フリーランスの領収書の発行手順や書き方を解説!管理の注意点も紹介 | レバテックフリーランス
フリーランスの領収書の発行手順や書き方を解説!管理の注意点も紹介
フリーランスとして働く場合、領収書がどんな役割を持つのか、どのように発行するのか、受け取るのかを知っておく必要があります。
本記事では、宛名といった領収書の基本や発行・受領時に不備がないか確認するための書き方や、もらうときの注意点をまとめました。領収補は保管も重要ですので、管理時に注意すべきポイントもあわせて確認してください。
参考:フリーランスの仕事の探し方10選!準備するべきことや継続して案件を獲得するコツも紹介
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目次
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領収書がフリーランスにとって重要な理由
フリーランスは年に1度必ず確定申告を行わなければなりません。経費計上時には、領収書を用います。税務調査時にも、証明書類として求められる書類です。自分が受注者側の立場なら、忘れずにもらってください。
自身が発注者側の場合では、受注者から発行を依頼されたら交付する義務があると民法で定められています。特に領収書の発行について取り決めていない、依頼がないというときは用意する必要はありません。
確定申告のやり方について詳しく知りたい方は、以下の記事をご覧ください。
フリーランスエンジニアの確定申告|経費や青色申告、節税を解説
フリーランスが領収書を発行する手順
領収書に関するやりとりが発生するのは、案件完了時です。以下の流れで領収書を発行してください。
- 案件完了後、受注者から発行依頼を受ける
- 金額を確認する
- 領収書を2部用意し、必要事項を記載する
- 金額に応じた収入印紙を貼る
- 1部を自分で保管し、もう1部は受注者へ渡す
なかでも金額の記入と収入印紙の貼付忘れは、納税に関わる問題です。ミスのないよう、よく確認して対応してください。
領収書の書き方
領収書は記載項目が決まっており、書き方も決まっているため、発行・受領どちらの立場でも確認できるようにしておくべきです。記載項目と書き方について不明瞭なままだと、不備があっても気づきません。
確定申告で書類不備になってしまったり取引先ともめたりする可能性があります。問題なく事務作業を終え、取引先とトラブルなく過ごすためにも記載項目と書き方を確認してください。
発行日
領収書の発行日を記載します。銀行振込の発行日は、入金日になるので間違えないように注意です。また、よくある間違いとして、「取引完了日(案件完了日)」を発行日としてしまう例もあります。
発行日間違いは経費計上でのトラブルになるため、必ず正確な日付を記載してください。間違いが不安だからと空白にして渡すと受取人に日付を改ざんされ、税務署から確認されるケースもあります。
宛名
ビジネスシーンにおける宛名とは、書類に記載する先方の氏名を指します。個人であれば相手の屋号または氏名、企業なら会社名を記載してください。個人の受注者では、屋号と氏名どちらを書くかあらかじめ指定されるのが一般的です。
指定されないケースもありますが、屋号と氏名は個人を特定できるため、どちらを書いても問題ありません。
未記入や「上」様の表記は避ける
未記入の領収書は、税務調査時に正式な書類として扱われません。「上」様の記載も同様です。「上」様はお客さまに敬意を込めて使う言葉ですが、明確に誰を指しているのか分かりません。
「上」様の表記は古くから社名の代わりとして用いられ、今でも好む人も多くいますが、問題ないか確認してください。自分が受注者側で発行を希望しているのなら、屋号か個人名を求めるべきです。
(株)(有)などの省略表記も避ける
(株)(有)などの略は、経理計上と税務調査どちらの場面においても問題はありません。しかし、ビジネスシーンで略語を用いるのはマナー違反とされています。相手に悪い印象を植え付けかねないため、「株式会社」「有限会社」と正式名を書いてください。
フリーランス活動は努力と気配りの積み重ねが信頼へとつながります。ささいに感じる内容でも、真摯に対応してください。
領収金額
