個人事業主が何もしない場合に確定申告は必要?収入なしでも確定申告するべき? | レバテックフリーランス
個人事業主が何もしない場合に確定申告は必要?収入なしでも確定申告するべき?
個人事業主が何もしないまま収入なしで1年間を過ごした場合、原則として確定申告をする義務はありません。しかし、確定申告をしないと所得や事業の証明がしづらくなる、国民健康保険料が高くなるといったデメリットが生じる可能性があるので、基本的には個人事業主である以上、収入なしでも確定申告をしたほうがよいでしょう。
開業や保険の手続きなど、個人事業主になるための具体的なステップについて知りたい方はこちらの関連記事をご覧ください。
個人事業主になるには?開業に必要な知識を解説
個人事業主が何もしないときに確定申告は必要?
「個人事業主として何もしないまま1年間収入なしで確定申告の時期を迎えた」という人は、基本的に確定申告をする必要はありません。個人事業主で確定申告をしなくてもよいのは、所得が基礎控除額(合計所得金額が2,400万円以下の場合は48万円)に満たないケースや、会社員が個人事業主として副業しているときに副業分の所得が20万円以下のケースです。
個人事業主が確定申告しないでよいケース
個人事業主のなかで、「合計所得金額が48万円以下」「会社に勤めながら個人事業主としての副業で得た所得が20万円以下」の場合は、確定申告をしないでよいことになります。
所得が48万円以下の場合
所得税の金額は、収入から必要経費などを引いた所得から、さらに所得控除を差し引いた課税所得金額に税率をかけて計算します。
参照 : 国税庁「所得税のしくみ」
参照 : 国税庁「No.2260 所得税の税率」
個人事業主に適用される所得控除のひとつに「基礎控除」があります。納税者本人の合計所得金額が2,400万円以下の場合、基礎控除は48万円なので、所得が48万円以下であれば課税所得金額が発生せず、確定申告をしないでよいことになります。
副業分の所得が20万円以下の場合
会社に勤めながら個人事業主として副業をしているケースでは、副業分の所得が20万円以下であれば確定申告をする必要はありません。
参照 : 国税庁「No.1900 給与所得者で確定申告が必要な人」
関連記事 : 個人事業主の確定申告とは?基礎を解説します
個人事業主が確定申告をしないデメリット
個人事業主として一定以上の収入を得ていない場合は確定申告をする必要はありませんが、赤字であっても確定申告をすることは可能です。確定申告をしないことによるデメリットもあるので、個人事業主として事業を継続していく意思があるのであれば、基本的には確定申告をしたほうがよいと考えましょう。
個人事業主が確定申告をしない主なデメリットとしては、以下が挙げられます。
所得や事業の証明ができない
確定申告書の写しは、個人事業主が所得を証明する書類や、事業を行っていることを証明する書類として、ローンを組むとき、給付金を受給するときなどに役立つ場合があります。確定申告をしていないと、これらの手続きがスムーズに進まなくなる可能性もあるでしょう。
赤字の繰り越し・繰り戻しができない
青色申告をした場合は、最長3年間まで赤字を繰り越し、黒字化した年に相殺することが可能になります。また、前年も青色申告をしていた場合は、赤字の繰り越しに代えて、その赤字を前年に繰り戻して、前年分の所得税の還付を受けることも可能ですが、確定申告をしないとこうした対応ができなくなります。
参照 : 国税庁「No.2070 青色申告制度」
払いすぎていた税金の還付を受けられない
報酬から源泉徴収された税金がある個人事業主は、確定申告をすれば払いすぎていた分の税金が還付されることもあります。しかし、確定申告をしないと還付を受けることはできません。
国民健康保険料が高くなる
個人事業主が納める国民健康保険料は、確定申告をしておらず前年の所得が不明な場合、自治体ごとに一律の金額が適用されるため、本来の所得に応じた保険料よりも高い保険料を納めなくてはいけないことがあります。
関連記事 : 個人事業主のメリット・デメリット|法人化や会社員との比較
個人事業主が確定申告の義務を果たさないとどうなる?
個人事業主として本来確定申告が必要であるにもかかわらず、確定申告をしなかった場合は、追徴課税などのペナルティが課せられます。「税務署に発見されなければ問題ない」と考える人もいるかもしれませんが、無申告や虚偽申告は取引先の帳簿、SNS、知人からの通報など、さまざまな理由で発覚する可能性があります。
「個人事業主としてほとんど何もしないまま1年間が終わった」と思っても、個人事業主である以上は所得をきちんと計算し、確定申告の備えをしておきましょう。
関連記事 : 税務調査が来てしまう!税理士が見たフリーランスの惜しい確定申告ミスTOP3
個人事業主が何もしない時のよくある質問
ここでは、個人事業主が何もしない時のよくある質問に答えていきます。
Q. 確定申告が必要ない場合でも確定申告をするメリットは何ですか?
確定申告をすることで、所得の証明になる、青色申告をした場合は赤字を繰り越すことができ、最大65万円控除が受けられるというメリットがあります。
Q. 個人事業主が確定申告の義務を果たさない場合、どのような罰則が課せられる可能性がありますか?
個人事業主が確定申告の義務を果たさない場合、無申告加算税や延滞税が課される可能性があります。
Q. 個人事業主が確定申告をしなくてもいい場合の条件は何ですか?
個人事業主が確定申告をしなくてもいい条件は、1年間の所得が48万円以下であることです。会社員が個人事業主として副業をしている場合は、副業分の所得が20万円以下であることです。
Q. 個人事業主が所得や事業を証明する書類がない場合、どのようなデメリットがありますか?
確定申告をしないと所得や事業を証明する書類がないため、ローンや給付金の手続きが制限される可能性があります。また、具体的な収入や支出の証明がないと信用性が低くなる可能性があります。
Q. 会社員として働きながら個人事業主としても活動している場合の確定申告の手続きについて教えて下さい。
会社員として働きながら個人事業主としても活動している場合、副業の所得が20万円を超える場合は確定申告が必要です。税務署へ開業届と青色申告承認申請書を提出することで青色申告特別控除を受けることもできます。
※本記事は2020年12月時点の情報を基に執筆しております。
最後に
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