iOSエンジニアの需要はある?将来性の高い分野や今後の求人・案件の動向 | レバテックフリーランス
iOSエンジニアの需要はある?将来性の高い分野や今後の求人・案件の動向
iOSエンジニアとは、iPhoneやiPadなどのiOS上で動くアプリケーション開発を行うエンジニアであり、スマートフォンの急速な普及によって需要が高まっている職種です。今回は、iOSエンジニアの需要背景や将来性、年収、求人・案件の傾向などについて解説し、iOSエンジニアの魅力を紹介していきます。
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iOSエンジニアの需要
iOSエンジニアは、iPhoneやiPadなどのスマートフォン、タブレットのOSであるiOSで動作するアプリを開発するエンジニアを指します。
iOSエンジニアの今後の需要を予測するうえで、興味深いデータがあります。総務省が発表した「令和元年通信利用動向調査報告書(世帯編)」という資料で示されている「世帯の情報通信機器の保有状況」のデータでは、調査対象となる47都道府県の満20歳以上の世帯主がいる世帯の中で、スマートフォンを保有する世帯の割合は2010年時点では9.7%でしたが、2019年には83.4%となっており、国民の間にスマートフォンが急速に浸透したことが分かります。総務省が取り組む携帯料金の値下げなどにより、さらにスマートフォンの普及率は高まっていくことが予想されます。
※参考 : 総務省「令和元年通信利用動向調査報告書(世帯編)」
※参考 : 総務省「携帯電話料金の低廉化に向けた総務省の取組について」
また、Webブラウザや検索エンジン、ソーシャルメディアなどの利用シェアなどを調査する「StatCounter」が集計した、日本におけるスマートフォンOSのシェアはiOSが65.06%、Androidが34.75%(いずれも2021年2月時点)と、iPhoneやiPadに搭載されるiOSがAndroidを大きく上回っており、このデータからもiOSエンジニアの需要の高さが伺えます。
※参考 : StatCounte「Mobile Operating System Market Share in Japan」
iOSエンジニアの今後の需要
今後のiOSエンジニアの需要を推し量るうえでは、総務省が発行した「令和2年版情報通信白書」にある「世界のモバイル向けアプリ市場規模の推移及び予測」のデータが参考になります。
同書によると、モバイル向けアプリ市場の規模は世界・日本国内ともに今後も拡大傾向と予想されており、2022年には日本のモバイルアプリ売上高は181.8億ドル、モバイルゲーム売上高は135.5億ドルまで伸びるというデータが紹介されています。
※参考 : 総務省「令和2年版情報通信白書|レイヤー別にみる市場動向」
Swiftの需要
そんなiOSアプリの開発に欠かせないのが、「Swift」というiOSアプリ開発を行ううえで主流となるプログラミング言語です。
SwiftはApple社によって発表されたプログラミング言語で、iOSはもちろんmacOSアプリやApple WatchのwatchOS、Apple TVのtvOSまで、Apple製品全般のアプリケーション開発に対応している点が特徴です。
このSwiftの需要からiOSエンジニアのニーズを推し量ることもできます。レバテックフリーランスに公開中のSwiftの求人・案件数は、2021年3月18日時点で516件となっています。これはメジャーなプログラミング言語であるC言語(354件)やVB.NET(410件)、C++(500件)などの求人・案件数より多い数字です。また、Androidのアプリ開発で用いられるKotlin(389件)よりも多い点などからも、iOSエンジニアが用いるSwiftの需要の高さを表しています。
Swiftの求人・案件一覧
Javaのように、さまざまな開発に対応する汎用的な言語の求人・案件数には及びませんが、iOSアプリ開発に特化した言語でありながら高いニーズがあると言えるでしょう。
関連記事 : Swiftの将来性|今後の需要や求人案件、プログラミング初心者の学習方法
iOSエンジニアの将来性が見込める分野
