フリーランスの経費ガイド|覚えておきたい計上科目6選を紹介 | レバテックフリーランス
フリーランスの経費ガイド|覚えておきたい計上科目6選を紹介
フリーランスとしてスタートを切ったはいいものの、経費計上の難しさや煩わしさに頭を抱えられている方も多いのではないでしょうか。適切な経費計上には節税効果がある一方、誤った方法で行えば税法上のペナルティを課される恐れもあります。
この記事では、フリーランスのエンジニアの方向けに経費計上の基本をお伝えします。適切な経費計上にお役立てください。
フリーランスにおける経費の基本をおさらい
フリーランスとして独立するのであれば、避けて通れないのが経費管理です。経費についてしっかりと体系立てて理解しつつ、節税につなげましょう。
そもそも経費とは
経費とは、事業を行うために必要な費用のことを指します。
経費として認められるのは、「事業のために使った費用」に限られます。個人的な支出と事業上の支出を混同してはなりません。たとえば、Webエンジニアとしての仕事に必要なソフトウェアの購入費は経費になりますが、休日に家族と食べた食事代は経費にはならないため注意を要します。
なお、経費の計上にあたっては、証拠となる領収書やレシートが必要です。電子帳簿保存法をはじめとする法律により経費を証明できる書類は5~7年間保存することが義務付けられています。日頃からきちんと整理しつつ、確定申告時に慌てることがないよう備えておきましょう。
参考:帳簿書類等の保存期間|国税庁
経費計上で節税を図れるワケ
経費を適切に計上することで節税効果が得られるのは、課税対象となる所得が減るためです。フリーランスの所得は「収入 - 経費 = 所得」という式で計算されます。経費が増えれば課税対象となる所得が減るので、結果的に節税につながるというわけです。
ただし、経費の計上には根拠が必要です。事業との関連性が明確でない支出を経費として計上すると、税務調査の際に否認される可能性があります。不適切な経費計上は避け、確実に事業に関連する支出のみを経費として計上するよう心がけましょう。そのためにも、次に紹介する勘定科目の理解が重要になってきます。
以下の記事では、フリーランスの方向けに節税対策を紹介しています。併せてお読みください。
フリーランスの節税対策!損をしないための経費と控除の知識
フリーランスが経費計上でよく使う勘定科目6選
経費はさまざまな勘定科目に分かれています。続いてフリーランスがよく使う6つの勘定科目について解説します。

1.租税公課
租税公課は、事業に関連して支払う税金や公的な負担金を計上する科目です。具体的には、収入印紙代や事業税、事業所税、固定資産税などが該当します。これらは全額経費として計上することが可能です。
一方で、所得税や住民税、消費税などの本人の所得に課される税金は、租税公課として経費にはできない点に注意が必要です。これらは事業のための支出ではなく、利益に対して課される税金だからです。
参考:租税公課|国税庁
2.水道光熱費・通信費
水道光熱費や通信費も、事業を行う上で欠かせない基本的な経費です。インターネットの回線代や携帯電話料金、電気代などが該当します。これらは事業に使用した分を経費として計上できます。
最近ではリモートワークが増えていることから、水道光熱費・通信費の按分について検討する機会も増えていることでしょう。
自宅の一部を事務所として使用している場合、水道光熱費は使用面積の割合に応じて按分計算します。たとえば、自宅の総面積が60㎡で、そのうち10㎡を仕事用に使っている場合、水道光熱費の6分の1を経費として計上可能です。通信費も、仕事と私用で使い分けが難しい場合は、おおよその使用割合で按分するのが一般的です。
3.地代家賃
地代家賃としては、事務所やコワーキングスペースの利用料が該当します。自宅の一部を事務所として使用している場合も、その部分の家賃を経費として計上できますが、そのようなケースでは家賃の按分計算が必要です。計算の要領は先ほどと同様で、自宅全体の面積に占める仕事用スペースの割合で計算します。
また、コワーキングスペースの利用料やレンタルオフィスの費用も、この科目に計上できます。これらのサービスを利用する際、領収書やクレジットカードの利用明細などの保管と整理を忘れないでください。
4.接待交際費・会議費
接待交際費とは、ビジネスにおいて必要な接待にかかる費用のことです。一方、会議費としては、たとえば会議で提供されるお茶やコーヒーなどの飲食費が該当します。
両者の違いは参加者によって判断されます。取引先を含む場合は接待交際費、そうでない場合は会議費として計上するのが一般的です。
なお、日常的な食事代は経費として認められないため、業務上の必要性を証明できるよう、打ち合わせの内容などをメモしておくとよいでしょう。
5.消耗品費・事務用品費
消耗品費・事務用品費は、備品や文具などの事務に必要な物品にかかる費用です。たとえば、USBメモリや外付けハードディスク、マウス、キーボードなどのPC周辺機器やノート、ペン、付箋などの文具類が該当します。
10万円未満の物品であれば、購入した年に全額経費として計上できます。たとえば、5,000円のマウスや3,000円のUSBメモリは、一括で経費として落とすことが可能です。一方、10万円以上の物品は「固定資産」として扱われ、数年にわたって減価償却する必要があります。
減価償却の詳細については後述します。
6.新聞図書費
新聞図書費は、業務に関連する書籍や雑誌、新聞、電子書籍などの購入費用を計上するための科目です。技術書や専門雑誌は仕事に必要な知識やスキルを身につけるうえで欠かせません。
ただし、趣味のための小説や一般教養の書籍は原則として計上が認められません。購入した書籍が業務に関連していることを示せるよう、どのような技術や知識を得るために購入したのか記録しておくと良いでしょう。
【経費にできる?】フリーランスITエンジニアがよく使う費用
ITエンジニアの仕事には、一般的なフリーランスとは異なる特有の費用がかかることがあります。具体的な費用を例に挙げつつ解説していきます。
PCや周辺機器の購入費用は?
