ヘルプデスクの将来性を解説!今後の需要や年収・キャリアパスは? | レバテックフリーランス
ヘルプデスクの将来性を解説!今後の需要や年収・キャリアパスは?
IT関係の仕事に就きたいけれど、経験が少なく、知識や技術力にあまり自信がない。そんな人におすすめとされるヘルプデスクの仕事ですが、将来性はあるのでしょうか。いずれAIに代替されるともいわれるヘルプデスクは、現状としては常に需要があり、努力次第でITエンジニアへのキャリアアップの道にもつながりやすい仕事です。IT業界への登竜門として、未経験からでも比較的転職しやすい職種となっています。
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ヘルプデスクは将来性がない?
未経験者可、といったキーワードで人材を募集していることが多いヘルプデスクは、あまりITの知識がなくてもIT業界に携わることができる、IT系の職種の中では比較的転職のハードルが低い仕事といえるでしょう。要求される技術力はそれほど高くないケースが多く、マニュアルが整備されている場合はその通りに対応すればよいことが大半で、難しい質問は上司やSEにエスカレーションしたり、引き継いだりすることで完了します。
そのため、自身のキャリアアップにはつながらないように考えられがちです。派遣社員やアルバイトなどの短期的な働き方や、若い世代をターゲットとしているように見える求人が多く、「ヘルプデスクのプロ」というような言葉を聞くことはあまりないため、ヘルプデスクは「将来性がないのでは?」と懸念されることがあります。
しかし、急速な進化を続け、新しい技術やソリューションが生まれ続けるIT業界では、人材不足が深刻です。ヘルプデスクとしてスタートし、サーバー、ネットワークエンジニアや、いわゆるSEやプログラマーとしてキャリアアップするパターンも珍しくありません。
そしてITサービスが広範囲に浸透している現在では、ヘルプデスクは常に一定の需要があり、求人が尽きることのない職種といえます。
「ヘルプデスクはやめとけ」といわれる理由
検索エンジンでヘルプデスクと入力すると、「やめとけ」「きつい」などのサジェストが表示されるのを経験したことがあるかもしれません。ヘルプデスクの仕事は将来性への懸念などから、インターネット上でネガティブに形容されることがあります。
「きつい」といわれる理由は、クレーム対応に直面する場面があり、会社を代表してお詫びをしなければならないようなイメージがあるからでしょう。ヘルプデスクに問い合わせをするときには、何かトラブルが発生していたり、要求通りに動作しなかったりと、穏やかな気分ではない人が一定数います。そのような状況でも仕事として対処しなければならないことにストレスを感じる人には、ヘルプデスクの仕事はきついと感じるかもしれません。
また、毎回のように同じ内容の問い合わせを受け、マニュアル通りに同じ回答をすることに、やりがいのなさを感じる人もいるでしょう。ITの専門知識よりコミュニケーション能力が求められる側面もあり、労力に見合った収入が得られないと不満を抱く人もいて、そのような場合、「やめとけ」「きつい」などの表現につながってしまうようです。
逆に、人とのコミュニケーションが得意で、困っている人の問題を解決し感謝されることに喜びを感じることができるようであれば、ヘルプデスクに向いているといえるでしょう。
ヘルプデスクの仕事はAIに代替される?
マニュアル通り、決まった質問に対して決まった回答ができるようなパターンでは、人ではなくAIによる自動応答を適用することができます。回答までの時間が短縮でき人員も削減できるため、チャットボットなどのAIを搭載した企業のWebサイトも増えてきています。総務省の業務効率化の現状に関する調査によれば、これからの労働人口減少に対しさまざまな企業で業務の自動化、現状分析などを目的としてAIの導入が進み、成果も出てきています。
※参考 : 総務省|平成30年版 情報通信白書|業務効率化の現状
AIの普及が雇用に与える影響についての調査では、今後5年以内に減る見込みの仕事として、一般事務や対人サービスなど、特別な知識やスキルを必要としない職業が上位を占めています。ヘルプデスクの一次受けもこれに該当し、チャットボットなどのAIによって代替される可能性があり、将来に不安を感じている人もいるでしょう。
ただし、一次受けで対応しきれずエスカレーションした先の「二次受け」以降、つまりマニュアル通りには対応できないレベルになると、知識や経験が豊富な人による対応が必要となり、この部分がすぐにAIに代替されることはないと考えられます。
※参考 : 総務省|令和元年版 情報通信白書|AIの利用が経済や雇用に与える影響
ヘルプデスクはスキルアップしづらい?
