機械学習エンジニア(MLエンジニア)とは?仕事内容やフリーランス事情を解説

機械学習エンジニアとは、主にシステムに機械学習を実装する役割を担う職種です。日本ではまだあまり耳馴染みがないかもしれませんが、海外では「Machine Learning Engineer」(MLエンジニア)と呼ばれる独立した職種として知られています。機械学習は昨今注目されるAI(人工知能)の手法のひとつであり、好奇心旺盛で探究心のある方に向いている仕事といえるでしょう。

この記事では、機械学習エンジニアの仕事内容や、就職・転職にあたって必要なスキルを紹介。フリーランスとして活躍するために必要なことも解説しているので、将来フリーの機械学習エンジニアを目指したい人は、参考にしてみてください。

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目次

機械学習とは?
機械学習エンジニアの仕事内容
機械学習エンジニアの年収
機械学習エンジニアに必要なスキル
機械学習エンジニアに役立つ資格
機械学習エンジニアのキャリアパス
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機械学習とは?

機械学習エンジニア(MLエンジニア)の仕事内容を解説する前に、そもそも機械学習とは何かについて、概要を説明します。

機械学習とは、コンピューター(機械)に対してデータ(入力値)を与え、適切な答えを返すように学習するアルゴリズム、ないしは処理全般を指す言葉です。データを与えて処理をかけることにより、コンピューターは適切な答えを正確に導くようになります。

総務省が発表した「令和元年版情報通信白書」にある機械学習の説明によると、機械学習には大きく分けて次の3つの種類があります。

  • (1)教師あり学習
  • (2)教師なし学習
  • (3)強化学習

※参考 : 総務省|令和元年版 情報通信白書|AIに関する基本的な仕組み

教師あり学習

教師あり学習は、あらかじめ大量のデータと答え(出力値)をコンピューターに初期データとして与えておきます。そして未知の入力値が与えられた時、初期データであるデータと答えの関係性(教師)をもとにして、予想される答えをあらかじめ与えられた初期データの中から選んでコンピューターは返します。コンピューターはデータと答えの関係性が分かっていることから、初期データは「教師」に例えられて、教師あり学習と呼ばれます。

教師なし学習

一方、教師なし学習は、正解データが与えられていない機械学習です。ビッグデータなどの解析では、与えられた入力値をコンピューターが分析して、共通項を分類・抽出したり、頻出パターンを発見したりします。

強化学習

強化学習は明確な入力値がありません。コンピューターが自ら試行錯誤を行いますが、それに対して報酬を与えることで学習させていきます。機械学習の一種である深層学習(ディープラーニング)と組み合わせた「深層強化学習」も注目されています。

以上のように、機械学習にはデータの与え方や答えの導き方によってさまざまな方法に分類されます。また、機械学習アルゴリズムには統計学や形態素解析など、高度な数学や理論が用いられることが一般的です。

機械学習エンジニアの仕事内容

機械学習エンジニア(MLエンジニア)には明確な定義がありませんが、ここでは一般的な仕事内容についてお伝えします。機械学習エンジニアの仕事は、機械学習に関する高度な知見を活かして、機械学習アルゴリズムをシステムに実装したり、機械学習アルゴリズムを設計・改善したりすることです。

機械学習アルゴリズムが使われる一例としては「チャットボット」が挙げられます。チャットボットはユーザーの質問を分析して、適切な回答、ないしは選択肢を提示します。これを繰り返して最終的にはユーザーが求める回答(正解)を返します。回答精度を高めるために、チャットボットが返した返答について人間が評価を行うことで、チャットボットシステムは賢くなっていきます。

機械学習エンジニアとデータサイエンティストの違い

機械学習エンジニアに近い職種として、データサイエンティストが挙げられます。データサイエンティストの仕事は、主にビッグデータなどの各種データを分析し、ビジネスや研究に貢献することです。

※参考 : データサイエンティスト - 職業詳細 | 職業情報提供サイト(日本版O-NET)

