【2023年版】フリーランスと労働基準法を解説。契約書や労働者との違いは?

基本的にフリーランスが労働基準法の適用外なのは事実です。しかし、フリーランスを保護する法律はあり、報酬の未払いに対応する方法や未然に防ぐ方法があるのも事実です。また働き方しだいで、労働基準法が適用される場合もあります。

そこで、労働基準法とフリーランスの関係性やトラブル回避のコツなどをまとめて解説していきます。トラブルを避け、本業に集中して収入を上げるためにもぜひじっくりとお読みください。

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フリーランスは基本的に労働基準法の適用外

フリーランスは労働基準法の適用外とされています。労働基準法で指す労働者とは、指揮監督下にあることが条件だからです。指揮監督下かどうかは、以下の基準で判断されます。

  • 仕事の依頼や業務従事の指示への許否自由の有無
  • 業務遂行上の指揮監督の有無
  • 拘束性の有無
  • 代替性の有無

フリーランスは業務を受けるか受けないかは自由であり、労働時間・場所も必ず拘束されるわけではありません。さらに、雇用契約を締結した使用者は指揮監督する立場にないため、労働者とみなされません。

フリーランスと派遣の違いが知りたい方は、以下の記事でご確認いただけます。
フリーランスと派遣の違い|メリット・デメリットや掛け持ちの可否

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フリーランスでも労働基準法が適用されるケース

労働基準法が適用されない理由として、指揮監督下か否かという点が大きいとされています。以下のような環境で働いている場合、労働基準法が適用される「労働者」に当たる可能性があります。

  • 特別な理由がないと発注者からの仕事を断れない
  • 業務の遂行に関するすべてを発注者に指示・管理されている
  • 通常の仕事以外に、契約や予定にない業務を頼まれる
  • 報酬が「時間に対していくら」として支払われる
  • 始業・終業時刻が決まっており、遅刻すると報酬が減る
  • 案件に時間がかかりすぎ、ほかの仕事を受ける余裕が全くない

ただし、上記のような実態があっても、必ずしも労働者とみなされるわけではありません。契約内容やほかの要素を含めて総合的に判断されます。

また、上記に当てはまるにも関わらず業務委託契約としている場合、偽装請負に該当する可能性があります。上記に該当する場合、企業には社会保険に加入させる義務などが発生しますが、業務委託として義務を果たしていないからです。

労働者派遣法及び職業安定法によって禁止されているため、正当な扱いを受けられるように行動しましょう。

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フリーランスと企業勤めの労働者の違い

労働基準法が適用される労働者と適用外のフリーランスにはどのような違いがあるのか知っておくことは、非常に大切です。意図せず偽装請負になってしまっていた…という事態を防ぐためにも、フリーランスと労働者の違いを明確にしておきましょう。

契約の違い

契約内容は明確に異なります。労働者は雇用契約を、フリーランスは業務委託契約を結びます。それぞれの契約内容については下記で解説していくのでチェックしてみてください。

労働者が締結する雇用契約とは?

雇用契約は、契約先の雇用主に従事し、雇用主は労働の対価に報酬を与えることを約束する契約です。雇用契約を結び、労働者となることで、労働基準法の対象となります。

労働基準法の対象となることで、労働法上の保護下に置かれ、社会保険や労働保険への加入、有給休暇の取得が可能になります。

フリーランスが締結する業務委託契約とは?

業務委託契約とは、委託者が受注者であるフリーランスなどに、自社の業務の一部を委託する際に締結する契約です。契約締結時には、業務委託契約書という業務内容や報酬の支払方法・期日といった条件を記載した書類を作成します。

委託者であるクライアントは、業務委託契約関係にあるフリーランスに対し、業務を行う場所や時間を拘束できません。受注者であるフリーランスは、基本的に期限までに成果物を上げることだけを求められます。

なお、業務委託契約では雇用契約のように労働基準法が適用されません。したがって、社会保険や労働保険への加入や、有給休暇の取得はできないことに留意してください。

就業時間の違い

業務委託契約を締結するフリーランスは就業時間を自由に選べるのに対し、雇用契約を締結する労働者は決まった時間に就業します

労働者の就業時間は会社によって定められており、超過する場合は残業代が、休日出勤をした場合には、休日手当が支払われます。なお、残業や休日出勤をするには、企業と労働者間で36協定を結んでおかなくてはなりません。

労働者は、36協定の範囲内で働くのに対し、フリーランスにはそうした労働時間の制限はありません。好きな時間に働ける一方で、場合によっては休日や休憩を取らなくてはならないという決まりがないともいえます。

報酬・賃金の違い

フリーランスは成果物に対して報酬を得られますが、労働者は労働時間に対して賃金が支払われます。この特徴から、フリーランスは収入が不安定、労働者は比較的安定していると考えられる傾向があるわけです。

さらに、労働者の賃金の支払いは毎月1回以上だと労働基準法第24条において定められています。一方でフリーランスは成果物に対して報酬が得られるという仕組み上、働き方次第で毎月報酬が得られないこともあります。

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そもそも労働基準法とは?

