一人での客先常駐は辛い?メリットや大変な場合の対処方法を解説 | レバテックフリーランス
一人での客先常駐は辛い?メリットや大変な場合の対処方法を解説
- 客先常駐の概要とメリット
- 一人での客先常駐が辛いといわれる理由と対処法
- 一人での客先常駐が違法となるパターンについて
客先常駐では、一人でクライアントの下で仕事をすることもあります。エンジニア自身のスキルや常駐先の環境によっては、一人で客先常駐することに大きな不安や辛さを感じてしまうでしょう。
本記事では、一人で客先常駐するときに感じがちな不安とその対処法のほか、客先常駐のメリットを解説します。
なお、フリーランスでのフルリモートワークに興味があるという方はこちらの記事も参考にしてみてください。
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■この記事の監修
キムラミキ
AFP・宅地建物取引士・社会福祉士・キャリアコンサルタント
外資系生命保険会社、マンションディベロッパ―を経て、現在は企業理念に「笑顔リファイン~自分らしい「まいにち」発見のための自己決定支援~」を掲げて(株)ラフデッサン代表取締役として、相談業務のほか、コラム執筆、講演、ラジオパーソナリティなど幅広く活躍。
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客先常駐とは
客先常駐とは、自社ではなく顧客の企業に常駐して業務を行う働き方です。客先常駐のパターンとして、契約方法に応じて以下の2種類があります。
- 派遣
- 業務委託
派遣と業務委託のそれぞれについて、契約や働き方の特徴を確認しましょう。
派遣
派遣は、派遣会社(派遣元)に職場を紹介してもらい、派遣先企業で仕事をする働き方を指します。
労働者は派遣元と雇用契約を結び、給与の支給や福利厚生の適用などを派遣元の企業から受けます。ただし、業務に関して指示するのは、派遣先企業の社員です。
業務委託
業務委託は、業務を外部の企業や個人に委託することを指します。業務委託の際に発注者と受注者間で締結するのは、請負契約または委任・準委任契約です。会社員のエンジニアが客先常駐をする場合、所属している会社と常駐先の企業が請負契約または準委任契約(SES契約)を結びます。
請負契約や準委任契約のもとでエンジニアが客先常駐をする際、常駐エンジニアの業務について指示を出せるのは、所属している企業の社員です。常駐先の社員に常駐エンジニアの仕事に関する指揮命令権はなく、勤怠管理に関しても所属している企業が行います。
客先常駐の概要については、「エンジニアの客先常駐、メリットとデメリットとは|自分に合う職場を見抜く方法」の記事もご確認ください。
一人での客先常駐が違法となるパターン
請負契約や準委任契約のもとで一人で客先常駐する場合、現場には自社の社員がおらず、常駐先の社員から指揮命令を受けることになってしまいます。このように、請負契約や準委任契約を締結していながら常駐先の社員が業務について指示を出すのは、違法です。
請負契約や準委任契約を締結していながらも、実態としては労働者派遣となっているパターンを偽装請負といいます。
新卒での客先常駐について、詳しく知りたい方は、以下の記事もご覧ください。
新卒で客先常駐の会社へ入ることのメリット・デメリット
一人での客先常駐が辛い理由
エンジニアとして働く際、一人で客先常駐するケースは少なくありません。エンジニアの間では、一人の客先常駐が辛いといわれることもあります。
一人での客先常駐が辛いとされる理由には、特有の業務環境に由来するものが多いものです。以下に挙げた具体的な例を参考にして、一人で客先常駐した際に戸惑わないよう、起こりうる状況について事前に確認しておきましょう。
- 周りに頼れる人がいない
- 一人でトラブルに対処する場合がある
- ITスキルに不安を感じる
- 孤独感を覚える
- 人脈づくりがしにくい
- 帰属意識が低下する
周りに頼れる人がいない
エンジニアの仕事に限りませんが、一人で現場に赴くのは心細いものです。客先常駐では、周りの社員はすべてお客さまであるため、分からないことがあるときや顧客から質問を受けたときなどに、周りに頼れる人がいないことを辛いと感じてしまう可能性もあります。
一人でトラブルに対処する場合がある
