戦略コンサルタントとは?仕事内容や必要なスキル、やりがいを解説 | レバテックフリーランス
戦略コンサルタントとは?仕事内容や必要なスキル、やりがいを解説
- 戦略コンサルタントの年収ややりがい
- 戦略コンサルタントに必要なスキルや資格
- 戦略コンサルタントのキャリアパス
「戦略コンサルタントに転職したいけれど、仕事内容がよくわからない」という方もいるでしょう。
戦略コンサルタントは企業の戦略を立案するほか、デューデリジェンスの実施や業務オペレーションの改善に携わります。主に企業の上流領域に関わり、やりがいのある仕事です。
本記事では戦略コンサルタントの仕事内容や年収、あると便利な資格などを紹介します。転職に向けて戦略コンサルタントの概要が把握できるため、ぜひ参考にしてください。
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目次
戦略コンサルタントとは?
戦略コンサルタントとは、クライアント企業の課題解決に向け、事業の成長戦略を立案する仕事です。ここでは、戦略コンサルタントの仕事内容や経営コンサルタントとの違いを解説します。
フリーランスのコンサルタントの働き方に関して詳しく知りたい方は、以下の記事をご覧ください。
フリーコンサルタントの仕事内容は?年収の目安や高年収を狙うポイントも解説
フリーコンサルタントとして独立したい!独立する方法や年収の目安を解説
戦略コンサルタントの仕事内容
戦略コンサルタントの仕事内容は、主に以下の3つです。
- 企業の戦略を立案する
- デューデリジェンスを行う
- 業務オペレーションの改善
それぞれの内容を詳しくみていきましょう。
企業の戦略を立案する
戦略コンサルタントは、クライアント企業の課題を分析し、中長期経営戦略や事業戦略についてコンサルティングを行う仕事です。まず、企業の現状を調査・分析し、最適な戦略の再構築や、赤字に陥っている事業の再生を行います。
近年はビジネス環境の変化や技術革新に対応し、変革のために戦略を練り直すといった案件も増えている状況です。また、純粋な戦略案件だけでなく、実行支援まで行うケースも増えています。
デューデリジェンスを行う
戦略コンサルタントのもうひとつの仕事は、クライアントが買収を検討している企業の調査を行うデューデリジェンスがあげられます。
デューデリジェンスは法律や財務、事業面など幅広い領域にわたりますが、戦略コンサルタントが担うのは、主に事業面です。買収を検討している企業の企業価値について、市場の将来性やクライアントの既存事業とのシナジー効果などの調査を踏まえて評価し、買収の判断をする際のアドバイスを行います。
業務オペレーションの改善
戦略コンサルタントは、業務オペレーションの改善も行います。生産性向上やコスト削減など、業績アップに向けた取り組みや、戦略の実行支援などがこれにあたります。
オペレーションの改善は二つのパターンがあり、ひとつは結果的にオペレーション改善となるものです。戦略立案の案件で業績を高める改善策を立て、クライアントの意思決定で特定のオペレーションに対する改善を行う際、継続支援を依頼されます。
もうひとつは、すでに戦略は決まっていて、オペレーションの改善だけを支援するパターンです。近年は、オペレーション改善にIT技術を取り入れるクライアントも増えています。
業務改善はBPRともよばれます。BPRコンサルについて知りたい方はこちらの記事もご覧ください。
BPRコンサルに必要なスキルを解説!キャリアや将来性も紹介
経営コンサルタントとの違い
戦略コンサルタントと経営コンサルタントは、手がける領域が異なります。
戦略コンサルタントは、上流の意思決定に対する支援が主流となる一方、経営コンサルタントは戦略を実行する段階まで手がけます。システムを構築・運用するための戦術を決め、実行まで支援・指揮する役割をする点が戦略コンサルタントと異なります。
また、戦略コンサルタントは仕事の領域が意思決定の上流部分であることが多く、コミュニケーションの相手は主にクライアント企業の役員クラスです。
一方、経営コンサルタントは部長・課長などミドルクラスの人たちとのコミュニケーションが多いといえるでしょう。業務支援やシステム導入の案件になるほど、現場レベルの人たちとのコミュニケーションも必要になります。
経営コンサルタントについて知りたい方は、こちらの記事もご覧ください。
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その他のコンサルタントの仕事に関して詳しく知りたい方は、以下の記事をご覧ください。
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戦略コンサルタントの年収相場
