モバイルエンジニアとは?仕事内容や年収、求人状況、今後の需要を解説

モバイルエンジニアとは、モバイル端末で動作するアプリケーションの開発や運用に特化したエンジニアです。似たような職種には、Webを中心にしたアプリケーションエンジニアやシステムエンジニアなどがあります。では、モバイルエンジニアはどのような業務を行うのでしょうか。本記事では、モバイルエンジニアの仕事内容やスキルとともに、今後の需要についても解説します。

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■この記事の監修

テルプロ

東京都在住の大学生で、ソフトウェア開発の研究に取り組む。長期のエンジニアインターンシップを経て、実務スキルを磨き、現在はフリーランスエンジニアとしても活動中。主にモバイルアプリの開発に従事しており、プロジェクトに深く関わっている。

また、IT関連の記事執筆も行い、技術の共有と普及に貢献。常に技術への情熱を持ち、絶えず学び続ける姿勢を大切にし、新たな挑戦を楽しむ日々を送っています。

目次

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モバイルエンジニアとは

モバイルエンジニアは、スマートフォンやタブレットなどのモバイル端末で動作するアプリケーションに特化して開発や運用・保守などを行うエンジニアです。

モバイル端末で動作するアプリとは、iPhoneであればApple Store、AndroidであればGoogle Playストアでインストールするアプリなどが代表的です。

総務省の「令和元年版 情報通信白書」によると、スマートフォンの保有率は年々高まっており、2018年における世帯の情報通信機器の保有状況ではスマートフォンが79.2%と、パソコン(74.0%)を上回る結果となりました。近年のスマートフォンの普及により、モバイルエンジニアはITエンジニアの中でも需要が増している職種のひとつだと言えるでしょう。

参考 : 総務省「令和元年版 情報通信白書」

モバイルエンジニアの仕事内容

モバイルエンジニアは、主にスマホアプリなどのアプリケーションの企画から開発、運用を行うのが仕事です。スマホアプリ開発ではiPhoneとAndroidで異なる技術や開発ツールを使用するため、両方の知識を要求される傾向があります。

開発前の段階では、ユーザーがどのようなアプリを好むのかといったデータの調査・解析、新規アプリの企画や要件定義も実施することがあります。そして、設計を基にプログラミングを行い、実装してから動作テストを行います。動作やセキュリティチェックを繰り返して、アプリの完成度を高めていきます。

アプリがリリースされた後は、ユーザーがトラブルなく利用できるように、運用と保守を定期的に行っていきます。ユーザーニーズに合わせてバージョンアップやマイナーチェンジを行い、場合によってはユーザーの問い合わせ対応なども行います。

このように、モバイルエンジニアはモバイルアプリ開発の全てのフェーズに関わるため、担当する業務は多岐にわたります。

モバイルエンジニアとWebエンジニアの違い

Webエンジニアは主にGoogle Chrome、Microsoft Edge、SafariなどのWebブラウザ上で動作するWebサイトの開発・構築・運用・保守を行います。設計・開発・運用といったフェーズがある、プログラミングを行う、といった点ではモバイルエンジニアと共通していると言えるでしょう。

ただし、WebエンジニアはWebサイト全体の開発から保守、デザインまでを行う場合があるのに対し、モバイルエンジニアはスマートフォンなどのモバイル端末で動作するアプリケーションに特化して業務を行うので、プロジェクトによって行う業務や関わるフェーズが異なります。

また、両者の大きな違いは、使用している開発言語や開発ツールなどです。例えば、モバイルアプリ開発で使用することのあるSwift言語は、Webアプリ開発が可能ではあるものの主流ではないといったことが挙げられます。

また、モバイルアプリ開発の実機テストではあらゆる画面サイズのスマートフォンなど、多くのモバイル端末で動作確認を行います。一方、Webサイト開発の実機テストでは、いくつかのスマートフォンでテストを行うことはあっても、モバイルアプリ開発ほどは確認しないことが多いので、動作確認フェーズにおいても違いがあると言えます。

関連記事 : Webエンジニアの仕事とは?年収やスキル、Webプログラマーとの違いも解説

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モバイルエンジニアに求められるスキル

モバイルエンジニアはモバイルアプリケーションの開発に特化したエンジニアのため、Webエンジニアやプログラマーとは異なるスキルを要求されることがあります。モバイルエンジニアに求められるスキルとしては、以下のようなものが挙げられます。