一般社団法人データサイエンティスト協会とIPA(独立行政法人情報処理推進機構)が取りまとめた「データサイエンティストのためのスキルチェックリスト/タスクリスト概説」では、データサイエンティストの3つのスキルセットとして「ビジネス力」「データサイエンス力」「データエンジニアリング力」が挙げられています。

※参考 : 一般社団法人データサイエンティスト協会、IPA(独立行政法人情報処理推進機構)「データサイエンティストのためのスキルチェックリスト/タスクリスト概説」

各職種の仕事内容は企業によっても異なるため、一概に違いを述べることは難しい部分がありますが、データサイエンティストは一般的に機械学習エンジニアと比べ、課題背景を理解し、ビジネス課題を整理・解決に導く「ビジネス力」がより求められる職種といえるでしょう。

関連記事 : データサイエンティストとは?仕事内容やフリーランス事情を解説

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機械学習エンジニアの年収

2021年4月時点でレバテックフリーランスに公開されている「機械学習」の求人・案件の平均月額単価は81万円、最高単価は145万円、最低単価は30万円です。この12ヶ月分を年収と考えると、機械学習エンジニアの平均年収、最高年収、最低年収は以下のように算出できます。

機械学習エンジニアの年収相場

参照元 : 機械学習の求人・案件一覧

平均年収(フリーランス) 972万円
最高年収 1740万円
最低年収 360万円


なお、これはあくまでレバテックフリーランスの求人・案件の単価相場をもとに簡易計算した金額なので、機械学習エンジニア全体の平均年収を示したデータではありません。参考程度にご認識ください。

関連記事 : 機械学習エンジニアの平均年収|海外との違いや未経験から転職後の給料相場

機械学習エンジニアに必要なスキル

機械学習エンジニアはアルゴリズム設計や、膨大なデータを扱うシステムを担当します。そのため、必要とされるスキルは多岐にわたりますが、本項では、中でも重要といえる4つのスキルについて解説します。

プログラミング言語(Python、C、C++など)の知識

機械学習アルゴリズムの実装には、PythonやC、C++が使われることが多いため、これらの言語を扱うスキルは重要になります。案件によって扱う言語が違うものの、アルゴリズムの実装においては採用される言語に最適な設計を施す必要があるため、言語に精通していることが求められます。

特にPythonは機械学習の世界ではとてもメジャーな言語で、Pythonを使った機械学習アルゴリズム、システムは多くあります。Pythonが用いられる理由として、Pythonはシンプルかつ生産性が高い言語であることが挙げられます。Pythonは機械学習アルゴリズムで頻繁に用いられる繰り返し処理や分岐処理、文字列の取り扱いなどに長けています。複雑なアルゴリズムをシンプルに記述しやすいため、プログラムの可読性が高いです。

また、Pythonは機械学習アルゴリズムのような複雑なアルゴリズム、ソースコードをシステム開発プロジェクトで共有するのに向いている言語といえます。オブジェクト指向の考えを取り入れられる点や、処理速度が速い点でも優位です。

CやC++はネイティブな言語であり、処理速度の速さが長所です。これらの言語は、コンパイラを通じて実行ファイルが作成され、OSレベルでCPUが実行ファイルの内容を直接解釈して実行します。そのため、仮想実行環境を持つほかの言語と比べて、処理速度の速いソースコードを書きやすいといえるでしょう。

システムインフラ(ネットワーク、サーバー、クラウドなど)の知識

機械学習エンジニアは、ハードウェアまで含めて処理性能を意識したアルゴリズム設計ができなければいけません。機械学習の処理効率は、ハードウェアに大きく依存します。機械学習は膨大な数の繰り返し処理や分岐処理、メモリ確保(解放)などを行うためです。

また昨今は、システムインフラをクラウド上に展開することも増えているので、AWSやGCPをはじめとしたクラウドの知識も必要になるでしょう。

データベースの知識(SQL、RDB、RDBMSなど)

機械学習では膨大なデータを扱うため、データベースの知識は必須といえます。RDB(リレーショナルデータベース)や、RDBを扱うためのSQLの知識、RDBMS(RDBを扱うソフトウェア)にも精通していることが求められます。

