副業でも開業届は必要?出さないほうがいい?メリデメや提出方法を解説

副業を始める人が増えていますが、開業届の提出は意外と知られていないポイントです。開業届がいつ、なぜ必要なのか、現実的なメリットとデメリットをはじめ、具体的な提出方法まで、詳しく解説します。副業で得た収入を賢くやりくりするためにも、必要なお金や法律の知識を身に着けておきましょう。

開業届の対象や時期、書類などについては、必ず国税庁ホームページで最新の情報をご確認ください。
参考:A1-5 個人事業の開業届出・廃業届出等手続|国税庁

目次

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開業届とは?個人事業主になる条件について

開業届は、事業を開始した日から1ヶ月以内に税務署に提出することが求められており、個人事業のスタートを国に正式に知らせる手続きとなります。

ですが、副業でビジネスを始める方にとっては開業届を出すべき条件が気になるかも知れません。そこで、開業届を出すべき条件や意味について紹介します。

開業扱いになる事業の条件

副業を含めた事業活動が開業として扱われるには、いくつかの条件があります。

まず、事業として独立していることが求められます。これは、特定の会社や組織に依存せず、自立したビジネスをしているという状況を示しています。

次に、事業が一時的でなく、継続性があることです。たとえば、期間限定の趣味的な活動ではなく、長期間にわたり収益を目指しているという意志がみられることです。

これらの条件を満たす活動をしており、かつ所得が発生する見込みがある場合、開業届を提出することで個人事業主として扱われるようになります。

開業届を出すと個人事業主になる

開業届を出すことで、国に対して正式な個人事業主であることを宣言したことになります。
これにより、法的な意味合いとして、税務上の個人事業主となり、個人事業主としての各種手続きが必要になります。

届出後は、収益が発生した場合、確定申告を行い、自身の収入として申告する義務が発生します。開業届を出すことは法的手続きであり、個人事業主としての責任をもつことを意味するのです。

会社員をしていて、開業届を出すと副業がバレるのか?といった事情が気になる方は、こちらの解説をご覧ください。
サラリーマンをしながら副業で個人事業主はできる?メリットや確定申告の知識などを解説

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副業でも開業届の提出が必要になる場合の条件

副業をしている場合でも、一定の条件を満たすと、開業届を提出する必要が生じます。ここではその条件を、副業のケースで解説します。

会社などの組織に属さず、独立して行っている

副業を持つ人の中でも、特に会社や組織に属さずに独立して事業を行っている方は、個人事業主としての手続きが必要になることが多いでしょう。

例えば、フリーランスのデザイナーやライター、プログラマーなどが代表的です。これらの職種では独立してクライアントと契約を交わし、業務を提供していることが一般的でしょう。

こうした活動がある程度の収益を生むようになった場合、税務署への開業届の提出が求められます。

繰り返し、継続して行っている

副業が開業扱いになる条件として、「繰り返し、継続して行っている」かどうかというものがあります。

これはたとえば、フリーマーケットでの不定期な物販や単発の講演活動などとは異なり、定期的にハンドメイドの商品をオンラインで販売する、継続して執筆業務を請け負っているライターなどのケースを指します。これらの活動が継続し、かつ一定の収入を確保している場合、事業としてみなされやすく、こうした副業にも開業届の提出が必要になります。

開業届を提出しないで事業を継続していると、万が一税務調査が入った際に所得を適正に申告していないと見なされるリスクがあるため注意が必要です。

また、収入が増加すると、それに伴う社会保険料の変動や税金の申告義務なども発生し得るので、副業であっても責任を持って開業届の提出をすることが賢明でしょう。

参考:No.6109 事業者が事業として行うものとは|国税庁

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プログラマーの勉強前に知っておきたい独学のサイクル

副業で事業を始める際に、開業届を出すことは面倒に感じられるかもしれませんが、実は多くのメリットがあります。このセクションでは、副業で開業届を出すメリットについていくつかの観点から詳しく解説していきます。

確定申告で青色申告を選べるようになる

開業届を提出すると、青色申告を選ぶことができるようになります。これは、大きなメリットの一つです。青色申告を選ぶと、白色申告よりも税金についてさまざまな優遇措置を受けられます。特に利益が少ない場合や、これから事業が大きく伸びる可能性がある副業の場合は、青色申告を選ぶとよいでしょう。

青色申告を選ぶと、白色申告よりも多くの所得控除を受けられます。また、赤字が出た場合、翌年以降に繰り越すこともできます。たとえば、副業が赤字の場合、その赤字を翌年以降の利益から差し引くことができるため、税金の負担を減らすことができます。

青色申告について詳しく知りたい方は、こちらをご覧ください。
青色申告と白色申告の違いを解説 | レバテックフリーランス

屋号が使えるようになる

副業を始める場合でも、開業届を提出すると正式に屋号を使うことができます。

屋号を持つことで、個人ではなく事業として認識されるため、取引先やお客様からの信頼を得やすくなるでしょう。

また、書類やWebサイトなどで屋号を使うと、プロとして活躍している印象を与えられます。専門性や独自性をアピールするためにも、屋号を使うことは大切です。

経費に計上できる対象が広がる

副業をしながら開業届を出すと、仕事に関するさまざまな費用を経費として計上できます。

たとえば、パソコンや机などの備品、インターネット料金、交通費などが経費になります。経費を計上すると、税金を計算する際の所得から差し引くことができるため、納める税金が少なくなります。また、経費をきちんと記録することで、事業の利益を正確に把握し、経営状態をより詳しく知ることができます。

