フリーター・フリーランス・個人事業主はどう違う?

この記事のまとめ
  • 個人事業主とは、税務署に開業届を提出し企業や団体等と雇用契約を結ばず、個人で事業を行う人を指す
  • フリーターと個人事業主では契約形態が「雇用契約」か「業務委託」かという違いがある
  • フリーターが個人事業主やフリーランスになるには、まずやりたい業種で実務経験を積むのが大切

当記事では、「フリーター」「フリーランス」「個人事業主」のそれぞれの意味について解説します。「なんとなく自由な働き方というイメージがあるが、明確な違いはよくわからない」という人は、ぜひご覧ください。また、個人事業主が副業を行う際の確定申告についても触れていますので、これから個人事業主として活動したいと思っている方も参考にしてみてください。

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フリーター、フリーランス、個人事業主の違い

フリーター、フリーランス、個人事業主の違いがいまいちわからない方も多いのではないでしょうか。それぞれの意味について解説していきます。

なお、会社員と個人事業主のダブルワークについて検討しているという方は「個人事業主として副業するには?」の記事をご覧ください。

フリーターとは

フリーターとは、一般的にアルバイトやパートなど、正社員以外の雇用形態で生計を立てる人のことを指します。

内閣府では、以下に該当する人をフリーターと定義しているようです。

 

15~34歳で、男性は卒業者、女性は卒業者で未婚の者のうち、 1.勤め先における呼称が「パート・アルバイト」である者 2.完全失業者のうち探している仕事の形態が「パート・アルバイト」の者 3.非労働力人口で、家事、通学、就業内定しておらず、希望する仕事の形態が「パート・アルバイト」の者

引用元: 内閣府

つまり、学生や主婦を除くパートやアルバイトの形態で働いている人、もしくは、現在は働いていないが、パートやアルバイトとして働く意思がある人は「フリーター」といえるでしょう。

参考 : 第2節 若年無業者,フリーター,ひきこもり|平成27年版子供・若者白書(全体版) - 内閣府

フリーランスとは

フリーランスとは、企業や団体等と雇用契約を結ばず、個人で仕事を請け負う働き方のことです。職種はさまざまですが、専門知識やスキルを活かしやすい働き方であるため、ITエンジニアやWebデザイナー、イラストレーター、フォトグラファー、ライターなどのクリエイティブな職種に多く見られます。

また、現在では、価値観の多様化や、業務委託による働き方を提案するサービスが浸透してきたことから、兼業・副業としてフリーランスになる人も少なくないようです。

参考 : 一般社団法人プロフェッショナル&パラレルキャリア・フリーランス協会「フリーランス白書 2019」

個人事業主とは

企業や団体等と雇用契約を結ばず、個人で事業を行う人で、税務署に「個人事業の開業・廃業等届出書」を提出した人が個人事業主となります。また、従業員を雇用している場合でも、法人化していなければ個人事業主です。

対価のやり取りを伴う資産の譲渡等を、独立して繰り返し継続すること

引用元: 国税庁
 

以上を簡単にまとめると、
フリーターと個人事業主の違いは、契約形態が「雇用契約」か「業務委託」か
フリーランスと個人事業主の違いは、「働き方」か「税務署で定められた区分」か
ということになるでしょう。

フリーランスと自営業の違いについては「フリーランスと自営業の違い」でも解説しています。そのほか自営業・フリーランスと会社員の違いについても解説しているので、こちらもあわせてご覧ください。

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個人事業主がアルバイトを掛け持ちする場合の確定申告

個人事業主として活動している人は、参画できる案件がない期間に副業を行い、本業とは別の収入を得ることもあるでしょう。その場合、これらの収入も課税の対象となりますが、所得の種類によって、所得金額の計算方法が変わってくるので注意が必要です。

ここでは、個人事業主がアルバイトで掛け持ちする時の確定申告について確認していきましょう。

そもそも確定申告とは

確定申告とは、申告納税制度に則り、1年間の所得に対する所得税の計算を行い、自身の納める税金を国や地方に申告し、納税することを指します。

原則として、一定の所得を得た人には納税が必要であるため、個人事業主であってもフリーターであっても確定申告を行う必要があります

ただし、フリーターの場合、勤務先の企業が行う年末調整によって確定申告が不要になることもあるため、自分がどちらに該当するか把握しておくようにしましょう。

所得の種類

所得には10種類の区分があり、どれに当てはまるかによって所得金額の計算方法が違ってきます。個人事業主の副収入として考えられる所得としては、「給与所得」「事業所得」が挙げられるでしょう。まずは、自分が得た収入がどちらに該当するかを確認してみてください。

給与所得

勤務先から受け取る給与や賞与などの所得をいいます。アルバイトとして企業と雇用契約を結び、そこで働いて得た収入は、「給与所得」となります。

事業所得

事業を営んでいる人の、その事業から生ずる所得をいいます。クラウドソーシングサービスなどで業務委託契約を結んで仕事を請け負った場合、そこで得た報酬は「事業所得」になるでしょう。

参考 : No.1300 所得の区分のあらまし|国税庁

所得金額の計算方法

給与所得・事業所得の基本的な計算方法は以下のとおりです。

給与所得

給与の所得金額=給与-給与所得控除額

給与所得の金額は、給与等の収入金額から給与所得控除額を引いて算出します。給与所得控除額は給与等の収入金額に応じて変わってくるので、詳しくは国税庁公式サイトの給与所得控除のページを参照してください。

