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開業届の必要性や書き方・出し方、確定申告との関係など
個人事業主の開業届|フリーランスの開業に必要な手続きを解説

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個人事業主として開業する際に必要となる書類は、大きく分けて「税金」に関するものと、「社会保険や雇用」などに関するものがあります。書類の提出先は、労働基準監督署や税務署、ハローワーク、年金事務所などさまざまで、期限も違うため注意が必要です。以下では、必要となる書類、手続きの際に必要になるもの、書類の書き方やポイントなどをご紹介します。

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この記事の監修
あおば会計事務所 共同代表
税理士 小池 康晴(こいけ やすはる)氏

SESや受託開発を行うIT関連の企業やフリーランス(個人事業主)の顧客を多く持ち、それぞれのニーズを重視した税務アドバイスとコンサルティングを行う。IT業界の税務や新しいサービスの動向などにも精通している。中小企業庁による認定経営革新等支援機関の認定済み。

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目次

個人事業の開業届とは
個人事業主として開業するための必要書類
開業届は必要?不要?
開業届の書き方
個人事業の開業手続きの手順​
開業届提出時の注意点
開業届はいつまでに出す?
フリーランスが開業届を出していない場合
開業届と白色申告・青色申告

個人事業の開業届とは

開業届は、新たに事業を開始したことを税務署に届け出る書類の通称です。正式名称は、「個人事業の開業・廃業等届出書」です。

参照 : 国税庁「個人事業の開業届出・廃業届出等手続

フリーランスは開業届を出すと「個人事業主」として扱われますが、開業届を出さずにフリーランスとして活動することも可能です。

関連記事 : フリーランスとは?イチから始めるための基礎知識

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個人事業主として開業するための必要書類

個人事業の開業・廃業等届出書は、白色申告・青色申告のどちらを選ぶ場合でも提出する必要があります。実際には「青色申告承認申請書」と一緒に提出するケースが多いようです。

また、開業届は口座開設の手続きや補助金を申請する際に使うことがあるので、「控え」もきちんととっておきましょう。

開業届以外に必要なもの

フリーランスが開業届を出すとき、書類のほかに下記の本人確認書類が必要になります。

  • マイナンバー通知カードのコピー、またはマイナンバーカード裏面のコピー
  • 身分証明書(運転免許証、健康保険証、パスポートなど)

開業手続きの費用

フリーランスが開業届を提出するにあたって、手数料などの費用は必要ありません。開業届は税務署に置いてあるほか、国税庁のWebサイトから無料でダウンロードすることができます。

また、開業届の提出の準備として、マイナンバーカードの交付を受ける場合も、初回の交付手数料は無料です。マイナンバー通知カードのコピーでもかまいません。

ただし、税務署に郵送する場合は切手代やコピー代などで500円程度の費用がかかる場合があります。定形郵便物の送料は25g以内で84円、50g以内で94円となっており、税務署への郵送に使う分と返信用の封筒に貼る分の切手代が必要です。

税務署へ郵送する際には郵便追跡システムがあり、万一の場合実損額を賠償してもらえる簡易書留にすると安心です。簡易書留にする場合は、通常の送料に320円が加算されます。

税務署の窓口で開業届を提出する場合は、マイナンバーカードや本人確認書類を提示しますが、郵送する場合は写しを添付する必要があるため、コピー代が10円~20円程度かかる場合があります。

関連記事:フリーランスは開業届の提出は必須?書き方やタイミング、メリットデメリットを徹底解説

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開業届は必要?不要?