一口にiOSアプリといっても、その内訳はゲームから動画、音楽、教育、ビジネス、金融、交通など、さまざまな種類があります。ここでは、その中から今後、特に将来性が見込まれる分野について解説します。
IoT機器と連携するアプリの開発
「令和2年版情報通信白書」内にある「5Gが促すデジタル変革と新たな日常の構築」という項目では、「医療、産業用途、コンシューマ、自動車・宇宙航空などにおいてIoT機器の高成長が見込まれている」と説明があります。医療分野でいえばデジタルヘルスケア、産業用途でいえばスマート工場やスマートシティ、コンシューマでいえばスマート家電やIoT化された電子機器、自動車・宇宙航空分野でいえばコネクテッドカー、さまざまなセンサーを搭載したドローンなどが挙げられます。これらはいずれもスマートフォンとの連携が可能なものであることから、こうしたIoT機器と連携するアプリ開発は将来性が見込める分野だと言えます。
※参考 : 総務省「令和2年版情報通信白書|IoTデバイスの急速な普及」
AR/VRアプリの開発
また、同書内の「世界のAR/VR市場規模等の推移及び予測」では、今後より一層AR/VR関連のソフトウェアおよびサービス支出、VRゲームのハードウェア販売台数などが増加していくという予測データが示されています。これまでAR/VRは、ゲームやアミューズメント系のコンテンツで用いられる機会が多かったですが、今後はZoomなどのオンライン会議ツールにおける利用や、Appleも開発しているとされるスマートグラスにおけるAR/VR技術の活用なども進んでいくことでしょう。これを踏まえると、AR/VRに関連したアプリ開発も将来性に富んだ分野だといえます。
関連記事 : VRエンジニアとは|未経験でもなれる?将来性・仕事内容・年収・スキルを解説
iOSエンジニアの年収
2021年3月18日時点でレバテックフリーランスに掲載されているiOSの求人・案件の平均月額単価は77万円、最高単価は125万円、最低単価は36万円となっています。これらの12ヶ月分を年収として計算すると、以下のようになります。
| 平均年収(フリーランス) | 924万円 |
|---|---|
| 最高年収 | 1500万円 |
| 最低年収 | 432万円 |
なお、これらの年収データはあくまでもレバテックフリーランスの求人・案件にもとづく数字であり、目安のひとつとして留めておいてください。
参考までに、iOSエンジニアと近い分野であるエンジニアの年収も見ていくことにします。
Androidエンジニアの年収
iOSとシェアを二分するAndroidアプリの開発を行うAndroidエンジニアの年収を見ていきましょう。
2021年3月18日時点でレバテックフリーランスに掲載されているAndroidの求人・案件の平均月額単価は77万円、最高単価は125万円、最低単価は35万円となっており、これを年収換算すると以下のようになります。
| 平均年収(フリーランス) | 924万円 |
|---|---|
| 最高年収 | 1500万円 |
| 最低年収 | 420万円 |
同じスマートフォンアプリの開発を行う職種ということもあり、ほぼiOSエンジニアと同等の年収水準になっています。
Swiftエンジニアの年収
次にiOSをはじめとした、macOSやApple WatchのwatchOS、Apple TVのtvOSなど、Apple製品全般のアプリケーション開発に対応するSwiftを扱うエンジニアの年収を見ていくことにしましょう。
2021年3月18日時点において、レバテックフリーランスに公開されているSwiftの求人・案件の平均月額単価は77万円、最高単価は125万円、最低単価は35万円です。これを年収換算すると以下のようになります。
| 平均年収(フリーランス) | 924万円 |
|---|---|
| 最高年収 | 1500万円 |
| 最低年収 | 420万円 |
あくまでレバテックフリーランスの求人・案件にもとづくデータではありますが、Swiftエンジニアの平均年収も、おおむねiOSエンジニア全体の水準と同等と考えられます。
Objective-Cエンジニアの年収
Swiftと並び、iOSアプリ開発におけるもうひとつの主流な開発言語であるObjective-Cエンジニアの年収を見ていくことにします。
