データサイエンティストは将来性がない?背景や今後の需要について解説 | レバテックフリーランス
データサイエンティストは将来性がない?背景や今後の需要について解説
「データサイエンティストは将来性がない」という噂を耳にしたことがある方がいるかもしれませんが、実は将来性のある仕事です。この記事では、データサイエンティストの将来性やそういわれる背景について解説します。
あわせて、データサイエンティストに求められるスキルや知識、活躍し続けるためのポイントなども紹介するので、ぜひ参考にしてください。
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目次
データサイエンティストは将来性のある仕事
データサイエンティストを目指している方にとって気になるのが、データサイエンティストの将来性です。ここでは、データサイエンティストの将来性について解説します。
結論からいうと、データサイエンティストは今後も需要が高く、将来性がある仕事です。その理由を解説していくので、データサイエンティストに関心のある方はぜひ参考にしてください。
IT業界は人材不足が将来的な課題
データサイエンティストの需要が今後も高いと予測される背景に、IT業界の人材不足が挙げられます。独立行政法人情報処理推進機構の行った「DX白書2023」によると、DXを推進する人材の量を問う質問に対し、8割以上の企業がデジタル人材不足の問題を抱えていることがわかりました。
49.6%の企業が「大幅に不足している」と回答しているほか、「やや不足している」と回答した企業も33.9%にのぼります。合計すると、8割以上の企業がデジタル人材不足という問題に直面しているのが現状です。
デジタル化が進むにつれてデータ量や種類も増えることにともない、データ分析や価値を生み出す能力を求められるデータサイエンティストは、より重宝される人材になっていきます。
そのため、データサイエンティストの仕事はなくなるどころか、需要がますます増える職種といえるでしょう。
さらに近年では、IT業界以外でもデータサイエンスが求められつつあり、製造や金融業などさまざまな業界で採用が増えています。データサイエンティストは技術の発展とともに、今後さまざまな分野で需要が高まる職種といえるでしょう。
参考:DX白書2023|独立行政法人情報処理推進機構
ビッグデータの活用に取り組む企業が増加
IT人材不足に加えて、ビッグデータの活用に取り組む企業の増加もデータサイエンティストの需要増加につながっています。
総務省の実施した「通信利用動向調査」によると、デジタルデータの収集・解析などを行うシステムやサービスを導入した、または導入予定の企業の割合が増加傾向にあることがわかりました。2019年は23.9%、2020年が22.2%だったのに対し、2021年は26.5%にまで達しています。
現在は、民間・官公庁を問わずビッグデータを活用するところが増えてきており、そこにはビッグデータを取り扱えるデータサイエンティストの存在が欠かせません。
今後もビッグデータを活用する流れは広まると予想されるため、データサイエンティストの需要は今後も増していくと考えられるでしょう。
参考:令和3年通信利用動向調査の結果|総務省
AI技術の進歩が進んでいる
AI技術の進歩も、データサイエンティストの存在意義を高めています。AI開発の場において学習用データを用意したり、分析させるデータをそろえたりするときに、データサイエンティストの力が必要です。
また、たとえAIが発達したとしても、データから改善策を見出したり、新しいものを生み出したりするには人間の力(=データサイエンティストの力)が欠かせません。
AIの発達により、データサイエンティストとしての仕事内容は減る可能性はあります。しかし、人間でなければできない仕事があるのも事実です。AIとタッグを組んで互いに共存できる点も、データサイエンティストの将来性が明るい理由です。
「データサイエンティストは将来いらなくなる」といわれる背景
上記で解説したような背景があるにもかかわらず、「データサイエンティストは将来いらなくなる」といわれることがあります。いわれる背景にある主な理由は、以下の3点です。
- AIの発達による作業の自動化
- データ分析ツールの普及
- データサイエンティストの専門性の高さ
ここでは、いらなくなるといわれる背景について解説します。
AIの発達による作業の自動化
1つめの理由が、データの収集や前処理、分析や可視化などの作業がAIの発達により自動化されると予測されるためです。実際、AIの能力は日々成長し続けており、複雑なデータをすぐに分析可能なシステムも開発されています。
たとえば、Amazon SageMakerやGoogle Cloud AutoMLなどのプラットフォームを使えば、専門知識がなくても、簡単に機械学習モデルの作成や運用が可能です。
