バックエンドの意味とは?フロントエンドとの違い、開発の流れや言語 | レバテックフリーランス
バックエンドの意味とは?フロントエンドとの違い、開発の流れや言語
バックエンドという言葉は直訳だと「後部の」という意味になり、日本でも、いくつかの業界で、それぞれ異なる文脈で使われる言葉になっています。
この記事では、主にIT業界で使われるバックエンドの意味を中心に、詳しい仕組みやバックエンドで働くエンジニアの業務、反対の意味を指す「フロントエンド」との違いなどを解説します。バックエンドエンジニアの将来性についても補足するのでぜひキャリアの参考にしてください。
目次
ビジネスにおけるバックエンドの意味
ビジネスの文脈では、バックエンドは「裏方」や「後方支援」を意味します。
企業活動において、顧客と直接接する部門がフロントエンドだとすれば、バックエンドはその活動を支える部門や機能を指します。たとえば、小売業では店頭での接客がフロントエンドで、在庫管理や物流がバックエンドにあたります。
バックエンドは直接目に見えにくいものの、ビジネスの円滑な運営には欠かせません。効率的なバックエンド業務は、顧客満足度の向上やコスト削減につながるため、多くの企業が重視しています。
以下に、いくつかの業界におけるバックエンドの例を示します。
業界 | フロントエンド | バックエンド |
---|---|---|
小売 | 店頭販売、接客 | 在庫管理、物流 |
飲食 | 料理提供、接客 | 仕入れ、調理 |
金融 | 窓口業務、営業 | システム管理、リスク管理 |
IT技術におけるバックエンドの意味
ITの世界では、バックエンドはWebサイトやアプリケーションの裏側で動作する部分を指します。
具体的には、サーバーサイドの処理やデータベース管理などが含まれます。ユーザーが直接操作するフロントエンド(ユーザーインターフェース)とは異なり、バックエンドはデータの処理や保存、セキュリティの確保などの機能を担っています。
バックエンドのシステムの主な役割は以下の通りです。
- データの保存と管理
- ユーザー認証とセキュリティ
- ビジネスロジックの実装
- APIの提供
- サーバーリソースの最適化
たとえば、オンラインストアを例に挙げると、商品一覧や注文フォームなどユーザーが直接操作する部分がフロントエンドです。一方、ユーザーの注文情報を処理し、在庫管理システムと連携させる部分がバックエンドになります。
バックエンドエンジニアとは?何を開発する職種?
バックエンドエンジニアは、Webサイトやアプリケーションの裏側で動作する部分を設計・開発する職種です。
そもそも、WebサイトやWebアプリケーションは、大きく分けて、フロントエンドとバックエンドによって動いています。クライアントサイド、サーバーサイドと呼ばれる場合もあります(下図参照)。
この中で、バックエンドエンジニアは、ユーザーの目に触れないシステムの開発や設計を行います。以下は、バックエンドエンジニアの主な業務内容です。
- サーバー構築
- データベース構築
- サーバーサイドプログラム開発
- 保守・運用
バックエンドの文字通り、プログラムの開発からサーバーやデータベース導入・構築、保守、運用までのシステム全般のカバーが役割です。バックエンド開発で使われる主なプログラミング言語は、JavaやRuby、PHPです。
業務の目標はシステムの安定性、セキュリティ、パフォーマンスの向上が目標に置かれる場合が多いです。バックエンドエンジニアはシステムの根幹を支える重要な職種であり、IT業界で高い需要がある職業だといえるでしょう。
バックエンドエンジニアの年収はどれくらいなのか?と気になる方は、以下の記事をご覧ください。
バックエンドエンジニアの平均年収は?将来性や向いている人を解説
フロントエンドとバックエンドの意味の違い
フロントエンドとバックエンドの意味の違いは以下のとおりです。
項目 | フロントエンド | バックエンド |
---|---|---|
開発領域 | ユーザーへ機能の表示、機能の受付など、ユーザーが直接触れる部分/指示やデータ入力を受け付けて計算、変換などの処理/データベースから情報の取り出し | パソコンやスマートフォンなどからデータ入力の指示を受け、求められた処理を行って応答 |
