機械学習エンジニアの将来性|仕事内容や年収、必要なスキル、今後の需要は?

機械学習エンジニアは需要が高く、将来性が期待されている職種です。機械学習エンジニアを含め、AI人材は慢性的な人材不足が続いているとされ、今後も一定の需要が見込める仕事といえるでしょう。本記事では、そんな機械学習エンジニアの将来性と需要に加え、仕事内容や年収、求められるスキルなどを紹介します。

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目次

機械学習エンジニアとは?
機械学習エンジニアの将来性
機械学習エンジニアの需要
機械学習エンジニアの仕事内容
機械学習エンジニアの年収
機械学習エンジニアに必要なスキル
機械学習エンジニアになるための勉強方法
機械学習エンジニアの将来性に関するよくある質問

機械学習エンジニアとは?

数ある最先端のIT技術の中でも、近年最も話題に上がるのが「AI」でしょう。AIとはArtificial Intelligenceの略で「人工知能」を指す言葉です。このAIはインテリジェント機能を搭載した家電製品、iPhoneの「Siri」や「Googleアシスタント」などの音声アシスタント機能といった生活に身近なものから、コミュニケーション能力を持つロボット、自動車などの自動運転システム、ニュース原稿の自動生成、交通渋滞予測、全自動の投資アプリ、スマート農業など、あらゆる分野で活用されています。

そうしたAIの手法のひとつが「機械学習」であり、その技術を駆使するエンジニアが「機械学習エンジニア」です。機械学習は「マシーンラーニング」とも呼ばれ、人間が学習してスキルを高めていくのと同じく、コンピュータに大量のデータを処理させます。そこに潜む規則性や法則性(パターン)を覚えさせ、新たなデータに対する識別や予測を実現するものです。たとえば、コンピュータに大量のキリンとシマウマの画像を処理させ続けると、やがてコンピュータはキリンとシマウマを見分けるパターンやルールを確立します。

この機械学習のひとつに「ディープラーニング」(深層学習)というものがあります。多層のニューラルネットワークを用いるディープラーニングでは、キリンとシマウマの識別情報を人間が定義し、コンピュータに識別させなくても、学習データからコンピュータが自動的に識別のための特徴を抽出していくことが可能になります。つまり、コンピュータに何かを教えることなく、コンピュータ自身がどんな特徴を用いれば識別を行えるかを自動的に学んでいくのです。

このような機械学習技術を用いて、AIの知能向上をリードしていくのが機械学習エンジニアです。近年、急速にAIが普及していく中で、その需要は高まっています。

※参考 : 総務省|令和元年版 情報通信白書|AIに関する基本的な仕組み

関連記事 : 機械学習エンジニア(MLエンジニア)とは?仕事内容やフリーランス事情を解説

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機械学習エンジニアの将来性

機械学習エンジニアは基本的に将来性が見込まれている職種といえます。総務省発表の「令和2年版情報通信白書」にある「企業におけるIoT・AI等のシステム・サービスの導入・利用状況」のデータによると、IoT・AIなどのシステム・サービスを導入している、または導入予定の企業の割合は全体の23.9%となっており、すでに導入している企業の割合は14.1%となっています。今後、AIの進化に呼応して、この割合は伸びていくことが予想されます。

また、IoT・AIなどのシステム・サービスの導入効果に関するアンケートでは、「非常に効果があった」または「ある程度効果があった」とする回答が79.8%を占めており、導入した多くの企業に、一定以上の効果をもたらしていることが分かります。

※参考 : 総務省|令和2年版 情報通信白書|企業におけるIoT・AI等のシステム・サービスの導入・利用状況

また、「令和元年版情報通信白書」の「AIの利用が経済や雇用に与える影響」の項目には、「AIの利用は、業務の効率化や新たな商品・ビジネスモデルの開発につながることが期待されている」とあり、AIによる労働生産性の向上効果などに関する分析として、日本では2035年に労働生産性がベースライン比で34%向上するというデータが示されています。

さらに、同項では日本企業を対象にした「AI導入が進展した場合、今後3年から5年を目途に業務量が増える(減る)見込みの仕事」についての調査アンケート結果も掲載されています。その結果によると、増える見込みという回答が多かったのは「研究開発・教育関係専門職」や「調査分析・法務など事務系専門職」といった仕事でした。

一方、減る見込みという回答が多かったのは「一般事務・受付・秘書」や「総務・事務・経理等」といった間接部門の仕事や、「製造・生産工程・管理」といった製造工程の仕事でした。