支払った金額を記載します。正確な金額を記載するほか、改ざんをされないよう対策をした状態で渡してください。改ざんできないようにするには、以下のように記載します。
- 金額の先頭に「¥」をつける
- 金額の最後に「-」を書く
- 3桁ごとに「,」を入れる
たとえば1万円だった場合、「10000」と書くと「110000」というように変えられてしまいます。上記の対応をすると「¥10,000-」という表記になるため前後に改ざんの余地がなく、不正されません。
但し書き
但し書きとは、金銭の受け取り理由を証明する項目です。「但し、○○として」と書きます。○○の部分は主な理由で、フリーランスなら「Webサイト作成料として」「デザイン料として」などを書くといった具合です。
複数の業務があった場合は「但し、Webサイト作成+他」と書きます。但し書きの欄は小さく、経理計上時に誰が見ても分かりやすくするため、簡潔さを重視してください。
発行者の名称・住所
領収書の発行者である企業名または屋号・氏名と住所を記載します。個人で屋号を持っている方は、屋号と個人名の両方を記載してください。屋号のない方は、自分の氏名だけで大丈夫です。記載方法としては、手書き以外にゴム印でも構わないとされています。
発行者側の立場からすると、毎回同じ内容を書くのは非効率的です。少しでも労力を減らすためにも積極的な活用を検討してみてください。
領収書の記載項目についてより詳しく知りたい方は、以下の記事をご覧ください。
領収書の保管でのポイント
フリーランスが領収書を「発行」するときの注意点
フリーランスも領収書を発行する場合があるため、発行時の注意点を知っておくべきです。注意点を知らないまま交付すると、脱税とされたり取引先との信頼関係がくずれてしまったりする恐れがあります。
納税の不備なく、取引先と良好な関係を保ったまま事業を続けるためにも発行時の5つの注意点を確認してください。
5万円以上の領収金額では収入印紙が必要
5万円以上の領収書を発行するときは、金額に応じた収入印紙を貼付しなければなりません。たとえば、5万円以上100万円未満の金額であれば、200円の収入印紙が求められます。収入印紙の貼付漏れがあると脱税とみなされ、過怠税が課せられるので要注意です。
領収書の金額と添付しなければならない収入印紙代について知りたい方は、以下の記事をご覧ください。
領収書の収入印紙は5万円から!知っておきたい発行時の注意点
電子領収書なら5万円以上でも収入印紙は不要
領収書における収入印紙の貼付は、紙での発行に限ります。電子領収書での発行に関しては不要とされているため、コスト削減が可能です。収入印紙を購入する手間も省け、節約もできるので活用してみてください。ただし、電子化を進めていない取引先も多いです。
領収書の発行について、紙と電子のどちらが良いか相手に確認したうえで発行処理をしてください。
押印義務はないが求められたら捺印する
領収書には、押印の義務がありません。印が押されていなくても経理は計上でき、税務調査においても可とされています。しかし、日本は印鑑文化が根強く残っており、取引先によって押印を求められるケースが多いです。
押印を求められたら拒否せず捺印したほうが良い関係を保てます。印鑑の種類に決まりはありませんが、ビジネスマナーを考えるならシャチハタは避けるべきです。
領収書の再発行に応じる必要はない
取引先から領収書の再発行を希望された際には、拒否したほうがトラブルを防げます。再発行すると二重計上になる恐れがありますし、収入印紙代も余計にかかるからです。どうしても再発行しなければならないときは、「再発行」の文字を入れて発行してください。
再発行依頼によるトラブルを防ぐには、契約時に再発行を受け付けていない旨を伝えておくのが有効です。発行した領収書自体にも、再発行不可の旨を記載しておくとより安心といえます。
クレジットカード払いでは領収書の発行は不要
クレジットカードでの支払いでは、領収書の発行義務がありません。「取引先からの受領」ではなく「クレジットカード会社からの金銭の受け取り」になるからです。クレジットカード払いで領収書の発行を依頼されても拒否できます。
領収書の二重発行と判断されないよう、もし依頼されたらクレジットカード会社経由での支払いなのが分かるように記載しましょう。
領収書を複数に分けるとコスト削減できる