このように、データサイエンティストを必要とする仕事の領域が狭まることで、データサイエンティストの需要が減少するとの見方があります。
仮にAIがデータサイエンティストの仕事を完璧にこなせるようになれば、人件費のかからないAI化を採用する企業も増える可能性が高まるかもしれません。
データ分析ツールの普及
2つめの理由として、データ分析ツールの普及によるものが挙げられます。データ分析や機械学習に関連するツールが普及した場合、データサイエンティストの仕事である分析なども、データサイエンティストに頼らなくてもできるようになります。
たとえば、Amazon SageMakerやGoogle Cloud AutoMLなどを使えば、データ収集から処理、分析、可視化までを簡単に行えます。
また、ビジネスインテリジェンス(BI)ツールであるTableauやPower BIを駆使すれば、データの可視化やダッシュボードの作成も、ドラッグアンドドロップするだけで簡単に実現が可能です。
このように、ツールが普及することでデータサイエンティスト以外の職種でも、データに関する作業を行えます。その結果、将来的にデータサイエンティストはいらなくなる、という見方が生まれているようです。
データサイエンティストの専門性の高さ
3つめの理由として、データサイエンティストの専門性の高さによる弊害が挙げられます。データサイエンティストの仕事は、データに関するスキル以外にも、ビジネスやコミュニケーションに関する高度なスキルが必要です。
その結果、データサイエンティストとして活躍したくても求められるスキルレベルが高く、案件があっても申し込める人材が少なくなってしまうというわけです。
それが続けば、データサイエンティストとして働く人たちの実力差にも格差が生じやすくなってしまう恐れがあります。結果的にレベルの低い社員が高いスキルの社員にとって代わられ、データサイエンティストとして働く人が減少してしまうでしょう。
データサイエンティストの仕事はハードルが高いうえに、スキル不足だと淘汰されてしまう可能性があることも、将来いらなくなるといわれる理由です。
データサイエンティストに求められるスキルや知識
データサイエンティストが将来性のある仕事であることをふまえ、データサイエンティストとして活躍したい方に向けて、求められるスキルや知識について解説します。
必要なスキルや知識は、以下の5つです。
- コンサルティングスキル
- コミュニケーションスキル
- プログラミングスキル
- 分析ツールを活用するためのスキル
- 数学や統計学に関する知識
コンサルティングスキル
1つめのスキルが、コンサルティングスキルです。
データサイエンティストは、顧客のビジネスにおける課題解決を目的として、データの分析を行います。そのため、ヒアリングスキルやプレゼンテーションスキル、課題解決力といったコンサルティングスキルが欠かせません。
問題を特定し原因分析したうえで、解決策を立案して実行する能力が求められます。
具体的なコンサルティングスキルとしては、以下のようなものです。
- ロジカルシンキング
- 課題解決力
- ヒアリングスキル
- プレゼンテーションスキル
- 理解力
これらのスキルは、短時間で習得可能なものではありません。転職を検討中であれば、日頃から意識して継続的にトレーニングするようにしましょう。
コミュニケーションスキル
2つめが、コミュニケーションスキルです。
データサイエンティストは社内外のさまざまな人と仕事をする機会があるため、業務を遂行し目標を達成するためにはコミュニケーション能力が欠かせません。
たとえば、データ分析の結果をデータサイエンスについて、詳しくない顧客にも理解できるようにわかりやすく伝える必要があります。
そのほか、クライアントが抱えるビジネスの課題や要望のヒアリングや、ほかのメンバーとのデータ分析結果の共有、意見交換などでもコミュニケーション能力は必要です。
データサイエンティストとしての業務を円滑に進めるためには、コミュニケーション能力が必要不可欠といえるでしょう。
プログラミングスキル
3つめのスキルとして、プログラミングスキルが挙げられます。
プログラミングスキルとは、データ分析に使用するシステムやAI制作にたずさわる際に求められるスキルのことです。これらのスキルは、データサイエンティストが行うデータ収集や処理、分析、結果の可視化などの仕事を効率的に実行するうえで求められます。
データサイエンティストを目指してプログラミング言語を学ぶのであれば、まずはPythonやR言語の習得から始めましょう。
Pythonの勉強方法については以下でまとめているので、ぜひ参考にしてみてください。
初心者がPythonを効率よく勉強するコツは?本やサイト、ロードマップ
分析ツールを活用するためのスキル
4つめが、分析ツールを活用するためのスキルです。