データベースの処理効率は機械学習の効率に直結するため、少しでも効率良くデータベースを扱えるSQL文を設計したり、データベース設計をしたりできることは、機械学習エンジニアにとって大切なスキルです。

さらに、機械学習エンジニアは、RDBMSの知識がなければ、データベースのチューニングや処理速度が速いデータベース設計はできません。一般的なシステムでは、サーバーの処理性能が高いため、データベースの処理性能を意識しなくても、処理速度の要件を満たしたシステム設計が可能です。しかし、機械学習では、採用したハードウェアの処理性能を限界まで引き出さなければならないこともあるため、データベースの処理性能も可能な限り上げていく必要があるでしょう。

高度な数学や理論の知識(微積分、形態素解析、構文解析など)

機械学習アルゴリズムでは高度数学や統計学を使うため、これらの知識は必須となります。たとえば、機械学習アルゴリズムを実装したチャットボットがユーザーの質問に対する適切な回答を導き出すには、形態素解析(自然な文章を品詞や単語などに分解する解析)や回帰分析などを使います。

必要とされる数学の知識や理論は、機械学習アルゴリズムの目的によっても変わります。そのため、機械学習エンジニアは数学、理論に精通している必要があるのです。

関連記事 : 未経験から機械学習エンジニアになるには|転職方法や求人応募に必要なスキル

機械学習エンジニアに役立つ資格

以下では、機械学習エンジニアの仕事や転職に役立つ可能性がある資格をご紹介します。AI関連の資格や、機械学習アルゴリズムに必要な統計学などの資格取得を目指すと良いでしょう。

G検定

資格名 G検定(ジェネラリスト検定)
運営 一般財団法人日本ディープラーニング協会
試験日 年3回(3月、7月、11月)
※2021年度実績
受験料 一般 : 13,200円(税込)
学生 : 5,500円(税込)
合格基準 非公開
受験資格 なし


G検定は、一般社団法人日本ディープラーニング協会が実施する試験です。G検定のGは「ジェネラリスト」の意味。取得することで、ディープラーニングの基本と、ビジネス活用するためのスキルを持っていると証明できます。

ディープラーニングは、機械学習の一種です。たとえば、色を識別するシステムの開発を例に挙げてみましょう。通常の機械学習では、教師がコンピューターへ「色」に関する情報を与えなければいけません。一方、ディープラーニングでは、コンピューター自身が識別すべきポイントを探し出します。ディープラーニングはAIの最先端分野のひとつとして注目を集めているため、本資格を取得することで、転職や案件獲得にも役立つ可能性があります。

※参考 : G検定とは - 一般社団法人日本ディープラーニング協会【公式】

E資格

資格名 E資格(エンジニア資格)
運営 一般財団法人日本ディープラーニング協会
試験日 年2回(2月、8月)
※2021年度実績
受験料 一般 : 33,000円(税込)
学生 : 22,000円(税込)
会員 : 27,500円(税込)
合格基準 非公開
受験資格 JDLA認定プログラムのいずれかを試験日の過去2年以内に修了していること
 

E資格も、一般社団法人日本ディープラーニング協会が実施する試験です。E資格のEは「エンジニア」を意味するため、エンジニア検定と呼ばれます。

E資格は、ディープラーニングの理論を理解していることと、適切な手法で実装できるスキルがあることを証明できる資格です。2020年2月から始まり、試験は年2回実施されます。

※参考 : E資格とは - 一般社団法人日本ディープラーニング協会【公式】

統計検定

資格名 統計検定
運営 一般社団法人日本統計学会(認定団体)
一般財団法人統計質保証推進協会(実施組織)
試験日 1級・準1級 : 年1回
2級・3級・4級 : 紙媒体方式は年2回、CBT方式は通年
受験料 試験ごとに異なる
合格基準 1級・準1級 : 非公開
2級・3級・4級 : 紙媒体方式は100点満点中70点以上、
CBT方式は通年2級・4級が60点以上、3級が65点以上
受験資格 なし
 