副業と本業の損益通算ができる

副業として開業届を提出した場合、その副業で赤字が出たとしても、本業との損益通算が可能になるケースがあります。

このメリットは、副業の初期段階での投資や運転資金の回収に時間がかかる場合に特に有効です。本業の所得と副業の損失を合算することで、全体的な所得が減少し、結果的に支払うべき所得税が軽減される可能性があります。こうした税務上の戦略を用いることで、経済的リスクを分散しやすくなります。

副業の損失の繰越が可能になる

青色申告を選ぶと、副業で損失が出た場合、その損失を翌年以降に繰り越して、将来の所得から差し引くことができます。

これは、副業が計画通りに進まなかった場合に、損失をリカバリーできるという点で大きなメリットです。長期的に事業を運営しようと考えている場合は、この制度を活用することで、中期的な資金計画を立てやすくなります。

小規模企業共済に加入できる

開業届を提出して副業を始めた方は、事業主として小規模企業共済に加入できる可能性があります。

この制度は、事業を続けていく上で起こるかもしれないリスクに備えるためのものです。たとえば、病気やケガで事業を続けられなくなった場合に、共済金を受け取ることができます。また、老後の生活資金を積み立てることもできます。事業を安定して運営し、将来の計画を立てる上で、便利な支援制度の一つです。

小規模事業共済について詳しく知りたい方は、以下の記事をご覧ください。
小規模企業共済のメリット・デメリットとは?

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開業届を出すデメリット

開業届を提出し、個人事業主となることは、手続きの手間や社会保障の面で、場合によってはデメリットといえる点もあります。

ここでは、開業届を出した場合に生じる可能性のあるデメリットについて、具体的に解説していきます。

会社を退職した際に失業手当がもらえなくなる

副業として開業届を出した後に、本業の会社を辞める場合は注意が必要です。通常、会社を辞めると、失業保険を受け取ることができます。

しかし、開業届を出している人は、自分で自分を雇っている立場とみなされることがあるため、失業保険を受け取れない可能性があります。自分で事業を持っている状態で会社を辞めると、失業保険を受け取るための条件から外れてしまうことが多いのです。

青色申告に切り替える場合、帳簿の手間が増える

開業届を出して、青色申告を選ぶと、確定申告の時に税金が安くなるなどのメリットがある一方で、帳簿をつけたり、お金の管理をしたりする手間が増えます。

青色申告をするためには、経理の知識が必要ですし、毎日の取引を記録しておく必要があります。また、決算書や損益計算書などを作らなければならず、そのための時間も必要になるため、副業を始めたばかりの頃は負担になるかもしれません。

開業届を出して青色申告をしようと思うと、やらなければいけないことも増えるため、よく理解しておきましょう。
青色申告とは?やり方や白色申告との違いを解説

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開業届を提出する具体的な手順

開業届の提出は、副業で事業を開始する場合にも重要なプロセスとなってきます。具体的な手順を理解しておけば、スムーズに個人事業主としてのスタートを切れるでしょう。開業届は、税務署に対して事業開始の事実を届け出るためのものです。

手順としては、最初に開業届の用紙を入手し、必要な情報を記入します。次に記入された開業届を税務署に提出します。それぞれの手続きについて具体的に見ていきましょう。

開業届の「書き方」

引用元 : 個人事業の開業・廃業等届出書|国税庁

開業届の用紙は税務署や国税庁のWebサイトからダウンロードできます。書き始める前に、必要な情報は準備しておきましょう。

記入する項目には、屋号や仕事の内容、事業の開始日、事業所の住所、連絡先、個人情報などがあります。

特に屋号は、副業として事業を行う場合でも独自に設定できるので、将来の事業展開を考えて慎重に決めましょう。

また、事業所の住所は自宅の場合もしっかりと記入します。

不備があると提出後に訂正を求められることがあるので、記入ミスがないように注意深く書くことが大切です。詳しい書き方については、後述の関連記事で解説しているのでそちらをご覧ください。

参考:書き方|国税庁

開業届の「出し方」

開業届を作成した後は、正しい方法で提出します。

税務署は地域ごとに担当が決まっているので、自分の事業所がある地域の税務署を事前に調べておきましょう。届出は、直接税務署に行く方法と、郵送で出す方法があります。

郵送の場合は、届いたかどうかの確認が遅れることがあるので、できるだけ直接税務署に行った方が確実です。提出時には、受付印をもらうのを忘れないようにしましょう。

また、税務署によっては、事前に電話で予約をして、提出する日を決める場合もあります。そのため、開業届を出すときは、時間に余裕を持って計画を立てるようにしましょう。

開業届の書き方や出し方についてもっと詳しく知りたい方は、こちらの記事をご覧ください。
個人事業主の開業届ガイド!出さないとどうなるか・書き方や必要なもの

※本記事は2024年5月時点の情報を基に執筆しております。

最後に

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