戦略コンサルタントの年収相場は、担当する業界や職位によって変わります。職位別の平均年収は、以下のとおりです。
- アナリスト:約500万円~800万円
- コンサルタント:約900万円~1,300万円
- マネージャー:約1,400万円~2,000万円
- シニアマネージャー:約1,700万円~2,500万円
- パートナー:約2,500万円以上
これに、基本給の20%〜30%程度の業績賞与がつきます。コンサルタントは実力主義的な要素が強く、実績を出せれば早く昇進して高い年収を実現することが可能です。
戦略コンサルの単価については、こちらの記事でさらに詳しく解説しています。
戦略コンサルタントの単価相場徹底解説!収入アップのコツを解説
戦略コンサルタントのやりがいや厳しさ
戦略コンサルタントは主に上流領域に関わり、経営層とコミュニケーションを取りながら進める仕事です。そのため、経営視点に立ち、会社経営を左右するような大きな課題解決に取り組むことにはやりがいを感じるでしょう。
大企業の案件であれば、その意思決定に大きく関わり、自分の仕事が社会を動かしていることを実感することも多いかもしれません。担当するプロジェクトが新聞記事に掲載されることもあります。クライアントとともに経営課題を解決できたときは、大きな達成感も得られるでしょう。
ハイレベルな人材と仕事ができることも、やりがいを感じる要素です。プロジェクトごとにチームを組み、各分野のスペシャリストと組んで仕事をすることで、刺激を受けながら成長できます。
やりがいがある一方で、戦略コンサルタントは大変な仕事です。専門性が高くハイレベルな仕事が求められ、多忙になることが多いでしょう。
戦略コンサルタントの提案がクライアント企業の経営を左右するため責任は大きく、プレッシャーがかかります。期待に応えるため、常に自分を磨き、学んでいかなければなりません。
戦略コンサルタントが取り組む企業課題の事例
ここでは、戦略コンサルタントが取り組む企業課題の事例を3パターンに分けて解説します。
経済の変化による企業課題
経済の変化は、戦略コンサルタントの需要や役割に直接影響を及ぼします。そのため、戦略コンサルタントは常に景気変動に敏感である必要があり、情報を読み解くことでクライアントに対して最適なアドバイスを提供することが求められます。
経済が好況であれば、企業は成長や拡大を目指し、戦略コンサルタントには成長戦略の策定が求められることになります。一方で、不況時にはコスト削減や事業再構築が主な課題となり、戦略コンサルタントは企業が生き残るための効果的なアプローチを考案しなければなりません。
グローバル化に伴う企業課題
グローバル化は企業にとって大きなチャンスでありながら、同時に多くの課題をもたらします。異なる市場、文化、法規制に即した戦略の立案は、企業にとって避けて通れない課題です。
戦略コンサルタントはこのような複雑な環境においてクライアントの相談役となり、グローバル市場での競争優位性を確保するための戦略を策定する重要な役割を担います。市場調査から始まり、異文化間のコミュニケーション、リスク管理、ブランド戦略まで、グローバル化に伴うあらゆる側面をカバーすることが求められます。戦略コンサルタントは、幅広い知識と経験を活かし、クライアント企業が継続的に成長するための戦略を提案します。
デジタルトランスフォーメーション(DX)
デジタルトランスフォーメーション(DX)は、現代の企業にとって避けて通れない重要なテーマです。デジタル化の波により、従来のビジネスモデルを根本から見直す必要がある企業も少なくありません。
戦略コンサルタントは、こうしたデジタル時代の変化に対応し、クライアントのDXを支援するために、テクノロジーの最先端を理解し、それをビジネス戦略に組み込む能力が求められます。また、DXによって生まれる新たなビジネスチャンスを見出し、それを活かすための戦略を提案することも重要な役割です。DXが進むなかで、戦略コンサルタントはより求められる存在となっています。
戦略コンサルタントに必要なスキル
戦略コンサルタントに必要なスキルは、主に次の3つです。
- コミュニケーションスキル
- 論理的思考力
- 高い専門性
どのような点が求められるのか、詳しくみていきましょう。
コミュニケーションスキル
戦略コンサルタントだけでなく、コンサルタント全般にコミュニケーションスキルが必要です。とりわけ戦略コンサルタントはクライアント企業の経営層や関係者とコミュニケーションする機会が多く、プロジェクトメンバーともスムーズなコミュニケーションができなければなりません。
