フリーランスが確定申告をしなくていい金額はいくらまで?条件を解説

本業でも副業でもフリーランスとして収入を得たら、基本的に確定申告が必要です。確定申告しなくていい金額として、48万円以下や20万円以下があげられます。しかし、条件をしっかり理解しておかないと実際には該当していない恐れが出てきます。

そこで、確定申告が必要な理由やメリット、やらないとどうなるのかなどを解説していきます。追徴課税が課されるのを避け、最大限の節税につなげるために、ぜひ参考にしてください。
参考:【2023】フリーランス初心者におすすめの職種、案件の探し方、必要手続き

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フリーランスが確定申告しなくていい金額はいくらまで?

確定申告しなくていい金額を知って、収入をその範囲に収めたいと考えるかもしれませんが。しかし、下図のとおり基本的に確定申告が必要な場合がほとんどです。

フリーランスの方は、売上から経費を引いた「所得」の金額が48万円以下であれば確定申告は不要です。 逆に1年間で所得が48万円をこえた場合、会社に所属しているかに関係なく確定申告が必要です。開業した時期にもよりますが、フリーランスとして生活費を稼いでいるならまず確定申告が必要と考えておくべきでしょう。

また、自分が行っている事業の収入が48万円未満でも副業で20万円以上あれば確定申告の対象です。上図の内容を詳しく解説していくので、自分が該当するか見極めてください。

事業所得が48万円以下のとき

会社に所属しておらず、年末調整がされていないフリーランスの場合、1年間の事業所得が48万円以下であれば確定申告は不要です

確定申告では、所得税額の計算をする際に基礎控除として所得が2,400万円以下の人は全員、48万円が控除されます。48万円分は課税の対象外になるという意味です。

そのため事業所得が48万円以下の場合、課税対象額がゼロとなって所得税が発生せず、確定申告が不要となります。

基礎控除の金額は、2020年分より38万円から48万円へと引き上げられました。2023年4月時点では48万円ですが、今後も金額が変化する可能性もあります。確定申告が不要な範囲内で働きたい、という人は最新情報のチェックを欠かさないようにしましょう。

会社で年末調整を受けていて副業の収入が20万円未満のとき

会社で年末調整を受けていて、副業としての収入が20万円未満であれば、確定申告をしなくても問題ありません

なお会社員に限らず、アルバイトやパートも基本的に個人で確定申告の必要はありません。理由は、勤務先で年末調整や納税をしてくれているためです。

なお、20万円という金額は、雑所得として確定申告を不要にできる最大のものです。

確定申告が必要な金額の算出方法

確定申告の対象になる所得は、年間の収入から経費を差し引いて算出します。

会社に所属しており、給与所得がありつつ副業収入が20万円以上の場合、確定申告が必要です。この20万円は、給与所得控除などは関係なく、1年間に支給された金額で判断します。副業がフリーランスであった場合は、経費を差し引いた金額で判断します。

フリーランスとして事業で所得を得ている場合は、経費を差し引いた金額が48万円以下かどうかを確認しましょう。経費は、通信費や旅費交通費、水道光熱費などの支出を指します。

どのようなものが経費になるのかについて詳しく知りたい人は、以下の記事をご覧ください。
フリーランスの経費はどこまで?計上できるものやいくらまでの割合が適正か

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確定申告が必要な人

確定申告は、会社に所属して年末調整を受けていない場合、基本的に必要となるケースが多いです。しかし、会社員でも確定申告が必要になる場合はあるため注意しましょう。

具体的には、年収が2,000万円を超えていたり、2か所以上で給与をもらっていたりする場合です

ほかにも、事業所得が48万円のフリーランスや副業の所得が年間20万円以上の人なども確定申告が必要です。それぞれの場合を詳しく解説していくので、条件に当てはまるかどうかチェックしてみてください。

事業所得が48万円を超えるの個人事業主やフリーランス

個人事業主やフリーランスの場合、事業所得が48万円を超えると確定申告が必要になります。会社員のように給料をもらっておらず、源泉徴収を受けていない場合、自ら所得金額と納税額を計算しなければなりません。

48万円というラインは、基礎控除の48万円からきています。事業所得が48万円以下だと課税対象額が無く、所得税が発生しないため確定申告は不要です。

年収が2,000万円を超える会社員

会社員でも年収が2,000万円を超える場合は、勤務先での年末調整の対象にならず、自分で確定申告する必要があります

なお2,000万円という金額は、保険料や各種税金などが差し引かれる前のものを指します。手取りの金額ではないため、注意しておきましょう。

副業の所得が年間20万円以上の人

副業によって給与以外の所得が年間20万円以上の人は、確定申告が必要です。会社員やパート・アルバイトをしていて年末調整を受けていても、確定申告をしなくてはいけません。

