R言語の仕事とは?需要や将来性、年収、求人案件の人気などを紹介 | レバテックフリーランス
R言語の仕事とは?需要や将来性、年収、求人案件の人気などを紹介
R言語は近年注目を集めている言語(ツール)のひとつで、求人も増えています。統計データの分析やグラフの作成などで、学生時代などにR言語を使った経験のある人もいるかもしれません。R言語を学習すると、データの統計処理の仕方も学ぶことができます。この記事ではR言語の概要や、R言語を使った仕事、将来性、入門に適した学習法などについて解説します。
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■この記事の監修
国司 多加志
過去、システムエンジニアや、プログラマーの仕事の経験が25年くらいあります。開発の経験は、現状分析から運用まで、いくつものの経験があります。おもには、クライアントサーバシステムや、大型コンピュータのシステム、webシステムの開発をしています。言語は、access VBA、VB、PHP、Java 等を使っていました。データベースはOracleが主に得意であります。また、プログラミングの講師の仕事もしていました。なので、コミニケーション能力にも精通しています。資格は、第2種情報処理試験合格、ITILファンデーションを取得しています。
R言語とは
R言語はデータの整理や統計データ解析、統計グラフ作成といった、統計データ処理向けのOSS(オープンソースソフトウェア)です。この統計データ解析には、仮説を統計的に検証する際に用いられる統計的仮設検定などが含まれます。
R言語はJavaやRuby、Pythonなどのプログラミング言語とは異なり、さまざまな用途に幅広く使うことはできませんが、統計データ処理を簡潔に記述できます。さらに、他のプログラミング言語と組み合わせることでさまざまな処理の分担が可能です。たとえば、Webやデータベース、計測機器から取得したデータをJavaやRubyなどでCSV形式(コンマ区切りのテキストデータ)に変換し、そのデータをR言語で整理・解析する、といった分担が考えられるでしょう。
R言語は長年、統計データを使った科学研究などの分野で用いられてきました。そのため、R言語の利用方法は多くの書籍やWebサイトで学ぶことができます。また、オープンソースソフトウェアということもあり、数々のパッケージ(ライブラリ)を利用できることも特徴です。パッケージの種類としては、基本的なデータの整理や統計データ処理に関するものから、特定の専門分野に関するものまでさまざまなものがあります。
R言語とPython
R言語とよく比較されるプログラミング言語としてPythonが挙げられます。PythonはR言語と同様に統計データ処理のために使われ、多くの統計データ処理のためのライブラリを利用できる言語です。また、R言語とは異なり汎用のプログラミング言語であるため、データの取得から解析までの一連の処理をすべてPythonでおこなうことができます。
一方で、バイオインフォマティクスや計量経済学、心理学などの特定の専門分野では、パッケージの豊富さなどから、PythonよりR言語が好まれることもあるようです。
Pythonについて詳しく知りたい方は、以下の記事をご覧ください。
Pythonエンジニアとは?仕事内容やフリーランス事情を解説
R言語の仕事内容
ビッグデータや機械学習などが大きく注目されている影響もあり、企業でもビジネス課題解決のためにR言語が使われるようになっています。求人案件でも、R言語のスキルや経験を求められる場合が増えてきました。ここではR言語を使う仕事として、データエンジニア、データアナリストとデータサイエンティスト、機械学習エンジニアについて解説します。
データエンジニア
データエンジニアは、データを分析するシステムの開発に携わる職種です。近年では高度な統計データ処理を行うシステムや、機械学習に関連したシステムの開発といった仕事が多くなっています。こうしたシステム開発に携わるデータエンジニアには、R言語などを使った統計データ処理のスキルの他、システム開発やDBMS(データベース管理システム)の管理運用などのスキルが求められます。
データアナリスト・データサイエンティスト
データアナリストとデータサイエンティストは、主に次のような役割を担います。
- ビジネス上の課題の抽出
- 課題解決に向けたデータの収集・加工・分析
- 分析結果をもとにした課題解決策の立案・提案
このうちデータの収集・加工・分析に軸足を置くのがデータアナリスト、課題の洗い出しから課題解決策の立案・提案まで広い領域を担当するのがデータサイエンティストです。ただし、企業によって定義にはばらつきがあり、業務の領域はケースバイケースと言えます。
データサイエンティストの仕事内容については、こちらの解説記事をご覧ください。
データサイエンティストとは?仕事内容やフリーランス事情を解説
機械学習エンジニア
機械学習では、ビッグデータを用いた学習によって機械が知見を獲得し、分類や認識、予測などを行います。機械学習エンジニアは、こうした機械学習システムの実装・運用・環境構築を担う仕事です。
なかでも、機械に知見を獲得させるための学習は重要で、データの収集・加工・分析といった作業が必要です。そのため、機械学習エンジニアはデータアナリストやデータサイエンティストと同じ仕事をすることも多く、また統計データ処理のスキルが求められる点も似ています。機械学習エンジニアには、統計データ処理のスキルに加え、機械学習やアルゴリズムの知識が求められるという見方もできるでしょう。
こうした点から、データアナリストやデータサイエンティストが機械学習エンジニアになるケースもあります。ただし、機械学習においては統計データ処理も含めPythonが使われることが多く、R言語が直接用いられる機会は少ないようです。
