女性エンジニアが少ない理由は?現状のデータとIT業界の魅力を解説 | レバテックフリーランス
女性エンジニアが少ない理由は?現状のデータとIT業界の魅力を解説
「IT業界に興味があるけど、女性エンジニアが少ない理由は何だろう?」と疑問に思っている人がいるのではないでしょうか。
この記事では、女性エンジニアの割合や少ない理由を解説します。そして、IT業界で女性が働く魅力についても紹介していきます。また、女性エンジニアにありがちな悩みと解消法もお伝えするので、IT業界に興味がある方はぜひ参考にしてください。
目次
【どれくらい少ない?】女性エンジニアの現状
IT業界では、女性エンジニアの数が少ないことが長年の課題となっています。ここでは、女性エンジニアの現状について、具体的なデータを交えて説明します。
女性エンジニアは全体の2割程度にとどまってる
一般社団法人情報サービス産業協会の調査によると、情報通信業に従事する女性エンジニアの比率は約20%で、男性と比べるとかなり低い割合となってます。
一般社団法人情報サービス産業協会「2023年版 情報サービス産業 基本統計調査」をもとにレバテックフリーランスが作成
また、同じ調査では、全管理職のうち女性の構成比率が8.1%であることも分かっています。全管理職における男性の構成比率91.9%に比べるとこちらもまだまだ低い割合といえるでしょう。
参考:2023年版 情報サービス産業 基本統計調査|一般社団法人情報サービス産業協会
女性エンジニアが増加しているデータはある
一方で、女性エンジニアの数は徐々に増加傾向にあるというデータも存在します。
レバテックキャリア(IT人材向け転職エージェント)の登録者データを見てみると、女性エンジニア比率は過去10年で増加傾向にあります。2012年の女性エンジニア比率は17.2%でしたが、2022年には21.2%まで増加しました。
増加のペースは緩やかではあるものの、女性エンジニアの比率は少しずつ増えているといえるでしょう。
参考:女性エンジニア比率が過去10年増加傾向、「家庭と仕事を両立したい」と考える女性は7割超え|レバテック
女性エンジニアが少ない理由
女性エンジニアが少ない背景には、さまざまな要因が絡み合っています。ここでは、主な3つの理由について見ていきましょう。
女性には向いていないという固定観念がある
「エンジニアは男性の仕事」という固定観念が、女性のIT業界への参入を妨げている大きな要因の一つです。
世の中には、「女性は論理的に思考するのが苦手だから、プログラミングに向いていない」といった考えを持つ人がいます。実際には、この考えに科学的な根拠はなく、エンジニアとして活躍する女性は存在します。
しかし、女性自身も無意識にエンジニアを男性の職業と捉えているために、エンジニアを目指す気持ちが起こりにくく、結果的に女性エンジニアが少なくなっていると考えられます。
長時間労働の職場が多い
IT業界は、長時間労働が常態化している職場が多いことも、女性エンジニアが少ない理由の一つです。残業が多い環境下では、出産や育児と仕事を両立するのが難しく、女性はワークライフバランスの課題を抱えがちです。
厚生労働省の調査によると、情報通信業の所定外労働時間は、ほかの産業と比べて高水準であることが分かっています。情報通信業の一般労働者の所定外労働時間は16.5時間で、調査対象となっているすべての産業の中で2番目に長い数字です(事業所規模5人以上、令和6年度確報)。
- 1位:運輸業・郵便業(24.3時間)
- 2位:情報通信業(16.5時間)
- 3位:電気 ・ ガス業(16.4時間)
全産業の一般労働者の所定外労働時間の平均は13.4時間なので、情報通信業は残業時間が長い傾向にあることが分かるでしょう。
IT系の企業で長時間労働になりやすいのは、納期がタイトであったり、急な仕様変更への対応を求められたりするケースが多いからです。
最近では、ワークライフバランスの改善に向けた取り組みを行う企業も多いため、エンジニアを目指す女性は事前に働く環境について調べておきましょう。
参考:毎月勤労統計調査 令和6年度分結果確報(第2表 月間実労働時間及び出勤日数 [17KB])|厚生労働省
女性の理系比率が少ない
女性エンジニアが少ない根本的な原因として、そもそも理系分野を専攻する女性の割合が少ないことが挙げられます。
文部科学省の調査によると、高校では女性は文系、男性は理系を選ぶ割合が高いことが分かっています。また、大学(学部・大学院)の工学・理学の分野でも、女性学生の割合は低い結果でした。
最近では、国によって女性の理系分野への興味を育む取り組みが始まっていますが、現状まだ女性の理系比率は少なく、結果として女性エンジニアも少ない状況になっています。
参考:教育分野における女性の理工系人材の育成及びアンコンシャス・バイアス解消に向けた取組について|文部科学省
IT業界で女性がエンジニアとして働く4つの魅力
女性エンジニアの数はまだまだ少ないものの、IT業界には女性にとって働きやすい環境があります。ここでは、女性がエンジニアとして働く際の4つの魅力について解説していきます。
1.柔軟な働き方ができる企業が多い
エンジニアに対しては、柔軟な働き方を導入している企業が多いのが特徴です。多くのIT企業では、リモートワークやフレックスタイム制を採用しています。
柔軟な働き方ができる企業に就業すれば、仕事と出産や育児などを両立でき、ワークライフバランスを保ちやすくなります。特に、コロナ禍後はリモートワークを導入する企業が増えているため、プライベートとの両立を重視する場合は、社内の制度について調べたうえで企業を選びましょう。
2.スキル次第で年収アップできる
エンジニアは、性別や年齢に関係なく、技術力に応じて年収が上がりやすい傾向があります。これは、女性エンジニアにとって大きなモチベーションになるでしょう。
プログラミングスキルや最新技術の習得、プロジェクト管理能力の向上など、自己研鑽を積むことで、着実にキャリアアップが可能です。また、資格取得によって、さらなる年収アップのチャンスも広がります。
