個人事業主が年収500万円のときの税金は?手取り額や住民税、所得税の計算方法

この記事でわかること
  • 年収500万円の個人事業主の税金と手取り
  • 個人事業主と会社員はどちらが税金が高いか
  • 節税で手取りを増やすコツ

「個人事業主(フリーランス)の年収が500万円なら、支払う税金はどれくらい?」と気になる会社員や個人事業主の方に向けて、年収500万円だった場合の納税額と手取りの目安を紹介します。

また、手取りを増やすのに住民税や所得税を計算するのは重要ですので、税金の計算方法や節税のコツも解説します。より効率よく、良い生活を送るための基礎知識を身につけましょう。

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個人事業主が年収500万のときの税金と手取り計算

年収500万円の個人事業主の手取りは約416万円で、差額が支払う税金・保険料です。税金・保険料や手取りは経費に左右されますが、目安は出せるので経費の金額に応じた納税額を解説していきます。

個人事業主の税金や手取りの一覧表

年収500万円の個人事業主が支払う税金・保険料の総計は約87万円です。レバテックフリーランスの案件ページの単価をもとにシミュレーション結果をまとめました。

月単価 42万円
年収(月単価×12ヶ月) 504万円
所得税 12万1,404円
住民税 22万8,900円
国民年金 19万6,920円
国民健康保険 32万3,616円
手取り額 416万9,160円


上記の算出条件は次のとおりです。

  • 世田谷区在住
  • 30歳
  • 独身・扶養なし
  • 国民年金加入
  • 常駐型フリーランス
  • 青色申告
  • 月額経費10万円の場合

2020年2月時点の法令に基づく簡易な計算なので、あくまでも目安として参照してください。なお、事業が赤字なら所得税や住民税はかかりません。

経費によって税金の金額は異なる

納税額は、計上した経費によって変わるのがポイントです。所得税を例にとり、年収500万円で経費が0円や100万円だった場合の目安額を紹介します。

  • 経費0円…所得税:約20万円
  • 経費100万円…所得税:約10万円
  • 経費200万円…所得税:約7万円

経費にする費用が多いほど所得税は少なくなります。同じ年収500万円でも納税額や手取りは大きく変わる可能性があるので要注意です。

個人事業主の独立時に受け取れる可能性のある再就職手当について気になっている方は、こちらの記事を併せてご覧ください。
個人事業主は再就職手当をもらえる?受給条件と必要な証明書類

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個人事業主が支払う税金・保険料の種類と計算方法

個人事業主が支払う税金・保険料の種類と計算方法を解説します。主に税金は所得税と住民税、保険料は国民年金保険と国民健康保険です。個々の事情で発生する税金も紹介するので、あわせてチェックしてください。

所得税

所得税は事業で得た収入にかかる税金です。所得税を計算するときは、まず1年間の収入から経費を差し引いた「所得金額」を出します。

所得金額=1年間の収入-経費

次に、所得金額から所得控除額を差し引くと「課税所得金額」を算出できます。所得控除額は家族構成などにより変わるのが特徴です。

課税所得金額=所得金額-所得控除額

課税所得金額に所得税率を掛ければ、所得税額がわかります。

所得税額=課税所得金額×所得税率

税率は所得が大きいほど高くなります。たとえば、所得が1000円以上あれば5%、195万円以上なら10%です。稼ぎや家族構成など、個々の事情により金額が変動するのが所得税の特徴だといえます。

住民税

住民税(市町村民税・道府県民税)は、自分が住んでいる自治体に支払う税金です。自治体に住む人たちが住民税を支払い、学校教育やゴミ処理などの公共サービス費を負担し合います。個人が負担する住民税は「均等割」「所得割」の2つです。

