開業資金はどのくらいかかる?必要な額やおすすめの調達方法7選を解説 | レバテックフリーランス
開業資金はどのくらいかかる?必要な額やおすすめの調達方法7選を解説
「個人事業主として開業したいけど、開業資金はどのくらいかかるの?」と疑問に思っている方もいるのではないでしょうか。
この記事では、個人事業主が必要な開業資金について紹介します。おすすめの調達方法や融資を受ける際の注意点なども詳しく紹介します。開業資金の準備にお悩みの方は、ぜひこの記事を参考にして、計画的に事業を始めましょう。
個人事業主が必要な開業資金とは
個人事業主として事業を始める際には、開業資金が必要になる場合があります。開業資金には、事業を軌道に乗せるまでの運転資金や、事業に必要な設備・備品の購入費用などが含まれます。
ここでは、個人事業主が必要とする主な開業にかかる費用と開業資金の平均額について説明するので確認しましょう。
開業にかかる主な費用
個人事業主が開業する際にかかる主な費用は、大きく分けて3つあります。それぞれの費用について、詳しく見ていきましょう。
- 物件を借りる費用
- 事業で使う設備・備品の購入費用
- 広報・宣伝費用
これらの費用は、事業の規模や業種によって異なりますが、いずれも事業を始める上で重要な要素となります。
物件を借りる費用
個人事業主が事務所や店舗を借りる場合、物件を借りる費用が必要となります。この費用には、主に敷金や礼金、保証金などが含まれます。
敷金は、賃貸借契約終了時に返還される預け金である一方で、礼金は契約時に家主へ支払う一時金で、返還されません。保証金は、敷金と同様に預け金ですが、故意や不注意による破損や汚れの修繕費用や家賃を滞納した場合の補填などに充てられる場合があります。
これらの費用は、物件の所在地や大きさによって変動するので、複数の物件を比較しながら決めるのがおすすめです。
事業で使う設備・備品の購入費用
個人事業主が事業を始める際には、必要な設備や備品を購入する費用が発生します。
たとえば、オフィスワークが中心の事業であれば、パソコンやプリンター、デスク、椅子などが必要となるでしょう。一方、飲食店を開業する場合は、厨房設備や食器、テーブル、椅子などの購入費用が必要です。
必要な設備・備品をあらかじめリストアップし、優先順位をつけて購入計画を立てることが大切です。
広報・宣伝費用
個人事業主が事業を軌道に乗せるためには、広報・宣伝活動が欠かせません。主な広報・宣伝費用には、ホームページ制作費用や広告掲載費用などがあります。
ホームページは、事業の顔となる大切な要素です。自作する場合もありますが、プロに依頼すると、デザインや機能面でより充実したサイトを作ることができます。ホームページ制作の費用は、小規模だと10~150万円、大規模なものになると300万円以上かかることもあるため、今後の事業展開も考慮したうえで制作すると良いでしょう。
- オンライン広告(Google広告、SNS広告など)
- 紙媒体広告(新聞や雑誌、チラシなど)
- 屋外広告(看板やポスターなど)
広告費用は、媒体や掲載期間によって大きく異なりますが、宣伝を効果的に行うためには、ある程度の資金を確保しておくことが重要です。
開業資金の平均額
日本政策金融公庫の「2023年度新規開業実態調査」によると、開業資金の平均額は1,027万円でした。
ただし、個人事業主の開業資金の額は、業種や規模によって大きく異なります。
たとえば、自宅を事務所として使用し、オンラインで業務を行う場合は、比較的少ない資金で開業できる可能性があります。一方、飲食店や小売店など、店舗を構えて営業する場合は、より多くの資金が必要となるでしょう。
参考:2023年度新規開業実態調査」|日本政策金融公庫
開業資金のおすすめの調達方法7選
開業資金の調達は、新規事業を始める上で重要な課題となる場合もあるでしょう。
開業資金の主な調達方法として、以下の3つのカテゴリーに分けられます。
- 公的機関からの資金調達
- 金融機関からの資金調達
- その他の資金調達方法
それぞれの方法について、詳しく見ていきましょう。
公的機関からの資金調達方法
公的機関からの資金調達は、比較的低利で長期の融資を受けられる可能性があります。ここでは、日本政策金融公庫と自治体からの融資について説明します。