フリーランスとして働く場合、開業届は必ずしも出す必要はありません。開業届を出さなくても、収入が一定以上あれば、確定申告の必要があるという点では変わりないからです。開業届を出すと個人事業主として確定申告をすることになります。

フリーランスが開業届を出すことにはメリットやデメリットがあるため、以下で解説します。

フリーランスが開業届を出すメリット

フリーランスが開業届を出すと、以下のメリットがあります。

  • フリーランス1年目でも小規模企業共済に加入できる
  • 銀行で屋号名の口座がつくれる
  • 給付金がもらいやすくなる

それぞれの具体的なメリットについて解説します。

フリーランス1年目でも小規模企業共済に加入できる

小規模企業共済は廃業や退職に備えるための積み立てによる退職金制度です。掛金は所得控除の対象となるため、節税効果の面でもメリットがあります。小規模企業共済は開業届を出さなくても加入できますが、フリーランス1年目でまだ確定申告をしていない人は、開業届を出すことで加入できます。

銀行で屋号名の口座がつくれる

開業届に屋号を記載すれば、屋号名で銀行口座がつくれるので、個人事業主として社会的信用が得られやすくなるでしょう。

給付金がもらいやすくなる

新型コロナウイルス感染症による影響を受けた事業者への支援として政府が支給する「持続化給付金」は開業届を出していないフリーランスも受け取ることが可能ですが、地方自治体の給付金制度などには「中小企業と個人事業主」を対象にしたものもあります。その場合、フリーランスは開業届を出していないと給付金を受け取れなかったり、手続きが煩雑になったりするケースがあり得るでしょう。

参照 : 経済産業省「持続化給付金に関するお知らせ

フリーランスが開業届を出すデメリット

フリーランスが開業届を出すデメリットとして考えられるのは、税務署に提出する手間がかかることです。フリーランスの中でも事務作業が苦手な人は、「税務署に開業届を提出する」という作業が発生すること自体を避けたいと思うかもしれません。ただし、上記のようなメリットがあることを考えると、単純に「手間がかかる」「面倒くさい」という理由で開業届を出さないのはデメリットが大きいといえるでしょう。

関連記事 : 個人事業主(フリーランス)の開業届の出し方について

開業届の書き方

開業届を出すときに使用するのは、「個人事業の開業・廃業等届出書」という書類です。税務署に備えられているほか、国税庁のWebサイトからダウンロードできます。

個人事業の開業・廃業等届出書(通称:開業届)

画像 : 国税庁「個人事業の開業・廃業等届出書」をもとに作成

個人事業の開業・廃業等届出書の記入方法や注意点を、項目ごとに紹介していきます。

税務署名

納税地を管轄する税務署を記入します。基本的に個人事業主の納税地は住所地ですが、特例の適用を受けて居所や事業所を納税地にすることも可能です。納税地を管轄する税務署は国税庁のホームページで調べられます。

参照 : 国税庁「国税局・税務署を調べる」 

提出日

税務署に提出する日を記入します。

納税地

「住所地」「居所地」「事業所等」のいずれかを選択して、住所と電話番号を記入します。

氏名

氏名を書き入れ、押印。個人印のほか屋号印も使用可能です。

生年月日

元号を選択して生年月日を記入します。

個人番号

マイナンバーカードや通知カードに記載のあるマイナンバーを記入します。

職業

自分の職業を一般的に用いられている呼称で記入します。

屋号

屋号がある場合は記入します。

届出の区分

開業を選択します。事業を引き継いだケースでは住所と氏名を記入する必要があります。

所得の種類

フリーランスが個人事業主になる場合は、基本的に「事業(農業)所得」を選択します。

開業・廃業等日

個人事業主として事業を開始する日付を記入します。

開業・廃業に伴う届出書の提出の有無

「青色申告承認申請書」や消費税に関する「課税事業者選択届出書」を開業届とともに提出する場合は「有」、提出しない場合は「無」を選択します。

給与等の支払いの状況

家族の専従者や従業員を雇用する予定がある場合のみ記入しましょう。「源泉所得税の納期の特例の承認に関する申請書の提出の有無」「給与支払を開始する年月日」の欄も同様です。

