フリーランスが請求書に記載すべき項目や作成時の注意点を解説

フリーランスとしてはじめて請求書を送るときは、どんなフォーマットにするのが一般的か不安に思うでしょう。企業によって提出方法はさまざまですが、必要な項目はある程度決まっています。

この記事では、請求書の作成方法に自信がない方に向けて、請求書に盛り込む項目や書き方の注意点をお伝えします。疑問に思う人が多い消費税や源泉徴収の記載方法もまとめたので、ぜひ参考にしてください。

目次

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請求書に記載すべき項目とは?書き方を解説

請求書に必ず記載しなければならない項目は、国税庁の「請求書等の記載事項や発行のしかた」にて、以下の5つに定められています。

  • 1.書類作成者の氏名または名称
  • 2.取引年月日
  • 3.取引内容(軽減税率の対象品目である旨)
  • 4.税率ごとに区分して合計した税込対価の額
  • 5.書類の交付を受ける事業者の氏名または名称

このほか、自分や取引先がわかりやすくなるよう、別途項目を追加しても問題ありません。一般的なフリーランスが採用している記載項目や書き方について、詳しい内容を確認していきましょう。

宛先(請求先)

請求書を提出する取引先の名前を記載します。企業であれば「御中」、個人であれば「様」の敬称を使いましょう。

たとえば、企業宛てに請求書を送る場合は、「◯◯株式会社 御中」と記し、部署名も含める場合は、「◯◯株式会社 △△部署 御中」と書きます。宛名が企業名や部署名に続き、個人名で終わるときには、「◯◯株式会社 (個人名)様」と表記してください。

なお、「御中」と「様」を併記することはありません。宛先に迷ったときは、取引先に確認しましょう。

請求者(書類作成者)の情報

請求者(発行者)であるフリーランス自身の氏名や住所、連絡先を記載します。請求書への捺印は、法的にはなくても問題ありません。ただし、取引先の社内規定で捺印が必要な場合は、規定に従い捺印しましょう。

請求日(取引年月日)・入金期限

個人宛の場合には請求書を発行した日を請求日として、企業宛の場合は請求先の締め日を記載するのが一般的です。

請求書を発行した日を請求日と締め日にどちらにするかは、事前に取引先に聞いておくとよいでしょう。締め日は20日、月末など企業によって異なるので、分からないときは勝手に判断せず、必ず取引先に確認するようにしてください。

また、支払いの期限についても記載しておきます。契約時に取り決めた期限を記すのが一般的ですが、入金は取引先の都合も関係してくるため、一方的には決められません。こちらも事前に入金可能日を確認しておきましょう。

品番・品目・単価・数量など取引内容の詳細と合計金額

請求書には、業務の内容や成果物の数量・商品一つあたりの単価・業務内容ごとの合計金額(数量×単価)の小計を記載します。

同書類内で複数の業務内容がある場合は通し番号として「No.1」など「品番」をふっておくと分かりやすいです。業務の内容は「品目」という名称を使います。なお、単価や金額は税抜きで記載しましょう。

消費税

小計をもとに、かかった消費税額を計算し記載します。以下の例のように、請求書の金額を税抜きと税込みの両方で示します

税抜金額: 1,000,000円
消費税(10%): 100,000円
合計金額: 1,100,000円

また、請求書の冒頭に「消費税額は別途記載」といった文言を加えると、受取側にとって分かりやすくなるでしょう。

請求合計額

小計に消費税を足した額が請求金額です。この請求金額が取引先に支払ってもらう合計金額となるため、業務内容に抜け漏れや間違いがないか、計算をミスしていないかなどよく確認のうえ記載しましょう。

請求金額に誤りがあることに気づいた場合、提出前であれば再度書き直します。信用に関わるので、二重線と訂正印での対応は避けましょう。

万が一、提出後に間違いが判明した際には早急に取引先に連絡を入れ、正しい内容の請求書を提出してください。「再発行」といったスタンプを押しておくと、最新の請求書であると明確に判断できます。送付の場合には、謝罪の書面も同封してください。

