フリーエンジニアに向けた具体例で解説
これも経費に?個人事業主(フリーランス)が知っておきたい経費になるもの・ならないもの

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フリーランスになると、毎年必ず確定申告をすることになります。

その際、納める税金を決める大きな要素として「経費」があります。
経費が多くなれば税額も低く抑えられるのですが、いうまでもなく何でも経費として認められるわけではありません。

また、経費として落とせるかどうかが判別しにくいものもあります。

そこで、今回はフリーエンジニアが経費で落とせるものと落とせないものについて、具体例をもとに解説していきます。

正しい納税は正しい経費から。――ということで、この機会にしっかり覚えておきましょう。
 

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0. 目次

 1. 経費の基本を正しく知ろう
 2. 経費として認められるものとは?
 3. 経費として認められないものとは?
 4. 一見NG?実は落とせる可能性がある経費の例
 5. まとめ

1. 経費の基本を正しく知ろう

経費の妥当性は収入と所得とのバランスで考える

経費とは、簡単にいえば「事業にかかった費用」です。仕事をするうえで必要な支出なので「必要経費」とも呼ばれます。

ただし、仕事と直接の関わりのない支出でも経費になることがあります。

たとえば、フリーエンジニアの場合、自宅で仕事をするという方も少なくないと思いますが、家賃や光熱費なども条件付きで経費として認められます。

また、お菓子を買うにしても、自分用や家族へのお土産は経費になりませんが、得意先への贈答であれば認められます。

確定申告では、総収入から経費や各種控除を差し引いた額が「所得」となり、ここに税金がかかってきます。

つまり、経費が多ければ多いほど所得が少なくなるので、納める税金も少なくなるわけですが、収入に対する経費の額があまりに高すぎると税務署のチェックが入ることもあります。

事業所得(下記参照)が自分の給与として妥当な水準にあるかどうかを目安に考えるようにしましょう。

収入金額 – 必要経費 = 事業所得(青色申告特別控除前)
 

領収書やレシートの保存義務は7年間

経費を計上するには、領収書やレシートが必要になります。領収書やレシートは、いわば経費の「証拠」となるものなので大切に保管するのは当然ですが、それ以上に重要なのが整理です。

領収書やレシートは、確定申告時に提出する必要はありませんが、申告後も7年間の保管義務があり、万一税務調査が入った場合は税務署から提出を求められることもあります。

そんなときに、「どこにいったのかわからない」では通りません。

経費を計算するだけならExcelやクラウドサービスでも十分ですが、領収書整理用のクリアファイルや収納ボックスなどを用意し、年度ごとにまとめておくといいでしょう。

ちなみに、以前はレシートではなく領収書を書いてもらうことが一般的でしたが、最近では明細のわかるレシートでも十分な信憑性があるとされており、またその方が税務署に喜ばれることもあります。
 

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2. 経費として認められるものとは?