2021年3月18日時点において、レバテックフリーランスに公開されているObjective-Cの求人・案件の平均月額単価は75万円、最高単価は115万円、最低単価は40万円となっており、12ヶ月分に換算した年収は以下のようになります。
| 平均年収(フリーランス) | 900万円 |
|---|---|
| 最高年収 | 1320万円 |
| 最低年収 | 540万円 |
こちらも高い水準ではありますが、上記の職種に比べると平均年収、最高年収はやや低めになっています。理由のひとつには、iOSアプリ開発の主流がObjective-CからSwiftにシフトしつつあることが考えられるでしょう。
関連記事 : iOSエンジニアの年収|求人事情や未経験から転職、スキル、将来性などを解説
iOSエンジニアの求人・案件
レバテックフリーランスに掲載されている2021年3月18日時点のiOSの求人・案件数は493件となっています。平均月単価は77万円と、「Java」(69万円)、「PHP」(71万円)、「C#」(67万円)といったメジャーな言語の平均より高いレベルにあり、好条件の求人・案件が多いことを示しています。
最低単価付近の案件を見てみると、アプリのテストや、アプリに紐付いたサービスのヘルプデスク、テクニカルサポートといった開発の周辺技術に関する案件が多い傾向にあります。
単価の低い案件とはいえ、基本的に実務経験は必須です。テスト案件なら、テスト設計やゲームテストのスキル、ヘルプデスクならエンタープライズ向けサービスに関する問い合わせ対応経験やMDMツール(モバイル端末管理ツール)の使用経験、iOSやAndroidに関する知識などが求められます。
月単価95~125万円といった高単価な案件としては、仮想通貨や株式トレード、保険会社、ニュース配信といったビジネス寄りのアプリ開発からソーシャルゲームアプリ開発、医療・ヘルスケア系アプリ開発、ドローン操縦アプリ開発など、多岐にわたる案件があります。
こうした高単価案件に求められるスキルとしては、iOSおよびAndroidに対する深い知識や、iOSまたはAndroidのネイティブアプリ開発経験は必須だといえるでしょう。また、GitHubのようなソースコード管理ツールの使用経験や、ゲームアプリ開発の場合はUnity、Cocos2d-xといったゲームエンジンのスキルも求められる傾向にあります。加えて、近年のスマートフォンアプリはクラウドと連動するものが多いことから、AWS(Amazon Web Services)やGCP(Google Cloud Platform)、Microsoft Azureといったクラウドサービスの使用スキルなども求められます。
関連記事 : iOSエンジニアの仕事内容
iOSエンジニアの需要に関するよくある質問
iOSエンジニアの需要に関連するよくある質問と回答をまとめました。
Q. iOSエンジニアは今後も需要が見込める仕事ですか?
A. 総務省が発行した「令和2年版情報通信白書」によると、モバイル向けアプリの市場規模はさらに拡大していくと予測されており、日本国内におけるiOSのシェアの高さを考えると、iOSエンジニアは今後も需要が期待できる仕事といえます。
Q. iOSエンジニアとして将来性が期待できる分野はありますか?
A. AIやデータサイエンス、IoT、AR/VRなど、需要が伸びていくと見込まれる先端技術に関連する分野は将来性が期待できるでしょう。たとえば、画像認識など機械学習を取り入れたアプリ開発、IoT機器と連携するアプリ開発、AR/VRアプリの開発などが挙げられます。
Q. 未経験からiOSエンジニアに転職するにはどんなスキルが必要ですか?
A. まずはプログラミングスキルが必要になるため、もし今から勉強するならiOSアプリ開発で標準的に用いられるSwiftを学習するのがよいでしょう。また、iOSアプリ開発では「Xcode」のような統合開発環境のスキルも必要となるため、こちらも勉強しておくと役立ちます。「Xcode」はmacOSであれば無料でインストールすることができるので、初心者も学びやすい統合開発環境です。
関連記事 : モバイルエンジニアとは?仕事内容や年収、求人状況、今後の需要を解説
最後に
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