ただ円滑に会話ができるというだけでなく、会話の中からクライアントの悩みや要望を汲み取り、問題点を正しく把握できる能力が求められます。
また、クライアントは必ずしも明確に課題を認識しているとは限りません。自覚できていなかったりうまく言語化できなかったりすることもあり、そのような場合にも、現状を見てどのような解決が妥当かを考え、適切な提案ができるスキルも求められます。
論理的思考力
戦略コンサルタントはクライアント企業が抱えている経営課題を解決するため、高い論理的思考力が求められます。現状を把握し、現段階で重要度の高いポイントについて仮説を立て、データ分析と検証・提案までのプロセスを順序よく進められなければなりません。
論理的思考力をベースにして、ビジネスで用いる分析や問題解決のフレームワークを把握しておくと業務遂行に役立ちます。
高い専門性
戦略コンサルタントに論理的思考力やコミュニケーションスキル、問題解決能力などは必要条件ですが、これらを満たしていれば誰でも優れた戦略コンサルタントになれるとは限りません。
クライアント企業の経営層に高額な予算をかけるだけの価値を見出してもらうためには、必要なスキルを備えていることを前提に、それぞれの専門領域で突出した能力を持つことも必要になるでしょう。
戦略コンサルタントにあると便利な資格
戦略コンサルタントに必要な資格はなく、特定の資格を持っていなくても戦略コンサルタントとして働くことができます。しかし、資格を持っていることはより高い能力を持っていることの証明になり、転職する際にも有利に働く可能性があります。
戦略コンサルタントとして働く際も、クライアント企業に対して能力をわかりやすく伝える手段になるでしょう。ここでは、戦略コンサルタントが持つと便利な資格を紹介します。
MBA(経営学修士)
MBAとは「Master of Business Administration」の略で、経営学修士とも呼ばれます。経営学の大学院修士課程を修了すると授与される学位で、厳密には資格と異なるものです。ビジネススクールで2年間の修士課程を修了することで授与されます。
MBAでは経営管理に関する理論を体系的に学び、ビジネスリーダーに必要な知識と実践力を養います。MBAでの学びはコンサルタントに必要な土台づくりに役立ち、戦略系コンサルティングでの転職においてもポテンシャルが高いと評価される可能性があるでしょう。
中小企業診断士
中小企業診断士とは、中小企業の経営課題に対するアドバイスを行う国家資格です。コンサルティング能力があることを証明できます。
中小企業のクライアントに戦略の立案を行う際に役立ちますが、外資系をはじめとする大手コンサルティングファームの場合は大手企業のクライアントを扱うため、あまり評価されない傾向にあります。
あくまで、中小企業向けの案件を扱うコンサルティングファームや事業会社に転職したい場合に役立つ資格です。
中小企業診断士におすすめの副業は?コンサル案件の仕事内容や始め方を解説
税理士・公認会計士
公認会計士とは監査及び会計の専門家であり、税理士とは税務の専門家です。公認会計士の仕事は企業の財務諸表監査のほか財務会計や経営全般にわたり、会計・財務・企業経営に関する専門知識が身につきます。
そのため、M&Aや事業再生を多く手がけるコンサルティングファームでは評価されやすいでしょう。
税理士は税務のスペシャリストであり、財務や業務改善も含めた幅広いコンサルティングにおいて、税務・財務に詳しいことが有利に働きます。
これらの資格を保有していれば、特に財務系・金融系のクライアント企業に関する案件に強いと評価される可能性があります。
公認会計士から経営コンサルタントになるには?違いやメリットについて解説
戦略コンサルタントのキャリアパス
戦略コンサルタントのキャリアパスは豊富です。経験を積んで事業会社や他ファームへ有利な条件で転職したり、同じコンサルティングファームでパートナーまで昇進したりする道があります。また、フリーランスの戦略コンサルタントとして、独立・起業する選択肢もあるでしょう。
ここでは、戦略コンサルタントのキャリアパスについて解説します。
事業会社・ベンチャー企業に転職する
戦略コンサルタントからの転職先として選ばれることが多いのは、事業会社です。特に外資系の大手事業会社ではコンサルティングファームと同じく成果主義を重視していることや、安定性がありライフワークバランスも期待できるという点が人気です。
変化の激しい時代に社会を変える仕事がしたいという人は、ベンチャー企業に転職する傾向があります。近年の戦略コンサルタントは問題解決とともに実行支援を行うケースもあり、同じような働き方ができるベンチャー企業に転職して経営の中核を担う人も増えています。