青色申告決算書に見る経費項目

まずは経費にどのようなものがあるかを見てみましょう。国税庁のホームページでは、所得税青色申告決算書をダウンロードすることができます。

・所得税青色申告決算書(PDF)
https://www.nta.go.jp/

この決算書の経費項目の中からエンジニアに関係のあるものをいくつか選んで、経費として落とせるものについて見ていきます(経費の項目は白色申告の場合も同じです)。


・水道光熱費
水道代、電気代、ガス代については、仕事に使っている分を経費として計上できます。

仕事とプライベートをどの程度に配分するかはケースバイケースですが、水道代やガス代が50%を超えるのは、普通に考えると不自然です。

最初にそのパーセンテージを決めておき、機械的に計算できるようにしておくといいでしょう。

なお、このように仕事に使った分を計算することを「按分」といい、水道光熱費は家賃の按分率に揃えることが一般的です。


・地代家賃
自宅が賃貸物件の場合、家賃の中から按分して、経費にすることができます。

床面積で仕事部屋の割合を出す方式が一般的で、実態から大きくかけ離れないように計算しておけば間違いありません。

もし自宅が持ち家や分譲マンションの場合、減価償却費、管理費、借入利息、固定資産税などが経費の対象になります。

この場合も按分して経費に計上するようにしましょう。


・旅費交通費
打ち合わせ、客先での作業など、仕事に関する移動費は経費として計上できます。

公共交通機関では領収書を取っておくことが難しい場合もありますが、普段からICカードを使うようにすれば、チャージ時の領収書が印刷できて便利です。

ただしICカードの場合、電子マネーとしての機能が高まっているため、利用履歴を印字してコンビニなどで利用したプライベートな部分を除外するようにしてください。

移動手段として車やバイクを使っている場合は、ガソリン代や高速代、出先で有料駐車場を利用した場合はその料金も経費として認められます。


・通信費
インターネットにかかる費用、電話代、請求書を送付する際の郵送費などは、通信費として計上が可能です。エンジニアの場合は、自分用のサーバや有料のクラウドストレージを使っている人も多いと思いますが、これも経費になります。

ただし、水道光熱費同様、全額を計上できるわけではなく、仕事で使った分を按分する必要があります。

とくにインターネットやスマートフォンなどは、プライベートと仕事をどう分けるかが難しいのですが、おおまかでも使った時間を計算して比率を出しておくといいでしょう。


・広告宣伝費
フリーエンジニアが個人で仕事をする際、広告や宣伝をする機会はほとんどないと思いますが、名刺は誰でもつくるでしょう。名刺は、自分のブランディングに必要なものなので、広告宣伝費として認められます。

また仕事用のポートフォリオサイトをつくるのにかかる費用や年賀状の費用なども、広告宣伝費として見なしていいでしょう。


・接待交際費
フリーエンジニアとして仕事をしていると、仕事の打ち上げや忘年会など、仕事関係の飲み会に出席するケースは多いと思います。こういうケースで会費を支払った場合は、接待交際費として経費計上ができます。

ただ、接待交際費は不正が行われやすい項目なので、万一税務調査が入ったときにはチェックが厳しくなります。自分の食事、家族の食事、仕事と関係のない飲み会などは計上しないという自制が必要です。

また、念のために備えて、飲食した日付、利用した店名、出席者の名前や関係などは控えておくのが理想です。


・消耗品費
プリンターのトナーやコピー用紙、仕事用の文房具などは消耗品として経費計上が可能です。インターネットで購入した場合は、領収書がないケースがありますが、その場合は、納品書、購入履歴、発注メールなどで領収書の代用が可能です。


・減価償却費
減価償却費とは、一括ではなく耐用年数に応じて分割で申告する経費のことです。10万円を超える車やパソコンなどは、長期にわたって使用するものとして、この減価償却費に当たります。

耐用年数は、パソコンなら4年、車なら6年というように決められているので、購入価格をその年数で割って毎年申告していきます。

ちなみに、デジタルカメラも10万円以上なら減価償却となりますが、10万円未満の場合は消耗品として申告します。

なお、青色申告制度を利用している場合、30万円以下のものであれば、少額減価償却資産の適用を受けることで、購入年に全額を必要経費とすることができます(年度ごとに上限アリ)。


・外注工賃
外注を使った場合や仲間同士で仕事をシェアしている場合は、外注工賃を経費として計上可能です。

※仕事を外注に依頼する際、源泉徴収の扱いをどうするか、注意が必要です。経費とは別の話になるのでここでは詳述しませんが、源泉義務は発注側にあり、料金を税込にするか税抜にするかで支払い額が変わってくるので、事前に受注側と相談しておくと無難です。


・雑費
フリーエンジニアが計上しやすい経費項目について解説してきましたが、上記に入らないものもあります。

具体的には、プリンターやスキャナーのような設備費、仕事で使うソフトウェア、新聞や書籍、有料のweb記事といった資料代、資格取得やセミナーにかかる参加費、同業者組合の諸会費といったものです。これらも当然、経費としては認められます。

青色申告の決算書には「雑費」という項目があるので、分類のわからないものは、ここに入れておくといいでしょう。

ただし決算書には空欄もあるので、はっきりとした項目が立てられるものは、雑費ではなく空欄に自分で書き込むこともできるので、「設備費」「資料代」などは空欄に書き込む方がわかりやすいでしょう。

これについては明確な決まりがあるわけではありませんが、雑費があまりに多すぎると「不適切な費用を経費として計上しているのでは?」と税務署に疑念を抱かれるおそれもあります。

 

3. 経費として認められないものとは?

