エンジニアのスキルマップ7例!キャリアアップのためのポイントも紹介 | レバテックフリーランス
エンジニアのスキルマップ7例!キャリアアップのためのポイントも紹介
「今後のキャリアを検討するために、さまざまなエンジニア職種のスキルマップを参考にしたい」と考えているエンジニアの方もいるでしょう。
この記事では、エンジニアを職種別に分類し、それぞれのスキルマップ例を解説していきます。スキルマップの概要や作成方法についてもまとめました。エンジニアとしてキャリアパスに悩んでいる方は、ぜひ参考にしてみてください。
目次
エンジニアの能力を可視化するのがスキルマップ
スキルマップは、個人のスキルレベルを明確にするためのツールです。企業が個人評価や人材育成、人材配置に利用したり、本人がスキルアップやキャリア形成の指標として利用したりします。
エンジニアのスキルマップは、上記の画像のように要件定義や設計、実装、テスト、導入、プロジェクト管理など具体的なスキルにカテゴリを分けます。このカテゴリに対して、評価指標に合わせて該当するレベルの数値を記載したり、具体的なレベル感を記入したりするのが一般的です。
なお、厚生労働省ではスキルマップ作成の参考となる「職業能力評価シート」を提供しています。スキルマップ作成の際に参考にすると良いでしょう。
参考:職業能力評価シート|厚生労働省
【職種別】エンジニアのスキルマップ7例
エンジニアとひと言でいってもその種類はさまざまで、職種によって求められるスキルセットは異なります。ここでは、7つの主要なエンジニア職種のスキルマップ例を紹介します。
1. システムエンジニアのスキルマップ
システムエンジニアとは、システムの設計や開発、運用を担当する職種です。なお、システムエンジニアは領域を限定しないエンジニアに対して用いられる呼称のため、ハードウェアエンジニアやソフトウェアエンジニアなど幅広く該当します。担当する領域によっては、呼称や必要なスキルが異なる場合があるため注意しましょう。
スキルマップに含める主な項目は以下のようなものがあります。
- 要件定義
- システム設計・アーキテクチャ
- プロジェクト管理
システムエンジニアの詳細について詳しく知りたい方は、以下の記事も参考にしてください。
【エンジニアのプロ監修】システムエンジニア(SE)とは?仕事内容・年収・なり方を解説
2. Webエンジニアのスキルマップ
Webエンジニアとは、WebサイトやWebアプリケーションの設計、開発、保守を行う職種です。Webエンジニアのスキルマップは、Web開発に特化したスキルが中心となります。主なスキル項目には以下のようなものがあります。
フロントエンド開発に 必要なスキル |
・言語(HTML、CSS、JavaScript) ・ライブラリ・フレームワーク(React、Vue.js)など ・UI/UXに関する知識 |
---|---|
バックエンド開発に 必要なスキル |
・言語(PHP、Ruby、Python、Node.jsなど) ・フレームワーク(Laravel、Ruby on Rails など) ・データベース(MySQL、PostgreSQLなど) |
フロントエンド・バックエンドの 両方に必要なスキル |
・バージョン管理(Git) ・ソフトウェアアーキテクチャ ・セキュリティ ・コンテナ ・CI/CD ・クラウド |
Webエンジニアの場合、フロントエンドとバックエンドの両方のスキルを持つエンジニアもいれば、どちらかに特化したエンジニアもいます。そのため、個人やチームの特性に応じてスキルマップをカスタマイズすることが重要です。
Webエンジニアの詳細については、以下の記事も参考にしてください。
Webエンジニアとは?仕事内容や年収・役立つスキルについて解説
3. インフラエンジニアのスキルマップ
インフラエンジニアは、ITシステムの基盤となるハードウェアやソフトウェアの構築、運用、管理を担当する職種です。
インフラエンジニアのスキルマップは、システムの基盤を支える技術が中心となります。主なスキル項目には以下のようなものがあります。
- ネットワーク設計・構築
- サーバー管理(Linux、Windows Server)
- クラウドプラットフォーム(AWS、 Google Cloudなど)
- 仮想化技術(VMware、Docker)
- セキュリティ
- 監視・運用(Prometheus、OpenTelemetry)
- 自動化・構成管理(Ansible、Chef、Kubernetesなど)
なお、インフラエンジニアには、ネットワークエンジニアやサーバーエンジニア、データベースエンジニア、クラウドエンジニア、セキュリティエンジニアなどが含まれる場合があります。企業によって、これらの職種の分類や担当する業務の範囲は異なり、求められるスキルも違います。
求人・案件内容で具体的な業務内容を把握することは、どの職種でも大切ではありますが、インフラエンジニアや関連職種の場合は特に気をつけたほうが良いでしょう。
4. ネットワークエンジニアのスキルマップ
ここでは、インフラエンジニアとの違いが分かりやすいよう、ネットワークエンジニアの主な業務内容と必要なスキルマップを紹介します。ネットワークエンジニアは、コンピューターネットワークの設計、構築、運用、保守を専門とする職種です。
