ITアーキテクトの平均年収は?収入アップに役立つ資格やスキルは?

ITアーキテクトは、ITエンジニアの中でもシステム開発プロジェクトの根幹を設計・推進する職種で、年収も比較的高い傾向にあります。そんなITアーキテクトの年収について知りたいという方も多いのではないでしょうか?

そんな皆さんに向け、報酬の相場や収入アップが期待できる資格、スキルなどをご紹介します。

ITアーキテクトの今後の将来性や、おすすめのキャリアパスについても解説していますので、ぜひキャリアプランにお役立てください。

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■この記事の監修

植田 康太郎

IT系Webライター。データサイエンス、AI、機械学習、統計学関連の記事を中心にIT関連の記事を執筆。大学で数学や物理の勉強をしてきたことを活かして、専門的な内容でもわかりやすく記事にします。最近は、Pythonによる機械学習、深層学習モデルを利用したデータ分析を勉強。また、最近流行りのChatGPTやDALL-E3などの生成AIにも日々触れている。 【取得資格】基本情報技術者・統計検定2級・G検定・データサイエンティスト検定・ビジネス数学検定1級 (※プロフィール画像はCanva AIによって生成しました。)

目次

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ITアーキテクトとは

ITアーキテクトは、システム開発プロジェクトにおいて、システムの全体的な基盤の設計、システム構築の手順の共通化・標準化の設計を行う職種です。
経営・システム戦略的な観点からも、クライアントの必要とするシステムを設計し、システム開発プロジェクトを推進する職種です。詳細な定義はありませんが、一般的にITエンジニアを束ねて指揮する上級職といえます。

ITアーキテクトの役割

ITアーキテクトは、専門とする分野によって以下のように分かれており、アーキテクチャ全体の整合性をとることも重要な役割です。

システムアーキテクチャ

システム全体の設計に関わるアーキテクチャ設計および開発者を主導します。

アプリケーションアーキテクチャ

アプリケーションの設計に関わるアーキテクチャ設計、フレームワーク、共通化、システム標準の策定を行います。

インテグレーションアーキテクチャ

企業内外の複数のシステムにおける統合、連携に関する設計を行います。

インフラストラクチャアーキテクチャ

サーバー、ネットワークなどのプラットフォーム、およびセキュリティなどのインフラ領域の設計に関わります。
さらに、複数のベンダーが参加するようなプロジェクトではベンダー間の調整を行い、足並みがそろうように主導することも重要な仕事です。

ITアーキテクトの仕事内容が詳しく知りたい方は、こちらの記事をご覧ください。
ITアーキテクトとは|仕事内容・年収・必要なスキルや資格を解説

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ITアーキテクトの年収

ここではITアーキテクトの年収の参考として、2023年11月時点でのレバテックフリーランスでの公開案件を基にした月単価・年収例をご紹介します。

なお、ITエンジニアの年収事情を詳しく知りたいという方は「ITエンジニアの平均年収と給料事情」で解説しているので参考にしてみてください。

フリーランスITアーキテクトの年収相場

参照元 : ITアーキテクトの求人・案件一覧

平均年収(フリーランス) 1020万円
最高年収 1740万円
最低年収 660万円

なお、会社員とフリーランスとでは、社会保険料や税金の計算が異なる点や、会社員は月給の他に賞与もある点など収入の計算の仕方に違いがあるため、両者の金額を単純比較できないという点はご注意ください。

また、2017年に経済産業省より発表された「IT関連産業の給与等に関する実態調査結果」によると、職種別の平均年収では、高度SE/ITエンジニア(基盤設計担当・ITアーキテクト)の年収は約778万円となっています。

IT人材は不足しているといわれているうえ、DXに向けてより人材が必要とされている状況を鑑みると、会社員として働くITアーキテクトの年収としては妥当な数値と考えられるでしょう。

ITエンジニアの年収については、こちらの記事で詳しく解説しています。
ITエンジニアの平均年収と給料事情|年収1000万円を目指すには?