統計検定は、統計に関する知識や活用力のスキルを証明できる試験です。難易度によって4級〜1級まで分かれています。機械学習エンジニアとしてのスキルを証明するには、「統計学の活用力」について問われる準1級や、「実社会のさまざまな分野でデータ解析を活用するスキル」について問われる1級の合格を目指すのが望ましいでしょう。

機械学習や統計学の初学者は、大学基礎統計学の知識と問題解決力を証明できる2級から目指すのがおすすめと考えられます。

※参考 : 統計検定:Japan Statistical Society Certificate

関連記事 : AIエンジニアの資格|仕事や転職に必要な知識・スキルを勉強できる資格は?

機械学習エンジニアのキャリアパス

ここでは、機械学習エンジニアのキャリアパスについて解説します。

海外で活躍するエンジニア

機械学習エンジニアとして幅広く活躍するために、日本を飛び出して海外企業に転職する方法です。機械学習エンジニアという職種は、日本国内ではまだメジャーな存在とはいえないかもしれませんが、前述のとおりアメリカでは特にニーズが高い職種のひとつです。

海外で活躍できれば、高い給与を得たり、貴重なキャリアを積んだりすることが可能でしょう。

AI(最先端技術)の専門家として活躍する

機械学習をはじめ、AIに関連する技術は日夜発展を遂げています。機械学習エンジニアのキャリアを積んでいけば、AI分野の専門家として活躍できるでしょう。

また、AIの高度なスキルを持った人材を探している企業は少なくありません。特に大企業を中心に需要は高まっているため、AIの専門家を目指して機械学習エンジニアとして活躍することはキャリアアップにもつながる可能性があります。

学術系研究機関への転職

機械学習エンジニアには、アカデミックな分野への道も開かれています。機械学習の理論が数式として確立されたとしても、ソースコードに起こしたり、システムに実装したりできる人材は常に求められています。

学術系研究機関への転職は、機械学習エンジニアとして、社会に貢献できるキャリアといえるでしょう。

関連記事 : ITエンジニアのキャリアパス|向いている仕事内容は?キャリアプランの考え方

フリーランスの機械学習エンジニアとして働くには

フリーランスの機械学習エンジニアにはどうすればなれるのでしょうか。「機械学習エンジニア」というくくりでフリーランスを募集している案件だけでなく、システムの機械学習部分で活躍できるエンジニアを求める案件も、フリーランスの機械学習エンジニア向けの案件に含まれるでしょう。

プログラミングを極める

機械学習アルゴリズムを実装するには、高度なプログラミングスキルが必要とされます。よって、フリーランスを目指す人は、プログラミングを極める意識を持って現在の業務や自己研鑽に努めましょう。

高度な数学やPythonなどのライブラリを理解、習得する

すでに解説した通り、機械学習では高度な数学が使われるため、機械学習アルゴリズムの実装にはPythonの科学計算ライブラリが活用されます。ライブラリを使いこなすためには、ただ単にライブラリの使い方を覚えるだけでは足りません。そのライブラリがどのような仕組みで動いているのか、本当に効率良い処理をしているのかなど、ライブラリについての深い理解が必要です。

また、ライブラリはすでにある数学や技術を実装したものです。最先端の技術やシステムに最適な処理を実装するには、システムに必要かつ最適なライブラリの作成を求められることもあるでしょう。

AI関連企業やビッグデータ処理を扱う企業で実績を積む

フリーランスの機械学習エンジニアとして認められるための近道は、AI関連企業やビッグデータ処理を扱う企業で実績を積むことです。

個人で機械学習によるシステムを実装・提供するには限界がありますが、企業には個人に比べれば潤沢な予算があるため、スキル磨きに集中しやすいでしょう。今後フリーランスの機械学習エンジニアを目指したい人は、一定期間企業に勤めて、スキルアップを図るのが有効です。
 

最後に

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※相場算出に個人情報の取得はおこないません。

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