目安は売上高1000万円?課税所得800万円?利益500万円?
法人化する目安・タイミングは?法人化・法人成りの費用までFPが解説

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「事業が拡大したら法人化を検討しましょう」とはよく聞くものの、具体的なラインはどこにあるのか。また、個人事業主は費用をかけずに始められるのに対し、法人設立には費用が発生します。そんな悩ましい法人化のお金の話をファイナンシャルプランナーが解説していきます。

※本記事は2018年10月時点での内容を基に作成しております

 

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■第1回
法人化・法人成りとは?個人事業主から法人になる意味は 
■第2回
法人化(法人成り)のメリット・デメリットをFPが解説 

 

0. 目次

1. 「法人化(法人成り)」すべきタイミング・目安
 1-1. 売上高1000万円
 1-2. 課税所得800万円
 1-3. 利益500万円
2. 「法人化(法人成り)」の費用
3. 助成金や補助金の検討

 

1. 「法人化(法人成り)」すべきタイミング・目安

第3回目の今回は、「法人化する目安・タイミングは?法人化・法人成りの費用」について解説していきます。

前回では、法人化のメリット・デメリットをお伝えいたしましたが、次に気になることは、やはり法人化のタイミングではないでしょうか。

個人事業より法人化(法人成り)する目安としては、3つ ございます。
 

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1-1. 売上高1000万円

まず1つ目が「売上高1000万円」になります。前回のコラムでもお伝えいたしましたが、1年間の売上高が1000万円を超えた段階で、消費税の納税義務が2年後に生じます。

また前年の前半6カ月の課税売上高が1,000万円を超える場合、かつ給与等支払額が1000万円を超えている場合も同様に、消費税の納税義務者となります。

そのため、1年間の売上高が1000万円を超えそうなときは、法人化を検討するタイミングともいえるでしょう。そのタイミングに合わせて法人化することで、個人事業主としての消費税の納税義務が免除されるからです。
※個人事業主と新設法人とは、別のものとして考えるためです。

 

1-2. 課税所得800万円

2つめの法人化検討の目安としては、「課税所得800万円」が挙げられます。

法人の利益に課税される法人税率は、中小法人であれば、利益800万円以下は19%(15%)、800万円超は23.2%%の税率となります。
※表中の括弧書の税率は、2019年3月31日までの間に開始する事業年度について適用されます。

一方で、個人事業の利益に課税される所得税の税率は5%〜45%と、所得が増えるほど税率が高くなっていく仕組みになっています。

所得税の速算表
課税される所得金額 税率 控除額
195万円以下 5% 0円
195万円を超え 330万円以下 10% 97,500円
330万円を超え 695万円以下 20% 427,500円
695万円を超え 900万円以下 23% 636,000円
900万円を超え 1,800万円以下 33% 1,536,000円
1800万円を超え 4,000万円以下 40% 2,796,000円
4,000万円を超 45% 4,796,000円


そのほかの税負担も含めた実効税率は30%弱といわれていますので、「課税所得800万円」は個人事業主としての所得税率が上がる前に法人化(法人成り)を検討するタイミングといえます。  

1-3. 利益500万円

ですが、実際には経営者の給与額など、その他の様々な要素によって結果は変わりますが、利益が500万円を超えた段階で法人化(法人成り)への試算をオススメしています。前回のコラムでお伝えいたしましたが、法人化することで「経費に算入できる幅が個人事業主よりも増える」「税制優遇が増える」からなんです。

 
  • 役員報酬は、法人の経費として全額を損金算入することができます(法人としての節税)。
  • 役員報酬として給与を受け取りますので、給与所得控除(個人としての節税)を使えることになります。
  • 法人契約の生命保険料も、契約内容によって保険料の一部〜全額が経費になります。
  • 退職金制度も使えます。制度によっては損金として算入できますので「給与の先送り」をして所得税・住民税を圧縮することが可能!


このように経費項目が増えるため、税負担を軽くすることができます。利益の継続性が見込める場合は検討してみましょう。

 

5. 「法人化(法人成り)」の費用

法人を設立するため費用としては、必要な費用は定款作成費用と設立登記費用から成ります。両者を合計すると、25万円程度は必要となります。また、これらの費用は全額経費として落とせます。

 

定款作成にかかる費用の目安

「定款」とは、個々の私法人の組織・活動について定めた根本規則(を記した書面)です。会社を設立するためには、会社法に基づく定款の作成が義務づけられています。
 

  • 定款印紙代 10,000円
  • 公証人への定款認証手数料 52,000円(謄本取得代約2,000円)
 

設立登記費用かかる費用の目安

  • 法人印 約10,000円
  • 登録免許税(株式会社:約15万円、合同会社:約6万円、一般社団法人:約11万円)※(資本金の0.7%・15万円が下限)

またその他の費用として、下記のようなものもあります。

 
  • 銀行口座開設費用(法人登記簿謄本、印鑑証明など)
  • 専門家報酬 約10万円(自身で設立手続を行えば費用は不要)
 

資本金として出資する金額

2006年5月から最低資本金制度(株式会社は最低1000万円、有限会社は最低300万円の資本金を必要とする制度)が撤廃されたため、資本金は1円でも構いません。

出資した資金は使えなくなるわけではなく、使うことは可能です。資本金は「財務の健全性」という観点からは、多いに越したことはありませんが「資本金が1000万円以上となると消費税の免税事業者でなくなる」などの注意点が挙げられます。

 

6. 助成金や補助金の検討

助成金や補助金は、国や地方自治体などからもらえる資金となります。

銀行からの借り入れや新創業融資制度をはじめとした「融資」は返済をしなければいけませんが、「助成金」や「補助金」は返済しなくて良いため、活用するのも戦略の一つとすることもできます。

助成金などは、申請しなければもらうことができませんので、情報収集も大事な仕事と思って頂ければと思います。

「法人化する目安・タイミングは?法人化・法人成りの費用」を解説いたしましたが、しっかりとポイントをおさえて、法人化(法人成り)を検討して頂きたいと思います。

 

 

本記事の執筆者
ファイナンシャルプランナー・尾上 堅視(おのうえ けんじ)

株式会社家計の総合相談センター相談員:2005年に資産運用を身近なものにするためのサイト「かえるの気長な生活日記。」を立ち上げる。2009年にはサイトをきっかけに、投資信託・投資に纏わる証券会社・運用会社の取材記事のライターを務める。また、2010年12月より家計の総合相談センターに勤務。FPとして生活者の目線で、お金と仲良くおつきあいする方法を伝えるために広める活動中。

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