ネットワークエンジニアのスキルマップは、通信インフラの設計・構築・運用に関する技術が中心となります。主なスキル項目には以下のようなものがあります。
- ネットワークプロトコル(TCP/IP、HTTP、FTPなど)
- ルーティングとスイッチング
- ネットワークセキュリティ
- ワイヤレスネットワーク
- VPN(仮想プライベートネットワーク)
- ネットワーク監視
- SDN(ソフトウェア定義ネットワーク)
- クラウドネットワーキング
ネットワークエンジニアについてより詳しく知りたい方は、以下の記事も参考にすると良いでしょう。
ネットワークエンジニアとは?年収や仕事内容・将来性をわかりやすく解説
5. セキュリティエンジニアのスキルマップ
セキュリティエンジニアは情報システムのセキュリティの設計、実装、監視を担当する職種です。セキュリティエンジニアのスキルマップは、情報システムの安全性を確保するための幅広い知識と技術が求められます。主なスキル項目には以下のようなものがあります。
- ネットワークセキュリティ
- アプリケーションセキュリティ
- 暗号技術
- マルウェア対策
- ペネトレーションテスト
- 情報セキュリティ管理と評価
- セキュリティポリシーの策定と管理
- コンプライアンスと法規制の知識
セキュリティエンジニアの詳細については、以下の記事も参考にしてください。
セキュリティエンジニアとは?仕事内容や役立つ資格について解説
6. クラウドエンジニアのスキルマップ
クラウドエンジニアはクラウドコンピューティング環境の設計、構築、運用、最適化を行う職種です。クラウドエンジニアのスキルマップは、クラウドサービスの設計・構築・運用に関する技術が中心となります。主なスキル項目には以下のようなものがあります。
- クラウドプラットフォーム(AWS、Azure、Google Cloudなど)
- 仮想化技術
- コンテナ技術(Docker、Kubernetes)
- Infrastructure as Code(Terraform、CloudFormationなど)
- クラウドセキュリティ
- サーバーレスアーキテクチャ
また、場合によっては、オンプレミス環境とクラウド環境のハイブリッド構成に関する知識も重要です。
7. AIエンジニアのスキルマップ
AIエンジニアは人工知能システムの設計、開発、実装、運用を担当する職種です。AIエンジニアのスキルマップは、人工知能や機械学習に関する専門的な知識と技術が中心となります。主なスキル項目には以下のようなものがあります。
- プログラミング言語(Python、Rなど)
- 機械学習アルゴリズム
- ディープラーニング
- 自然言語処理
- コンピュータビジョン
- データ前処理・特徴量エンジニアリング
- モデルの評価と最適化
- AI倫理とバイアス対策
AIエンジニアは、技術的なスキルに加えて、統計学や数学の知識も重要です。また、AIプロジェクトの企画や要件定義を行うためのビジネス理解力も求められます。これらの要素をバランスよくスキルマップに反映させることが大切です。
AIエンジニアの詳細について知りたい方は、以下の記事も参考にしてください。
AIエンジニアになるには?仕事内容や将来性、必要なスキルを解説
【エンジニアから目指せる】上流工程のスキルマップ例
エンジニアからのキャリアアップを考える際、上流工程へのステップアップは有力な選択肢の一つです。上流工程を目指すために必要なスキルを理解できるよう、代表的な二つの職種としてプロジェクトマネージャーとITコンサルタントを例に、求められるスキルを紹介します。
これらの職種に共通してスキルマップに含める内容は、以下が挙げられます。
- プロジェクト計画立案・実行スキル
- 予算管理スキル
- スケジュール管理スキル
- リスク管理スキル
- 品質管理スキル
以下では、各職種に特化したスキルマップを見ていきましょう。
プロジェクトマネージャーのスキルマップ
プロジェクトマネージャー(PM)は、プロジェクト全体を統括し、成功に導く重要な役割を担います。PMのスキルマップには、技術的なスキルだけでなく、マネジメントスキルや対人スキルも含まれます。
主なスキル項目は以下の通りです。
- チームマネジメント
- ステークホルダーマネジメント
- 交渉力
- リーダーシップ
エンジニアからプロジェクトマネージャーを目指す場合、技術的なスキルはある程度持っていることが多いため、マネジメントスキルや対人スキルといったソフトスキルの向上に重点を置くことが重要です。
特に、チームマネジメントやステークホルダーマネジメント、コミュニケーションスキルは、エンジニア時代にはあまり経験しない場合が多いので、意識的に学習と実践を重ねる必要があります。
ITコンサルタントのスキルマップ
ITコンサルタントは、クライアントの業務課題をITの側面から解決する専門家です。技術的な知識はもちろん、ビジネスに関する幅広い知識と分析力が求められます。
ITコンサルタントのスキルマップには、以下のようなスキル項目が含まれます。
- IT技術への知識
- 業界知識(金融や製造、小売など)