20万円以下の場合、雑所得となり確定申告が不要ですが、収入ではなく所得が20万円を超えているかどうかで判断します。

2か所以上で給与をもらっている人

会社員で、年収金額が2,000万円未満であっても、2か所以上で給与をもらっている人は確定申告が必要です。また、会社に勤めていても確定申告が必要になる理由は、年末調整できるのが1社のみであるためです。

ただし、すべての所得の合計が20万円以下の場合は、確定申告をしなくても問題ありません。また、給与から以下の控除を差し引いた金額が150万円以下の場合も不要です。

  • 雑損控除
  • 医療費控除
  • 寄附金控除
  • 基礎控除以外の所得控除

公的年金の受け取りが400万円を超えている人

公的年金の受け取りが400万円を超えている人も、確定申告が必要です

平成23年から「400万円以下で、源泉徴収の対象となっている人は確定申告が不要」というルールができました。「不要とされる範囲外」である「400万円を超える人」は確定申告が必要になりました。

なお、公的年金の受け取りが400万円以下であっても、それ以外の所得が20万円以上の場合は確定申告が必要です。

退職時に「退職所得の受給に関する申告書」を提出していない人

退職時に「退職所得の受給に関する申告書」を退職金の支払者に提出していない人は、確定申告が必要です。所得税と復興特別所得税の課税関係が終わらず、源泉徴収だけで済ませられなくなります。

退職金から一律20.42%の所得税と復興特別所得税が源泉徴収されるため、確定申告での精算が必要になります。

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フリーランスや個人事業主が確定申告をするメリット

確定申告をするメリットとして、青色申告をすると最大65万円の控除や最大3年間赤字を繰り越せることがあげられます。また、収入や所得の証明になるなどさまざまなメリットがあります。

各メリットについて詳しく解説していくので参考にしてください。

収入や所得の証明になる

賃貸物件を借りる際やローンを組む際に、収入や所得の証明が必要になる場合があります。会社員は源泉徴収票を提示しますが、フリーランスには源泉徴収票が発行されません。

フリーランスの場合、確定申告を行った際の控えが収入や所得の証明となります

青色申告の場合、最大65万円が控除される

青色申告とは、「開業届」を提出したフリーランスが行える確定申告のことです。青色申告のほかにも白色申告があり、どちらか選べます。青色申告と白色申告自体については、以下の記事が参考になります。

青色申告とは?やり方や白色申告との違いを解説
【確定申告】フリーランス1年目が白色申告でやることまとめ!

なお、青色申告は最大65万円を控除できますが、複式簿記で帳簿をつける必要があります。複式簿記で帳簿をつけるというと、大変というイメージがあるかもしれません。ソフトを活用すれば比較的容易につけられるので、必要以上に身構える必要はないでしょう。

青色申告の場合、最大3年間赤字を繰り越せる

青色申告の場合、最大3年間赤字を繰り越せます。たとえば、1年目に赤字になり、翌年に黒字になった場合、1年目の赤字を繰り越して利益を帳消しできるので、節税になります

フリーランスとして独立したばかりだと赤字が出てしまう場合もあるでしょう。確定申告をして、翌年分の税金を抑える準備をしておくのがおすすめです。なお、白色申告の場合は、赤字の繰り越しはできません。

源泉徴収されている場合、所得税が還付される可能性がある

フリーランスでも報酬から源泉徴収されている場合、確定申告をすると所得税が還付される可能性があります。所得税を源泉徴収した時点では、個人の経費や所得控除を加味していないため、実際の金額と差が出る場合があるためです。

したがって、確定申告をして実際の所得税額よりも源泉徴収された金額が多ければ還付されます。なお、少なければ税金の納付が必要です。

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そもそもなぜ確定申告が必要なのか

確定申告は、国民の義務である納税を果たすために課せられています。日本の税制は、税金を納める人が申告すると決まっており、この申告が確定申告です。確定申告で1年間の収入を国に報告し、所得税を支払うわけです

なお、副業などをしていない会社員が確定申告をしないのは、年末調整で税金の申告をしているためです。

例外的に納税の必要のない収入で、確定申告しなくていいという人もいます。収入から控除を引いたときに、差し引きがゼロかやマイナスになる場合におこります。それ以外では基本的に正しい確定申告をしないと、罰則が適用される恐れもあるでしょう。

確定申告の基礎知識や進め方について詳しく知りたい人は、以下の記事をご覧ください。
フリーランスエンジニアの確定申告|経費や青色申告、節税を解説

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フリーランスが確定申告しないとどうなる?