商品の価格と消費税を分けて記入するなど、領収書の記載・発行方法を工夫するとコストを削減できます。印紙税として支払うが収入印紙代が領収金額によって違うためです。たとえば、5万円未満であればゼロなのに対し、5万円以上になると200円かかってしまいます。
5万円以上にならないよう記載内容を調整すれば、少ないながらもコストを減らせるので検討してください。ただし、領収書の受取人である取引先にはその方法で問題ないか確認する必要があります。
フリーランスが領収書を「受領」するときの注意点
領収書を受領する際にはいくつかの注意点があるので、フリーランスは把握しておくべきです。知っておかないと、正式な書類として認められない、節税ができない、領収書紛失時に困るなどのリスクが考えられます。事前に把握して、事業におけるトラブルを防ぎましょう。
宛名は必ず記載してもらう
フリーランスは領収書を受け取る側の立場になったら、必ず宛名欄に屋号や自分の名前を入れてもらってください。未記入や「上」様の記載は正式な領収書と判断されないためです。また、紛失したときには悪用されるリスクもあります。
記載ミスがないとは言い切れないため、領収書の発行を依頼するときには記載してもらいたい名称を正式名で伝えておくと安心です。
経費対象はすべて領収書を発行してもらう
領収書は業務にかかった経費を証明するもので、確定申告における課税所得を減らす要因になります。節税するためにも、経費になると考えられる対象についてはすべて領収書を発行してもらってください。
経費になるかどうかは自分と税務調査官の判断によるところが大きいため、少しでも事業に関連性があると考えるなら計上します。
経費対象例
フリーランス活動の経費対象になるのは、事業に関わる内容のみです。主に以下の内容があげられます。
- 地代(家賃)
- 水道光熱費
- 通信費
- 旅費交通費
- 広告宣伝費
- 荷造運賃費
- 消耗品費
- 減価償却費
- 支払い手数料(代引き、振込など)
- 外注工賃
- 雑費
- 接待交際費
- 従業員雇用時における給与、保険料、法定福利費
経費についてより詳しく知りたい方は、以下の記事をご覧ください。
個人事業主の経費と税金|どこまでOK?経費にできる範囲を具体的に解説
開業前の支出も経費に該当する
開業準備にかかった費用についても経費として計上できます。科目は「開業準備費」です。主な開業準備費対象は以下を参照してください。
- 取引先との打ち合わせ費用
- 市場調査、事務所選びのための費用
- 独立に向けた知識を得るためのセミナー受講費
- パソコン、家具、備品の購入費
- Webサイト制作費
独立に至るまでの期間は人それぞれです。そのため、経費に計上できる期間に定めはありません。多くのフリーランスは開業前半年~1年ほどの期間でかかった費用を計上しています。
領収書がもらえないときは出金伝票を用いる
自動販売機での飲食物購入、ご祝儀や香典などにかかった費用などは、領収書が発行されません。領収書がもらえない場面では、出金伝票を作成してください。出金伝票とは、出金時に取引内容を記録する書類です。領収書の代わりとなり、紛失時にも用いられます。
出金伝票の記載項目は以下の通りです。
- 出金した日付
- 支払先名称
- 支払内容
- 金額
領収書がないときは早いうちに出金伝票を作成しておくと、内容を忘れてしまうリスクが減ります。
領収書をなくしてもレシートや各種明細で証明ができる
領収書を紛失しても、取引先に再発行を依頼できるほか、レシートや利用・振込明細書、出金伝票などで対応できます。特に再発行依頼は受け付けてもらえない可能性が高いので、レシートや明細書は保管しておくと安心です。
万一なくしてしまっても、慌てずにこれらの証明書類を用意してください。紛失が怖いからと領収書をコピーすると、改ざんを疑われるため避けます。
領収書は分割依頼もできる
複数名での飲食や購入において代金を人数分で割った際には、領収書の枚数や記載金額を指定できます。枚数や金額指定のミスがあると二重発行になってしまうので、依頼するときは注意が必要です。
なお、自分が発行側になったとき、受領者から領収書の分割を依頼された場合でも、同様に対応できます。
領収書を管理する際のポイント
フリーランスは領収書の管理面のポイントについても把握しておくべきです。管理時のポイントを知らないと、追加で税が課せられたり二重請求のトラブルが発生したりする恐れがあるからです。