また、これらの機関からの融資は、民間金融機関と比べて審査基準が緩やかな場合があります。そのため、創業間もない事業者や、担保が不足している事業者にとっても有効な選択肢でしょう。
日本政策金融公庫からの融資
日本政策金融公庫は、国民生活金融公庫、中小企業金融公庫、農林漁業金融公庫、国際協力銀行の4つが統合してできた政府系金融機関です。新規で開業する方向けの融資制度が充実しており、低金利で長期の返済が可能な場合が多いのが特徴です。
審査には平均2週間程度(土日、祝日を含む)かかるので、余裕を持って申し込むことをおすすめします。
利用するにあたっての手続き方法が知りたい方は、下記のWebサイトをご覧ください。
個人企業・小規模企業の方|日本政策金融公庫
自治体からの融資
自治体からの融資は、地域の産業振興や雇用創出を目的として行われることが多いため、地域によって制度が異なります。一般的に、低金利で融資を受けられる可能性が高いのが特徴です。
自治体によって融資を受けるための条件や審査基準が異なるので、詳細は各自治体のホームページや窓口で確認しておきましょう。
下記は東京都が実施している融資制度ですので、該当する方は参考にしてみてください。
東京都中小企業制度融資|東京都産業労働局
金融機関からの資金調達方法
金融機関からの資金調達は、公的機関と比べて融資額が大きくなる場合があります。ただし、審査基準が厳しい場合もあるため、事前に十分な準備が必要です。
下記で金融機関からの資金調達方法を3つ紹介します。
民間金融機関からの融資
民間金融機関からの融資は、銀行や信用金庫などから受けるものです。公的機関と比べて融資額が大きくなる可能性がある一方で、審査基準が厳しくなる傾向があります。
審査では、事業の将来性や返済能力が重視されます。そのため、事業計画と資金計画を綿密に立てておくことが重要です。
審査を通過するためのポイントは下記の記事で紹介しているので、参考にしてみてください。
個人事業主が組めるローン・融資|審査の通りやすいものなども紹介
ビジネスローンの活用
ビジネスローンは、事業者向けの融資サービスです。公的機関からの融資や銀行からの融資よりも審査が比較的早く、最短で即日、遅くとも10日~1週間程度で融資を受けられる場合があります。
ただし、ほかからの融資より金利が高めに設定されていることが多いので注意が必要です。返済計画をしっかり立てて、無理のない借入額を設定することが大切です。
その他の資金調達方法
公的機関や金融機関からの融資以外にも、開業資金を調達する方法があります。ここでは、助成金・補助金の活用、クラウドファンディング、友人や親族からの借り入れについて説明します。
助成金・補助金の活用
助成金や補助金は、返済不要の資金を受け取れる可能性があります。ただし、助成金や補助金を受け取るには要件が定められていることがほとんどなので、あらかじめ確認しておく必要があります。
また、制度によっては、応募できる期間に限りがあるものもあるので、スケジュールには余裕を持って準備に取り掛かりましょう。
フリーランスや個人事業主が受け取れる助成金や補助金については、下記の記事でまとめていますので参考にしてみてください。
【2024年最新】フリーランス・個人事業主向けの給付金・助成金・補助金まとめ
クラウドファンディングの活用
クラウドファンディングは、インターネットを通じて不特定多数の人から資金を募る方法です。事業のアイデアや製品に共感した人々から直接支援を受けられるのが特徴です。
クラウドファンディングに成功すれば大きな資金を調達できる可能性がありますが、一切の資金が得られないこともあります。人々を魅了するようなプロジェクトの立案と宣伝が成功のポイントとなるでしょう。
代表的なクラウドファンディングのサイトには、CAMPFIREなどが挙げられます。
友人や親族からの借り入れ
友人や親族からの借り入れだと、審査なしで資金を調達できる可能性があります。ただし、事前に返済条件や期限をはっきりさせておかないと信頼を失うおそれがあるため、慎重に検討する必要があります。
また、事業が軌道に乗らなかった場合のリスクについても、事前に話し合っておくことが重要です。
開業資金の調達方法を決める際の注意点
開業資金の調達方法を決める際には、いくつかの注意点があります。ここでは、特に重要な2点について説明します。
- 無理なく返済できるか確認する
- 事業計画との整合性を確認する