※参考 : 総務省|令和元年版 情報通信白書|AIの利用が経済や雇用に与える影響

これらの調査結果を踏まえると、今後、企業でさらにAIの導入が進むことは確実であり、それを支える機械学習エンジニアのニーズも、ともに増加していくことが予想されます。

令和元年版情報通信白書では「さまざまな分野でのAI活用が進んでいく中で、『AIの民主化』という概念が広まっている」ことも紹介されています。具体的には、AIを誰もが使えるようにするという動きであり、GoogleをはじめとしたさまざまなICT企業がこの概念を掲げるようになったとされています。

※参考 : 総務省|令和元年版 情報通信白書|進む「AIの民主化」

このような流れを受け、政府によるAI人材育成の取り組みも進められています。文部科学省の「AI戦略等を踏まえたAI人材の育成について」という資料によると、教育改革の一環として、小中学校、高校、大学、社会人それぞれの年代でAI教育を実施し、デジタル社会の「読み・書き・そろばん」にあたる「数理・データサイエンス・AI」に必要な力をすべての国民が育んでいく取り組みを行っていくとしています。

※参考 : 文部科学省|AI戦略等を踏まえたAI人材の育成について

そのため、機械学習そのものの需要が増しても、機械学習に関連するスキルが特別なものではなくなくなることで「機械学習エンジニア」という職種は将来的になくなる、と指摘されることもあります。しかし、常に知識をアップデートしていく姿勢を持ったエンジニアであれば、ただちに需要が減ることは考えにくいでしょう。

関連記事 : AIエンジニアの将来性|今後需要のある仕事内容や転職に必要なスキルとは?

機械学習エンジニアの需要

機械学習エンジニアは、ITエンジニアの中でも需要が高いとされる職種です。IPA(独立行政法人情報処理推進機構)が発表した「IT人材白書2020」によると、IT企業を対象とした「2~3年前と比較して拡大した事業」のアンケート調査で、従業員規模301名以上の企業においては「IoT、ビッグデータ、AI関連サービスの開発・提供」が最も拡大しているという結果が出ています。

※参考 : IPA(独立行政法人情報処理推進機構)|IT人材白書2020

また、同書にある「DXに対応する人材の不足」に関するアンケートでは、機械学習やブロックチェーンなどの先進的なデジタル技術を扱う「先端技術エンジニア」に関して、「大幅に不足している」と答える企業が28.0%、「やや不足している」と答える企業が35.7%ありました。

さらに同書では、「AI白書2020」にあるユーザー企業におけるAI人材の不足を示すデータも紹介されており、このようなデータを踏まえると、企業の機械学習エンジニアに対する需要は高いと考えられます。

※参考 : IPA(独立行政法人情報処理推進機構)|AI白書2020

機械学習エンジニアの求人・案件数

2022年2月時点で、レバテックフリーランスに掲載されている「機械学習」の求人・案件数は78件となっています。

機械学習の求人・案件一覧

機械学習案件の職務内容の例としては以下のようなものがあります。

・コンテンツレコメンドアプリ開発における機械学習を用いた検索やレコメンドの最適化
・画像認識AIプラットフォーム開発における機械学習に関する業務
・Webサイト向けのデータ分析に関する業務(機械学習や統計モデルを用いた業務の効率化やサービスの改善プロジェクトの推進、機械学習を用いた新たなコンテンツ作成など)
・サイト内検索エンジンの機械学習に関する業務(機械学習を用いた予測モデルの構築、ユーザー利用データの分析、予測モデルを組み込んだ広告配信ロジックの構築など)


そのほかにも、生命保険会社向けAIシステム構築やオンライン英会話サービスのデータ分析、ドローンソフトウェアサービス開発など、機械学習に関連する案件は豊富にありました。

関連記事 : Pythonの求人・案件動向解説

機械学習エンジニアの仕事内容

ここでは、機械学習エンジニアの代表的な仕事3つを例に取り、それぞれの仕事内容を説明します。

機械学習アルゴリズムの実装

機械学習エンジニアの仕事のひとつは、機械学習アルゴリズムを選択、実装することです。機械学習アルゴリズムには、大きく分けて、

  • 教師あり学習
  • 教師なし学習
  • 強化学習

という3つの方法があり、それぞれに紐づくアルゴリズムが存在します。たとえば「教師あり学習」なら「回帰問題」や「分類問題」、「教師なし学習」なら「クラスタリング」や「次元削減」、「強化学習」なら「最適化問題」といった具合に、目的に応じて最適なものをチョイスし、実装を進めていきます。

