個人事業主になるには?開業前後のやることリストを紹介 | レバテックフリーランス
個人事業主になるには?開業前後のやることリストを紹介
個人事業主になると、自由な働き方ができる一方で、税金や保険など、会社員時代にはなかった手続きが必要になります。「どんな手続きが必要なのかわからない」「開業前に何を準備すればいいのか不安」という方もいらっしゃるのではないでしょうか。
この記事では、個人事業主が開業前にやるべき手続きを解説します。これから個人事業主として開業したいと考えている方はぜひ参考にしてみてください。
個人事業主になる前に知っておきたいこと
個人事業主とは、法人を設立せず、個人で事業を営んでいる人のことを指します。
ここでは、個人事業主になる前に知っておくべきことを解説します。
会社員から個人事業主になる場合
会社員から個人事業主になる場合は、事前に理解しておくべき点がいくつかあります。
たとえば、健康保険は社会保険(健康保険)から国民健康保険に切り替える手続きが必要になります。また、年金も厚生年金から国民年金への切り替えが必要になり、自分で手続きを行う必要があります。
税金については、年末調整ではなく確定申告で、前年分の所得に対する税金を自分で計算して納める必要があるので注意しましょう。
副業で個人事業主になる場合
副業で個人事業主になる場合、本業の勤務先によっては副業を禁止している場合もあるため、就業規則を確認する必要があります。違反した場合は、懲戒処分の対象となる可能性があるので注意しましょう。
また、副業による所得が20万円を超えると確定申告が必要になるため、注意が必要です。確定申告を怠ると、後々追徴課税が発生するおそれがあります。
副業で個人事業主になる方法については、下記の記事を参照してください。
サラリーマンをしながら副業で個人事業主はできる!メリットや必要な手続きを解説
【開業前】個人事業主のやることリスト
個人事業主として開業する前は、開業届の提出や青色申告承認申請書の提出など、さまざまな手続きが必要です。
下記で詳しく説明していきます。
①開業届の提出
開業届は、個人事業主として事業を開始することを税務署に届け出るための手続きです。事業を開始してから1か月以内に提出することが法律で義務付けられています。
開業届の提出方法には下記の3つがあります。e-Taxであれば、オンラインで提出することが可能です。
- 税務署の窓口へ直接持参する
- 書類を郵送する
- e-Taxを使う
開業届の書き方
開業届には、氏名や住所、屋号、事業内容、開業日などを記入します。国税庁のWebサイトからダウンロードできるほか、税務署でも入手できます。開業届の書き方については、国税庁のWebサイトや税務署で配布されている記入例を参考にするとスムーズでしょう。
開業届を書く際は、事業内容については具体的に記載することが大切です。たとえば、「Webサイト制作」であれば、「Webサイトのデザイン、コーディング、SEO対策を含むWebサイト制作」のように具体的に記述するようにしましょう。それによって、税務署が事業内容を正確に把握することができます。
国税庁のWebサイトは下記です。
A1-5 個人事業の開業届出・廃業届出等手続|国税庁
屋号の決め方
屋号は事業を行う上で使用する名称です。法人が会社名をつけるように、個人事業主は屋号をつけられます。
屋号は自由に決めることができますが、すでに他の事業者が使用している屋号や、公序良俗に反する屋号は使用できません。屋号を決める際には、事業内容をイメージしやすいものや、覚えやすいものが良いでしょう。
屋号を付けるときの注意点については、下記の記事でも紹介しています。
会社名と屋号の違いとは?屋号を付けるときの注意点も紹介
②青色申告承認申請書の提出
青色申告承認申請書は、青色申告制度を利用するために税務署に提出する申請書です。
個人事業主が行う確定申告には、青色申告と白色申告の2種類があります。青色申告を選ぶ場合は、開業日から2か月以内に青色申告承認申請書を提出しましょう。
青色申告承認申請書には、氏名や住所、事業内容、青色申告の種類などを記入します。提出方法は開業届と同様で、税務署へ直接持ち込み、郵送、e-Taxの3つがあります。
青色申告と白色申告の違い
個人事業主が行う確定申告には、青色申告と白色申告の2種類があります。
青色申告は、白色申告よりも税制上の優遇措置が受けられる申告制度です。複式簿記による記帳や確定申告書の提出が必要となりますが、最大65万円の所得控除を受けられます。
一方で、白色申告は、青色申告よりも申告に手間がかかりませんが、税制上の優遇措置がありません。
青色申告について詳しく知りたい方は、下記の記事も参考にしてみてください。
青色申告とは?やり方や白色申告との違いを解説
③その他の申請
開業届と青色申告承認申請書以外にも、下記の申請をする場合もあります。
自分が該当するか否かを事前に確認しておきましょう。
許認可申請
事業内容によっては、許認可が必要となる場合があります。たとえば、飲食店を開業する場合の飲食店営業許可や、建設業を開業する場合の建設業許可など、さまざまな業種で許認可が定められています。
許認可を取得するには、所管官庁に申請書を提出し、審査を受ける必要があります。必要な書類や手続きは、業種や地域によって異なるため、事前に確認しておきましょう。
助成金・補助金の申請
国や地方公共団体では、個人事業主向けにさまざまな助成金や補助金制度を用意している場合があります。助成金や補助金は、雇用保険料や国税・地方税などが原資になっていることが多いため、返済する必要がありません。
申請には、事業計画書や収支計画書などの提出が必要となる場合があり、審査基準も厳格です。申請前に、公募要項や申請資格などをしっかりと確認しましょう。
【開業後】個人事業主のやることリスト