参考:IT関連産業の給与等に関する実態調査結果|経済産業省

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ITアーキテクトの仕事内容

ITアーキテクトの仕事は、大きな意味でのシステムの設計です。詳細な内容は先にお伝えした専門分野によって分かれます。

システムアーキテクチャは、システム全体のグランドデザインの設計、開発手順や設計書のフォーマットの作成など、開発者を主導することが重要な仕事です。

アプリケーションアーキテクチャは、アプリケーションの構造を最適化するため、フレームワークの策定、システム共通化、システム標準の策定などを行います。

インテグレーションアーキテクチャは、企業内の複数システムにおける整合性をとったり、連携させるためのインターフェースを策定したりすることが主な仕事です。他社システムと連携をとるために、インターフェースやファイル形式、データフォーマットなどをそろえ、全社的なシステム一体化を担います。

インフラストラクチャアーキテクチャは、サーバー、ネットワークなどのプラットフォームの設計、構築およびセキュリティ対策などを担当します。アプリケーションエンジニアと連携し、ミドルウェアや各種パラメータなどの必要な環境を整えることも仕事の一つです。

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ITアーキテクトと混同されやすい職種との違い

ITアーキテクトと混同されやすい職種もあるため、違いを確認しておきましょう。

ITコンサルタントとの違い

ITアーキテクトとITコンサルタントは、どちらもIT技術を駆使してクライアントのビジネス戦略の実現や課題の解決にあたる仕事です。しかし、ITアーキテクトはIT投資の局面で「戦略的情報化企画」が主な活動領域であるのに対し、ITコンサルタントの活動領域は「経営戦略策定及び戦略的情報化企画」であるという違いがあります。

つまり、ITアーキテクトはクライアントの経営戦略に基づいて課題を整理・分析しソリューション設計を行う職種であり、ITコンサルタントは経営戦略の策定そのものから携わっていく職種といえるでしょう。

ITコンサルタントとの仕事内容の違い

ITコンサルタントの主な目的は、あらゆるIT技術を用いて顧客の課題を解決に導くことです。基本的には、ITコンサルタントが担うフェーズは課題解決を目指したシステム開発の提案までで、これは、ITアーキテクトやSEの業務のさらに上流工程にあたります。
構築フェーズでもITコンサルタントが参加する場合がありますが、顧客側の視点に立って参画するのが特徴です。

ITアーキテクトとITコンサルタントの年収の違い

先述した「IT関連産業の給与等に関する実態調査結果」によると、「高度SE・ITエンジニア(基盤設計担当・ITアーキテクト)」の平均年収は778.2万円でした。一方で、ITコンサルタントの平均年収は928.5万円と、ITアーキテクトを含むデータより150万円ほど高い結果となっています。

参照 : IT関連産業の給与等に関する実態調査結果|経済産業省

プロジェクトマネージャーとの違い

プロジェクトマネージャーの仕事は、プロジェクト推進のための全体的な管理です。プロジェクトマネージャーもITアーキテクトも、システム開発プロジェクトを推進するという大きな目的は同じです。しかし、プロジェクトマネージャーは主にプロジェクトの全体最適を考える一方、ITアーキテクトはより専門的な分野に特化しているという違いがあります。

プロジェクトマネージャーとの仕事内容の違い

プロジェクトマネージャーは、ITシステム開発のプロジェクトにおいて責任者としての職務をこなすのが仕事です。

「職種の概要と達成度指標(5)プロジェクトマネジメント」によると、プロジェクトマネージャーはIT投資の局面で「戦略的情報化企画(課題整理、分析、ソリューション設計)」「開発(コンポネント設計、ソリューション構築)」「運用、保守(ソリューション運用、ソリューション保守)」を主な活動領域とする仕事内容と定義されています。
厚生労働省の「職業情報提供サイト(日本版O-NET)」では、「IT分野での開発を行うプロジェクトチームの責任者として、プロジェクト実行計画の作成、予算、要員、進捗の管理などを行う」仕事であると紹介されています。

このように、プロジェクトマネージャーは、ITアーキテクトよりもプロジェクトの運用に深く関わる機会が多い職種といえるでしょう。

参照 :
職種の概要と達成度指標(5)プロジェクトマネジメント|独立行政法人情報処理推進機構(IPA)
プロジェクトマネージャ(IT)|厚生労働省職業情報提供サイト(日本版O-NET)

ITアーキテクトとプロジェクトマネージャーの年収の違い

「IT関連産業の給与等に関する実態調査結果」によると、プロジェクトマネージャーの平均年収は891.5万円で、「高度SE・ITエンジニア(基盤設計担当・ITアーキテクト)」の平均年収である778.2万円よりも110万円以上高い水準です。

同調査の中では、「プロジェクトマネージャーやプロデューサーなどの管理系職種のほうが、ITアーキテクトなどの高度SEやIT技術スペシャリストよりも給与平均が高い」という分析結果が示されています。