ヘルプデスクの仕事はマニュアル通りに対応すればよいケースがあり、スキルアップしづらいといわれる場合があります。実際に大手のコールセンターなどでは、一次受けとして依頼内容を聞き、マニュアルに記載があればそのまま回答し、そうでない場合は二次受けへ依頼するというフローが確立されている場合があります。
ただし、すべてのヘルプデスクの仕事にそれが当てはまるわけではありません。例えば社内ヘルプデスクの場合は、最初は単純な質問に答えるだけのルーティンワークであっても、知識やコミュニケーション能力が認められ、他のIT部門やマネジメント業務へ移行していくケースもあります。ヘルプデスク業務をすることで、社内のシステムやネットワークに詳しくなっていきます。資格を取得したり独自に勉強をしたりしていくことで、能力が認められ、社内に不足しがちなITエンジニアへの昇格を推薦されることもあります。
また、ITの仕事に経験値があるということになり、SEなどの求人に応募し転職できる可能性も高くなるでしょう。ITの仕事に興味はあるが、IT系の学歴や経験がなく転職できそうにないと思っている人は、IT業界への足がかりとして、まずヘルプデスクの仕事を検討してみるのもひとつの方法といえます。
ヘルプデスクは正社員の求人が少ない?
ヘルプデスクは他のITエンジニアの職種と比較して、正社員の求人が少なく、派遣社員やアルバイト・パートの求人も多いといわれることがあります。実際、最初から専門的な知識やスキルがなくても始められることから、そうなる傾向はあるかもしれません。
ただし、正社員の求人も一定数あります。正社員を募集している場合、本人の能力によっては幅広く他の業務でも活躍してほしいという意向があるケースもあり、自分次第でステップアップしていくことも可能になるでしょう。どのような仕事にも共通することですが、入社した後が重要です。初めから「ヘルプデスクではやりがいがない」と考えるより、まず働いてみることで、目標とするキャリアへの近道となる場合もあります。
ヘルプデスクは年収が低い?
ヘルプデスクの仕事は年収が低いと思っている人も多いかもしれません。経済産業省のIT関連産業の給与に関する調査によれば、インターネット関連企業の顧客サポート・ヘルプデスクの平均年収は約390万円と、他のIT系職種よりも低くなっています。SE・プログラマーが600万円前後であるのと比較しても、収入が十分でないと感じるかもしれません。
※参考 : 経済産業省「IT関連産業の給与等に関する実態調査結果」
ただし、上述したように、スキルアップやキャリアアップによって年収アップが期待できる仕事でもあります。同調査の中で、IT人材の給与決定において重視される項目を見てみると、ITスキルレベル、コミュニケーション能力、仕事の成果などが重要とされていることが分かります。年齢や在籍年数は重要視されない企業もあり、能力次第で年収アップも十分に期待できます。ITの現場で経験を積み、勉強しながら収入を得ることができると考えられるのであれば、スタートの年収にこだわる必要はないかもしれません。
関連記事 : ヘルプデスクとは?仕事内容やフリーランス事情を解説
ヘルプデスクの需要
厚生労働省職業情報提供サイトに記載されている「ヘルプデスク(IT)」の全国の有効求人倍率は2.88と、需要は十分にあるといえるでしょう。これまでも説明してきたように、IT業界初心者でもチャレンジできる職種です。学歴や、入社前の実務経験を問わないケースも多いので、異業種、他職種からの転職を目指すこともできます。
※参考 : 厚生労働省職業情報提供サイト(日本版O-NET)「ヘルプデスク(IT)」
関連記事 : ヘルプデスクの在宅ワーク|求人の探し方や仕事内容、転職に役立つスキルを紹介
ヘルプデスクの仕事内容
ヘルプデスクの仕事は、IT関連商品・サービスの利用者からの問い合わせ対応ですが、具体的な仕事内容はどのようなものになるのでしょうか。大きく分けて、社員からの問い合わせを対象とする社内ヘルプデスクと、自社製品のユーザーからの問い合わせに対応する社外ヘルプデスクの二つが存在します。
社内ヘルプデスク
社内のITシステムやネットワークの障害やトラブル対応をはじめ、社員からの技術的質問に対して調査し回答をします。パソコンのセットアップ、OSやMicrosoft Office製品などソフトウェアのインストール作業なども社内ヘルプデスクの仕事となります。
業種にもよりますが、企業のどの部門でもITシステムを利用していないことはまれで、さまざまなシステムやサービス、インフラについての幅広い知識が必要です。会社の規模によってヘルプデスク担当の人数も異なりますが、専任ではなく社内SEがヘルプデスクを兼ねていることもあります。社員からの問い合わせに対応するだけでなく、サーバーやネットワークの監視や保守管理、社内システムの運用マニュアルを作成するなど、仕事内容は広く、特に決まった範囲がない場合もあります。
社外ヘルプデスク(ユーザーサポート)