これらを十分に検討することで、より安定した資金調達と事業運営が可能になるでしょう。
無理なく返済できるか確認する
開業資金の調達方法を決める際、大切なのは無理なく返済できるかどうかを確認することです。返済が滞ると、事業の継続が困難になるだけでなく、個人の信用も大きく損なわれる可能性があります。
月々の返済額と予想される売上を比較したり、事業が軌道に乗るまでの期間を見積もったりして返済能力を測っておきましょう。特に、創業初期は売上が安定しないことが多いので、余裕を持った返済計画を立てることが重要です。
また、複数の借入を組み合わせる場合は、返済総額が無理のない範囲に収まるよう注意しましょう。
事業計画との整合性を確認する
開業資金の調達方法を決める際には、事業計画と整合性がとれているかを確認しましょう。調達方法や金額が事業計画に適していないと、設備投資や人材採用が計画通りに進まず、事業計画全体を見直す必要が出てくるかもしれません。
場合によっては、事業の成長に合わせて段階的に資金調達を行うことも検討する必要があるでしょう。
個人事業主が融資を受ける際に必要なこと
個人事業主が銀行や公的機関からの融資を受けるには、開業届の提出と確定申告を行う必要があります。
下記でそれぞれの方法を詳しく説明します。
開業届を提出する
個人事業主が融資を受ける際、まず開業届の提出が必要です。開業届は、事業を始めたことを税務署に報告する書類であり、融資を申し込む際に、事業を行っていることの証明として必要となります。
開業届の提出方法は以下の通りです。
- 税務署で用紙を入手するか、国税庁のWebサイトからダウンロードする
- 必要事項を記入する
- 税務署に提出する
税務署への提出方法は、管轄の税務署へ直接持参する以外に、郵送またはオンラインでの提出も可能です。開業届は、開業日から1か月以内に提出するようにしましょう。
開業届の書き方について詳しく知りたい方は、下記の記事を参考にしてみてください。
フリーランスの開業届の書き方と記入例。提出するメリットなども解説
参考:A1-5 個人事業の開業届出・廃業届出等手続|国税庁
確定申告をする
個人事業主が融資を受ける際、確定申告を行うことも必要です。確定申告は、毎年1月1日から12月31日までの1年間に得た所得を算出し、納税額を確定させる手続きです。
この手続きは、融資を受けるにあたって以下のような役割を果たします。
- 事業がどれだけの利益を上げているか
- 返済能力がどのくらいあるか
- 事業の安定性や成長性はどのくらいか
確定申告の期間は、原則として2月16日から3月15日とされています。この期間中に、確定申告書を作成し、管轄の税務署に提出するようにしましょう。
確定申告が初めての方や、確定申告を行う時間があまりない方は、税理士に依頼するのもおすすめです。
レバテックフリーランスでは、税理士を無料で紹介するサービスを行っています。確定申告のほかにも、節税対策の相談もすることができるので、ぜひ登録をご検討ください。
参考:所得税の確定申告|国税庁
開業資金に関するよくある疑問
ここでは、開業資金に関するよくある疑問について、分かりやすく解説していきます。
Q. 融資を受けずに開業することは可能ですか?
融資を受けずに開業することは可能です。自己資金のみで開業する方法を「ブートストラップ」と呼びます。借入金の返済負担がない、経営の自由度が高いといったメリットがありますが、事業規模が制限される、成長のスピードが遅くなる可能性があるといったデメリットもあります。
自己資金で開業する場合は、最小限の費用で始められるビジネスモデルを検討したり、段階的に事業を拡大していく戦略を立てたりするのがおすすめです。
Q. 開業資金の返済が滞ったらどうなりますか?
開業資金の返済が滞ると、金融機関から督促を受け、信用情報に悪影響を及ぼす可能性があります。信用情報に傷がつくと、その後、新規融資を受けにくくなったり、クレジットカードの審査に通らなくなったりする可能性もあります。
返済が困難になった場合は、一人で抱え込まず、早めに借入先に相談することが大切です。 状況に応じて、返済計画の見直しなどをしてくれる場合があります。
※本記事は2024年8月時点の情報を基に執筆しております。
最後に
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