言語 | HTML/CSS/JavaScript | Java/Ruby/PHPなど |
業務内容 | Webデザインが設計したデザインをプログラムに落とし込む | システム構築/データベース構築/保守・運用など |
フロントエンドエンジニアの仕事に関して詳しく知りたい方は、以下の記事をご覧ください。
【エンジニアのプロ監修】フロントエンドエンジニアとは?年収や必要なスキル、将来性など
開発領域の違い
フロントエンドとバックエンドは、開発領域や役割が異なります。フロントエンドエンジニアはユーザーが目に触れて操作する部分、バックエンドエンジニアはサーバー側の開発や構築を担当します。
フロントエンド開発は、WebやモバイルアプリのUIやUXの設計・構築、最適化を行う領域です。たとえばテキスト入力する箇所やバナー、画像などの設定や開発を担当します。
バックエンド開発では、Webアプリやサービスの裏側で動作するプログラムやコンポーネントの構築、運用、保守などを行います。
プログラミング言語の違い
フロントエンド開発では、主にHTMLやCSS、JavaScriptなどのプログラミング言語を使用します。バックエンド開発で主に使われる言語は、JavaやRuby、PHPなどです。
フロントエンドで開発で使われるHTMLやCSSは、Webサイトの基本となり、ユーザーが使いやすいように構築します。JavaScriptは、Webページに動きを与える言語です。動的な操作やアニメーション、データ処理などを実現できます。
バックエンド開発では、開発するシステムやアプリによって使い分けられます。主な使用言語のJavaは、スマホアプリやカーナビ、家電の組み込み、IoT機器にも採用されています。
バックエンドエンジニアを目指す人は、開発するものや携わりたい領域にあわせて、習得する言語を選ぶ必要があるでしょう。
【1位はGoの87万円】プログラミング言語別単価ランキング|2023年7月最新版 | レバテックフリーランス
業務内容の違い
フロントエンドでは、デザイナーが設計したデザインをもとにコーディングし、ブラウザで表示できるようにします。デザイナーとのやり取りも多く発生するため、デザインに興味・関心があったほうが、円滑な開発につながりやすいでしょう。
バックエンドはシステム開発の全工程を担当しますが、プロジェクトの規模によっては、複数人で工程を分担します。具体的には、システムの要件定義やサーバー設計、データベースの構築、プログラム開発、保守・運用などです。
フロントエンドとバックエンドとのやり取りは、頻繁に発生しますので、どちらの職種であったとしても、おおまかな業務内容については両方とも理解しておくべきでしょう。
バックエンドエンジニアの仕事とは?未経験で目指す方法、必要なスキルも解説
開発の流れは?フロントエンド・バックエンドの工程
フロントエンドとバックエンドの開発の流れを解説します。フロントエンドとバックエンドのエンジニアは、多くのやり取りが発生しがちです。それぞれの開発の流れについて理解しておけば、円滑な開発につながります。
フロントエンド開発の流れ・工程
フロントエンド開発の流れは以下の通りです。
- 画面全体の初期設計
- 画面コンポーネント定義
- アクション・レスポンス定義
- HTML・CSSマークアップ
- JavaScript・TypeScript実装
- ブラウザ検証
フロントエンド開発では、はじめにユーザーが見る画面や操作の初期設計や定義を行います。次にHTMLやCSSでマークアップを行い、JavaScript・TypeScriptで動きをつけます。
最後に、画面表示に不具合がないかブラウザで検証し、クライアントにも確認してもらうのが一般的な流れです。
バックエンド開発の流れ・工程
バックエンド開発の流れは、以下の通りです。
- 企画・要件定義
- 設計
- 開発
- テスト
クライアントの要望をヒアリングした後、企画・要件定義を行い、要件をもとに詳細な設計、開発へと進みます。テストは、開発したシステムがユーザー側の環境で正常に動作するか確認する、大切な工程です。
バックエンドエンジニアの仕事についてさらに詳しく知りたい方は、こちらの記事をご覧ください。
バックエンドエンジニアの仕事とは?未経験で目指す方法、必要なスキルも解説