  • 均等割:所得に関係なく一定の金額を支払う
  • 所得割:所得に応じた金額を支払う

個々の所得に応じた所得割は、次の方法で求めます。所得割税率は一律10%です。

所得割=(課税所得金額×所得割税率10%)-控除額

支払う住民税は、均等割と所得割を合計した金額になります。均等割は市町村民税と道府県民税をあわせて5000円です。

住民税=均等割5000円+所得割

均等割の金額および所得割の税率を表にまとめました。

住民税の種類 年額または標準税率
均等割(年額) 市町村民税:3500円/
道府県民税:1500円
所得割(標準税率) 市町村民税:6%/道府県民税:4%

国民年金保険料

国民年金保険料は、日本に住む20歳以上60歳未満の人全員が支払います。2023年5月時点での保険料は月額16,520円です。フリーランスを含む自営業者は、自ら保険料を納めなければなりません。

国民年金保険料はまとめて前払いすると割引されます。また、付加保険料を利用する人は月額400円を上乗せして支払います。支払い方や制度の活用によって納付額が変わるのが特徴です。

国民健康保険料

国民健康保険料は、被用者保険など他の保険制度を利用していない人全員が支払います。世帯単位で計算するのが特徴で、次の3つの保険料で構成されます。

  • 医療分:高額になりがちな医療費を補填する
  • 後期高齢者支援金分:後期高齢者の医療をサポートする
  • 介護分(40歳~64歳が支払う):自分の老後をサポートする

医療分・後期高齢者支援金分・介護分の各金額は、以下の4項目を組み合わせて計算します。それぞれの概要と計算方法を表にまとめました。

項目 概要 計算方法
所得割 各世帯の加入者の前年の所得に応じて支払う 所得金額×保険料率
均等割 各世帯の加入人数に応じて均等に支払う 加入人数×均等割額
平等割 加入するすべての世帯が平等に支払う ※所得に関係なく金額が一定
資産割 各世帯の加入者の資産に応じて支払う 固定資産税額×保険料率


保険料率や4項目の組み合わせ方は自治体ごとに異なります。自治体によっては国民健康保険料が高額になるので注意してください。

場合によってはかかる消費税と個人事業税

消費税や個人事業税がかかるケースもあります。個人事業主が消費税・個人事業税を支払う条件は以下のとおりです。

  • 消費税:前々年の課税売上高が1,000万円超
  • 個人事業税:法定業種の事業を行い、事業所得が290万円超

個人事業税の税率は3%・4%・5%のいずれかです。法定業種は「第1種事業」「第2種事業」「第3種事業」に分けられ、区分に応じて税率が決まります。

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年収500万の個人事業主と会社員、税金が高いのは?

税金・保険料は個人事業主の方が高くなりやすいといえます。理由は以下のとおりです。

  • 会社員の給与所得控除と比べて控除額が少ないから
  • 保険料が折半ではなく全額自己負担になるから
  • 人によっては消費税や個人事業税がかかるから

ただし、経費や控除額にもよるので、個人事業主の方が必ず高くなるとはいえません。対策次第で、会社員よりも税金・保険料を減らせる場合もあります。

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年収500万の個人事業主が税金を抑える方法

個人事業主が節税して手取りを増やすコツを紹介します。経費にできる費用を見直す、控除額が大きい青色申告を行うなどです。工夫できるポイントを知り、賢く節税しましょう。

経費にできる費用がないか見直す

経費にできる費用を見直すのが節税に効果的です。個人事業主は、収入から経費を差し引いた金額をもとに所得税を計算します。経費にできる費用が多いほど、支払う税金・保険料が少なくなります。

自宅を事務所として使っているなら、家賃や水道光熱費の一部を「家事按分」して経費に計上できます。普段見落としている可能性もあるので、定期的に出費を見直しましょう。

確定申告は節税効果が高い青色申告で

確定申告は節税効果が高い青色申告がおすすめです。青色申告には次のメリットがあります。

  • 最大65万円の控除が受けられる
  • 3年間の赤字の繰り越しが可能
  • 30万円未満の固定資産の経費を一括計上できる
  • 家族従業員の給与を経費にできる