  • モバイルアプリの開発経験
  • UI・UX設計知識
  • CI・自動テストの経験

モバイルエンジニアとWebエンジニアの違い

モバイルアプリ開発では、開発したアプリケーションの審査や公開、運用や保守といった他のシステム開発では行わない作業が発生します。また、モバイルアプリ固有のプログラミング言語や、スマートフォンなどのモバイルデバイス、モバイル用OSの仕組みについても理解しておかなければなりません。このようなモバイルエンジニア固有の開発経験は即戦力としてのアドバンテージになりやすいです。

ひとつのモバイルアプリを業務として開発した経験があることが望ましいですが、自己学習の一環として自分だけでアプリを開発し、公開したなどの経験も役立ちます。求められるレベルは募集されている求人やアプリの規模によって異なりますが、勤務経験と同等のアピールになる場合もあるようです。

UI・UX設計知識

モバイルアプリはアンインストールされないための工夫が必要です。UI(ユーザーインターフェース)を魅力的にデザインし、UX(ユーザーエクスペリエンス)をユーザー目線でわかりやすく使いやすくすることにより、ユーザーの満足度を高めることが欠かせません。パソコンよりも画面の小さいモバイル機器で操作することになるので、操作性を高めるためにUI・UXの設計知識は必須です。

UI・UXについては自己学習でもある程度習得することができますが、実際にアプリをリリースしてユーザーからの評価を基にスキルを磨いていく必要があります。複数のアプリ開発を経験し、デザインや操作性について高いスキルを備えておくことが重要です。

CI・自動テストの経験

モバイルアプリケーション開発において、CI環境の構築は必須作業のひとつと言えるでしょう。CI(Continuous Integration)とは「継続的インテグレーション」とも言われ、コンバイルやテストといったビルド処理を繰り返して不具合を見つけ、修正し、品質を向上させることです。プロダクトコード自体が書けたとしても、環境構築やテストコードが書けないとモバイルアプリケーション開発を完結させることは難しくなります。

CIを実現する代表的なツールには、「Jenkins」や「CircleCI」などがありますが、使用するツールや自動テストの書き方は、プロジェクトや開発するプロダクトによってさまざまです。全ての経験が必須ではないですが、それぞれの基礎知識は習得しておく必要があります。環境構築やテストコードの書き方などの知識は応用が効くため、CIツールの使い方を習得しておくと良いでしょう。

また、ソース管理やテストの自動化などの開発を効率化するビルドツールの使用経験があると、モバイルエンジニアとして重宝されるでしょう。

テストエンジニアについては、以下の記事をご覧ください。
テストエンジニアとは?仕事内容やフリーランス事情を解説

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モバイルエンジニアに必要な資格

モバイルエンジニアになるにあたり、必須資格は特にありません。ただし、募集条件として特定の資格を取得していることが求められる場合があるため、取得しておくと転職や案件受注で有利になる場合があります。

また、ITエンジニア未経験の場合は、必要な知識を取得していること、主体的に学習する向上心があることなどをアピール材料にすることができます。

モバイルエンジニアに役立つ代表的な資格は以下のとおりです。

  • 基本情報処理技術者試験
  • アプリケーション技術者認定試験
  • システムアーキテクト試験

基本情報処理技術者試験

ITエンジニアとしてのキャリアをスタートする際に基本となる国家資格です。システムの設計・開発・運用に関連する知識が要求されるため、試験範囲の幅が広いですが、エンジニアとして必要な基礎知識を習得できます。

モバイルエンジニアに特化した資格ではありませんが、エンジニアとしての基礎知識を持っていることの証明ができる資格です。

2019年度の合格率は25.7%でした。入門的な位置づけの試験であるものの、試験範囲が広いため一概に難易度は低いとは言えません。試験は年2回、全国主要62都市で開催されています。原則として春期試験が4月の第3日曜日、秋期試験が10月の第3日曜日に開催されます。

参照 : IPA 独立行政法人 情報処理推進機構「基本情報技術者試験」

アプリケーション技術者認定試験

アプリケーション技術者認定試験は、Android技術者認定試験制度のひとつで、Android開発に関する知識を持っていることを証明できる資格です。レベルには「ベーシック」と「プロフェッショナル」の2種類がありますが、2020年9月時点で受験できるのはベーシックのみです。

出題範囲にはAndroidアプリケーションの開発に関するユーザインタフェースやアプリケーション配布、自動テストなど、モバイルエンジニアのスキルと経験を要する内容が含まれています。