詳しく知りたい方は「プロジェクトマネージャー(PM)の年収|役立つスキルや資格も解説」もチェックしてみてください。

参照:IT関連産業の給与等に関する実態調査結果|経済産業省

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ITアーキテクトに必要なスキル

ITアーキテクトに求められるのは、各分野における専門的な知識を持っていることや、経営レベルでシステムのあり方を考えられること、開発者同士やベンダーの間に入って円滑にプロジェクトを進めていくことなどです。これらを踏まえると、具体的に以下のようなスキルが求められます。

技術力

ITアーキテクトに必要な技術力は、単純に開発者が機能を開発するレベルではありません。システム全体の方針を決め、メンバーが効率的に開発できる構築手順を作成できるレベルが求められます。

標準化、共通化、開発手順作成、フレームワークの適用など、ITアーキテクトの仕事はシステムの開発全体に影響するため、広い見識と論理的思考に基づく技術力が必要とされるでしょう。

ビジネス視点

ITアーキテクトはシステムの開発や導入に関して、開発者目線とともに、経営者やシステム利用者の視点も持って取り組む必要があります。顧客のシステム戦略立案や企画といったフェーズから関わるため、ビジネスとして有用なシステムとなっているかどうかなども考えなければなりません。

コミュニケーションスキル

ITアーキテクトは、プロジェクトにおいて開発者を主導する立場にあります。システム開発のための手順を作り、開発者が効率的に仕事を行える仕組みを作るとともに、その仕組みを円滑に使えるよう開発者とコミュニケーションを取る必要があるでしょう。

また、顧客から技術的な問い合わせがあった際に、対応する窓口となるのもITアーキテクトです。どんな顧客でも理解できるよう、専門的な内容をかみ砕いて説明できる高度なコミュニケーションスキルが必要とされます。

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ITアーキテクトになるには

ITアーキテクトになるには、まずプログラマーやシステムエンジニア(SE)としてシステム開発に関わります。その後、要件定義や設計などシステム開発の上流工程にあたる仕事の経験を積んでからキャリアアップする、というキャリアパスをたどるのが一般的でしょう。
ITエンジニアとしての経験が浅い段階から、ITアーキテクトとして企業のビジネス戦略に関わるソリューションの枠組み策定、ソリューションアーキテクチャの設計などを行うことは難しいからです。

また、ITアーキテクトには幅広い知見が求められるため、実務経験を積むだけでなく、国家資格の「システムアーキテクト試験」にチャレンジするなど、自らスキルアップを図る努力も必要になるでしょう。

ITエンジニアのキャリアパスが知りたい方はこちらをご覧ください。
ITエンジニアのキャリアパス|向いている仕事内容は?キャリアプランの考え方

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ITアーキテクトの需要と将来性

ITアーキテクトは、今後も需要が見込まれる将来性のある職種です。

「IT人材白書2020」における調査では、「重要と考え育成していきたいIT人材」として「IT人材レベル想定4-5&職種(コンサルタント、プロジェクトマネージャー、ITアーキテクト、自社の事業企画など)」を挙げた企業は全体の40%以上にのぼり、従業員規模1,001名以上の企業に限れば62.5%を占めるという結果になりました。

今後さらにIT人材不足が進んでいくと予測され、DX推進の需要も高まっていることなどを考慮すると、ITアーキテクトのような高度なスキルを持ったIT人材の需要が現状より低下することは考えにくいでしょう。

DX関連の仕事には、DXエンジニアといった職種も存在しています。
DXエンジニアとは|DX人材に求められるスキルやおすすめの資格

参照:IT人材白書2020|独立行政法人情報処理推進機構(IPA)

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ITアーキテクトの年収アップに役立つ資格

ITアーキテクトとして活躍するには必要ないものの、年収アップを目指す際には取得しておくと役に立つ資格が存在します。ここでは、「システムアーキテクト試験」「ITストラテジスト試験」の2つについて解説します。どちらも独立行政法人情報処理推進機構(IPA)が試験を運営する国家資格です。

システムアーキテクト試験

システムアーキテクトは、システム開発の上流工程を主導する立場で、豊富な業務知識に基づいて的確な分析を行い、業務ニーズに適した情報システムのグランドデザインを設計し完成に導く、上級エンジニア向けの資格です。