客先常駐での仕事内容は企業によって異なりますが、運用・監視などの業務でトラブルが起きた場合、一人で対応しなければいけないことがあります。
トラブルの原因究明や解決を一人ですべて行うのは簡単ではありません。トラブル対応に苦慮するため、一人での客先常駐は辛いと考えるエンジニアは多いようです。
ITスキルに不安を感じる
経験が浅いエンジニアの場合、一人で客先常駐することになると、自分のITスキルが十分かどうかについて不安を感じてしまうでしょう。
不安の例として、「常駐先の社員が求めている技術を提供できるかどうか」「常駐先の社員の質問に答えられるか」などが挙げられます。
孤独感を覚える
周りに頼れる人がいないことと似ていますが、顧客の企業という慣れない環境の中、一人で仕事をすることは孤独感を覚えやすいものです。客先常駐という環境下で、周りに気を遣って一日中落ち着かなかったり、話し相手がいなかったりするのは、寂しさや孤独感につながりやすく、辛さを感じてしまう可能性もあります。
人脈づくりがしにくい
一人で客先常駐していると、同じ会社の仲間がおらず、人脈をつくりづらいと感じる人も多いようです。
常駐先が短期間で変わる場合、せっかく人間関係を築けてもすぐに別の場所に常駐することになり、その都度人間関係を一から築いていかなくてはなりません。
今後の案件獲得につなげる人脈づくりだけでなく、頻繁に行わなければならない人間関係の構築そのものが辛いと感じることもあるでしょう。
帰属意識が低下する
一人で客先常駐するということは、自社の人間は自分だけということになります。そのため、自社との関わりが薄くなってしまい、自社に対する帰属意識を持ちにくくなってしまうことがあるようです。
客先常駐の大変なところと対処法については、「SEの客先常駐はストレスが大きい?辛いと言われる理由とストレス対処法」の記事もあわせて参考にしてください。
一人での客先常駐での辛さの対処法
一人での客先常駐にはトラブルの対応や人間関係などにおいて辛さがありますが、対処法を知っておくことで負担を軽減できます。例を挙げるとすれば、以下の対処法が考えられるでしょう。
- 常駐先の業務を早く覚える
- 常駐先での人間関係を円滑にする
- ITスキルを上げるチャンスと捉える
それぞれの方法をもとに、一人での客先常駐の辛さを乗り越える心構えや行動を解説します。
常駐先の業務を早く覚える
一人での客先常駐の不安は、特に客先常駐を始めた最初の時期に強く感じるものです。このようなときは、客先常駐での業務を早く覚えることに専念しましょう。ITスキルを磨くことも重要ですが、常駐先での業務を早く理解して損をすることはありません。
客先常駐での業務を覚えるために、隙間時間で資料を読んだりシステムを確認したりしておきましょう。業務を理解するために常駐先の社員に質問をすれば、自然とコミュニケーションが生まれるため、顧客と良い関係を築くきっかけにもなります。
常駐先での人間関係を円滑にする
客先常駐において、常駐先は確かにお客さまですが、あまりよそよそしく接するのは考えものです。常駐しているエンジニアにとっては客先とはいえ「職場」のため、現場での人間関係を円滑にするために、顧客とコミュニケーションをとるように努力する必要があります。
業務に関すること以外にも、会話のきっかけがあれば積極的に話しかけても良いでしょう。顧客から見ても話しやすいエンジニアが常駐している方が、業務に良い影響があると考えられます。
また、所属している企業の社員との人間関係に悩んでいた場合は、一人で新しい環境で客先常駐をすることで、人間関係のストレスが軽減されるかもしれません。
ITスキルを上げるチャンスと捉える
エンジニアはITスキルを期待されて客先に常駐しますが、ITスキルに不安を抱いているエンジニアには、期待がプレッシャーとなる場合もあるでしょう。しかし、不安ばかりを抱いていては、何かトラブルがあったときに自信を持って対応できないほか、エンジニアとして成長しづらくなってしまいます。
一人で客先常駐することに不安があっても、必要なITスキルをしっかり身に付けるチャンスだと前向きに捉えることも大切です。そもそも、客先常駐に十分なITスキルや資質があると自社やクライアントから判断されて客先常駐しているので、自信を持って業務に取り組みましょう。
客先常駐が辛い場合の対処法については、「客先常駐の辛いところと対処法」の記事もご確認ください。
客先常駐のメリット