- 提案書作成スキル
- クリティカルシンキング
エンジニアからITコンサルタントを目指す場合、技術的な知識を持ったうえで、ビジネス課題の解決にどう活かすかという視点が重要になります。
また、クライアントとのコミュニケーションや提案力も求められるため、プレゼンテーションスキルや提案書作成スキルの向上に力を入れることをおすすめします。
エンジニアがスキルマップを作成する際のポイント
エンジニアにとって、スキルマップの作成は自身のスキルレベルを明確化し、今後のキャリア形成に役立つ効果的な手段です。ここでは、エンジニアがスキルマップを作成する際の4つの重要なポイントを紹介します。
目指したいキャリアパスを明確にする
スキルマップを作成する際は、まず自身が目指すキャリアパスを明確にすることが大切です。これは、キャリアパスによって必要なスキルセットが異なるためです。
たとえば、システムエンジニアからWebエンジニアを目指す場合と、プロジェクトマネージャーを目指す場合では、習得すべきスキルの方向性が大きく異なります。
さらに、現在のスキルレベルと目標とするキャリアに必要なスキルを比較することで、自身に不足しているスキルを把握でき、なにを学んでいけば良いのかが明確になります。
スキル項目を具体的にする
スキルマップの効果を上げるには、スキル項目を具体的に設定することが重要です。抽象的な項目では、実際の能力把握や目標設定が難しくなります。
たとえば、プログラミング言語と一括りにするのではなく、JavaやPython、TypeScriptなど細かく分類することが大切です。
このように具体的なスキル項目を設定することで、現在の能力レベルの把握や、今後習得すべきスキルの明確化がしやすくなります。これにより、より効果的なスキルマップを作成し、計画的なスキルアップを図れるでしょう。
客観的に評価する
スキルマップの信頼性を高めるためには、各スキル項目を客観的に評価してもらうことが重要です。自己評価だけだと、客観的な視点で評価されたときとは異なる結果になることがあります。自己評価は、過大評価や過小評価に陥りやすいものです。
しかし、客観的な評価であれば、過去の行動や成果に基づき、より正確な評価が得られます。上司や同僚からのフィードバック、資格試験の結果、実務での成果などを総合的に考慮することが大切です。
これらの客観的な指標を素直に受け止め、スキルマップに反映させることで、より正確な自己分析が可能になり、キャリア開発に役立つツールとなるでしょう。
定期的に更新する
IT業界は技術の進歩が速く、求められるスキルセットも変化しているため、スキルマップは定期的に更新することが重要です。
更新時には、以下の点に注目しましょう。
- 各スキル項目の習熟度の変化
- 新たに習得したスキルの追加
- 優先度の見直し
- 自身のキャリアゴールの再確認と必要に応じた修正
スキルマップを定期的に更新することで、自身の成長を実感できるだけでなく、業界の最新動向にも柔軟に対応しやすくなります。
エンジニアのスキルマップを拡大する方法
エンジニアの中には学習意欲が高く、着実にステップアップしていきたいと考えている人もいるでしょう。ここでは、エンジニアのスキルマップを拡大するための効果的な方法を2つご紹介します。
書籍や資格制度を活用して学習する
エンジニアがスキルマップを拡大する方法として、書籍による学習と資格取得があります。どちらの方法でも、伸ばしたいスキルに合う内容を選ぶことが重要です。習得したいスキルをリストアップし、それを達成するために必要な知識を得られる書籍や資格を選びましょう。
書籍で技術系のスキルを学ぶ際は、最新の情報が掲載された書籍を選ぶことが重要です。読んだ内容は実践を通して知識の定着を図りましょう。
資格取得を目指す場合は、つい合格することが最終目標となってしまいがちです。しかし、本来は資格の取得を通して身につけたスキルを、仕事で活かすことが最終目標といえます。どのように実務に活かせるかを意識して学習に取り組むことを意識しましょう。
エンジニアのコミュニティで情報交換をする
エンジニアがスキルマップを拡大するには、コミュニティに参加し、参加者と情報交換するのもおすすめです。他のエンジニアと交流することで、最新の技術トレンドや業界の動向を把握したり、異なる視点からの意見を聞けたりして、自身のスキルマップを見直すきっかけとなります。また、人脈がつくれるため、スキル習得のモチベーションも維持しやすくなるでしょう。
コミュニティの種類はさまざまで、オンラインコミュニティや技術カンファレンス、ミートアップ、ハッカソン、コーディングコンテスト、技術ブログなどがあります。自分の興味・関心、スキルレベル、コミュニティの規模や雰囲気、目的、使用言語などを考慮し、自分に合ったコミュニティを選びましょう。
スキルマップの拡大につながる、エンジニア向けイベントについてより詳しく知りたい方は、以下の記事もご覧ください。
エンジニアのイベント・勉強会・セミナーを解説!探し方や参加前の準備
※本記事は2025年2月時点の情報を基に執筆しております。
最後に
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