給与所得は、支払われる際に所得税が源泉徴収されていますが、給与所得以外のその他の所得がある場合、その他の所得と合計して総所得金額を算出し、確定申告することとなります。
確定申告の際、源泉徴収票の添付は不要ですが、計算ミスを防ぐためにも、アルバイト先からもらった源泉徴収票はとっておきましょう。

参考 :
No.1400 給与所得|国税庁
No.1410 給与所得控除|国税庁

事業所得

総収入金額-必要経費=事業所得の金額

事業所得の金額は、総収入金額から必要経費を引いて算出します。必要経費とは、収入を得るために直接必要な費用のことで、売上原価や販売費、管理費などが挙げられます。すでに個人事業主として確定申告を行ったことがある場合、本業の収入・経費と同様に処理すれば問題ないでしょう。

クラウドソーシングを利用して業務を行う場合、パソコンを購入した際の代金や、インターネット使用料などが経費として計上できる可能性があります。

参考 : No.1350 事業所得の課税のしくみ(事業所得)|国税庁

確定申告についてさらに詳しく確認したい方は「【確定申告】フリーランス1年目が白色申告でやることまとめ!」もあわせてご確認ください。

フリーランス向け案件を提案してもらう

フリーターが個人事業主やフリーランスになるには

フリーターが個人事業主やフリーランスになるには、まず下記のことから始めてみましょう。

  • フリーランスに転向しやすい職種を知る
  • やりたい業種で実務経験を積む
  • エージェントを利用するのも手

ここでは、それぞれについて解説していきます。

フリーランスに転向しやすい職種を知る

まずは、フリーランスに転向しやすい職種を知りましょう。一般的に、下記のようなものが挙げられます。

  • コーダー
  • ネットワークエンジニア
  • アプリケーションエンジニア
  • ゲームエンジニア
  • Webデザイナー
  • グラフィックデザイナー
  • イラストレーター
  • Webライター
  • 動画編集者

上記の仕事は案件も多く、フリーランスが活躍しており、需要のあります。ただし、スキルや実績もなく、未経験でできる仕事ではありません。

まずは上記のようなフリーランスが活躍している職種の中から、自分が興味を持てる職種を把握し、その仕事や求められるスキルについて調べてみることから始めましょう。

やりたい業種で実務経験を積む

やりたい業種を決めたら、次は実務経験を積みます。経験を積んで実績を残せば、フリーランスとして活動する際に、スキルとして証明できるでしょう。

実務経験を積むに方法には、下記のようなものがあります。

  • 未経験可の企業に就職する
  • 社会人インターンに参加する

遠回りになると感じるかもしれませんが、経験のないままフリーランスになっても案件が獲得できなかったり、値段の安い案件しかできずにフリーター時代よりも収入が減ったりという事態になりかねません。

エージェントを利用するのも手

個人事業主の方に多い悩みの一つとして、「案件がない」「収入が安定しない」というものがあります。そういった悩みを持つ人は、フリーランス向けのエージェント利用を視野に入れてみましょう。

フリーランス向けのエージェントとは、フリーランスと企業間での案件の受発注を仲介するサービスです。フリーランスのスキルや希望条件などをヒアリングし、個々にマッチした案件を提案します。エージェントを利用することで、以下のようなメリットが受けられます。

  • 安定して案件を得るられる
  • 受注できる案件の幅が広がる
  • 契約の締結を代行してもらえる
  • 参画中に疑問点があればエージェントに相談できる

ただし、エージェントを利用する場合、契約先の企業に常駐して作業を行う、「常駐型」の働き方となり、稼働日数も基本的に週5日となります。在宅で柔軟に働きたいと考えている人には合わない可能性があるので注意しましょう。

自分にエージェントが向いているのかどうか…とお悩みの方は「フリーランスエージェントはどんな人におすすめ?比較のコツやメリット」も合わせてご覧ください。 フリーランスエージェントがおすすめな人やメリット・デメリットも紹介しています。

フリーランス向け案件を提案してもらう

フリーターとフリーランスと個人事業主の違いに関するよくある質問

ここでは、フリーターとフリーランスと個人事業主の違いに関するよくある質問に答えていきます。

Q. フリーターが個人事業主になる場合、どのような手続きが必要ですか?

個人事業主になる場合、まずは所轄の税務署に開業届を提出する必要があります。開業届の他にも、青色申告をする場合には青色申告承認申請書の提出が必要です。

Q. 個人事業主がアルバイトで掛け持ちする場合、確定申告する際にアルバイトの収入はどの所得の種類に該当しますか?

時給制などの雇用契約の場合は給与所得、業務委託契約を結んで仕事を請け負った場合は事業所得に該当します。

Q. 給与所得控除額はどのように決まりますか?

給与所得控除額は、給与等の収入金額によって決まります。

Q. 確定申告の際にアルバイト先からもらった源泉徴収票の添付は必要ですか?

確定申告の際、アルバイト先からもらった源泉徴収票の添付は不要ですが、記入時に源泉徴収票の金額を記入するため用意しておく必要はあります。

Q. フリーランスに転向しやすい職種の中で、需要が高いものはありますか?

フリーランスに転向しやすく需要の高い職種には、Webデザイナーやプログラマー、Webライターなどがあります。

※本記事は2022年8月時点の情報を基に執筆しております。

最後に

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