合格率の公表はされていませんが、70%以上の正答で合格となるため、難易度は低いとは言えないでしょう。実施回数に指定はなく、都合の良い日時と試験会場を選択して予約すれば受験できます。

参照 : Authorized Certification of Engineer for Android「アプリケーション技術者認定試験」

システムアーキテクト試験

システムアーキテクト試験は、上級エンジニアを目指す人向けの資格で、情報システム・組み込みシステム・IoTを用いた開発などを行うための要件定義やアーキテクチャ設計など、システム開発の上流工程に関する問題が出題されます。

モバイルエンジニアに特化した資格ではないですが、ソフトウェアの設計・開発、テスト、運用および保守、ネットワーク・データベース・セキュリティなど、どのエンジニアでも通じる知識を習得するのに役立ちます。システムの企画からグランドデザインを設計し完成に導くための豊富な開発知識と、上流工程に関する深い知識、的確な分析力を持っていることの証明になります。

2019年度の合格率は15.3%と低く、難易度は高めと言えるでしょう。試験は年1回、原則10月の第3日曜日に開催されます。試験会場は全国主要62都市です。

参照 : IPA 独立行政法人 情報処理推進機構「システムアーキテクト試験」

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モバイルエンジニアの平均年収

モバイルエンジニアの平均年収の相場を知るために、近いと考えられるエンジニア職種の年収データを見てみましょう。2017年に経済産業省が発表した「IT関連産業の給与等に関する実態調査結果」によると、ソフトウェア製品の開発・実装を担当するSE・プログラマの平均年収は568.5万円です。

モバイルエンジニアをはじめ、ITエンジニアの平均年収は、スキルや経験年数などにより左右される傾向があります。同調査によると、新人・初級者レベルのエンジニアの平均年収は437.8万円ですが、ひとりで業務を進められる中堅レベルになると平均年収は576万円、チームリーダーレベルでは平均年収726.1万円と、スキルレベルが上がるほど平均年収もアップしていきます。

参照 : 経済産業省「IT関連産業の給与等に関する実態調査結果」

また、フリーランスモバイルエンジニアの平均年収の目安として、2023年10月時点でレバテックフリーランスの「スマートフォンアプリの求人・案件一覧」に掲載されている案件を見てみると、平均月額単価は約77万円です。この12ヶ月分を年収とすると、平均年収は約924万円になりますが、あくまでレバテックフリーランスが扱っている案件の単価をもとにした金額であることや、フリーランスの場合年金・保険料などを自分で払わなくてはいけないことは留意が必要です。

スマートフォンアプリの求人・案件一覧

年収アップを狙うには、開発業務を通じてスキルアップし、さまざまな案件を経験することにより、プロジェクトマネージャーなどへのキャリアアップを目指す方法があります。プロジェクトマネージャーやプロジェクトリーダーなどのマネジメント職は、高度な知識を持っていることが評価されて高収入となるケースが多いです。

関連記事 : プロジェクトマネージャー(PM)の年収|役立つスキルや資格も解説

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モバイルエンジニアの求人・案件


モバイルエンジニアには、運用・保守やアプリ開発など幅広い種類の求人案件があります。開発者がそのまま運用・保守を担当することも多いため、どちらかというと運用・保守の求人案件よりもアプリ開発業務のものが多い傾向にあると考えられます。

2023年10月時点でレバテックフリーランスに掲載されているモバイルアプリ開発案件を見てみると、月額単価40万円ほどの案件から、月額単価120万円ほどの案件まで幅があります。月額単価が低めの案件では検証作業や運用・保守などが中心となり、月額単価が高い案件ではアプリ開発に関わる業務が多い傾向にあります

また、モバイルエンジニアの求人や案件には「アプリ開発経験3年以上」などといった応募条件が定められていることも多くあります。求人を探すときには、自身のスキルや経験と募集要項に書かれた条件を照らし合わせて応募先を選びましょう。

関連記事 : アプリ開発(アプリエンジニア)の仕事内容

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モバイルエンジニアの募集状況


新しいモバイルアプリケーションが日々リリースされていることに加え、既存のアプリケーションの運用・保守も必要なので、モバイルエンジニアの需要は高まっています。「インフラエンジニア」や「テストエンジニア」、「アプリケーションエンジニア」といった職種でモバイルアプリエンジニアを募集しているケースもあります。