PCや周辺機器の購入費用は、ITエンジニアにとって最も重要な経費の一つです。これらは明らかに業務に直結するツールであるため、基本的に経費として認められます。ただし、金額によって処理方法が異なるため注意してください。
10万円未満のものは「消耗品費」として、購入した年に全額経費計上できます。たとえば、外付けモニターやタブレットなどが該当するでしょう。一方、10万円以上のものは「固定資産」として減価償却する必要があります。
技術ブログのサーバー・ドメイン代は?
技術ブログの運営に関わるサーバー料金やドメイン名の登録費用は、経費として認められます。
また、ブログのデザイン制作費やSEO対策のためのツール利用料も同様です。これらは「広告宣伝費」または「支払手数料」として計上できます。
前述の項目と同じように、事業との関連性を示すことができれば経費計上が可能になります。言い換えれば、プライベートでこれらを利用した場合は当然ながら計上は認められません。
書籍やオンライン教材の購入費用は?
書籍やオンライン教材の購入費用は、業務に関連するものであれば「新聞図書費」または「研修費」として経費計上できます。ITエンジニアにとって、スキルアップは仕事の質を高めるために不可欠だからです。
具体的には、言語やフレームワークに関する技術書籍、オンライン学習サービスの受講料、プログラミングスクールの受講料などが該当します。また、セミナーやカンファレンスの参加費、資格試験の受験料や参考書代も同様です。
一方で、将来的に使うかもしれないというだけの技術書や、現在の業務と全く関連のない分野の学習費用は、基本的に経費として認められません。
自宅兼事務所の家賃・光熱費は?
自宅を仕事場としても使用している場合、家賃や光熱費の一部を経費として計上できます。計上にあたっては床面積や使用時間を基準として、仕事用とプライベート用で費用を按分する必要があります。
また、インターネット回線料も、一部または全額を経費計上可能です。こちらは使用時間や日数を基準に、仕事用とプライベート用で経費を按分します。
フリーランスの経費計上における4つの注意点
経費計上は適切に行わないと、税務調査などで指摘を受けるリスクがあります。ここでは、フリーランスが経費計上する際に特に注意すべき4つのポイントを解説します。
1.事業との関連性を明確にする
前述の通り、経費として認められるのは、事業と直接関連のある支出のみです。税務調査では「その支出は本当に事業に必要だったのか」という観点でチェックが行われます。したがって、経費計上する際は事業との関連性を明確化することが重要です。
たとえば、クラウドサービスの利用料金を経費計上する場合、そのサービスをどのような業務で使用しているのかを説明できるようにしておく必要があります。同様に、技術書籍を購入した際も、現在の業務や将来の案件獲得にどう役立つのかを説明できるようにしておきましょう。
そのためにも、領収書やレシートに簡単なメモを残しておくことをおすすめします。「○○案件の打ち合わせのための交通費」「技術習得のための書籍」といった具体的な記録があると理想的です。
2.スーツ代や個人的な食費は経費計上しない
日常生活でも使用するものは、基本的に経費として認められません。
たとえば、スーツやビジネスシューズなどの衣服代は、ビジネスシーンで着用するものであっても、原則として経費計上の対象外となります。これは「事業でのみ使用している」ことの実証が難しいためです。
同様に、日常的な食費も経費にはなりません。自宅やオフィスでの通常の食事は、仕事中であっても個人的な生活費として扱われます。ただし、クライアントとの商談中の食事や出張中の食事などは、状況によって経費として認められる場合があります。
また、交通費も経費にはなりません。これは会社員の通勤費が給与所得控除に含まれているのと同じ理由によります。例外的に、クライアント先への訪問や打ち合わせのための交通費は、明確な業務目的があるため「旅費交通費」として経費計上できます。
3.10万円以上の備品は減価償却する
10万円以上の備品を購入した場合、その金額を一度に経費として計上することはできません。これらは「固定資産」として扱われるため、「減価償却」する必要があります。
