データサイエンティストに必須の3つのスキルとは?役立つ資格も解説 | レバテックフリーランス
データサイエンティストに必須の3つのスキルとは?役立つ資格も解説
データサイエンティストとは、統計学や情報工学などの手法を用いてデータを整理・分析し、ビジネスの課題解決を行う仕事です。統計学と数学を応用したデータ分析をはじめとしたスキルと、コミュニケーションスキルや批判的思考力などの非技術的スキルが必要とされます。
本記事ではデータサイエンティストに求められるスキルや役立つ資格などを解説します。年収の目安や、未経験から目指せる可能性などについてもお伝えしますので、ぜひ参考にしてください。
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目次
データサイエンティストとは?
データサイエンティストとは、統計学や情報工学などの手法を用いて膨大なデータを整理・分析し、ビジネスの課題解決に必要な解釈を導き出す仕事です。
企業の経営戦略の実行や課題解決のためにさまざまなデータを収集しても、ただ集めただけでは活用できません。適切に情報整理を行い、解釈を加えることが求められます。
そのため、データ分析の専門家であるデータサイエンティストは企業の競争力に大きな影響を及ぼす存在であり、その需要はますます高まっているといえるでしょう。
以下の記事ではデータサイエンティストについてまとめていますので、ご覧ください。
データサイエンティストとは?仕事内容や必要な資格・スキルを紹介
データサイエンティストに求められる3つのスキル
一般社団法人「データサイエンティスト協会」は、データサイエンティストに求められる3つのスキルを以下のように定義しています。
- データサイエンススキル
- データエンジニアリングスキル
- ビジネススキル
それぞれのスキルについて解説します。
データサイエンススキル
データサイエンススキルとは、情報処理や統計学、人工知能などの知見によってデータ分析を行うスキルのことです。「予測」「グルーピング」「機械学習」「大量データの可視化」「言語処理」などの、応用的なデータサイエンス関連のスキルを活用し、データ分析を行うことを指します。
データエンジニアリングスキル
データエンジニアリングスキルとは、データを分析できるように基盤を整えるスキルのことです。
データ分析をするためには、数値や値の定義が整理されていない状況を整備していく作業が必要になり、これらのスキルが必要になります。
ビジネススキル
ビジネススキルとは、課題背景を理解した上でビジネス課題を整理し、解決に導くスキルのことです。解決するべき問題の見極めや構造化をした上で、分析・解析アプローチの設計・実行・深掘りを行います。
分析結果から本質的な意味を見出す洞察力のほか、プロジェクトとして検討した結果を取りまとめ、現場への説明や実装を行える力も必要です。
参考:
Data of Data Scientist シリーズ vol.17『5.9%-3つのスキルを棟梁以上のレベルで兼ね備えている人の割合』|一般社団法人データサイエンティスト協会
スキルチェックテスト|一般社団法人データサイエンティスト協会
データサイエンティストに必要な5つの技術的スキル
データサイエンティストに求められるスキルのうち、技術的スキルは以下のとおりです。
- 分析のためにデータの準備を行うスキル
- 分析プラットフォームを活用するスキル
- コードを書くスキル
- 統計学と数学を応用するスキル
- 機械学習とAIを活用するスキル
それぞれのスキルについて解説します。
分析のためにデータの準備を行うスキル
データ分析の準備を行うスキルは、データサイエンティストに欠かせないスキルの1つです。データ準備には、大量の構造化データや非構造データの分析のほか、データディスカバリや変換などの作業が含まれます。
データディスカバリとはパターンや外れ値を見つけ出すために、さまざまなソースからデータ収集および評価を行うプロセスのことです。
分析プラットフォームを活用するスキル
データサイエンティストには、分析プラットフォームを活用するスキルも求められます。分析プラットフォームとは、企業が大量に蓄積しているデータから必要な情報を集約・分析し、自分でレポートを作成できるツールのことです。
分析プラットフォームを使えば、より効率的にデータ分析が行えるほか、データ管理を1つのプラットフォームにまとめられます。
コードを書くスキル
データサイエンティストに求められるスキルとして、コードを書くスキルも挙げられます。コードが書ければ、データの分析や処理、視覚化を行うプログラムを組むことも可能です。
