フリーランス人口の割合は?増加理由や今後の展望・日本の状況を解説 | レバテックフリーランス
フリーランス人口の割合は?増加理由や今後の展望・日本の状況を解説
フリーランスの人口は、増える傾向にあるといわれています。ランサーズ株式会社によると、2019年から2021年にかけてフリーランスの割合は16.7%から22.8%に増えており、内閣官房によれば2020年のフリーランス人口は約462万人ともいわれています。
本記事では、日本のフリーランスの人口や増加理由を解説。今後フリーランスが活躍するのに必要な情報もピックアップするので、これからの独立やフリーランス継続を判断したい方はお役立てください。
そもそものフリーランスの働き方について知りたい方は以下の記事をご覧ください。
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今の日本のフリーランス人口
日本のフリーランス人口は462万人(本業214万人・副業248万人)と「フリーランス実態調査結果」で示されています。
ただし、フリーランスの定義はあいまいで、調査毎にフリーランスとする対象が違います。そこで、各調査がフリーランスとする対象と人口を見ていきましょう。
他の日本のフリーランス人口に関するデータ
以下に主な調査とフリーランス人口をまとめました。「どこまでフリーランスに含めるか」「どの区分で統計を取るか」でフリーランス人口が変わっています。
調査機関 | フリーランスとする対象 | 人口データ |
---|---|---|
内閣官房 | 自分で事業を営む/従業員を雇用していない/ 実店舗を持たない/農林漁業従事者ではない |
462万人 (本業214万人・副業248万人) |
内閣府 | 自分で事業を営む/従業員を雇用していない/ 実店舗を持たない/農林漁業従事者ではない |
341万人 (本業:178万~228万人・副業:112~163万人) |
中小企業庁 | 自分で事業を営む/従業員を雇用していない/ 実店舗を持たない/農林漁業従事者ではない |
472万人 (本業:324万人・副業:148万人) |
厚生労働省 | 自分で事業を営む/従業員を常時使わない/個人事業主で店主ではない/ 農家や漁業者でない/業務委託を受けている/取引先が事業者 |
367万人 |
ランサーズ | 副業系すきまワーカー/複業系パラレルワーカー/ 自由業系フリーワーカー/自営業系独立オーナー |
副業系すきまワーカー:439万人/複業系パラレルワーカー:373万人/ 自由業系フリーワーカー:308万人/自営業系独立オーナー:551万人 |
「新・フリーランス実態調査 2021-2022年版」によると、フリーランス人口は増加傾向にあります。2015年と2021年を比べると人口は640万人、経済規模は9.2兆円増加しました。
日本のフリーランスの割合
日本の就業者全体のフリーランス割合を示したデータも資料により異なります。
「政策課題分析シリーズ17」では、フリーランスの割合を就業者全体の5%程度としています。5%のうち3%が「本業フリーランス」、2%が「副業フリーランス」とされています。
他方、2019年版の「小規模企業白書」は、日本のフリーランスの割合を全就業者の約7%としています。ランサーズの定義・調査では22.8%(2021年度合)でした。
引用元:新・フリーランス実態調査 2021-2022年版|ランサーズ株式会社
20代フリーランスエンジニアの割合は?