客先常駐は辛いという声がある一方で、客先常駐ならではのメリットもあります。客先常駐のメリットとしては、以下の例が挙げられるでしょう。
- さまざまな現場を経験できる
- 残業は少なめ
- 責任感が増す顧客と直接コミュニケーションがとれる
- エンジニアとして視野を広げられる
- 周りの目を気にし過ぎず仕事に集中しやすい
- 責任感や情報収集力が増す
客先常駐だからこそ得られる、具体的なメリットについてご説明します。
さまざまな現場を経験できる
客先常駐するエンジニアは、顧客のプロジェクトや案件が終了すれば次の現場に行くため、結果的に多くの現場を回ることになります。現場経験を多く積めることは、客先常駐するエンジニアの強みです。
自社で働くエンジニアの場合、部署を異動することはあっても、他社の文化に触れる機会は少ないでしょう。一方で、客先常駐のエンジニアは多種多様な企業で働けます。
また、契約外の仕事は指示されないので、本業のみに集中でき、効率的にスキルアップを図ることが可能です。もちろん、中には辛いと思う現場もあるでしょう。しかし、長い目で見れば、現場経験が豊富で多くの企業の業務を熟知していることは、エンジニアとしてプラスに働くと考えられます。
残業は少なめ
常駐先の企業にもよりますが、一般的に、客先常駐において残業はあまり好ましいことではありません。勤務時間が終わればクライアントの社員も帰宅し、常駐エンジニアだけが残っているわけにはいかないため、客先常駐のエンジニアは勤務時間内に仕事を終わらせて帰ることを求められます。
また、残業が発生した場合はエンジニアに支払う報酬が高くなることから、常駐先の企業によっては残業を嫌うケースもあるようです。
常駐先にて残業しない分、自分の自由な時間を確保しやすくなります。エンジニアとしてのスキルアップのために勉強をしたり、気分転換を図ったりして、客先常駐の現場でより活躍できるように努めましょう。
顧客と直接コミュニケーションがとれる
顧客の声を直接聞けることはエンジニアにとって強みです。客先常駐するエンジニアは顧客と密にコミュニケーションをとれるため、自社で働くエンジニアに比べると顧客の立場や気持ちが分かるエンジニアとして成長できると考えられます。
エンジニアとして視野を広げられる
客先常駐で働く場合、自社以外の企業の組織風土や仕事の進め方、考え方などを知ることができます。客先常駐をすることで、新たなプロジェクトの手法や技術を知ることができる可能性があり、スキルアップのチャンスとなるでしょう。
周りの目を気にし過ぎず仕事に集中しやすい
一人で客先常駐することで、同じ会社の人がいないため、誰かと足並みを合わせたりせずに自分のペースで仕事ができることで、集中しやすくなると感じる人もいるようです。
上司の管理が減り、裁量を持って働けるほか、基本的に庶務や雑務といった契約外の指示がないため自分の仕事にのみ集中できます。自分の分野の仕事に集中することで効率的にスキルを磨いていけるのも魅力の一つだといえるでしょう。
責任感や情報収集力が磨かれる
一人で客先常駐をすると、クライアントと自分と直接関わりを持って仕事をしていくため、自分の仕事には自分で責任を持たなくてはなりません。
また、情報に関しても、上司がいるわけではないので、誰かから常に共有してもらえるような環境ではありません。ある程度は常駐先の社員から共有はあるかもしれませんが、自ら主体的に必要な情報を収集していく力が身につきやすくなるといえるでしょう。
客先常駐のメリットについては、「客先常駐は楽しい?メリット・デメリットを解説」の記事もあわせて参考にしてください。
常駐型フリーランスという選択肢
一人で客先常駐しているエンジニアの方が、「仕事の方向性を変えたい」「独立したい」と考えているのであれば、常駐型フリーランスとして働くのも一つの方法です。また、現在勤務している企業に報酬面やスキルアップ面で満足できていない方にも、常駐型フリーランスという働き方は有力な選択肢となり得ます。
常駐型フリーランスは自分で案件を選ぶことができ、実力次第でより高い報酬やキャリアを積むために役立つ案件を獲得することもできます。エンジニアとしての道を切り開きたい方は、常駐型フリーランスを選択肢の1つに入れると良いでしょう。
※本記事は2023年5月時点の情報を基に執筆しております。
最後に
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