振込先

金融機関名、支店名、口座番号、口座名義など、入金先となる金融機関情報を記載します。振込先名義は漢字のほか、フリガナをふっておくと親切です。

振込先は、プライベートの金融機関と分けておくのがおすすめ。収支の管理や確定申告の際に行う帳簿付けに影響が出てくるためです。

振込先口座について詳しく知りたい方は、以下の記事をご覧ください。
個人事業主が口座を分けないとどうなる?事業用口座のメリットや手続きも解説

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フリーランスが請求書を作成する際の注意点

フリーランスが請求書を作成する際に知っておくとよいポイントをまとめました。実際に作成する前に確認しておきましょう。

請求書番号を導入するか検討する

請求書番号とは、取引内容の確認をしやすくするために請求書ごとにつける番号のこと。請求書番号の記載は必須ではありませんが、取引先から再発行を依頼されたり、確認が必要になったりしたときは、該当の請求書を特定しやすくなるメリットがあります。

請求書番号の振り方に決まりはないので、自分が管理しやすい番号を割り振れば問題はありません。番号の決め方は、桁数は大きめにしておき、重複しないように割り振っていきます。たとえば、頭3ケタは取引先コード、下4ケタは請求書の発行順に割り振っておけば、後で検索するときに探しやすいでしょう。

具体的には、「A社の取引コードは001、B社の取引コードは002」と決めていき、A社と最初の取引を行った際の請求書番号は、「001-0001」とします。

源泉徴収される場合は金額を明記する

源泉徴収は会社員だけに関わる制度ではなく、フリーランスや個人事業主も対象となります。

そもそも源泉徴収とは、報酬や給与などの支払いを行う者が、支払う際に税金(所得税)を差し引いた金額を支払う制度のことです。差し引かれた税金は、支払者が代わって国に納める仕組み。フリーランスの源泉徴収に関する対応は企業によって異なり、源泉徴収を行っていない企業もあるため、源泉徴収額を差し引くかどうかは請求書の発行前に確認しましょう。

源泉徴収の対象となる報酬・料金は、以下のとおりです。

  • 原稿料や講演料
  • 弁護士や公認会計士、司法書士など特定の資格を持つ人に支払う報酬、料金
  • 社会保険診療報酬支払基金が支払う診療報酬
  • プロ野球選手やサッカー選手、テニス選手、モデル、外交員などに支払う報酬、料金
  • 芸能プロダクションを営む個人や芸能人に支払う報酬、料金
  • バンケットホステスやコンパニオン、ホステスなどに支払う報酬、料金
  • ロ野球選手の契約金など、役務の提供を約することにより一時に支払うもの
  • 広告宣伝のための賞金や、馬主に支払う競馬の賞金

これらの報酬・料金に対する源泉徴収は、以下の式で計算します。

  • 支払金額が100万円以下:支払金額 × 10.21%
  • 支払金額が100万円超:( 支払金額 − 100万円)× 20.42% + 102,100円

源泉徴収がある案件を受注した際の注意点について詳しく知りたい方は、以下の記事をご覧ください。
源泉徴収票(支払調書)は発行義務がない?フリーランスが知るべき源泉徴収の仕組み

参照:源泉徴収が必要な報酬・料金等とは|国税庁

振込手数料は事前に確認する

支払者と請求者のどちらが振込手数料を負担するかは、請求書を発行する前に確認しておきましょう。一般的には、支払者が振込手数料を負担することが多いですが、請求者が負担する場合もあります。

請求者のフリーランスが振込手数料を負担する場合には、振込手数料を差し引いた金額を請求します。契約書に振込手数料をどちらが負担するのかについて書かれていることもあるので、内容をチェックしてください。また、支払期日を記載しておくと支払い漏れを防ぎやすくなります。

契約書を作成する際のポイントを詳しく知りたい方は、以下の記事をご覧ください。
業務委託を初めて受けるときに知っておきたいこと。契約書の注意点は?

