ビジネス面では、経営戦略やマーケティングに関する理解のほか、クライアントの業界に関する基本的な知識も求められます。また、プロジェクトマネジメント能力は必須で、大規模なITプロジェクトを成功に導いた経験があれば評価の対象になるでしょう。
クライアントのニーズを正確に把握するには、コミュニケーション能力も必要です。そのほかに、クライアントの課題を分析し、ソリューションを提案する問題解決能力も、ITコンサルタントに求められるスキルの一つです。
ITコンサルタントに転職する際に役立つ資格4選
ITコンサルタントへの転職を考えている方にとって、資格は大きな武器となります。資格があれば、専門知識やスキルを証明できるからです。
ここでは、ITコンサルタントに転職する際に役立つ資格を4つ紹介するので、資格取得を検討する場合は参考にしてください。
- ITストラテジスト試験
- ITコーディネータ
- 中小企業診断士
- CCNA
ITストラテジスト試験
ITストラテジスト試験は、情報処理技術者試験の一つです。この資格を取得すると、ITを活用した経営戦略を立案するスキルを証明できます。
合格率は15.8%(令和6年度春期)と難関ですが、取得することでITコンサルタントとしての市場価値を大きく向上させられるでしょう。
資格名 | ITストラテジスト試験 |
---|---|
運営 | IPA(独立行政法人 情報処理推進機構) |
受験料 (税込) |
7,500円 |
合格基準 | 各試験60点以上(100点満点) 「午後Ⅱ(論述式)」はランクAを取得 |
受験資格 | なし |
公式サイト | ITストラテジスト試験|IPA 独立行政法人情報処理推進機構 |
参考:情報処理技術者試験・情報処理安全確保支援士試験 推移表(平成21年度春期以降)|独立行政法人情報処理推進機構
ITコーディネータ
ITコーディネータ(ITC)は、企業のIT化を支援する専門家を認定する資格です。さまざまな経営課題に対して、ITを利活用してDXを推進するスキルが身につくため、資格取得を通して得た知識はコンサルタントの実務に活かせるでしょう。
資格取得には、試験への合格とケース研修の受講が必要です。試験には、下記の2種類があり、どちらかを受験することになります。
- ITコーディネータ試験
- 専門スキル特別認定試験
詳しい条件は下記を確認してください。
資格名 | ITコーディネータ |
---|---|
運営 | 特定非営利活動法ITコーディネータ協会 |
受験料 (税込) |
ITコーディネータ試験: 19,800円 専門スキル特別認定試験: 9,900円 上記とは別に認定登録料 として22,000円 |
合格基準 | 非公開 |
受験資格 | ITコーディネータ試験:なし 専門スキル特別認定試験: 協会が指定する資格を保有する方 (試験科目の一部免除あり) |
公式サイト | ITコーディネータをめざす方へ ITC資格取得サイト|特定非営利活動法人 ITコーディネータ協会 |
中小企業診断士
中小企業診断士は、経営コンサルタントの国家資格です。試験内容は、経営、財務、マーケティング、企業診断など多岐にわたり、中小企業診断士の知見を持つことで、技術面だけでなく経営面からも顧客を支援できるようになります。
1次試験に合格したうえで、下記のいずれかを経ることで中小企業診断士として登録できます。
(1)第2次試験合格後、実務補習を修了するか、診断実務に従事する
(2)中小企業基盤整備機構または登録養成機関が実施する養成課程を修了する
資格名 | 中小企業診断士 |
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運営 | 一般社団法人 中小企業診断協会 |
受験料 (税込) |
14,500円 |
合格基準 | 総点数の60%以上であって、かつ1科目でも満点の 40%未満のないことを基準とし、試験委員会が 相当と認めた得点比率(第1次試験) |
受験資格 | 第1次試験の受験資格は特になし |
公式サイト | 中小企業診断士試験| 一般社団法人 中小企業診断協会 |
CCNA
CCNA(Cisco Certified Network Associate)は、シスコシステムズ社が認定するネットワーク技術者向けの資格です。
ITコンサルタントにとっては、ネットワークの基礎知識を証明できる資格の一つです。ITコンサルタントがCCNAを取得することで、ネットワーク関連のプロジェクトにおいて、信頼性の高い提案ができるようになるでしょう。
資格名 | CCNA |
---|---|
運営 | シスコ |
受験料 (税別) |
$300(米ドル) |
合格基準 | 非公開 |
受験資格 | なし |
公式サイト | CCNA 認定|シスコ |
エンジニアがITコンサルタントへ転職するためのコツ
エンジニアからITコンサルタントへの転職を成功させるには、事前に準備を行ったうえで、プロのアドバイスを得るのがポイントです。
ここでは、具体的な方法を説明していきます。
スキルの棚卸を行う
ITコンサルタントへの転職を成功させるための第一歩は、自身のスキルを客観的に評価することです。スキルの棚卸を行うことで、自分の強みと弱みが分かり、選考でアピールするポイントを明確にできます。
スキルの棚卸では、技術スキルとビジネススキルの両方を評価しましょう。技術スキルについては、プログラミング言語やデータベース、ネットワーク、セキュリティなどの専門知識を洗い出します。
ビジネススキルの評価では、プロジェクトマネジメント経験やコミュニケーション能力、プレゼンテーションスキル、問題解決能力などを振り返りましょう。
どの経験やスキルが強みになるかは選考を受ける企業によって異なるので、企業が求めるスキルを把握したうえでアピールする要素を検討するのがおすすめです。
転職エージェントを活用する
ITコンサルタントへの転職を成功させるためには、転職エージェントの活用が効果的です。転職エージェントは、IT業界の最新動向や求人情報に精通しており、求職者のスキルや希望に合った転職先を見つける手助けをしてくれます。
さらに、転職エージェントは面接対策や履歴書・職務経歴書に対するアドバイスも行ってくれます。エンジニアとしての経験をITコンサルタントの職務にどのように関連付けて説明するか、といったポイントについてもアドバイスを受けられるでしょう。
※本記事は2025年3月時点の情報を基に執筆しております。
最後に
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