データサイエンスに使用されるプログラミング言語は、R言語やPythonが主流です。R言語は統計解析に特化したプログラミング言語、Pythonはいわゆる汎用言語で、機械学習・AIの分野で注目を集めています。
Pythonは汎用性が高くデータ分析以外でも幅広く使用されるため、初学者はまずPythonの習得をおすすめします。
統計学と数学を応用するスキル
データサイエンスでは、統計学や数学も重要な役割を担うため、これらを応用するスキルも欠かせません。統計モデルや数理モデルによってデータの分析を行い、パターンや関係性を見出します。
また、必要な情報のみを抽出する際にも、統計的思考が役立ちます。統計学の深い知識がないと、データそのものの価値を判断できないでしょう。
さらに、状況に応じて新しい解決策を考案する必要があり、その場合は既存の分析テクニックやツールを組み合わせる、あるいは変更するなどして行うことも少なくありません。そのような場合も、アルゴリズムや前提の理解が必須です。
機械学習とAIを活用するスキル
機械学習とAIを活用するスキルも、データサイエンティストに必要なスキルの1つです。機械学習や AIを活用するとデータサイエンティストの価値が高まり、仕事の質の向上と時間の短縮を実現します。
AIはビッグデータからパターンを抽出したり分類したりすることを得意とするため、データサイエンティストの仕事を奪うという見方もあります。
しかし、多くの組織においては、これらがデータサイエンティストの仕事を奪う可能性は低いといえます。その理由はAIは過去のデータからパターンや傾向を類推することには長けていますが、企業の課題解決のために現場に出向いてヒアリングを行ったり、データに左右されない仮説を立てたりすることはできないためです。
今後はAI技術の発展とともに、AIの特性を把握しAIを使いこなせるデータサイエンティストの需要が、さらに高まっていくと考えられます。
データサイエンティストに必要な3つの非技術的スキル
データサイエンティストに求められる非技術的スキルは、主に以下の3つです。
- コミュニケーションスキル
- 批判的思考力
- 問題解決スキル
技術的スキルが高いデータサイエンティストであっても、高いパフォーマンスを出すためにはこれらの非技術的スキルが必要不可欠といえるでしょう。各スキルについて解説します。
コミュニケーションスキル
データサイエンティストに求められる非技術的スキルとして、コミュニケーションスキルが挙げられます。
データサイエンティストは、データ分析の専門知識がない人にもわかりやすく、データ分析の必要性や分析結果を説明しなければなりません。また、データに意味を持たせてプレゼンテーションを行う能力も必要です。伝えるスキルだけではなく、現場の課題をくみ取る理解力も求められます。
このようにデータサイエンティストには、経営陣や他部門とスムーズに意思疎通を図るためのコミュニケーションスキルが必要です。
批判的思考力
批判的思考はクリティカルシンキングとも呼ばれる、情報を多角的に分析し、論理的に思考して判断を下す能力のことです。データサイエンティストは膨大な量のデータから、問題点や解決策を導かなくてはなりません。そのため、あらゆる角度から物事を考えられる、客観的かつ批判的な思考が求められます。
たとえば、データを分析してビジネス戦略を提案する際に、そのデータの仮定や正確性を疑うことなく使用してしまうと、誤った結果を導き出す可能性があります。しかし、批判的な視点を持てば、思い込みや誤情報によって意志決定をしてしまうリスクを排除し、合理的な判断を下すことが可能です。
問題解決スキル
問題解決スキルも、データサイエンティストに必須とされるスキルです。問題解決スキルとは、複雑な課題を解決するためのアプローチを検討し、実行するスキルのことです。
データサイエンティストの業務は、簡単に説明すると「データ分析を行い問題を解決すること」であるため、問題解決スキルはデータ分析のスキルと同様に根幹のスキルといえるでしょう。
【正社員・フリーランス】データサイエンティストの年収の目安
正社員の場合、データサイエンティストの年収は300万円台からスタートすることが多く、平均は500万円程度です。しかし、大手企業やメガベンチャーなどでは、スキルや経験によって1,000万円以上の年収を提示している場合もあり、専門的なスキルが高いほど高年収が期待できる職種といえます。
フリーランスの場合、稼働日数などに左右されるものの、1ヵ月あたりの単価の相場は60万〜90万円程度です。年収に換算すると1,000万円程度となり、会社員よりも高い傾向にあることがわかります。
以下の記事ではデータサイエンティストの年収についてまとめていますので、ご覧ください。
データサイエンティストの平均年収|転職後に見込める給料の相場は?
未経験からデータサイエンティストを目指すことは可能?