社外ヘルプデスクの主な仕事はユーザーからの障害やトラブルに関する問い合わせ、クレームへの対応です。顧客であるユーザーに対し、速やかに問題解決をする必要があります。一次受けであるヘルプデスクで問い合わせを受けて、トラブルの内容によって、ハードやOSなどのインフラ担当や自社ソフトウェアの開発チームなど、専門の部隊へのエスカレーションを行い解決に導くケースと、ヘルプデスク内で調査し対応してクローズするケースがあります。
関連記事 : ヘルプデスク業務の仕事内容とは
ヘルプデスクのキャリアパス
ITスキルがそれほど高くなくても就業できるケースがあるヘルプデスクですが、仕事内容を見ると、他のITエンジニアとそれほど大きな差がない場合もあります。ヘルプデスクという仕事にやりがいを感じる場合はもちろんそのまま継続してもよいのですが、より専門性の高い他のIT職種へのキャリアアップを目指すのであれば、それも十分に可能です。どのようなキャリアパスがあり、またそれぞれに求められる知識や経験、資格にはどのようなものがあるのでしょうか。
プログラマー
システム開発において、SEが作成した設計書に基づき、プログラミングを行います。プログラミングをするための多くのプログラミング言語があり、プログラマーにより得意とする言語は異なりますが、通常は複数の言語を扱うことができます。新規にシステム開発をすることもありますが、稼働中のソフトウェアの仕様変更やトラブルにも対応します。
また、作成したソフトウェア(プログラム)の保守のために必要なドキュメントを作成します。ヘルプデスクでは、運用中のソフトウェアの不具合や、仕様についての問い合わせを多く受けることになりますので、プログラミング言語の知識があれば、サポートにも役立ち、またプログラマーへの転向の道も開ける可能性があります。
システムエンジニア(SE)
顧客や社内ユーザーの要望をヒアリングして要件定義を行い、システム開発の詳細設計を作成するのはSEの役割です。システム開発においては、ここまでの一連の作業を上流工程と呼びます。その後、プログラマーがプログラムを作成しテストを行う下流工程へとつながっていきます。
ユーザーと直接やりとりをすることが多いヘルプデスクでは、さまざまなシステムの仕様や追加機能についての要望を受けることも多く、また問い合わせ対応の中でシステム自体の動作にも詳しくなっていきますので、SEを目指してキャリアアップしたいと考えることもあるでしょう。
ITの仕事経験がヘルプデスクしかない場合は、勉強して資格を取得することで、社内でのキャリアアップや転職の足掛かりになります。経済産業大臣認定の国家資格である「基本情報処理技術者試験」であれば認知度も高く、客観的に一定以上のITスキルを持っている者として認定されます。
※参考 : IPA 独立行政法人 情報処理推進機構:制度の概要:基本情報技術者試験
インフラエンジニア
インフラエンジニアとは、サーバー、データベース、ネットワークなど、いわゆるインフラと呼ばれる領域において、設計や構築、運用、保守などを行うエンジニアを指します。どのような業種であっても共通して利用されるものであり、常に一定以上の需要があります。
専門知識を身に付ければ、サーバーエンジニア、ネットワークエンジニアへの転職やキャリアアップが可能です。インフラ専門のヘルプデスクもあり、仕事をしながら知識を身に付け、興味があれば資格を取得することで、可能性は大きく開けます。国家資格であるデータベーススペシャリストやネットワークスペシャリストがあると、難易度が高めとされるインフラ系のヘルプデスクへの転職や、就業してからの評価を上げることにも役立ちます。
※参考 : IPA 独立行政法人 情報処理推進機構:制度の概要:データベーススペシャリスト試験
※参考 : IPA 独立行政法人 情報処理推進機構:制度の概要:ネットワークスペシャリスト試験
社内SE
社内SEは、いわゆるSEとは異なり自社内で活動します。自社システムの開発や運用保守、アカウント管理、パソコンやネットワーク機器など社内IT資産のすべてに関わることになります。
OSやソフトウェアライセンス、セキュリティ対策など幅広く対応するため、必要とされるITスキルは多いでしょう。ただしSEやプログラマーとは異なり、必ずしも自社でシステム開発をするとは限らず、ベンダーを選定して外注することもあります。社内ヘルプデスクとの境界もあいまいで、会社の規模によっては兼ねることも多く、ヘルプデスクからキャリアアップしやすい職種といえます。
ヘルプデスクのマネジメント業務
ヘルプデスクとして経験を積み、知識やコミュニケーション能力を評価されるようになれば、ヘルプデスクのマネジメント業務を任される可能性もあります。特に社外ヘルプデスクのように多くのメンバーがいる場合、エスカレーション先として、スーパーバイザーといった名称のチームリーダーが存在しています。自社製品の開発部門などと情報共有しながら、ヘルプデスクの運営自体を行っていくことができるようになります。
関連記事 : システムエンジニア(SE)とは|仕事内容やスキル、年収、プログラマーとの違いも解説
最後に
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