知っていると事務作業の効率化を図れ、事務所スペースを広くできるといったメリットもあります。領収書管理のポイントについて確認していきましょう。
義務である保管期限5年または7年間は保存する
領収書は、白色申告では5年間、青色申告では7年間保管する義務があります。保管されていない場合、税務調査時に経費申告が認められず、追尾課税や重加算税などが課せられるので注意です。
確定申告ではあくまで経費計上に用いるのみで提出はしないため、終わってから安心して捨ててしまわないよう気をつけてください。なお、年数の数え方は発行日からの起算ではありません。領収書発行時の事業年度の確定申告提出期限の翌日から起算されます。
あらかじめ分類して管理すると事務作業が楽になる
領収書はすぐに見返す機会が少なく、1年間でそれなりの枚数が溜まっていくものです。経費計上や税務調査で見返さなければならなくなったときには、内容が錯綜して混乱するケースがあります。
いつでもすぐに情報をまとめられるよう、領収書を発行・受領した時点で分類保存すると後の作業が楽です。事業年度・科目ごとに分けて保管してください。
電子帳簿保存なら原本は破棄しても良い
要件を満たしてスキャナ保存をしていれば、領収書の原本は5年・7年を待たずに破棄して問題ありません。証明書類には変わらないため、データは同期間いつでも取り出せるよう残しておいてください。
電子保存なら紛失や改ざんのリスクが減り、書類を保管するスペースも活用できるなどメリットが多いです。
二重発行・請求を防ぐため控えを保管する
二重請求・発行のトラブルを防ぐため、領収書は必ず控えを保管しておきます。手書きの領収書では、複写式・冊子式の領収書を利用すると保存しやすいです。複写式はスキャンの手間がありません。
冊子式なら控えを切り離さずそのまま残しておけば、税務調査が入った際に改ざんを疑われる余地がありません。パソコンで作成したなら、オンライン上に保存しておきます。領収書発行サービスといったものもあるので活用してください。
フリーランスの領収書に関するよくある質問
フリーランス活動における領収書に関して、よくある疑問を解消します。領収書について多くのフリーランスが悩むポイントを知っておくと、事業に支障をきたさずにすみます。事務作業も効率的に行えるようになり、スムーズな活動ができるでしょう。
領収書に関するよくある悩みを解消して、安心して事務作業や業務ができるようにしてください。
フリーランス活動に領収書が必要な理由は?
フリーランスは自分の活動証明をする必要があり、領収書が必要です。確定申告の経費の計上で使うほか、税務調査の際には事実の証明として使用してください。
レシートや明細書でも代用できますが、領収書のほうが安心で事務も楽になります。案件終了後は必ずもらい、受注者から発行希望があれば速やかに用意してください。
フリーランスは領収書を勘定項目で分けたほうがいい?
確定申告では勘定科目ごとに分けて金額を計上します。領収書を保管する段階で勘定項目ごとに分けておくと、経費計上がスムーズです。また時系列順のほうが状況を把握しやすいため、日にちの順番も気を配ります。
ファイリングは、クリアファイルや封筒に入れる、ノートに貼っておくなど自分の見やすい方法を選んでください。
フリーランスの領収書のもらい方を教えてください
フリーランスは案件完了時に、取引先に「領収書をください」と領収書がほしい旨を伝えます。請求時の発行義務があるため、断られるケースはまずありません。
発行されたら、必要項目の記載と収入印紙の貼付があるか確認してください。事業に関する経費なら計上できるので、迷ったら請求しておくと安心です。
フリーランスが領収書の宛名欄に記載する名前は?
フリーランスが領収書をもらう際には、宛名欄に屋号と自分の名前を記載してもらいます。屋号がないときは氏名のみで問題ありません。自分が発行する側で相手が企業の場合は社名、個人のときには屋号か氏名を書きます。
屋号でも氏名でも正式な書類として認められるので、特に迷う必要はありません。社名を書くときは(株)と略さず正式名称で書いてください。
※本記事は2023年3月時点の情報を基に執筆しております。
最後に
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