3.手に職がつくので復職しやすい
エンジニアは専門職で手に職がつくため、結婚や出産で一時的にキャリアを中断した場合も復職しやすい仕事です。
仮に出産や育児で数年の間職場を離れたとしても、最新技術をキャッチアップしていれば比較的スムーズに復職できるでしょう。他社で活かせるスキルを身につけていれば、離職後に別の企業に転職し、収入アップを目指すことも可能です。
4.フリーランスとして独立しやすい
IT業界では、フリーランスとして働くエンジニアも多く、女性にとっても独立のチャンスが広がっています。レバテックの調査では、20~30代女性IT人材の約35%がフリーランスを将来の選択肢として検討していることが分かっています。
また、別の調査では、現在フリーランスとして働く20代・30代の女性IT人材のうち、約7割が「出産を経験したあともフリーランスとして働き続けたい」と回答しました。
出産後もフリーランスを続けたい理由としては、働く場所や時間、業務量を調整できることを挙げる人が多く、フリーランスの働き方と女性の相性の良さがうかがえます。
「独立したら収入が安定しないのでは」と不安に思う方がいるかもしれませんが、フリーランス向けのエージェントを使うことで案件が途切れる不安を解消できます。レバテックフリーランスでは、女性フリーランスにおすすめの案件を紹介しているので、フリーランスの働き方に興味がある方はぜひ以下のページをご覧ください。
レバテックMe for woman
参考:
女性IT人材のキャリアに関する調査(前編)|レバテック
女性IT人材のキャリアに関する調査(後編)|レバテック
女性エンジニアが抱える悩みあるある
女性エンジニアが増えつつある一方で、まだまだ課題も存在します。ここでは、女性エンジニアがよく直面する2つの悩みについて解説します。
ロールモデルが少ない
女性エンジニアにとって、身近なロールモデルが少ないことは大きな悩みの一つです。ロールモデルが不足していると、キャリアパスのイメージが描きにくくなってしまいます。また、身近にキャリアアップに成功した女性エンジニアがいないと、昇進できるのかという不安につながりやすいです。
身近に同性のエンジニア仲間がいなければ、同じ立場で悩みを共有したり、アドバイスを求めたりする機会も限られてしまいます。
周りに女性がいなくて不安を感じる場合は、社外で女性エンジニア向けのコミュニティに参加し、人脈を築くのがおすすめです。以下の記事では、フリーランス向けのコミュニティの種類や人脈の作り方を紹介しているのでぜひ参考にしてください。
フリーランス向けコミュニティ10選!参加のメリットや仲間の作り方を紹介
プライベートとの両立が難しい場合がある
IT業界では、納期前に残業が増えたり、急な障害対応が必要になったりすることがあり、プライベートとの両立が難しいと感じる可能性があります。育児や介護を家族の中心となって担っている女性の場合、予定外の残業や休日出勤が発生すると、家庭に大きな影響を与えてしまいます。
プライベートとの両立の不安を解消するには、就職・転職活動での企業選びがポイントです。最近は、残業時間の削減や育児支援に注力する企業が増えています。応募先を選ぶ際は、働く環境や社内の制度についてよく調べ、自分が希望する制度が整っているか確かめましょう。
【未経験から目指せる!】女性がエンジニアになる方法
IT業界に興味はあるものの、「未経験からエンジニアになるのは難しいのでは?」と思っている女性も多いでしょう。しかし、実は未経験からでもエンジニアを目指すことは可能です。
ここでは、未経験からエンジニアになるための具体的な方法を2つ紹介します。
基礎的なプログラミングスキルを身につける
エンジニアになるための第一歩は、基礎的なプログラミングスキルを身につけることです。プログラミング言語には多様な種類があるため、自分が目指したい職種や開発したい分野に必要な言語を調べ、学習を始めましょう。
プログラミング言語の学習法は、主に以下の2つです。
- 独学
- プログラミングスクール
独学の場合は、書籍やオンライン教材を活用して学習を進めます。詳しい学習方法は、以下の記事を参考にしてください。
プログラマーを目指す勉強法6選!プログラミング初心者向けの独学の学習内容
独学が難しいと感じたら、プログラミングスクールがおすすめです。スクールであれば、プロの講師に直接指導を受けて効率的に学習を進められます。ただし、スクールは独学よりも費用が高額になるため、自分の状況に合った学習方法を選択しましょう。
未経験OKの企業に就職する
基礎的なスキルを身につけたら、次は未経験者でも応募可能な企業を探しましょう。最近では、未経験者を積極的に採用し、社内で育成するIT企業が増えています。
未経験OKの求人を見つけるポイントは以下の通りです。
- 求人サイトで「未経験歓迎」などのキーワードで検索する
- IT業界に特化した転職エージェントを利用する
エージェントを利用すれば、スキルに合った求人を提案してもらえるだけではなく、書類や面接のアドバイスを受けることもできます。女性が働きやすい企業を探す際は、残業時間や福利厚生を確認するほか、社員の男女比や女性管理職の比率もチェックすると良いでしょう。
レバテックキャリアは、ITエンジニアに特化した転職エージェントです。技術情報や業界動向に詳しいキャリアアドバイザーが、ワークライフバランスなど、女性ならではの悩みに寄り添いながら転職活動をサポートします。
「女性エンジニアが働きやすい職場を探したい」という方は、ぜひお気軽にご相談ください。
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※本記事は2025年5月時点の情報を基に執筆しております。
最後に
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