レバテックフリーランスの調査によると、10代~20代の登録割合は全体の約40%でした。同調査では、2019年~2020年の新規登録者データを参照しています。
フリーランスの年代が若年化したのは、学校でプログラミングを学んだ世代が市場に参入してきたからだと考えられます。時間的効率を重視する若手には、リソースに対する報酬がはっきりしているフリーランスを魅力的だと思う人も多いようです。
40代でもフリーランスはできる?と気になる方は、こちらの記事で年齢について解説しているので読んでみてください。
フリーランスは40代から目指せる?知っておくべきポイントやおすすめの職種・平均年収も紹介
日本のフリーランスが増加傾向にある理由
フリーランスが増加している理由はDXやIT人材不足、労働環境の変化などさまざまです。多様な働き方の浸透に伴い、フリーランスが働く環境が整ってきたのも理由だと考えられます。
具体的なフリーランスの増加理由を5つ知り、自分の身のふり方を考える材料にしてください。
DX(デジタルトランスフォーメーション)
DX(デジタルトランスフォーメーション)はフリーランス増加の一因です。DXとは、企業がデジタル技術で、業務効率化や新しい事業を生み出すことです。
DXが進むと、企業全体の業務量や残業時間が減ります。また、DXでテレワークする人が増えると、通勤時間も少なくなります。空いた時間で副業を始め、フリーランスになった人は多いでしょう。
IT人材の不足
IT人材の不足もフリーランスが増えた理由の一つです。人材不足の企業がIT業務の一部を外部に委託するケースが多くなっているため、フリーランスが必要とされるようになりました。
2030年には最大約79万人のIT人材が不足すると「IT人材需給に関する調査」は試算しています。今後も企業の需要に応じ、IT系のフリーランスは増加するでしょう。
労働環境の変化
労働環境が以前と変わりつつあるのもフリーランスの増加の理由です。たとえば、「働き方改革」の推進で企業の副業解禁が進んでいます。やりたい仕事に気軽に挑戦できるようになり、フリーで活動する人たちが増えました。
なお、一口にフリーランスといっても、個人事業のみで生計を立てる人もいれば、組織で働きつつ副業で案件を受注する人もいます。副業フリーランスの増加もフリーランス人口増加につながっていると考えられます。
フリーランス向けのクラウドソーシング・エージェントの普及
フリーランス向けのクラウドソーシングやエージェントの普及も増加の背景になっています。クラウドソーシングはオンラインで受発注ができるサービス全般を指します。エージェントは、営業や交渉を代行して案件を提案するサービスです。
こうしたサービスで、以前と比べるとフリーランス案件を獲得しやすくなりました。会社員からフリーランスへ転向しやすい環境が整いつつあるといえます。
フリーランス向け作業スペースの充実
働き方の多様化で、フリーランスが使いやすい作業スペースも充実しています。違う職業の人たちが共同で利用するオフィス「コワーキングスペース」が代表例です。
便利な作業スペースがフリーランスとして働くハードルを下げています。ノマドワーカーやリモートワーカーも増えているため、コワーキングスペースは今後さらに増加するでしょう。
政府の動きやアメリカとの比較ではフリーランスはまだ増えそう
今後もフリーランスは増加すると予想されます。日本政府は雇用の流動性を高め、個々の能力を最大限発揮させようとしているという背景があるからです。具体的な理由を2つ見ていきましょう。
政府は雇用の流動性を高めようとしている
日本政府は雇用の流動性を高めようとしています。つまり、転職や独立を通して生産性の高い分野に労働力を移動させ、国全体の生産性を上げる政策が行われている傾向があります。
フリーランスをはじめ「雇用関係によらない働き方」で、個々の能力を最大限に引き出す必要性も議論されています。フリーランス保護新法の成立もあり、人口は今後さらに増える可能性があるでしょう。
フリーランスの取引に関する 新しい法律が11⽉にスタート!|中小企業庁
日本とアメリカのフリーランス比較
日本とアメリカを比較すると、アメリカの方がフリーランスとして働く人は多いです。「雇用関係によらない働き方に関する研究会報告書」によると、アメリカのフリーランス人口は約5,500万人。全体の約35%です。
「政策課題分析シリ-ズ17」だとアメリカの本業フリーランス人口は1,061万人程度で、全就業者の約6.9%とされます。日本の本業フリーランスはアメリカの4割程度となります。