職業欄の書き方

フリーランスの開業届の職業欄の書き方に規定はありません。総務省による日本標準職業分類を参考にする方法もあります。

参照 : 総務省「日本標準職業分類

ただし、業種によって個人事業税の税率が異なる点には注意が必要です。職業欄は分かりやすい名称で書くことを心がけましょう。

開業届の提出方法

開業届の提出先は、原則として住所地を管轄する税務署です。管轄の税務署は国税庁のWebサイトから、住所地の郵便番号や住所から検索して調べることができます。

参照 : 国税庁「税務署の所在地などを知りたい方

税務署の受付時間は、祝日を除く月~金曜日までの8時30分~17時です。ただし、土日祝日や平日の受付時間外に提出にしたい場合は、税務署の時間外収受箱に投函して提出することができます。税務署に郵送で提出することも可能です。

ネットで手続きは可能?

開業届は国税庁が運営する「e-Tax」を使って、ネットで提出することも可能です。e-Taxの利用にあたっては事前の準備が必要ですが、オンラインでも完結できます。本人確認のための電子証明書を取得した後、電子申告・納税等開始届出書を提出して、利用者識別番号や暗証番号の発行を受けると利用できるようになります。

参照 : 国税電子申告・納税システム「e-Tax(イータックス)

「e-Tax」で開業届を提出する際には、届出書の中から「個人事業の開業・廃業等届出書」を選択して、提出先の税務署名や氏名、住所といった基本情報を入力後、記入例と同様に届出の内容を入力します。そして、電子署名をした後、送信する流れです。

e-Taxで開業届を出す方法

e-Taxを利用するには、利用者識別番号と電子証明書を取得しておく必要があります。また、マイナンバーカードやICカードリーダーなどの用意が必要です。

パソコンでe-Taxで開業届を提出する手順は以下の通りです。

  • 1. e-Taxソフトをダウンロードし、e-Taxソフトの共通プログラムをインストールする
  • 2. 共通プログラムを起動させて「追加インストール」を選択する
  • 3. 「申請」の「+」をクリックする
  • 4. 下の項目の中から「所得税」にチェックを入れる
  • 5. e-Taxソフトの税目ソフトをインストールする
  • 6. e-Taxソフトの「作成」タブの「申告・申請等」の中から「新規作成」を選択する
  • 7. 「申請・届出」にチェックを入れて、税目は「所得税」を選択する
  • 8. 「個人事業の開業・廃業等届出書」を選ぶ
  • 9. 「申告・申請者等名」には「任意の名称」を入力する
  • 10. 「基本情報」入力フォームの必須項目などを入力し、「任意の名称」をクリックする
  • 11. 開業届の入力フォームが出てくる
  • 12. 必要な項目に入力した後は電子署名を行い、「送信」タブから「個人事業の開業・廃業等届出書」を選んで提出する

関連記事 : 確定申告が楽になる?e-Taxのメリット・デメリットとは

個人事業の開業手続きの手順


個人事業の開業手続きを税務署で行うときの手順を簡潔に説明すると、税務署の窓口や国税庁のWebサイトで「個人事業の開業・廃業等届出書」を入手し、氏名や生年月日、納税地などの必要事項を記入して、所轄の税務署提出・郵送するという流れになります。

なお、個人事業の開業手続きはe-Taxから行うことも可能ですが、ここでは税務署に書面で提出・郵送する場合を想定し、以下に主な手順を紹介します。

  • 1. 個人事業の開業・廃業等届出書を用意する
  • 2. 書類に必要事項を記入する
  • 3. 本人確認書類を準備する
  • 4. 所轄の税務署で手続きを行う

1. 個人事業の開業・廃業等届出書を用意する

画像 : 国税庁「個人事業の開業・廃業等届出書」をもとに作成

税務署の窓口や国税庁のWebサイトで「個人事業の開業・廃業等届出書」を手に入れます。

2. 書類に必要事項を記入する

画像 : 国税庁「個人事業の開業・廃業等届出書」をもとに作成

個人事業の開業・廃業等届出書に氏名、生年月日、個人番号、職業などの必要事項を記入していきます。

3. 本人確認書類を準備する

画像 : 総務省「マイナンバーカードは、これからの時代の本人確認ツール」をもとに作成

本人確認書類としてマイナンバーカード、もしくは個人番号の記載がある住民票の写しなどマイナンバーを確認できる書類+運転免許証、パスポートなど記載したマイナンバーの持ち主であることを確認できる書類(またはそれらの写し)を準備します。

