税理士はつけるべき?メリット・デメリットを個人事業主向けに解説

個人事業主の方にとって、確定申告や税務処理にかかる工数は決して小さなものではありません。そのため、負担を軽減するために税理士への委託を検討されている方も多いのではないでしょうか?

本記事では、個人事業主が税理士に依頼するメリット・デメリットを詳しく解説します。税理士への依頼を検討している方は、ぜひ参考にしてください。

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個人事業主が税理士に依頼する6つのメリット

はじめに、税理士へ税務関連の諸業務を委託するメリットを6つ紹介します。

個人事業主が税理士に依頼する6つのメリット

1.本業にリソースを集中できる

税理士に依頼することで、コア業務に集中できるようになるというメリットがもたらされます。

個人で事業を営む場合、業務に充てられるリソースの総量に限りがあるため、「いかに本業に時間を割けるか」が重要になってきます。確定申告や税務処理などの諸業務から解放されれば、その時間を本来取り組むべき仕事に充てられるようになり、大幅な業務改善を図れるでしょう。

後述のとおり依頼に際しては費用が発生するものの、もたらされる恩恵を鑑みれば、実質的なコストはそれほど高くないといえるかもしれません。

2.税務手続きのミスを防げる

税務諸手続きにおけるミスを防ぐことも可能になります。

手続きにミスがあると、追加徴税や罰則金が課されるおそれがあります。税務手続きは複雑なうえ、改正に伴い内容や手順が頻繁に変わるので、個人事業主がそれらの内容に対応するのは大きな負担です。そのため、知らず知らずのうちに不適切な処理をしてしまうリスクもないとはいえません。

しかし、プロである税理士に依頼すればこのような心配は無用です。税務関連の諸手続きをアウトソーシングすることで、ミスなく円滑に業務を完了させられるでしょう。

参考:【申告が間違っていた場合】|国税庁

3.節税対策を図れる

税理士に依頼するメリットとして、節税対策のアドバイスが受けられるという点も見過ごせません

税理士は税法の専門家であり、適切な経費計上や各種制度の利用による節税をサポートしてくれます。フリーランスの方が本業の傍ら複雑な税務知識を学び、節税を図ることは決して簡単ではありません。そのため、独立して間もない方をはじめ、節税面の知識に不安のある方は税理士へアドバイスを仰ぐことをおすすめします。

4.融資の相談ができる

事業拡大や資金繰りのために融資を受ける際も、税理士のサポートは心強いものです。

金融機関への申請書類作成や事業計画書の策定など、融資に必要な準備を税理士がサポートしてくれます。

税理士は融資審査のポイントを熟知しており、通過しやすい書類の作り方を知っています。また、業界のネットワークを駆使して融資先を紹介してくれるかもしれません。さらに、融資後の返済計画や資金繰り表の作成に関するアドバイスも期待できます。

5.税務調査の対応を任せられる

万が一、税務調査の対象となってしまった場合も税理士に対応を任せることができます。個人事業主にとって税務調査を受ける精神的負担は決して小さなものではありませんが、調査の流れや対応方法に精通している税理士に任せられれば安心です。

税務面の知識や対応に不安を抱えている場合は、税理士への依頼を検討してみることをおすすめします。

参考:税務調査手続に関するFAQ(一般納税者向け)|国税庁

6.法改正に素早く対応できる

税法の改正に素早く対応できるようになるというメリットもあります。

税法は毎年のように改正されますが、変更内容を常に把握し、適切に対応するのは大変です。新しい年度がスタートする4月1日には、改正された新しい税制が施行されます。消費税の軽減税率導入や電子帳簿保存法の改正に代表されるような大規模な改正が新たに適用されることもあり、業務への影響もあるでしょう。

しかし、税理士はその道のプロですから、税制改正について最新の情報に精通しています。改正を受けてどのような対応が必要になるのか、的確な指示を受けられるでしょう。

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個人事業主が税理士に依頼するデメリット

税理士に依頼することには多くのメリットがある反面、デメリットも存在します。続いて依頼することの主なデメリットを見ていきましょう。

費用が発生する

税理士に依頼するデメリットとしては、依頼費用が挙げられます。依頼先や契約内容によって費用は異なるものの、個人事業主として税理士と顧問契約を結ぶ場合は1か月あたり1~5万円程度がかかります。

事業規模が小さい場合、この費用は経営を圧迫するように感じられるかもしれません。そのため、依頼にあたっては費用対効果を鑑みながら慎重に検討を進めたいところです。

業務状況を共有しなければならない

業務や収支状況を共有する手間がかかる点も、税理士に依頼することのデメリットの一つです。

具体的には、領収書や請求書を提出しなければならず、定期的なミーティングの工数も発生します。くわえて、記帳代行を依頼する場合は毎月の資料提出も求められます。また、なかには事業の細部まで共有することに抵抗を感じる方もいるかもしれません。