機械学習エンジニア(MLエンジニア)とは?仕事内容やフリーランス事情を解説
R言語の求人案件
2023年10月時点で、レバテックフリーランスの求人案件一覧ページには63件のR言語に関連した案件が掲載されています。データエンジニアの求人案件が多くあり、条件スキルとしては、R言語による統計データ処理のほか、RDBMS(リレーショナルデータベース管理システム)の管理スキルなどが求められるものがあります。
また、データサイエンティスト・データアナリストや機械学習エンジニアの求人案件もあり、広告やオンラインゲーム、消費者行動データの分析といった作業内容のものがあります。こちらでも、R言語による統計データ処理、RDBMSからデータを取得するSQLのスキルが求められる案件が多くなっています。
R言語の求人・案件一覧
R言語の需要
R言語の需要については、R言語だけでなく統計データ処理のスキルと合わせて考えるとよいでしょう。データアナリストやデータサイエンティストの仕事が注目されるようになった背景には、PCやスマートフォンの普及、ネットワークサービスの進化、IoTの普及などにより、ビッグデータと呼ばれる膨大なデータを企業が取得し始めたことなどがあります。
参考 : 総務省「平成29年版 情報通信白書|ビッグデータ利活用元年の到来」
その結果、さまざまな分野の企業がビッグデータを応用し、ビジネス上の課題を解決したいと考えるようになりました。たとえば、マーケティング、オンラインゲーム、自動車の自動運転、健康医療、社会インフラといった分野の企業です。こうした経緯から、統計データ処理の専門知識を持つデータアナリストやデータサイエンティストの需要が高まっています。
しかし、データサイエンティスト協会が日本国内の一般企業を対象に2021年9月に行った「データサイエンティストの採用に関するアンケート」によれば、データサイエンティストが1人以上いる国内企業は回答者のうち約21%にすぎません。
このように、十分なスキルを持ったデータアナリストやデータサイエンティストは足りておらず、人材不足が懸念されているといえます。
参考:データサイエンティストの 採用に関するアンケート|一般社団法人 データサイエンティスト協会
データサイエンティストの将来性について気になっている方は、こちらも参考にしてみてください。
データサイエンティストの将来性|AIの影響で需要がなくなるって本当?
R言語の将来性
R言語は統計データ処理用に幅広く使われているものの、機械学習などの分野ではPythonが使用される場合も増えています。また、実行速度が速く書きやすいとされる、Juliaという機械学習に適したプログラミング言語も出現しており、今後R言語やPythonに取って代わる可能性もあります。しかし、将来的にたとえ言語が代わったとしても、統計データ処理のスキル自体は一定の将来性が見込めるため、R言語のスキルを磨くことは決してマイナスにはならないでしょう。
R言語と用途が似ているPythonの将来性についてもチェックしておきましょう。
Pythonの将来性|Ruby・Javaとの比較や需要、転職のメリットを解説
R言語を使うエンジニアの年収
レバテックフリーランスにおける2023年10月時点のR言語の求人案件を見ると、1ヶ月あたりの単価は30万円から95万円ほどの範囲になり、平均単価は76万円程度です。この月額単価で12ヶ月間稼働すると、平均年収は912万円と試算できます。ただし、レバテックフリーランス案件をもとにした金額であるため、R言語を扱うエンジニア全体の平均年収を示したものでないことは留意しましょう。
Pythonエンジニアと比較をしてみると、さらに参考になるでしょう。
Pythonエンジニアの平均年収|他言語との年収比較や未経験からの入門・転職方法
R言語入門に適した学習法
R言語を学習する場合は、合わせて統計データ処理について学ぶことをおすすめします。R言語は比較的簡潔に記述できるので、統計データ処理に重点をおいて学ぶこともできるでしょう。R言語で統計データ処理を学ぶための入門書籍は多数出版されているので、そのなかから自分に合ったものを選んでください。R言語とともに統計データ処理を学んでおけば、Pythonなど他のツールで統計データを扱う場合にも活かせるでしょう。
Pythonの勉強方法について気になる方は、こちらの記事をご覧ください。
Pythonの勉強法|初心者の入門におすすめの学習方法とは?
R言語の仕事に関するよくある質問
ここでは、R言語の仕事に関するよくある質問と回答を紹介します。
Q. R言語でできることは何ですか?
R言語では、データの整理、統計データ解析、統計グラフ作成といった統計データ処理を行うことができます。
Q. R言語を扱う仕事に就職・転職を目指すにはどんなスキルが必要ですか?
統計データ処理のスキルが必要であり、そのためには数学や統計学の知識も求められるでしょう。データベースなどからデータを取得するため、合わせてDBMSやSQLの知識も求められることが多いと言えます。
Q. R言語の仕事に役立つ資格はありますか?
「基本情報技術者試験」「応用情報技術者試験」をはじめ、情報処理技術者試験の資格を取得してITエンジニアとしてのスキルを証明できれば、データエンジニアとしてシステム開発に携わる場合などに役立ちます。R言語の仕事ではDBMSを使う機会も多いため、データベースに関するスキルを証明する「データベーススペシャリスト試験」も役立つ可能性があります。
また、統計学に関する資格試験である「統計検定」は、データエンジニアやデータサイエンティストにとっても役立つでしょう。
データサイエンスにまつわる資格を知りたい方は以下の記事をご覧ください。
データサイエンティストに役立つ資格|難易度や試験内容、必要なスキルを解説
最後に
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