機械学習基盤の構築

機械学習を活用するには、機械学習に必要なソフトウェアやハードウェアなどのリソースを用意し、それらをもとに作業基盤を整えていく必要があります。具体的には機械学習の目的に応じた学習用データの準備、機械学習モデルの作成、作成した学習モデルの適用といったプロセスがあり、これらに従って作業を行うことで機械学習を進めます。

データセットの作成

機械学習において、もうひとつ重要な要素があります。それが「データセット」です。データセットとは、コンピュータに機械学習モデルを学習させるためのデータの集まりで、機械学習の目的に応じて最適なデータセットを作成する必要があります。機械学習では、主に「トレーニングセット」「バリデーションセット」「テストセット」という3つのデータセットを用います。

トレーニングセット

最初に使用され、最も規模が大きいデータセット。機械学習アルゴリズムに処理させることで、基本となるモデルを構築します。

バリデーションセット

トレーニングセットの次に使用するデータセット。機械学習アルゴリズムを制御するパラメーターの調整を行う役目があります。

テストセット

最後に使用するデータセット。高いパフォーマンスを示すと判断されたモデルの精度をテストする目的で用います。

関連記事 : 機械学習の仕事とは

機械学習エンジニアの年収

「IT人材白書2020」では、 AIを含め先進的なデジタル技術を扱う「先端IT従事者」の年収に関するアンケートを実施しており、先端IT従事者の年収レンジとして最も割合が高いのが年収1,000~1,500万円未満(15.2%)、次いで年収600~700万円未満(13.6%)、年収700~800万円未満および年収800~900万円未満(10.8%)という結果になっています。アンケートの対象者は年収が高くなりやすい40代、50代が多い点には留意が必要ですが、いわゆる先端技術を扱う機械学習エンジニアも、年収相場は高めであると考えられます。

また、経済産業省が2021年2月に公開した「我が国におけるIT人材の動向」という資料でも、AI・データサイエンスなどに関する高いスキルを持つIT人材の報酬について触れられており、高度な知識を持つ人材には、新卒であっても年収1,000万円以上を提示している企業の例が記載されています。

※参考 : 経済産業省|我が国におけるIT人材の動向

なお、2021年3月時点でレバテックフリーランスに掲載されている機械学習の求人・案件の平均月額単価は81万円、最高単価は145万円、最低単価は30万円となっており、この単価を12ヶ月分に換算すると、機械学習エンジニアの平均年収、最高年収、最低年収は以下のようになります。

機械学習エンジニアの年収相場

参照元 : 機械学習の求人・案件一覧

平均年収(フリーランス) 996万円
最高年収 1740万円
最低年収 360万円
 

これはあくまでレバテックフリーランスの求人・案件に限ったデータですが、機械学習エンジニアの年収水準が高いことを示す1つの目安といえそうです。

関連記事 : AIエンジニアの平均年収|未経験から目指す方法や注意点、役立つ資格も紹介

機械学習エンジニアに必要なスキル

ここでは、機械学習エンジニアに必要とされるスキルの例を解説します。

プログラミングスキル

機械学習エンジニアにとってプログラミングのスキルは欠かせないものといえます。特に機械学習ではPythonを用いることが多く、求人でPythonのスキルが必須の条件として挙げられることもよくあります。Pythonは読みやすさを重視して設計された言語であり、初心者が入りやすい言語のひとつとされています。機械学習エンジニアへの第一歩として、まずはPythonの基礎を学ぶことからスタートするのもいいでしょう。

ビッグデータやクラウドを扱うためのITスキル

機械学習では大量のデータを処理したり、分析を行う場面が多々あります。したがって、SQLなどデータベースに関連するスキルも大きな武器となる可能性があります。また、最近ではAWS(Amazon Web Services)やGCP(Google Cloud Platform)、Microsoft Azureなどが機械学習基盤のクラウドサービスを提供していることから、クラウドに関する知識やスキルなども重要となるでしょう。

統計学・数学の知識

機械学習では、機械学習アルゴリズムや機械学習モデルの作成などにおいて、数学の知識が必要とされる場面が多々あります。微分積分や線形代数といった一般的な数学に加えて、統計学の知識なども役立ちます。