日本はアメリカと比べると、まだ雇用される働き方が主流です。ただ、日本政府は労働力移動を推進しており、データ上もフリーランスは増加傾向にあります。国内のフリーランス人口は今後さらに増えると考えられるでしょう。
アメリカのフリーランス事情について詳しく知りたい方は、以下の記事をご覧ください。
【2023】アメリカのフリーランス人口や稼げる職種|海外事情や税金も
これからフリーランスになる・続けるかを決めるための情報
フリーランスになりたい(続けたい)人が知っておくべき情報を紹介します。具体的には、スキルの差別化やフリーランスの適性などです。市場価値を客観的に判断してくれる存在も必要になるなど、考慮すべき点は多くあります。
今後はスキルの差別化・高度化が求められる
今後はスキルの差別化と高度化が求められるでしょう。フリーランス人口が増えるにつれて、買い手市場になっていくからです。
エンジニアの場合、従来型IT人材の需要は頭打ちになるとされます。従来型IT人材とは、これまでと同様のシステム開発や運用・保守に従事する人です。代わって、AIやIoTなど先端分野に長けた高度IT人材の需要が高まるといわれます。
スキルの掛け合わせで能力を差別化・高度化しないと、高単価案件を獲得するのは難しくなりそうです。
あらためてフリーランスに向いているかの分析が必要
フリーランスの向き・不向きを改めて分析するのも大切です。好きな仕事をしたい熱意だけでは、廃業リスクは増します。実際、「税務処理が大変だった」「経営スキルが欠けていた」などの理由で廃業する人もいます。
以下にフリーランスに向いている人・向いていない人の特徴をまとめたので、参考にしてください。
向いている人 | 向いていない人 |
---|---|
自己管理に長けている | 自分を律するのが難しい |
特定の分野の実務経験があり、スキルが身についている | 社会人経験が少なく、得意分野がない |
契約内容や納期を厳守する | 約束を守る意識が希薄 |
コミュニケーションが得意・苦にならない | 人とのやりとりが苦手 |
常に向上心を持ってスキルアップに取り組める | できれば楽をしたい/ 独立すれば会社勤めより楽だと思っている |
業界動向や市場の情報を収集できる人脈が重要
客観的な自分の市場価値を評価したり、業界の動向キャッチしたりできる存在があるかどうかも、今後のフリーランスにとっては大事なポイントになります。
フリーランスの平均年収や案件数は、職種や保有スキル、地域などで異なり、市場の環境も変化が早くなっています。その状況で、スキルや実力にそぐわない単価で仕事受けてしまうケースは少なくありません。そのため、同業者や親しいクライアントなど、業界の動向に詳しく、自分を客観的に評価してくれる人脈があると安心です。
もし、周囲にそうした人がいない場合は、フリーランスエージェントを利用しましょう。
レバテックフリーランスでは、豊富な業界情報を持つアドバイザーがフリーランスの案件参画をサポートしています。市場価値を知りたい人向けの無料相談会を実施しているのもポイント。ご利用は無料ですので、ぜひお気軽にご相談ください。
日本のフリーランスに関するよくある質問
日本のフリーランスに関するよくある質問をまとめました。フリーランスの総人口、正社員から個人事業主になる理由などについて回答しています。国内で独立して働く人たちの状況について理解を深めてください。
Q. フリーランスの総人口は?
ランサーズ株式会社によると、フリーランスの総人口は約1,577万人(2021年時点)です。前回(2020年)の調査では1,062万人だったため、増加しています。今後も労働環境の変化などで、フリーランスの総人口はさらに増えると考えられます。
Q. 日本人フリーランスの割合は?
ランサーズ株式会社によると、日本人フリーランスの割合は全労働者の約22.8%です。アメリカは36%であり、日本のフリーランスの割合はまだ増加すると思われます。
Q. 正社員なのに個人事業主になるのはなぜ?
正社員が副業で20万円以上を稼いだ場合、税制上のメリットが発生するため、個人事業主になる人もいます。必ずしも個人事業主になる必要はなく、副業収入が年間20万円以下なら確定申告も不要です。個人事業主になるには税務署に開業届を提出します。
※本記事は2024年9月時点の情報を基に執筆しております。
最後に
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※相場算出に個人情報の取得はおこないません。
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