大量のデータを扱う現場において、データ分析ツールが導入されているケースもあります。統計モデリングや仮説検定などの統計的手法を理解したり、使用するツールについて理解したりしておけば、データ分析をより効率化できるでしょう。
また、データベースからデータを取り出したり、データをまとめて新たなデータベースを作成したりすることもあります。そのため、データベースを取り扱うときに求められるSQL関連のスキルや知識も不可欠です。
数学や統計学に関する知識
5つめが、数学や統計学に関する知識です。
データの収集や処理、分析、結果の可視化などのタスクをこなすためには、数学や統計学の知識が欠かせません。
統計学とは、現状のデータを統計的に分析し未来を予測する学問です。顧客の課題解決を行うデータサイエンティストにとって必要な知識として考えられています。統計を分析するスキルを持っていれば、データの傾向やパターンから意味のあるデータを抽出可能です。
また、数学や統計学の知識があればスムーズにデータ分析を進められるほか、ビジネス上の課題を解決に導けます。
データサイエンティストに求められる主な数学・統計学のスキルには、以下のようなものがあります。
- 確率
- 微分・積分
- クロス集積
- 行列
- 時系列分析
- パターン認識
たずさわるプロジェクトによって使用する手法も変わるため、必要に応じて学ぶようにしましょう。
データサイエンティストとして活躍し続けるためのポイント
ここでは、高度なスキルが求められるデータサイエンティストとして、成功するためのポイントを解説します。
スキルのアップデートを続ける
データサイエンティストとして活躍し続けるためには、継続したスキルのアップデートが必要です。データ分析の技術やツールは常に進化しており、第一線で活躍するには自身のスキルを常にアップデートする必要があります。
専門分野や業界の最新動向をインプットする
また、データサイエンティストにとって、自身の専門分野や顧客の業界の最新動向などについて学び続ける姿勢が重要です。業界の最新動向を常にキャッチアップすることにより、洞察力のある分析や予測モデルの構築ができるようになります。
中でも、機械学習やAI関連の技術分野は日々進歩をしている状況です。インプットを少しでも怠れば、最新の状況をキャッチアップできなくなるだけでなく、データサイエンティストとして十分なパフォーマンスを発揮できなくなる恐れもあります。
データサイエンティストとして活躍し続けるためには、スキルのアップデートとともに、常に最新の技術をキャッチアップする姿勢が必要です。
実務経験を重ねる
データサイエンティストとして活躍するには、実務経験を重ねることも重要な要素といえます。そういった経験を積み重ねることで、データサイエンティストとして成功するために必要なスキルが身に付くためです。
そのほか実務経験として、クラウド環境での経験を積むこともおすすめです。企業における各種業務用システムをはじめとした基幹システムはクラウド化が進んでいます。
このクラウド型サービスを活用して成果を出すスキルが、データサイエンティストにも求められているためです。
今後もデータサイエンティストの需要が見込まれる業界は?
データ分析はさまざまな分野で活用されており、データサイエンティストが活躍できる業界は広がっています。ここでは、今後もデータサイエンティストの需要が見込まれる業界について解説します。
IT業界
IT業界は膨大な量のデータが集まるため、データサイエンティストの需要が高まっている業界です。とくに、IoT、SaaS、メタバース、APIなどのデータ分析や処理技術が必要なサービスで、需要が増加傾向にあります。
アパレル業界
ECが一般的になったアパレル業界も、データサイエンティストの需要が高まっている業界です。EC分野における顧客の閲覧履歴や購入履歴のデータを分析することで、売上アップや在庫管理、コスト削減に貢献します。
インフラ産業
人々の暮らしや産業活動において不可欠な役割を担っているインフラ産業も、データサイエンティストの需要が高まっている業界の1つです。データ分析を活用して効率化や省力化、さらに品質向上などの取り組みが実施されています。
金融業界・保険業界
金融業界や保険業界は顧客情報を大量に取り扱うため、データ分析や機械学習、AIを活用して業務効率化や顧客満足度向上を図る取り組みが進んでいる業界です。預金取引や融資において、AIで信用力を判定させられればチェック作業を削減できます。
ほかにも、金融や保険業界はAIやデータを活用できる場面が多くあるため、データサイエンティストが活躍しやすい業界といえるでしょう。
※本記事は2024年2月時点の情報を基に執筆しております。
最後に
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