資格名 システムアーキテクト試験(SA)
運営 IPA
(独立行政法人情報処理推進機構)
試験日 春季:4月第3日曜日
受験料 7,500円
合格基準 午前Ⅰ:100点満点中60点
午前Ⅱ:100点満点中60点
午後Ⅰ:100点満点中60点
午後Ⅱ:ランクA
受験資格 制限なし
公式サイト https://www.ipa.go.jp/shiken/kubun/sa.html

参考:システムアーキテクト試験(SA)~ 業務とITのグランドデザイナー ~|独立行政法人情報処理推進機構

システムアーキテクトの資格を取得することで、ITアーキテクトとして上流工程からシステム開発を主導するスキルを示せるでしょう。

ITストラテジスト試験

ITストラテジストは、経営戦略に基づいてIT戦略を策定し、ITを高度に活用した事業革新、業務改革、及び競争優位を獲得する製品・サービスの創出を企画・推進するCIOやCTO、ITコンサルタント向けの資格です。

資格名 ITストラテジスト試験(ST)
運営 IPA(独立行政法人情報処理推進機構)
試験日 春季:4月第3日曜日
受験料 7,500円
合格基準 午前Ⅰ:100点満点中60点
午前Ⅱ:100点満点中60点
午後Ⅰ:100点満点中60点
午後Ⅱ:ランクA
受験資格 制限なし
公式サイト https://www.ipa.go.jp/shiken/kubun/st.html

参照:ITストラテジスト試験(ST)~ 経営とITを結びつける戦略家 ~|独立行政法人情報処理推進機構(IPA)

ITストラテジストの資格を取得することで、ITを用いて顧客のビジネスを支援するIT戦略、企画におけるスキルを示せます。

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年収アップを目指せるキャリアパス

ITアーキテクトが年収アップに向けて目指しやすいキャリアは、「ITコンサルタント」「プロジェクトマネージャー」の2つです。これらは、ITアーキテクトとして磨いたスキルを有効に活用できる職種といえるでしょう。

ITコンサルタント

「ITコンサルタントとの違い」の項目で説明したように、ITコンサルタントの主な業務は、クライアントとなる企業に利益をもたらすIT分野のシステム導入や、業務改善の提案、支援を行うことです。ITコンサルタントは、システム全体の設計、ビジネス視点でのシステム戦略、企画など、ITアーキテクトとして磨いたスキルを活かせます。

プロジェクトマネージャー

こちらも繰り返しになりますが、プロジェクトマネージャーは、プロジェクト全体においてより高いQCD(Quality、Cost、Delivery)の実現及び利益を上げることを目的に、進行、管理、調整などを行います。プロジェクトの現場最高責任者として、大きな権限と責任を持つ職種です。システム全体の設計スキル、開発者やクライアントとスムーズな連携を果たすコミュニケーションスキルなど、ITアーキテクトとして培ったスキルを活かせます。

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ITアーキテクトの年収に関するよくある質問

ここでは、ITアーキテクトの年収に関するよくある質問と回答を集めました。

Q. ITアーキテクトの平均年収はいくらですか?

経済産業省発表のデータによると、ITアーキテクトのうち、2017年時点での会社員の平均年収は約778万円です。また、2023年11月時点でのレバテックフリーランス上のITアーキテクトの求人・案件に基づく平均月額単価は85万円です。この単価で12カ月稼働した場合、税金や保険料を差し引く前の年収は1020万円と算出できます。

Q. ITアーキテクトの年収アップに役立つ資格は?

ITアーキテクトが年収アップを狙うために保有しておきたい資格として、独立行政法人情報処理推進機構(IPA)が運営する「システムアーキテクト試験」「ITストラテジスト試験」があります。システムアーキテクトは、システムのグランドデザインを描く、上流工程におけるスキルを示せる資格です。また、ITストラテジストを保有していると、IT戦略、企画を推進するビジネスで活躍できるスキルをアピールできます。

Q. 年収アップを狙えるキャリアパスは?

ITアーキテクトとしてのスキルを活かし年収アップを狙えるキャリアパスの例として、「ITコンサルタント」と「プロジェクトマネージャー」が挙げられます。ITコンサルタントは、ITを用いたソリューションをクライアントに提案する仕事でITアーキテクトの上流工程を担当します。一方、プロジェクトマネージャーは、システム開発プロジェクトにおける全体の管理、推進を担い、システム開発の現場における責任者となるポジションです。

※本記事は2023年11月時点の情報を基に執筆しております。

最後に

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