減価償却とは、固定資産の価値が使用や時間経過とともに減少することを会計上で表現する方法であり、その計算方法には「定額法」と「定率法」があります。定額法は毎年同じ金額を償却していく方法で、定率法は最初の年に多く償却し、年々償却額を減らしていく方法です。
青色申告を選択している場合は両方の方法から選べますが、白色申告の場合は原則、定額法のみとなります。
参考:減価償却のあらまし|国税庁
4.不正計上によるペナルティを知っておく
経費の不正計上は由々しき事態を招きかねません。仮に税務調査で不正が発覚した場合ペナルティが科されます。
具体的なペナルティとしては、本来納めるべき税額に加えて「過少申告加算税」や「重加算税」が課されることがあります。また、本来納付すべき日から実際に納付する日までの期間に応じて、延滞税も発生するため注意してください。
税務調査は通常3〜5年前までさかのぼって行われるため、過去の申告内容も精査されます。そのため、領収書やレシートは5~7年程度保存しておく必要があります。
不安がある場合は税理士に相談するなど、専門家のアドバイスを受けることをおすすめします。正確な経費計上は、安心して事業を継続するための基盤となるものです。
領収書・レシートのおすすめの管理方法
領収書やレシートを受け取ったら、すぐに日付や内容を確認し、必要に応じてメモを追記しておきましょう。たとえば「クライアントとの打ち合わせのための交通費」などといった具合です。支出の目的を簡単に記録しておくと、後から整理する際に役立ちます。
紙で保管する場合は、月ごとや科目ごとに分類してファイリングしておくとよいでしょう。A4サイズの用紙に小さなレシートを貼り付け、日付や内容を記入しておくと後から探しやすくなります。税務調査は申告から最長7年間さかのぼって行われる可能性があるため、5~7年程度は保管しておく必要があります。
また、最近ではクレジットカードやスマートフォン決済を利用することで、支出記録を自動的に残せるサービスも増えています。業務用と私用でクレジットカードを分けて使い、明細を定期的にダウンロードしておくことも効果的な管理方法です。
フリーランスが経費を計上する際のアドバイス
最後に、フリーランスとしての確定申告をより効率的かつ有利に行うためのアドバイスをご紹介します。
青色申告を選択する
フリーランスが確定申告を行う際、青色申告を選択することで多くのメリットが得られます。最も重要なのは「青色申告特別控除」で、要件を満たせば最高65万円(電子申告の場合)の所得控除を受けられます。白色申告にはこの控除がないため、節税したい場合は税負担が軽減できる青色申告がおすすめです。
青色申告のメリットは税額控除だけではありません。30万円未満の減価償却資産を一括経費計上できる「少額減価償却資産の特例」や、赤字を3年間繰り越せる「損失の繰越控除」なども利用できます。これらは事業を長期的に考える上でアドバンテージとなるでしょう。
下記の記事では青色申告のメリットについて詳しく解説しています。併せてお読みください。
【2025年最新】フリーランスの青色申告のやり方をかみ砕いて解説!初めてでも自力でできる?
会計ソフトを活用する
経費管理と確定申告作業を効率化するには、クラウド会計ソフトの活用が効果的です。サービスを利用することで、日々の経費記録から確定申告書類の作成までをスムーズに行えます。
クラウド会計ソフトの便利な機能に、銀行口座やクレジットカードとの連携機能があります。取引データを自動で取り込み、AI機能により適切な勘定科目を提案してくれるため、記帳作業の負担が大幅に軽減されます。また、レシートをスマートフォンで撮影するだけでデータ化できる機能も便利です。
加えて、青色申告に必要な複式簿記による記帳を自動で行ってくれるサービスもあります。確定申告の時期になれば、蓄積されたデータをもとに申告書類を自動生成してくれるため、専門知識がなくても正確な申告が可能になります。
こちらは月額1,000円〜3,000円程度の費用がかかるものの、メリットも多いため費用対効果を見ながら、利用を検討してみると良いでしょう。
※本記事は2025年12月時点の情報を基に執筆しております。
最後に
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