封筒に「請求書在中」と書く

ダイレクトメールと間違えて破棄されないように、請求書を入れた封筒には「請求書在中」と記載すると良いでしょう。縦向きの封筒の場合は左下に、横向きの封筒の場合は右下に記載します。

「請求書在中」のスタンプも市販されており、使用しても問題ないとされているため、フリーランスとして活動するなら、持っておくと省力化につながるでしょう。

請求書はメールやFAXだけでよい場合もある

請求書の送付方法は請求先の企業によって異なり、請求書原本の郵送が必要な場合もあれば、メールやFAXだけでOKという場合もあります。原本の提出を求めない企業もあるので、この辺りのルールについては事前に確認しておきましょう。

メールで取引先へ請求書をデータで送付する場合には、改ざんを防ぐためにPDFで送るのがマナーです。ExcelやWordで請求書を作成したら、必ずPDFに変換してから送りましょう。

押印の必要有無について確認する

法律上は、双方の合意があれば口頭で請求を行うことができます。そのため、請求書なしで請求を行うことも可能であり、請求書に押印がなくても法律上の問題はありません。

ただ、トラブルを避けるために請求書の発行や押印を義務付けている企業は多いです。「PDFで送付する場合も押印が必要か」「電子印鑑が使えるかどうか」なども企業によって異なるため、前もって確認しておく必要があります。

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フリーランスが請求書を作成するメリット

フリーランスとして活動するうえで提出は必須ではないものの、作成するとさまざまな場面で役立つ請求書。具体的にどういった効果があるのか解説します。

金銭トラブルが防止できる

繰り返しになりますが、請求書の作成には、取引先との金銭トラブルを防止する意味があります。請求書には、業務や成果物に対する金額、支払い期限、振込先などの情報を記載するので、フリーランス側と取引先の双方が支払いについての認識を共有することが可能。トラブルが発生しそうな際にも証明となるため、入金処理がスムーズになるでしょう。

納税額を算出するときの帳簿付けに役立つ

フリーランスとして活動した際、年間所得が48万円以上になると確定申告をする義務が発生します。確定申告時に行う所得の申告時には、収入額の証明として請求書を使うことが可能です。

納税額を算出する際には帳簿をつけますが、請求書を利用すれば作業が楽になるでしょう。

確定申告について詳しく知りたい方は、以下の記事をご覧ください。
フリーランスは確定申告が必要?メリットや必要な手続きを解説

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請求書作成や手続きを簡単に済ませる方法

フリーランスとして活動を始めたばかりで、「請求書をはじめとする書類作成や手続きがよく分からない」という方はいませんか?もし、調べてみても手続き・やり取りに自信がないのであれば、レバテックフリーランスを利用して案件を受注してはいかがでしょうか。

レバテックフリーランスが提案する案件に参画いただいた場合、作業報告書と請求書の作成・送信を行えるツールを利用して簡単に書類作成を行えます。また、見積書・業務委託契約書などをご自分で一から作成する必要はありません。

レバテックフリーランスでは、手続きや契約についてのご不明点や、実際にどんな案件があるかなどをアドバイスいたします。ITフリーランスとしてこれから活動を始めたい方も歓迎しているので、お気軽にご相談ください。

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フリーランスの請求書を手書きで作る際の注意点

フリーランスの請求書は手書きでも作成可能ですが、正確性や効率性の面でいくつかの注意点があります。特に、請求ミスや取引先とのトラブルを防ぐため、以下の点を意識して作成することが重要です。

まず、記載内容の正確性を確保することが最優先です。以下の情報において誤字脱字や記載漏れがあると、支払い遅延に繋がる可能性があります。

  • 宛名(取引先名)
  • 請求金額
  • 振込先情報など

また、控えを必ず保存するようにしましょう。手書きの請求書はデジタル管理が難しいため、コピーを取る、写真を撮るなどして記録を残すことが大切です。万が一紛失した場合や、取引先からの問い合わせがあった際にすぐに対応できます。

さらに、電子帳簿保存法への対応も考慮する必要があります。手書きで請求書を作成する場合でも、PDF化して保管するなど、デジタル対応の準備をしておくとよいでしょう。

※本記事は2025年2月時点の情報を基に執筆しております。

最後に

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※相場算出に個人情報の取得はおこないません。

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