結論からいうと、未経験であってもIT業界や分析系職種でスキルや経験を積んできた人であれば、データサイエンティストを目指すことは可能です。たとえば、以下のようなスキルや経験があると採用に有利になると考えられます。
- SQLのスキル
- プログラミングスキル
- BI(ビジネスインテリジェンス)ツールの操作スキル
- 理学系修士卒以上
- マーケティング経験
SQLはデータベースを操作するための言語であり、BIは企業が蓄積するデータを集約・可視化し分析するツールで、データにもとづく意志決定や課題解決を支援するために使用されます。
また、未経験での採用で歓迎されるスキルや経験として求められることが多いのは以下のとおりです。
- IT業界で働いた経験
- 数学・統計学の知識
- AWSやGCPなどのクラウドサービスを使用した開発の経験
- 機械学習・ディープラーニングモデル作成スキル
このように歓迎されるスキルや経験は、ややハードルが高いものが多い印象です。
以下の記事では未経験からデータサイエンティストになる方法についてまとめていますので、ご覧ください。
未経験からデータサイエンティストになるには|求人内容や役立つ勉強について解説
データサイエンティストを目指す3つのステップ
データサイエンティストを目指す場合、以下のようなステップを踏んでいくことが一般的です。
- データ分析の基礎知識を身につける
- データセットを使い分析経験を積む
- 分析実務に必要な技術を獲得する
ステップごとに行うことを解説します。
1.データ分析の基礎知識を身につける
はじめに、データ分析の実施に必要な基礎知識を身につけます。この段階で行うことは以下のとおりです。
- プログラミング言語(Python)の基礎を学ぶ
- 統計を学ぶ
- 情報工学の基礎知識を習得する
データ分析のためのPythonの学習ではまず基本的な文法を学び、次にデータ分析に使うライブラリをインポートし、基礎的なデータ処理が実行できるところまで学習しましょう。
分析手法の違いやアルゴリズムの理解のための統計学の学習については、独学が難しい場合は教材やスクールの利用も視野に入れるとよいでしょう。先のことを見据えて、統計検定2級レベルの知識を身につけておくのが理想的です。
さらに機械学習やデータベース、SQLなどの概要を学び、情報工学の基礎知識を身につけておくことをおすすめします。
またスクールについて以下でまとめているので、ぜひ参考にしてみてください。
プログラミングを学習したい方におすすめのプログラミングスクール
2.データセットを使い分析経験を積む
基礎知識をある程度習得できたら、収集済みの公開データセットを使って実際に分析に挑戦してみましょう。各種スクールの教材などで公開されているデータを使用します。
そのほか実際にデータ処理を行いPythonの使用に慣れる、機械学習モデルと統計モデルの学習を行う、大規模データ処理の基本スキルを習得することなどが、この段階で行っておくべき内容です。
3.分析実務に必要な技術を獲得する
収集・公開済みのデータセットで分析処理をある程度こなせるようになったら、より実務に近いスキルの習得に励みます。
分析基盤構築の学習や、データビジュアライゼーション技術の習得などを進めましょう。データビジュアライゼーションとは、理解や分析を容易にするために情報やデータを視覚的に表現する技術のことです。
元になるデータを業務システムやWeb上などから収集できる環境を構築し、運用する手法についても、学習しておくとよいでしょう。
以下の記事では未経験からデータ分析の仕事内容などについてまとめていますので、ご覧ください。
データ分析の仕事とは?スキルや将来性・年収なども解説
データサイエンティストに役立つ資格5選
データサイエンティストの業務に役立つ資格は、主に以下のとおりです。
- 基本情報技術者・応用情報技術者
- 統計士・データ解析士
- データスペシャリスト
- Python 3 エンジニア
- オラクルマスター
1つずつ解説します。
基本情報技術者・応用情報技術者
独立行政法人情報処理推進機構(IPA)が実施する国家試験「情報処理技術者試験」は、4つのレベルからなり難易度別に受験ができます。そのうちITに関する基礎知識を体系的に問われるのが、「基本情報技術者試験」です。
IT業界未経験の方が、土台となる基礎を身につけるための試験としておすすめです。試験内容は「情報基礎理論」「開発技術」「プロジェクトマネジメント」「SQL」「プログラミング」など、ITの領域を幅広く網羅しています。データサイエンティストに限らず、ITエンジニアであればまず取得しておきたい資格といえるでしょう。
「応用情報技術者試験」は、より実践的な情報技術の応用能力やシステムの設計、開発、運用などに関する知識が求められる試験です。基本情報技術者試験よりも一段階難しく、実務経験や関連する技術に関しての理解が求められます。
統計士・データ解析士