モバイルエンジニアの今後の求人募集状況については、ITエンジニアの人材不足とモバイル端末保有率の上昇により、引き続き需要が増す可能性が高いと言えるでしょう。特に多くのスキルを身につけたモバイルエンジニアは需要が高く、高待遇で採用される可能性があります。モバイルアプリ開発においては、クライアントによって個別にアプリを設計する必要があるため、求められる知識も多種多様です。開発したアプリ、対応可能な言語、保有資格などのアピール材料を増やしておくと良いでしょう。

各OSによる案件状況が気になる方は、これらの記事をご覧ください。
iOSエンジニアの仕事内容|将来性や年収とあわせて解説
Androidエンジニアの需要|将来性や仕事内容、年収、求人・案件数を紹介

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未経験からモバイルエンジニアになる方法


完全な未経験からモバイルエンジニアになることは不可能ではありませんが、ハードルは高めです。多くの専門知識が求められるため、未経験者だとモバイルエンジニアに必要な知識やスキルの習得までに時間がかかってしまうことが理由のひとつです。

開発経験2年以上など、実務経験年数が指定される求人もあるため、まずはエンジニアとしての実務経験を積む必要があります。また、使用言語に条件がついていることが多いため、プログラミング言語などのスキルを身につけることも必要です。

企業で実務経験を積むことが近道ですが、プログラミングスクールや書籍による自己学習で基本的な知識やコーディングスキルを習得することも可能です。

スマホアプリの開発に使われるプログラミング言語の種類について知りたい方は「スマートフォンアプリ開発に用いられる言語」をご覧ください。

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モバイルエンジニアの今後の需要

スマホの普及率は年々増加していることから、モバイルアプリケーション開発は今後も高い需要が見込めると言えるでしょう。モバイルアプリケーションの開発案件の中には、従来パソコンでしかできなかったことをモバイルアプリで可能にするものも数多くあります。モバイルエンジニアにはアプリケーションのバージョンアップや審査などの専門知識が要求されることから、開発以外にも運用・保守の分野でスキルを発揮することも可能です。

需要の高いモバイルエンジニアであるためには、変化する環境に対応できることが重要です。変化し続けるモバイル端末市場に合わせ、常に新しいスキルを学び、自己学習をし続ける姿勢が大切と言えます。スキルのアップデートを怠らなければ、信頼されるモバイルエンジニアとして活躍できる場が広がり、需要に応えていくことができるでしょう。

より幅広い領域を扱う職種である「アプリケーションエンジニア」を目指すことも一つの手です。
アプリケーションエンジニアとは?仕事内容やフリーランス事情を解説

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今後も不可欠なモバイルエンジニア

スマートフォンなどのモバイル端末を使用したアプリケーションを開発するモバイルエンジニアは、リリースされているアプリケーションの豊富さやモバイル端末の利用者が増加傾向にあることからもわかるように、今後も安定した需要が見込める職種だと言えます。モバイルエンジニアは企画設計から開発・運用まで一貫して経験することもできるので、将来的にフリーランスとして独立することも視野に入れやすいかもしれません。日進月歩で新しい技術が生み出されている分野ですが、スキルアップに努め、経験を積むことを心がければ、モバイルエンジニアとして活躍することができるでしょう。

エンジニアの独立については、以下の記事でさらに詳しく解説しています。
フリーランスエンジニアになるタイミングは?何年で独立できるか目安を紹介

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モバイルエンジニアに関するよくある質問


ここでは、モバイルエンジニアに関するよくある質問に答えていきます。

Q. モバイルエンジニアとして活動するにはどんなスキルや知識が必要ですか?

モバイルエンジニアとして活動するには、プログラミングスキル、スマートフォン向けアプリケーションの企画・開発・運用に関する知識等が必要です。

Q. モバイルエンジニアの平均年収はどの程度ですか?

モバイルエンジニアの平均年収は約555万円といわれています。

Q. モバイルエンジニアの業務内容について教えてください。

モバイルエンジニアはスマホアプリのUIや動き、アニメーション等の開発業務を担います。

Q. モバイルエンジニアとして活動する場合、資格は必要ですか?

モバイルエンジニアに資格は必須ではありませんが、Android技術者認定試験やシステムアーキテクト等の資格を取得することで、就職時にスキルを客観的に証明できるため有利になることがあります。

Q. モバイルエンジニアにはどんな職種がありますか?

モバイルエンジニアにはiOSエンジニア、Androidエンジニア等の職種があります。

※本記事は2023年10月時点の情報を基に執筆しております。

最後に

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