ベンチャーコンサルが気になる方はこちらの記事もご覧ください。
ベンチャーコンサルで働くメリットとおすすめする人の特徴|代表企業4社の実例を紹介
他ファームに転職する
キャリアアップが目的であれば、他ファームに転職するという選択肢もあります。現在のコンサルティングファームにいても昇格が難しい場合は、現在よりも好条件が提示される他ファームへ転職することもあるでしょう。
給与やタイトルだけでなく、他ファームの特徴が自分に合う、豊富な案件に携われるといった理由で転職する人もいます。
キャリアアップで他ファームに転職する場合、時代の変化に対応するため、語学力やITの知識などを備えることも必要です。
BIG4と呼ばれるコンサルティングファーム最大手の年収が気になる方は、以下の記事をご覧ください。
フリーコンサル案件の単価相場を領域・レベル別に紹介!BIG4との年収比較も
パートナーまで昇進する
同じコンサルティングファームで働き、パートナーまで昇進するという道もあります。コンサルティングファームでのキャリアはアナリストから始まり、コンサルタントからマネージャー、パートナーへと昇進します。パートナーは共同経営者に当たる役職で、コンサルティングファームの最高職位であり、コンサルタントが目指す最終ポジションです。
パートナーはコンサルティングファームの顔となり、経営者としてコンサルティングファームを導くためにセールス業務とファームの経営という2つの業務をこなします。
独立・起業する
フリーランスの戦略コンサルタントとして独立・起業する選択肢もあります。フリーランスは自分で仕事を選ぶことができ、働き方も自由です。スキルアップに役立つ仕事を選んで受注することもできるでしょう。
ただし、フリーランスは会社という後ろ盾がなくなり、市場を自分で開拓しなければなりません。戦略コンサルタントとしての実力だけでなく、自分をアピールして案件を受注する営業力も求められます。
フリーランスの戦略コンサルタントとしての働き方を詳しく知りたい方は、以下の記事をご覧ください。
戦略コンサルがフリーランスで独立する方法!年収の相場や案件獲得法を解説
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未経験から戦略コンサルタントになれる?
戦略コンサルタントは、未経験でも転職することは可能です。実際に、コンサルティングファームの中途採用において競合のファームから転職する人は少なめであり、未経験者が多く採用されている現状があります。
技術の進化やビジネスのグローバル化、市場競争の激化などにより、コンサルティングファームへのニーズは高まり、コンサルタントの需要も増えています。そのため、戦略コンサルタントにおいても未経験者での積極的な採用は続くと予想されるでしょう。
未経験からコンサルタントになる方法に関して詳しく知りたい方は、以下の記事をご覧ください。
未経験からフリーランスコンサルタントを始めるには?手順や注意点を紹介
戦略コンサルタントに関するよくある質問
ここでは、戦略コンサルタントに関するよくある質問に答えていきます。
Q. 戦略コンサルタントと経営コンサルタントの違いは何ですか?
戦略コンサルタントは企業の経営戦略を練る専門家として、企業から受けた相談に対し課題解決や事業発展に向けたサポートを行います。経営コンサルタントはクライアントが競争で生き抜くための経営戦略などをコンサルティングしていく専門家として、経営上の問題点を分析し企業に解決策を提示します。
Q. 戦略コンサルタントとして活動する際に資格は必須ですか?
戦略コンサルタントとして活動する際に資格は必須ではございません。ただ、資格を持っていると顧客の信頼が得られやすくなったり、案件受注する際に有利になる可能性が高いです。
Q. 戦略コンサルタントの平均年収はいくらですか?
戦略コンサルタントの平均年収は約695万円です。
Q. 戦略コンサルタントになるためにはどのようなスキルが必要ですか?
コミュニケーションスキル、論理的思考力、忍耐力等が必要です。
Q. 戦略コンサルタントの仕事が厳しいと言われる理由は何ですか?
戦略コンサルタントはクライアントとの契約期間内で、専門性が高いハイレベルなパフォーマンスが求められるため、働き方がハードです。また、自身の提案がクライアント企業の経営を変化させるため、重大な責任を担う職種でもあります。課題を解決できなかった場合はその費用や費やした時間等が顧客にとって損失になるため、大きなプレッシャーがかかる厳しさもあります。
※この記事は2023年11月時点の情報を基に執筆しております。
最後に
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