4. 所轄の税務署で手続きを行う

必要事項を記入した開業届を所轄の税務署に提出・郵送します。手続きの際には本人確認書類の提示、または写しの添付が必要です。

関連記事 : 青色申告と開業届を解説|個人事業主を始めるならば

開業届提出時の注意点

従業員を雇う場合は、「給与支払事務所等の開設届出書」や「労働保険保険関係成立届」「雇用保険適用事業所設置届」など、さらに複数の届出が必要になるケースがあります。

これらの書類の提出先は、労働基準監督署や税務署、ハローワーク、年金事務所など様々で、期限も違うため注意が必要です。

関連記事 : フリーランスが従業員を雇用する方法

開業届はいつまでに出す?

開業届の提出期限は開業した日から1ヵ月以内とされています。ただし、提出期限にあたる日が土日や祝日だった場合は、その翌日の税務署の開庁日が期限となっています。

関連記事 : 個人事業の開業を考えている方に!必要な書類や提出先、期限を解説

フリーランスが開業届を出していない場合

開業から1ヵ月以内に開業届を出していなくても、ペナルティはありません。ただし前述のとおり、フリーランスが開業届を出していないと、社会的信用を高めることができなかったり、給付金がもらえなかったりといったデメリットが生じる可能性があるので、総合的な状況を踏まえて判断しましょう。

関連記事 : 個人事業主の申請・始め方

開業届と白色申告・青色申告

フリーランスの中でも、個人事業主として事業所得を確定申告する場合、青色申告と白色申告という2つの方法があります。

開業届しか出していない場合は白色申告になります。青色申告を行うためには、税務署に「所得税の青色申告承認申請書」提出することが必要です。開業の年以降は、毎年3月15日が「所得税の青色申告承認申請書」の提出期限になります。

青色申告と白色申告、それぞれの概要は以下の通りです。

青色申告の提出書類

青色申告は日々の取引を複式簿記で記帳し、確定申告では損益計算書や貸借対照表等からなる「所得税青色申告決算書」と「確定申告書B」を作成します。

青色申告には以下のメリットやデメリットがあります。

青色申告のメリット
  • 最大65万円の青色申告特別控除が受けられる。
  • 生計を同一にする青色事業専従者への給与を全額必要経費にできる。
  • 赤字を3年間繰り越すことができる。
  • 少額減価償却資産の特例を受けられる。
青色申告のデメリット
  • 複式簿記での記帳が必要で、確定申告の手間がかかる。

青色申告は開業当初は赤字が見込まれる人、家族に給料を支払う予定がある人などに向いているといえます。また、複式簿記の記帳に抵抗がないことも条件ですが、会計ソフトを活用したり、税理士に委託したりする方法もあります。

白色申告の提出書類

白色申告は単式簿記による記帳でもよく、確定申告では「収支内訳書」と「確定申告書B」を作成します。

白色申告には以下のメリットやデメリットがあります。

白色申告のメリット
  • 決算書ではなく、収支内訳書を提出すればよい。
  • 単式簿記でかまわないため、青色申告より確定申告が手軽にできる。
白色申告のデメリット
  • 青色申告特別控除を受けることができない。
  • 赤字を翌年以降に繰り越すことができない。
  • 家族が事業に従事している場合の事業専従者控除が配偶者86万円、それ以外の親族50万円が最大。

白色申告は少しでも記帳や書類作成の手間を省きたい人に向いています。事業規模の面では、事業所得が年間48万円以下となることが見込まれるケースや、赤字にならないことが想定されるケースなどに向いているといえるかもしれません。

関連記事 : 青色申告と白色申告の違いを解説

最後に

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