上記のとおり、青色申告は高い節税効果が期待できます。帳簿のつけ方が複雑になるデメリットはありますが、手取りを増やしたいならぜひチャレンジしましょう。

個人事業主も対象の所得控除を使う

所得控除を利用する方法もあります。所得税を計算する際、所得金額から一定額を差し引けるのが所得控除です。以下に主なものを挙げます。

  • 雑損控除
  • 医療費控除
  • 社会保険料控除
  • 配偶者控除
  • 扶養控除
  • 生命保険料控除

所得控除には多くの種類があります。手取りを増やしたい個人事業主は、自分が受けられる控除がないか確認しましょう。

iDeCoなどの個人年金に入る

iDeCoやNISAを利用して資産を作るのも手です。私的年金のiDeCoは課税所得金額から掛金を全額控除できるので、高い節税効果が望めます。運用益にも税金がかからず、手元にお金が残りやすいのがメリットです。

NISAやつみたてNISAは、投資信託の運用益が全額非課税になる制度です。非課税期間はNISAで最長5年、つみたてNISAは最長20年間になります。税金をかけずに老後資金を準備できるのが魅力です。

収入が高ければ法人化する

一定以上の年収に達した個人事業主は、法人化で節税できる可能性があります。法人税率の上がり方は、個人事業主の所得税率と比べて緩やかだからです。個人事業主より経費の範囲が広く、税負担が軽くなるのも法人のメリットです。以下に詳細をまとめました。

項目 個人事業主 法人
税率 所得金額が高いほど税率が上がるのが特徴。課税所得金額が500万円の場合、税率は20%になる。 個人事業主に比べると税率の上がり方が緩やか。普通法人で利益が500万円なら、税率は15%~19%になる。
経費の範囲 事業に必要な費用を計上可能。ただし、自身に支払う報酬は経費にできない。 事業に必要な費用のほか、自身に支払う給与や退職金、生命保険の掛金なども計上可能。


インボイス制度が始まると、一般的に事業者の利益は減るとされます。法人化を含め、手取りや利益を増やす方法を考える必要があるでしょう。法人化に適したタイミングについて詳しく知りたい方は、以下の記事をご覧ください。
法人化する目安・タイミングは?法人化・法人成りの費用までFPが解説

ただし、法人化がメリットになるかどうかは個々の事情や条件にもよります。総合的に考えてデメリットが多そうなら、個人事業主のまま収入アップを目指すのも手です。

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手取りを増やしたいならエージェントもおすすめ

手取りや利益を増やしたい方は、効率良く収入アップできるフリーランスエージェントを利用するのがおすすめです

エージェントは営業を代行してくれる上、高単価案件も多く収入アップしやすいのが魅力です。レバテックフリーランスのユーザーには、前職と比べて収入が約20万円上がった人もいます。案件のお探しをはじめ、サポートは全て無料ですので、ぜひお気軽にお問い合わせください。
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年収500万の個人事業主の税金に関するよくある質問

年収500万円の個人事業主の税金に関するよくある質問をまとめました。納税額の目安や計算方法などについて回答しています。個人事業税がかかる職種の例も簡単に紹介しているので、自分が当てはまるか確かめてください。

Q. 所得が500万円の場合、納税額はいくらですか?

個人事業主の事業所得が500万円だった場合、支払う税金の合計は85万円ほどになると考えられます。「法定業種・売上約1000万円・経費約500万円」で想定した納税額です。このケースで支払う税金は、所得税・住民税・個人事業税の3種類になります。

Q. 事業所得から納税額を計算する方法は?

所得税を計算するときは、まず事業所得から所得控除額を差し引いて「課税所得金額」を出してください。課税所得に税率を掛けると、所得税額がわかります。課税所得金額を出せば、住民税の所得割も計算可能です。

Q. 個人事業税がかかるのはどんなケースですか?

個人事業税がかかるのは、「法定業種」に指定される70種のいずれかに当てはまる事業を行う人です。デザイン業やコンサルタント業などが該当します。プログラマーやシステムエンジニアは該当しないので非課税です。

※本記事は2023年5月時点の情報を基に執筆しております。

最後に

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※相場算出に個人情報の取得はおこないません。

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