確定申告が必要であるにも関わらず行わなかった場合、延滞税や無申告加算税、場合によっては重加算税が課される恐れがあります。確定申告をしないと、「所得税の滞納」として、延滞税や無申告加算税が課せられる場合もあります

また、故意に帳簿の隠ぺいをする悪質な行為があった場合、「重加算税」が課される可能性もあるでしょう。

なお、無申告加算税では、納付すべき税額に対し50万円までは15%、50万円越分は20%が徴収されます。延滞税は納税すべき日から延滞した日数に応じて加算されていきます。

申告期限に間に合わない場合の対処法とペナルティについて詳しく知りたい人は、以下の記事をご覧ください。
フリーランス(個人事業主)がミス無く確定申告を終えるために押さえておくべき12のチェックリスト

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確定申告しなくていい金額でもした方がいいケースとは?

確定申告の対象外でもしたほうが良い場合として、以下のようなケースがあげられます。

  • 医療費が10万円を超える場合
  • ふるさと納税をした場合
  • 住宅ローンを借り入れた場合
  • 事業所得が赤字の場合

ふるさと納税や寄附をした場合

ふるさと納税や寄付は寄附金控除の対象です。所得税と住民税の両方が寄附金控除の対象です。したがって、ふるさと納税や寄附をした場合は、確定申告しなくていい所得金額でもした方がいいでしょう。

なお、ふるさと納税の場合、もともと確定申告が必要ない会社員などであれば、「ふるさと納税ワンストップ特例制度」が適用されます。この場合、確定申告をしなくても寄附金控除が適用されます。

医療費が10万円を超える場合

1年間でかかった医療費が10万円を超えた場合、確定申告をすることで医療費控除が受けられます。この10万円は自分だけのものではなく、配偶者や親族などの医療費を含めることが可能です。なお、医療費控除額の上限は200万円です。

住宅ローンを借り入れた場合

住宅ローンを借り入れた人は、確定申告によって住宅借入金等特別控除(住宅ローン控除)を受けられます。控除を受ける条件は複数ありますが、条件を満たせば13年間に渡って控除ができる可能性があります。

なお、期間中は必ず確定申告をし続ける必要があるため、注意しましょう。

事業所得が赤字の場合

事業所得が赤字の場合、確定申告は行わなくても問題はありませんが、確定申告をすることで得られるメリットがあります。青色申告の場合、最大3年間赤字を繰り越せ、翌年以降の黒字と相殺することが可能です。

ほかにも、事業所得が赤字の場合、還付が受けられるほか住民税が考慮されることもあるため、確定申告を行う方が良いといえます。

副業で源泉徴収されている場合

副業収入から所得税が源泉徴収されている場合、確定申告をすることで引かれた分が還付される可能性があります。源泉徴収を行っているかどうかは、請求書や支払調書で確認できます。まずはチェックしてみましょう。

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フリーランスの確定申告に関するよくある質問

最後に、フリーランスの確定申告に関するよくある質問をまとめました。

フリーランスが確定申告しないとどうなる?

無申告加算税や延滞税などが課せられる恐れがあります。さらに、国民健康保険料などの減免が受けられなくなる可能性もあるでしょう。

また、確定申告書の控えを収入証明書の代わりとなるフリーランスの場合、収入を証明できなくなります。住宅ローンや賃貸住宅の契約ができなくなる恐れが出てきます。

収入が無かった年も確定申告はやるべき?

収入がなかった場合、必ずしも確定申告をする必要はありません。ただし、確定申告を行わないと、国民健康保険料の軽減が行われなくなってしまいます。収入がなかった年の支出を抑えるためにも、住民税の申告はしておくと良いでしょう。

確定申告を行う時期はいつ?

所得税の確定申告は、2月中旬〜3月中旬の間に、前年分の1月1日から12月31日を対象に行います。土日祝によって後ろ倒しになりますが、基本的に15日と考えて良いでしょう。

なお、「還付申告」はこの期間外でも申告可能で、延滞税に対するペナルティもありません。

※本記事は2023年5月時点の情報を基に執筆しております。

最後に

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