機械学習エンジニアになるための勉強方法

機械学習エンジニアになるためには、幅広い分野にわたり多くの勉強を行う必要があります。必要な知識を自分で学んでいく方法として、以下が挙げられます。

  • 本やWebサイトなどで独学する
  • スクールを利用して学習する

本やWebサイトでの独学は隙間時間を利用して進められるため、まとまった時間を取りにくい人におすすめです。一方スクールは、講座内容が決まっているため、どのような学習をどのように進めていけば分からない人におすすめといえます。

本やWebサイトなどで独学する

独学であることの最大のメリットは、自分の都合の良い時間に勉強が行えることです。特に現在、別の仕事に就いていて、働きながら機械学習エンジニアへの転職を考えている人にとって、勉強時間を捻出することは簡単ではないでしょう。

その点、独学なら、通勤の電車内の時間や、仕事が終わった後に空いた時間を活用して勉強を行えます。また、学生やフリーターで、プログラミングスクールに通うためのお金を捻出するのが難しいという人にもおすすめの学習方法です。

現在は機械学習に関する書籍が数多く出版されています。インターネット上でも多数の勉強の参考になるWebサイトが見つかるので、それぞれを利用して学習していきましょう。

機械学習について学習するにあたって、まずはPythonについて学ぶのがおすすめです。何から学べばいいのか分からない、やり方が分からないという場合は、オンライン学習サイトを利用するとよいでしょう。

独学のデメリットとしては、ひとりでの学習は挫折しやすいという点が挙げられます。また、自分ひとりで学習していると知識が偏りがちになり、共に学習する人がいないので現在の自分の成長が感じにくいといった点もデメリットといえるでしょう。

スクールを利用して学習する

最近では、機械学習を専門に学べるプログラミングスクールが多数存在しています。プログラミングスクールで学習する大きなメリットとして、講師という存在がいることと、共に勉強できる仲間を作れることがあります。

プログラミングスクールの講師は現役のエンジニアである場合もあり、実際の仕事現場で必要となるスキルや知識を教えてくれますし、実務経験に近い作業を体験することもできます。

講師による講義は独学での勉強と違い、必要となる知識をバランスよく得やすいでしょう。分からなかったことがあった場合にも気軽に質問できるので、そこで立ち止まるということが少なくなります。

また、同じ目標を持った仲間と一緒に学習することで効率が上がり、高いモチベーションを保てるため、挫折しにくい環境で学習することができるでしょう。

スクールに通う場合、拘束される時間と受講料がネックになる場合もあるかもしれません。しかし、最近ではオンラインで学べる比較的安価のスクールもあります。

関連記事 : Pythonの勉強法|初心者の入門におすすめの学習方法とは?

機械学習エンジニアの将来性に関するよくある質問

機械学習エンジニアの将来性に関するよくある質問と回答を以下にまとめました。

Q. 機械学習エンジニアは将来性が期待できる仕事ですか?

A. 機械学習は将来性が見込まれる技術分野であり、AIに関連するシステム・サービスを導入する企業も増加していることから、機械学習エンジニアは将来性が期待できる職種のひとつといえます。一方で、長期的には機械学習のスキルは特別なものではなくなり、機械学習エンジニアという仕事自体が存在しなくなる可能性も指摘されています。

Q. 未経験から機械学習エンジニアになるには、どのようなスキルや資格があると役立ちますか?

A. プログラミングスキルとしては機械学習で用いられることの多いプログラミング言語であるPythonのスキルが挙げられます。そのほか、ビッグデータやクラウドに関する知識とスキル、統計学・数学の知識などは仕事に役立つでしょう。機械学習エンジニアの仕事に関連する資格には、一般社団法人日本ディープラーニング協会(JDLA)のエンジニア向け認定資格である「G検定」、一般社団法人Pythonエンジニア育成推進協会の「Python3エンジニア認定試験」、AI実装検定実行委員会のAI認定資格である「AI実装検定」などがあります。

Q. 機械学習エンジニアとデータサイエンティストの違いは何ですか?

A. 実際の仕事内容は明確に区別しづらいこともありますが、一般的には機械学習エンジニアは機械学習アルゴリズムの実装やモデリングなどといった技術を駆使してAIの知能向上を図っていく仕事であるのに対し、データサイエンティストはAI・機械学習を用いて高度なデータ分析を行い、それによって得られた結果をもとに顧客の経営的課題や業務改善などを導き出す仕事という点で両者は異なるといえます。

関連記事 : データサイエンティストの将来性|需要はなくなるって本当?必要なスキルや資格

※本記事は2022年2月時点の情報を基に執筆しております。

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