バックエンド・フロントエンドに必要なスキル
バックエンドエンジニアとフロントエンドエンジニアに、必要なスキルを解説します。開発領域や使用言語が異なるため、それぞれのエンジニアで必要な知識やスキルも異なります。
知識や技術面だけでなく、注意力やコミュニケーション能力といったスキルも、ぜひ参考にしてください。
バックエンドエンジニアに必要なスキル
バックエンドエンジニアは、開発段階からリリース後まで対応する重要な役割を担っています。バックエンドエンジニアとして活躍するには、以下のようなスキルが必要です。
- JavaやPHP、Rubyの扱いに長けている
- ミドルウェアに関する知識
- 開発プラットフォーム関連のスキル
- ロジカルな思考が必要
- 細かいミスに気がつく注意力
バックエンドエンジニアは、フロントエンドで制作したアプリを、OSにつなぐためのミドルウェアに関する知識も必要です。バックエンドで不具合が起きるとフロントエンドにも影響が出るため、細かいミスにも気が付く注意力が求められるでしょう。
バックエンドエンジニアのスキルについてもっと知りたい方は、以下の解説記事を合わせてお読みください。
バックエンドエンジニアになるなら勉強したいスキル!学習ロードマップも紹介
フロントエンドエンジニアに必要なスキル
フロントエンドの主な仕事は、ユーザーが見やすいフロントエンドの設計・構築です。フロントエンドは、以下のようなスキルが求められます。
- 幅広い業務領域に対応できるスキル
- Webデザインの知識
- コミュニケーション能力
フロントエンドエンジニアは、コーディングやWebデザインの知識など、幅広い領域に対応できる人は重宝されやすいです。
Webデザイナーやディレクター、バックエンドエンジニアなど、関わる人も多いため、コミュニケーション能力も求められます。
フロントエンドエンジニアのスキルについてもっと知りたい方は、こちらの記事で詳しく解説していますので参考にしてみてください。
フロントエンドエンジニアに必要なスキルとは?仕事内容や役立つ資格も紹介
将来性はある?バックエンドエンジニアの需要
結論からいうと、バックエンドエンジニアの需要は高まっていて、将来性もあると予測できます。
厚生労働省の「IT・デジタル人材の労働市場に関する 研究調査事業」 調査報告書によれば、IT業界全体で人材が不足しているのに加え、「ソフトウェア開発スペシャリスト」や「基盤スペシャリスト」は他の職種に比べても特に不足しているという調査結果が出ています。
特に、フロントエンド・バックエンドの両方の業務を1人でこなせるフルスタックエンジニアの需要は高くなりやすいでしょう。
なお、人材不足を背景に、フリーランスで活躍できる可能性も広がっています。レバテックフリーランスでは、企業との直接取引によるマージン圧縮や過去のマッチング実績により、高単価の案件もスピーディーにお探しいただけます。
フリーランスとして案件獲得を目指したい人は、ぜひご活用ください。
バックエンドの意味に関するよくある質問
バックエンドの意味に関する、よくある質問に答えます。バックエンドの意味や業務内容、必要なスキルなどをまとめたので、ぜひ参考にしてください。
Q. バックエンド・フロントエンドの意味は何ですか?
バックエンドは、ユーザーからは見えない裏側、サーバーサイドのプログラムやデータベースの領域を指します。フロントエンドは、Webサービスやアプリにおいて、ユーザーが目にして操作する領域です。
Q. バックエンドエンジニアはどういった業務を行いますか?
バックエンドはシステム開発の全工程を担当しますが、プロジェクトの規模によっては、複数人で分担して業務を行います。具体的には、システムの要件定義やサーバー設計、データベースの構築、プログラム開発、保守・運用などです。
Q. バックエンドエンジニアになるために必要なスキルは?
バックエンドエンジニアには、JavaやPHP、Rubyなどのプログラミング言語や開発プラットフォームのスキルも必要です。フロントエンドで制作したアプリを、OSにつなぐためのミドルウェアに関する知識も求められるでしょう。
※本記事は2024年9月時点の情報を基に執筆しております。
最後に
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