「統計士」は一般財団法人実務教育研究所が実施する通信教育講座を受講後、試験に合格すると得られる資格です。
資格によって、統計やデータ解析の基本的な知識と技術を証明できます。文部科学省認定資格でもあることから、データサイエンティストを目指す方に人気があります。
資格取得のための勉強を通じて、データ分析に用いられるさまざまな統計学的手法などを学ぶことが可能です。必要な受験資格はないため、基礎知識を身につけたい未経験者も挑戦しやすい資格といえるでしょう。
「データ解析士」は、一般社団法人実務教育研究所の通信講座である、「多変量解析実務講座」を修了し、認定試験に合格した場合に交付される資格です。
データスペシャリスト
国家資格である「データスペシャリスト」は、情報分析やプロジェクト管理などの知識の証明になります。資格を取得するには、独立行政法人情報処理推進機構(IPA)が実施するデータスペシャリスト試験に合格する必要があります。
応用情報技術者試験よりも難易度が高く、ソフトウェアやツールの知識を求められるため、計画的な準備が必要です。より効率的にデータベース管理や分析業務を行いたい方におすすめです。
python3 エンジニア
「Python 3 エンジニア」は、一般社団法人Pythonエンジニア育成推進協会が認定する資格です。試験は、文法の基礎が問われる「Python 3 エンジニア認定基礎試験」と、Pythonを使ったデータ分析の基礎や方法が主に問われる「Python 3 エンジニア認定データ分析試験」の2つがあります。
「Python」は、データサイエンティストの業務にも深く関わりのあるプログラミング言語です。データ処理や分析、機械学習の作業などにおける使用頻度が高いことが特徴です。
「Python3 エンジニア認定データ分析試験」では基礎に加えて、データ分析に必要な数学の基礎知識やライブラリによる分析の実践方法など、Pythonを使ってデータ分析を行うためのスキルが問われます。
以下の記事ではPythonを効率よく勉強するコツについてまとめていますので、ご覧ください。
初心者がPythonを効率よく勉強するコツは?本やサイト、ロードマップ
オラクルマスター
「オラクルマスター」は、日本オラクル社が実施・認定している資格です。取得すると、オラクルデータベースを扱うための知識を持っていることを証明できます。オラクル社のデータベース製品であるOracle Databaseは、データベース製品の中でも世界的に高いシェアを誇っています。そのため、Oracle Databaseを使いこなす技術は役に立つ場面が多いでしょう。
オラクルマスターの資格試験の勉強を通じて、データベースの構築運用や管理、SQLによるデータ抽出といった知識が身につきます。2020年1月以降の試験から新資格体系が導入されたことで、これまで以上に時代に即した出題範囲・試験内容に更新されました。
難易度は4段階で、「Bronze」「Silver」「Gold」「Platinum」の順に難しくなります。とくに、データベースの基礎知識を求められるBronzeや、データベースの日常的な運用管理の知識が必要なSilverは、データサイエンティストの仕事に関連する内容といえるでしょう。
データサイエンティストのスキルに関するよくある質問
ここでは、データサイエンティストのスキルに関するよくある質問に答えていきます。
Q. データサイエンティストに向いている人にはどんな特徴がありますか?
データサイエンティストに向いている人には、論理的思考力がある、数学や統計に興味がある、プログラミングが得意、問題解決能力があること等の特徴があります。
Q. データサイエンティストにはどのようなキャリアパスがありますか?
データサイエンティストには機械学習エンジニア、フルスタックエンジニア、マーケティング領域に強いデータサイエンティスト、データに強みを持った経営コンサルタント等のキャリアパスがあります。
Q. データサイエンティストの平均年収は地域によって違いがありますか?
データサイエンティストの平均年収は地域によって違います。例えば、関東の平均年収は約692万円ですが、近畿では約666万円と差があります。
Q. データサイエンスの担当者として、どのようなビジネススキルが必要ですか?
データサイエンスの担当者はビジネスやマーケティングの知識、プレゼンテーションスキル、プロジェクト管理能力等のビジネススキルが必要です。
Q. データサイエンティストがデータ分析で求められる課題発見能力は、具体的にどのようなものですか?
課題発見能力とは、現状を分析し目的や課題を明らかにする力です。具体例として、成果の実現のために成すべきことを把握できる、現状を正しく認識するための情報収集や分析ができる等が挙げられます。
※本記事は2024年2月時点の情報を基に執筆しております。
最後に
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