労働基準法は、労働者を保護する目的として1947年に制定された法律です。労働基準法により、労働者の労働時間は1日8時間、1週間で40時間と定められるようになりました。

休日は毎週1日以上、4週間に4日以上与える必要があります。規定以上に労働させる場合には、事前に36協定を締結し、労働基準監督署に届け出なくてはなりません。36協定を締結せず、1日8時間以上働かせた場合、残業代を支払っても労働基準法違反です。

休憩時間も定められており、労働時間が6~8時間の場合は最低45分、8時間を超える場合は1時間取らせる必要があります。また、解雇の際も遅くとも30日前の予告が必要です。

ほかにも、労働時間や労働期間に応じた有給休暇の付与も必須です。また、賃金は最低賃金を下回ってはならず、支払いの遅延も労働基準法違反となります。

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労働基準法が適用されないフリーランスに考えられるリスク

労働者は労働基準法によって労働時間や最低賃金、休暇などさまざまな保障がされますが、フリーランスには適用されません。したがって、法律に守られないフリーランスにはさまざまなリスクが考えられます。

トラブルに巻き込まれないようにするためにも、事前に下記のようなリスクがあることを知っておきましょう。

労働時間に制限がない

労働時間を選べるというフリーランスの働き方はメリットになる一方、労働時間に制限がないというリスクにもなります。自分で休日を決めて休めますが、発注者側は休みの日かどうかなど関係なく連絡をしてくる場合もあるでしょう。

働く場所が自由であるため、オンオフの切り替えがしにくい傾向があります。休みのつもりでも連絡がきて対応してしまい、結局休めない可能性もあるでしょう。

また、業務に集中し過ぎて自覚なく過労になってしまう可能性もあります。休日はメールをチェックしない、仕事量を常に把握した上で案件を受けるか考えるなどの調整が必要です。

報酬が支払われない恐れがある

労働基準法によって賃金の支払いが保障されていないため、フリーランスは報酬が支払われないリスクが高い傾向にあります。報酬が支払われない際の文言の例として、以下があげられます。

  • 使用予定がなくなった
  • 思ったような出来ではない
  • テストだから

労働基準に守られていないからといって報酬を支払われなくて良いことにはなりません。報酬未払い時にすべきことも明確にあります。報酬が未払いになった際に、すべきことの詳細を知りたい場合は、以下の記事をご覧ください。
報酬未払いのフリーランスがやること|踏み倒し防止策も解説

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労働基準法適用外のフリーランスがトラブルを回避するコツ

労働基準法が適用されないフリーランスがトラブルを回避するには、契約書のチェックや法知識が欠かせません。自分で対応する自信がない場合、クライアントを詳細にチェックしてるフリーランス専門のエージェントを頼るのと良いでしょう。

ただし、不安を取り除いて業務に集中するためにも、トラブルの回避方法を知っておくのは重要です。詳しく説明していくので、確認してください。

契約書を細部までチェックする

トラブル回避には、契約前に契約書を細部までチェックするのが大切です。契約内容は企業によって、さらには契約の度に異なる場合もあるでしょう。後から想定と違っていたと分かって、印鑑を押していると同意したものとして扱われてしまいます。

たとえば報酬金額が10万円とあっても、消費税が税別か税込かで手取りの金額は変わります。報酬の支払い方法、支払のタイミング、契約期間や源泉徴収の有無などもチェックしておきたいポイントです。

トラブルになった際は、契約書の内容に基づいて判断されるので、しっかりチェックして不明点は事前に確認しましょう。

法律の知識を身につける

トラブル回避のためにも法知識を身につけておきましょう。フリーランスは基本的に労働基準法が適用されませんが、フリーランスを守る法律も存在します。具体的には「独占禁止法」と「下請法」です

独占禁止法は、 フリーランスの自由な事業活動を守るための法律です。企業が守るべきルールを定め、不公平な行為を規制しています。

下請法は、支払いの遅延防止を目的としているほか、成果物の受領拒否や代金の減額などを防ぐことを目的としています。

下請法について詳しく知りたい人は、以下の記事をご覧ください。
下請法とは?改正予想やフリーランス保護のための新たな法律も解説

フリーランスエージェントを経由する

フリーランスエージェント経由で案件を受け、労力をかけずにトラブルを防止するのもおすすめです

フリーランス専門のエージェントは、企業との単価交渉・契約代行などのサポートをしています。業務委託契約手続きもしており、報酬の請求の代行なども行います。

特にレバテックフリーランスは、フリーランスのフォロー専門の担当者がヒアリングを行い、フォローをしています。高単価の案件数も強みとしているので、ぜひ利用を検討してみてください。

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フリーランスの法律に関するよくある質問

フリーランスの法律に関するよくある質問をまとめました。

フリーランスの労働ルールは?

フリーランスには労働基準法が適用されないため、労働のルールはありません。また、クライアントもフリーランスに労働時間や勤務場所を強制できません。

フリーランス保護新法とは?

フリーランス保護新法は、フリーランスの保護目的で定められようとしている法律です。現時点で導入時期は未定ですが、 成立すれば契約書の交付が義務化され、フリーランスの不当な扱いが禁止されます。

※本記事は2023年3月時点の情報を基に執筆しております。

最後に

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