個人事業主として開業した後には、さまざまな手続きや準備が必要になります。社会保険や年金など、今まで会社が代行してくれていたことを自分で行わなければなりません。
ここでは、開業後に必要な手続きを紹介します。
①社会保険・年金の手続き
会社員から個人事業主になる場合は、下記の2つの手続きを行いましょう。
国民健康保険への加入
国民健康保険は、市区町村が運営している健康保険です。会社員ではなくなると、会社の健康保険組合から脱退し、国民健康保険に加入する必要があります。
加入手続きは、居住地の市区町村役場で行います。国民健康保険料は、前年の所得に基づいて計算されるため、退職後に収入が減ると手取りがさらに減ってしまうことがあるので注意しましょう。
国民年金への加入
国民年金は、老後や障害、死亡などに備えるための制度です。会社員ではなくなると、厚生年金から脱退し、国民年金に加入することになります。
国民年金への加入手続きも、居住地の市区町村役場で行います。国民年金保険料は、一律で定められており、納付方法は口座振替やコンビニ払いなどから選択できます。
②税金関連の手続き
個人事業主は、毎年確定申告を行う必要があります。確定申告とは、1年間の所得と税金を計算し、税務署に申告する手続きです。
確定申告は複雑な手続きとなる場合もあるため、事前にしっかりと準備しておくことが大切です。
確定申告の準備
確定申告を行うためには、日頃から収入や経費をきちんと記録しておくことが重要です。帳簿をつける際には、収入や経費の内容、日付、金額などを明確に記載しましょう。
また、領収書なども大切に保管しておく必要があります。提出する必要はありませんが、経費を適切に計算する際に必要になります。
確定申告については、下記の記事でも詳しく紹介しています。
フリーランスの確定申告まとめ!青色申告と白色申告の違いも解説
事業用口座の開設
事業用の収入と支出を明確にするために、事業用口座を開設するのがおすすめです。
プライベートな口座と事業用の口座を分けておくことで、確定申告時に事業の収支を把握しやすくなるだけでなく、税務調査が入った際に説明がしやすくなるといったメリットもあります。
会計ソフトの導入
確定申告をスムーズに行うために、会計ソフトを導入するのもおすすめです。会計ソフトは、収入や経費の記録、確定申告書の作成などをサポートしてくれます。
会計ソフトには、無料のものから有料のものまでさまざまな種類があります。事業規模や予算に合わせて、適切な会計ソフトを選びましょう。
レバテックフリーランスでは、税理士を無料で紹介するサービスを行っています。確定申告のほかにも、節税対策の相談もすることができるので、ぜひ登録をご検討ください。
③その他
上記以外にも、開業後にやっておくのがおすすめなことを紹介します。
事業用クレジットカードの作成
事業用の経費を支払う際に、事業用クレジットカードがあると便利です。事業用クレジットカードを利用することで、事業の支出とプライベートの支出を分けることができます。
また、事業用の支出は、プライベートの支出より高くなるケースが珍しくないため、ポイントが溜まりやすくなるかもしれません。
名刺の作成
取引先とのやり取りや、営業活動などで必要となるため、名刺を作成しておきましょう。名刺には、氏名や屋号、連絡先などを記載します。
名刺は、相手に自分のことを覚えてもらうための有効なツールであり、新たなビジネスチャンスにつながる可能性もあります。
ホームページの作成
ホームページは、顧客獲得や宣伝活動、情報発信など、さまざまな用途で活用できます。個人事業主として事業を成功させるためには、ホームページは欠かせないツールの一つと言えるでしょう。
ホームページを作成する際には、ターゲットとなる顧客層を明確化し、わかりやすい構成とデザインを心がけることが重要です。
個人事業主として成功するためのポイント
個人事業主として成功するためのポイントには下記があります。
下記でそれぞれ紹介します。
事業計画をしっかり立てる
事業計画は、事業の羅針盤となる重要な要素です。市場調査を通じて、顧客のニーズや競合を分析し、提供する商品・サービスの他社との差別化ポイントを明確にしましょう。
たとえば、競合が多い市場に進出する場合、独自の技術やサービス、価格設定などを強みとして打ち出すことで、顧客獲得につなげることができます。
また、収益モデルを具体的に設計し、顧客獲得のためのマーケティング戦略を立案することで、事業の成功確率を高めることができます。
資金調達をする
事業立ち上げには、必要な資金を調達することが重要です。自己資金に加え、公的融資制度やベンチャーキャピタルからの投資など、さまざまな資金調達方法を検討しましょう。
たとえば、日本政策金融公庫では、新規開業資金や設備資金など、事業の段階に応じた融資制度が用意されています。
また、ベンチャーキャピタルには、資金提供だけでなく、経営資源やノウハウを活用できるといったメリットがあります。
日本政策金融公庫の融資制度について知りたい方は、下記のページを参照してください。
融資制度を探す|日本製作金融公庫
個人事業主向けの補助金については下記の記事でまとめているので、参考にしてみてください。
【2024年最新】フリーランス・個人事業主向けの給付金・助成金・補助金まとめ
自己投資する
個人事業主は、常に学び続ける姿勢を持ち、自己投資を通じて市場価値を高めることが大切です。自身のスキルや能力が事業の成否を左右するためです。
たとえば、プログラミングやWebデザイン、マーケティングなどのスキルを習得することで、事業の幅を広げたり、業務効率化を図ったりすることができます。
また、業界の最新動向や技術革新に関する情報収集も欠かせません。セミナーや書籍、オンライン学習などを活用し、常に自身のスキルアップを目指しましょう。
※本記事は2024年5月時点の情報を基に執筆しております。
最後に
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