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税理士は不要といわれる理由

クラウド会計ソフトの発展により経理業務が簡易になったことから「税理士は必要ない」と思われる方もいるようです。事実、確定申告はこれらのツールの使用により、以前と比べて大幅な工数短縮が実現しています。特に事業規模が小さい場合や取引内容が単純な場合は、税務関連の諸業務を自身で対応できないわけではありません。

それでもなお、専門家のサポートの力は大きなものです。税務手続きに工数が割かれている場合や、より専門的なノウハウが必要な場合などは税理士への相談を検討してみましょう。

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税理士に依頼できる主な業務内容

税理士に依頼できる業務は多岐にわたります。ここでは税理士に依頼できる代表的な業務を3つ紹介します。

日々の記帳業務

税理士に依頼できる基本的な業務の一つが記帳代行です。

記帳代行とは、領収書や請求書などの証明書類をもとに収入と支出を正確に記録していくことです。この記帳業務を税理士にアウトソーシングすることで、経理処理の正確性が高まります。

経費計上の可否判断など、専門的な知識が必要となる作業を安心して任せられる点がメリットです。

税務書類の作成業務

確定申告書や決算書など、税務関連書類の作成も税理士に委託できます

これらの書類は専門的な知識が必要で、ミスがあれば税務署から確認が入りかねません。税理士は最新の税法に精通しており、税額計算を正確に行ってくれます。さらに、確定申告の際の各種控除(医療費控除、住宅ローン控除など)についてもアドバイスを得られ、正しい節税につながります。

ミスを防ぎ、工数を短縮したい場合は税理士への依頼が得策といえます。

税務調査の立ち会い

税務調査が入った場合は、税理士に立ち会いを依頼できます

税務調査は事実上の強制捜査であり、対応にあたって税務関連の知識はもちろん、経営状況や各種申告の履歴を正確に把握していなければなりません。調査で不正と判断された場合は種々のペナルティが課されるため、対応に不安がある場合は税理士に依頼するのが賢明です。

また、調査後の諸対応も一貫して任せられるため、自身の負担を大きく減らすことが可能になります。

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税理士への依頼を検討すべきタイミング

ここでは、税理士への依頼を検討すべきタイミングを紹介します。下記のタイミングで、税理士への依頼を検討してみることをおすすめします。

初めての確定申告で不安を感じるとき

フリーランスとして独立したばかりで、初めての確定申告を控えている場合は、税理士への依頼を検討する良いタイミングです。先述のとおり確定申告は手続きが複雑で、間違いがあると後から修正が必要になることもあります。

不安を解消し、確実に手続きを進めたい場合は、専門家の力を借りることを考えてみましょう。

以下の記事では、確定申告について詳しく解説しています。併せてお読みください。
初めての個人事業主の確定申告。いくらから必要?必要書類は?いつまでにやるべき?

年間売上が1,000万円を超えたとき

年間売上が1,000万円を超えた場合も税理士への依頼を検討してみてください。

年間売上が1,000万円を超えると、個人事業主であっても2年後から消費税の申告義務が課されるため、税務処理業務の負担が増えます。また、売り上げが1,000万円を超えた場合は、節税の観点から法人化を視野に入れるべきタイミングでもあります。

増えてしまった税務処理関連の業務負荷を軽減しつつ、法人化の検討にあたって適切なアドバイスを得るためにも税理士への依頼を考えてみましょう。

法人成り(法人化)を考え始めたとき

事業の拡大に伴い、個人事業主から法人への移行(法人成り)を検討し始めたら、税理士への相談をおすすめします。

法人設立にあたっての諸手続きは、定款作成や登記申請などなにかと複雑です。税理士は法人設立のサポートも行っており、スムーズな移行を手助けしてくれます。また、法人と個人の間での資産移転や開業費の処理など、税務上のアドバイスも期待できます。

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税理士に依頼する際の契約形態

税理士との契約形態は、顧問契約とスポット契約の2つに大別されます。

顧問契約は、文字通り税理士に顧問としてついてもらう契約形態です。年間報酬あるいは月額報酬を支払うことで、定期的な相談や記帳代行、確定申告などのサービスを受けられます。事業の成長に合わせたアドバイスが欲しい場合や、安定した関係を構築したい場合におすすめです。

一方でスポット契約は、必要な時だけサービスを利用する形態です。費用を抑えたい場合や、基本的には自分で税務処理を行いたい場合に適しています。

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税理士に依頼する場合の費用相場

税理士への依頼費用は、依頼する業務内容やサービスの範囲によるため一概には言えませんが、個人事業主が税理士に顧問契約で依頼する場合、月額1~5万円程度が目安となります。スポット契約の場合は、1依頼あたり1万円程度が相場となるでしょう。

※本記事は2025年10月時点の情報を基に執筆しております。

最後に

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