プライベートの支出や控除対象となるものは経費にならない

経費として認められないものは、簡単にいってしまえば「仕事に関係のない支出」です。

自分の趣味のもの、友人との食事、生活にかかってくる雑費など、プライベートの支出は経費として計上できません。

これらは、家賃や水道光熱費、通信費などと違い、仕事とプライベートで按分することができないので、経費とはならないわけです。

また、所得税や住民税は納税そのものなので支出とは認められず、したがって経費にもなりません。これはいうまでもありませんね。

さらに、国民健康保険、国民年金のような公的社会保障や民間の生命保険、損害保険などは、経費ではなく所得控除の対象となるため、経費として事業所得から差し引くわけにはいきません。

細かく見ていけばいろいろありますが、経費として認められないものとしては、「プライベートの支出」「納税額」「所得控除となるもの」の3つだと覚えておけばいいでしょう。
 

4. 一見NG?実は落とせる可能性がある経費の例

スーツ代から引っ越し代までさまざまな例をチェック

経費で落とせるものと落とせないものについて見てきましたが、経費として認められるのかどうか、なかなか判断の難しいものもあります。

そこで、ここでは具体例を挙げつつ、一見NGに思えて、実は経費として認められる可能性のあるものを紹介したいと思います。


・スーツ代
プライベートで着る洋服については経費として認められないので、スーツも難しいのが現状ですが、フリーエンジニアの場合、仕事でしか使用しないスーツでしたら経費として申告することも可能です。

もし経費に入れる場合は、消耗品費や雑費(衣装費)として処理することになります。


・オフィスの引っ越し費用
完全に仕事用に借りているオフィスであれば、引っ越し費用も経費で落とせます。ただ、自宅を仕事場と兼用している場合は、地代家賃と同じように按分することになります。

注意が必要なのは、礼金は経費になりますが、敷金は退去時に原状回復費が差し引かれる関係で経費に計上できないことです。

ただし、原状回復費は経費として計上可能です。当然ながら自宅を仕事場と兼用している場合、礼金・原状回復費は按分して計上します。

礼金が10万円以上の場合は、契約期間で月数按分するようにしましょう。


・冠婚葬祭
仕事に関係する人であれば、結婚式のご祝儀や贈答品、会葬の際に包むお香典などは接待交際費として認められます。

その際、必ず名前や関係を控えておくようにしましょう。


・ソーシャルゲームの課金
趣味としてはもちろん認められませんが、フリーエンジニアの場合、「研究用」という名目で経費にすることが可能です。

同様に、ゲーム制作に関わっているならゲームソフト、LINEスタンプの開発に関わっているならLINEスタンプなども、研究用の購入ということで経費として認められます。

いずれの場合も、経費項目としては雑費や資料費、研究費として処理するといいでしょう。


・駐車場代、自動車税、車検費用
車そのものは減価償却費として経費になりますが、駐車場代や自動車税、車検費用なども、仕事とプライベートを按分したうえで経費に計上できます。

経費項目としては、「駐車場代:地代家賃」「自動車税:租税公課」「車検費用:修繕費(支払手数料、雑費)」とするのがいいでしょう。


・家電製品、家具
エアコン、テレビ、掃除機、ストーブ、テーブル……。
自宅で仕事をしている場合、どうしても仕事とプライベートの区分けが曖昧になりがちです。

これらを経費とするなら、仕事で使う分を時間や頻度で按分したうえで、消耗品費として処理します。

 

5. まとめ

フリーエンジニアにとって重要な経費について、落とせるもの、落とせないものを紹介してきました。今回は判別のしにくいものについても例を挙げてみましたが、わかりにくいものはまだまだあるでしょう。

また、青色申告決算書の経費項目に分類する際にも、どこに入れればいいのかわからないというケースが出てくるかもしれません。

フリーエンジニアになりたてで確定申告に慣れていない人なら、按分や減価償却の計算で手こずることもあるはずです。不明な点や不安な点がある方は、ぜひレバテックフリーランスへご相談ください。
 

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※この記事は2016年8月時点での情報をもとに作成しています
 

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